ネオ・ジオン

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ネオ・ジオン(Neo Zeon)とは、『機動戦士ガンダムΖΖ』『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』等に登場する軍事組織。

また、アクシズとしての組織もここで説明する。

概要

一年戦争におけるジオン軍残党としては最大の戦力を保有し、火星木星との間にあるアステロイドベルト「アクシズ」を本拠地とする。地球から最も離れたジオン勢力だったため、地球連邦政府の監視や地球連邦軍による残党狩りの影響を受けずにいた。「ジオン公国」の後継組織の1つであり、至尊に戴くミネバ・ラオ・ザビを「女王」と称する事はあるものの、「ネオ・ジオン公国」という名称はまず使われていない。

最初の指導者はマハラジャ・カーン、『0083』『Ζガンダム』『ガンダムΖΖ』時はハマーン・カーン、『逆襲のシャア』時はシャア・アズナブルが率いる。このマハラジャとシャアは結成当時から幹部でもあった。

他にも、小説OVA漫画機動戦士ガンダムUC』シリーズや、漫画『ジョニー・ライデンの帰還』『ダブルフェイク アンダー・ザ・ガンダム』『機動戦士vs伝説巨神 逆襲のギガンティス(全てSRW未参戦)』等、『ガンダムΖΖ』『逆襲のシャア』のスピンオフ作品群に登場する。また、残党が『機動戦士ガンダム F90』や『機動戦士ガンダム シルエットフォーミュラ91(SRW未参戦)』にも登場する。

このように同名の軍事組織が多数存在するために、一見紛らわしく感じてしまう。しかし、各作品それぞれの指導者や組織理念が異なるので、実質的には別組織と考えても差し支えが無い。

デラーズ紛争

宇宙世紀0083年頃に同じジオン組織デラーズ・フリート蜂起の際に中立宣言して支援。アナベル・ガトーノイエ・ジールの寄与、デラーズ・フリートに協力した兵の回収作業、地球圏で発達していた各種軍事技術(ガンダム開発計画)の入手のみに留まった。

グリプス戦役

宇宙世紀0087年頃。地球連邦軍勢力のエゥーゴティターンズとの内乱に乗じてアクシズと共に帰還。当初は互いのエゥーゴとティターンズに同盟を結びつつも、距離を置いて主力艦隊などを温存。グリプス2コロニーレーザー)を巡る戦いでは両者との同盟を破棄し、漁夫の利を狙って攻撃を開始した。しかし、双方からの反撃で旗艦グワダンを沈められるなど想定外の損耗を強いられ、一時的な撤退に追い込まれている。

第1次ネオ・ジオン抗争

宇宙世紀0088年頃。 グリプス戦役で地球連邦軍勢力のエゥーゴとティターンズが互いに消耗したため、その隙にサイド3のジオン共和国や更に本来戦うべき相手のティターンズの残存部隊や残党の一部やエゥーゴのジオン軍人の勢力を吸収、アクシズをネオ・ジオンとして改名した。ただし、他作品に登場する同名の軍事組織と区別するために、一部資料ではアクシズ軍もしくはハマーン・ジオンと呼ばれることもある。

スペースコロニーを平定、地球連邦政府首都ダカール占拠、ダブリンのコロニー落としによるサイド3の譲渡とすべてが上手く行ったが、グレミー・トトの内乱で弱体化。ハマーンの戦死、ミネバ自身が影武者であった為に自然消滅という形で、エゥーゴに制圧される。

ハマーン・カーン
首魁。
ミネバ・ラオ・ザビ
マシュマー・セロ
キャラ・スーン
グレミー・トト
エルピー・プル
プルツー
ラカン・ダカラン
ゴットン・ゴー
イリア・パゾム
後に宇宙世紀0090年のカラード事件にて、レウルーラの艦長を務める。
オウギュスト・ギダン
アリアス・モマ

第2次ネオ・ジオン抗争

宇宙世紀0093年。グリプス戦役で行方不明となっていたクワトロ・バジーナが、その正体であるシャア・アズナブルの姿で表舞台に登場。彼の指揮の下でネオ・ジオンは再び軍事力を整え、スペースコロニースウィートウォーター」を占拠して、その拠点とした。

ハマーン・ジオンの残存戦力を吸収してはいるものの、反ザビ家を明確に掲げており、実質的にハマーン・ジオンとは別組織と言える。このため多くのスペースノイドの支持を得る事に成功した。また、勢力名はハマーン・ジオンと区別するために、一部資料では『新生ネオ・ジオン』とも呼ばれている。

シャア・アズナブル率いるネオ・ジオン軍は「地球寒冷化作戦」と称してフィフス・ルナを当時の地球連邦政府首都ラサに落下させる。次に裏取引や偽装降伏を経てアクシズを奪取し、地球への隕石落としを決行するが、ロンド・ベルの熾烈な抵抗により失敗。総帥であるシャアが行方不明となり、またこの作戦で戦力を使い果たした事により、大幅に弱体化した。

もっとも、勢力としては決して大きくはなく、レウルーラ級宇宙戦艦一隻にムサカ級巡洋艦十四隻で、もし連邦が端から本気で潰しにかかっていれば、勝負にはならなかっただろう。しかし、連邦に強い注意を向けられないようにするため、敢えてシャアが大きな軍勢にしなかった可能性もある。

シャア・アズナブル
首魁。
ナナイ・ミゲル
クェス・パラヤ
ロンデニオンで、シャアと出会ってから参加した。なお、スパロボでは最初からネオ・ジオンに所属している場合がある(シリーズによって)。
ギュネイ・ガス
レズン・シュナイダー

ラプラス戦争時

宇宙世紀0096年頃には既に、フル・フロンタルを首魁とした残党軍が『袖付き』と呼ばれていた。詳細は「袖付き」を参照。

他作品の関連人物

アナベル・ガトー
ゼクス・マーキス
カーンズ
ザイデル・ラッソ
ランスロー・ダーウェル
シャギア・フロスト
オルバ・フロスト
マリーメイア・クシュリナーダ
デキム・バートン
張五飛
エニル・エル
デスピニス
シーマ・ガラハウ

登場作品

宇宙世紀ガンダムシリーズがシナリオ化される作品の多くで敵に据えられる勢力であり、ハマーン軍とシャア軍の双方と戦う作品もある。

SRWのプレイ上では原作以上に質・量とも充実した敵勢力と言ってよく、強力なモビルスーツモビルアーマーが揃っている。ハマーンやシャアが敵に回った際には特に強力なボスと化し、自軍を大いに苦しめてくる。

αシリーズ

スーパーロボット大戦α
本作ではギレンが存命の為、組織名としてはネオ・ジオンであるが、彼が当然にトップの座に就いている。後半はギレン派とハマーン率いるアクシズ派に別れ、さらにギレン派は選択次第でキシリアにギレンが暗殺されてしまい、キシリアがギレン派を受け継いでSDFと和解する展開となる[1]
第2次スーパーロボット大戦α
シャア率いるネオ・ジオンとハマーン率いるネオ・ジオンが双方とも存在。ハマーンと敵対する選択を選ぶと双方のネオ・ジオン軍の連合に加え、木星帝国も交えて地球に落下するアクシズを舞台とした一大決戦となる(第3次αではこれが公式設定)。なお、シャア側のネオ・ジオンの母体はαで和解したキシリアの戦力であるとハマーンが発言している。

Zシリーズ

スーパーロボット大戦Z
アクシズのまま(劇場版Ζガンダム設定)で登場。
第3次スーパーロボット大戦Z時獄篇
序盤はハマーンが代表を務め、サイド3に拠点を置く国家として地球連邦政府に参加していたが、後にシャアの総帥就任と同時に戦時条約を締結した上で離反。ジオン系勢力の寄り合い所帯という意味では袖付き(ガンダムUC)に近いものの、アクシズ時代の戦力が健在であり、また総帥を務めるシャアを筆頭とした新生ネオ・ジオン(逆襲のシャア)のメンバーも参加しているため、残党軍というよりは、かつてのジオン軍同様に連邦と正面から戦えるほどの組織といえる。
反面、首脳陣であるシャア、ハマーン、フロンタルの思惑が完全に食い違っており、またギュネイアンジェロがそれぞれの派閥の違いから反目し合うなど『UC』原作とは違う形で寄り合い所帯としての弊害が現れている。
第3次スーパーロボット大戦Z天獄篇
シャアが離脱したためにフロンタルの元で統一され、更にクロノ改革派の歴史とレイを利用してプラントの協力を得る。しかし内部ではシャア派の兵士が依然として存在しており、彼らやハマーン、プラントの離脱により勢力として弱体化。最終的にはフロンタル派も箱をめぐる戦いの中で消滅し、戦後はすべての武力を放棄しハマーンの元で政治組織となった。

COMPACTシリーズ

スーパーロボット大戦COMPACT
ギレン・ザビおよびキシリア・ザビが何者かに暗殺されて混乱するジオン公国をハマーン・カーンが再編した。名目上のトップはミネバ・ラオ・ザビだが、彼女は名前だけしか登場せず、劇中ではハマーンが組織を運営していた。ハマーンの死亡後は、生き残ったグレミーが率いた。
スーパーロボット大戦IMPACT
敵組織の一つとして登場。

携帯機シリーズ

スーパーロボット大戦AA PORTABLE
ティターンズとの抗争後に引きこもり状態の模様。星の屑作戦を失敗させられたアナベル・ガトーらが落ち延びてくる。
スーパーロボット大戦R
タイムスリップ前は第2次ネオ・ジオン抗争のメンバーである。タイムスリップ後は第1次ネオ・ジオン抗争のメンバーに加え、マリーメイア軍張五飛、『機動新世紀ガンダムX』の宇宙革命軍フロスト兄弟なども加わっている。トロワ・バートンはスパイとして潜入していた。
エンディングでは主人公の行動によって歴史が変わったため、民主的なコロニー連合国家となり、シャアはキャスバルとして大統領に就任したことが明らかになる。
スーパーロボット大戦D
シャア、ギュネイ、クェスにゼクス・マーキスを加えたメンバーでアクシズ落としを敢行する。しかし、地球消失により作戦が失敗するという緊急事態が発生し、アムロやブライト達ロンド・ベルのメンバーを加えたうえで、OZリガ・ミリティアノヴァンブル条約を締結し、ブルー・スウェアを結成する。説得無しでレズンとナナイ以外の第2次ネオ・ジオン抗争メンバーを使える唯一の作品。あまり描写はされないが、上層部がこういう状態なため、本作では一般兵であるネオ・ジオン兵も基本的に味方である。なお『D』世界前史においてはゼントラーディとの戦いの後に一年戦争が勃発しており(アムロが劇中で「俺は戦後生まれ」と発言している)、ネオ・ジオンには帰化ゼントランが多く参加している事がゼクスによって言及されている。
スーパーロボット大戦BX
UC』が参戦している為、「袖付き」が登場する。連邦のみならずヴェイガンからも攻撃され、過去にコロニーを破壊される等の多大な被害を受けた事が語られており、非常に財政的に苦しい立場に立たされている為、GAIL傭兵に身をやつし、蜂起した時にその時分使っていた機体や装備を持参してきた者もいる。

VXT三部作

スーパーロボット大戦V
フロンタルを首魁として登場。第1・2次ネオ・ジオン抗争が終了済の設定であるため、シャアやハマーンは登場しないが、ロンメルやラカンといった一部キャラが生き延びた設定で登場する。
本作の設定では一年戦争が早乙女の反乱セカンドインパクトという、二つの天災により半ば中断に近い形で終結したため、ザビ家が滅んだ以外はジオンの戦力が本来の歴史と異なり維持されている。その結果グリプス戦役二つの紛争が電撃作戦による首脳陣の撃破になり、戦力のバランスがネオ・ジオン側に偏っている事になっている。そういったことがあるからか「袖付き」とは呼ばれない。
一方で、ナナイ・ミゲルミネバ・ラオ・ザビらに代表されるネオ・ジオン内の穏健派は、戦争終結の為に「スペースノイドとアースノイドの戦いを止めるもの」として伝承されていたラプラスの箱を由来として、組織「ラプラス」を結成、戦争の終結方法を探索していた。
最後はフロンタルが健在なまま連邦と和平を結び、地球艦隊・天駆の出航を合同艦隊でアシストしたものの、地球への憎しみを捨てられなかった一部の兵がガミラスに降っている。
スーパーロボット大戦X
戦争の世界において、クロスボーン・バンガードと同盟してアクシズ落としを遂行していた。
スーパーロボット大戦T
ハマーンを首魁とする『ΖΖ』設定で登場。グレミーの反乱も再現されるが、グレミーが倒された後は入れ替わるようにシャアのネオ・ジオンが台頭し、二つのネオ・ジオンが争いを繰り広げることになる。
終盤はルート選択によって若干展開が異なるが、最終的に両ネオ・ジオンの戦力は統合され、T3に打倒される。

単独作品

新スーパーロボット大戦
『逆襲のシャア』準拠のネオ・ジオンが存在。バルマー帝国に協力する。
スーパーロボット大戦64
まずは『Ζガンダム』準拠のアクシズとして登場。サイド3を制圧完了後にネオ・ジオンと名乗る予定だったが、その前にグレミーが反乱を起こしてしまい最後までアクシズのまま。終盤でシャアがアクシズとホワイトファングの残党を纏めてネオ・ジオンを結成する。
スーパーロボット大戦MX
既に壊滅している設定。リアル系第1話はネオ・ジオン打倒の帰路が舞台である。
スーパーロボット大戦GCXO
序盤の一年戦争の展開がア・バオア・クー攻略前で終わり、ギレン・ザビが生存しているので、ジオン軍の一部としてハマーンらが登場する。
スーパーロボット大戦Operation Extend
一年戦争真っ最中のジオン軍が健在な内から結成されており、実質名義が違うだけでジオン軍の一部、といった位置付けである。しかし、建前上は別組織であるという立場を利用してジオン軍と停戦中の地球連邦軍やコネクト・フォースに戦闘行為を仕掛け、戦局をジオン公国に優位にしようと活動している。
スーパーロボット大戦X-Ω
出番は主に期間限定イベントとユニットクエストに偏っている。イベントではグレミーがハマーンに叛旗を翻す内容が多い。変わり種としては、2018年12月の『起死回生のシャア』において、エゥーゴを見限ったシャアとカミーユが行動を共にしたまま、ハマーンとは別の勢力基盤を整えていた。
スーパーロボット大戦DD
用語辞典では『逆襲のシャア』扱い。ハマーンとシャアの双方の軍勢が存在するようだ。『UC』の人物や機体も登場しているが、ガランシェール隊がハマーンの命令下で行動していたり、ダグザがシャア相手にオードリーを人質にとったりと、フロンタルがいるのかは不明。

関連作品

リアルロボット戦線
ハマーンがウルス第3のタンデを本拠地に組織した。
なおカミーユはハマーンを「(自分のいた世界で)ネオジオンを組織した女」と呼んでいたが、彼はシロッコと一度戦った段階で転写されたため、このセリフは実はNGである。

保有兵器

デラーズ紛争

第1次ネオ・ジオン抗争

第2次ネオ・ジオン抗争

関連技術

ファンネル
サイコフレーム

関連組織

袖付き
宇宙世紀0096年頃(機動戦士ガンダムUC)の反地球連邦組織。
大規模な被害を与えたため、地球連邦政府は「袖付き」をネオ・ジオンの系譜に連なる組織であると重く受け止めた。また、連邦政府高官のジョン・バウアーを中心に宇宙世紀0096年に起きた「ラプラス戦争」を「第3次ネオ・ジオン抗争」と認定する動きまで出ている。

脚注

  1. αシリーズではキシリアとの和解が公式であるが、α外伝第2次αの間で決裂したらしく、第2次αの時点では死亡したらしい。

資料リンク