スーパーロボット大戦IMPACT

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スーパーロボット大戦IMPACT
原作 スーパーロボット大戦COMPACT2
開発元 トーセ
発売元 バンプレスト
対応機種 PlayStation 2
プロデューサー 森住惣一郎
じっぱひとからげ
菊池博
寺田貴信
シナリオ 森住惣一郎
川上登美雄
水谷正和
キャラクターデザイン 河野さち子
メカニックデザイン 斉藤和衛
森野健一郎
音楽 湯村渉
岡田さとる
大島しひろ
西さくらこ
佐々木一郎
官永津
発売日 2002年3月28日
価格 7,980円
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スーパーロボット大戦IMPACT』は「スーパーロボット大戦シリーズ」のゲーム作品。

概要[編集 | ソースを編集]

スパロボシリーズ初のPlayStation 2用タイトルで、ワンダースワンでリリースされた『スーパーロボット大戦COMPACT2』3部作(以下『C2』)を統合したリメイク作品[1]

参戦作品が追加された関係で一部シナリオに修正が行われているものの大筋は『C2』とほぼ変わらない。他方、テキスト量は増えたためシナリオ自体のボリュームは増している。『C2』同様3部構成で、1部と2部は同一時系列。全99+2話。

システム[編集 | ソースを編集]

フリーオーダーシナリオシステムスキルコーディネイトシステムなどは『C2』から引き続き採用。

他方、主人公の名称変更が不可能となり、ワンダースワンの機能に依存したパーソナルデータテーブルシステムも不採用としている。

新システム[編集 | ソースを編集]

同時援護攻撃
援護ユニットと同時に攻撃を仕掛ける。発動には本作から新登場した特殊技能「統率」を所持しているパイロットが必要。
戦艦援護
母艦専用の援護システム。そのマップに出撃させなかったユニットが戦艦から飛び出し援護を行う。

既存システムと変更点[編集 | ソースを編集]

特殊技能の変更点
援護の発動用技能が援護攻撃援護防御へと分けられた。
新規技能には前述の「統率」の他、「起死回生」「がんばり屋」「頑固一徹」「予知能力」などが追加。
スキルコーディネイトシステムの変更点
スキルの種類が増えた。規定ターンクリアだけでなく、特定マップ上で条件を満たすことでも特殊技能を入手可能となった。また全体的に入手に必要なクリアターンが1ターン短くなり、より早解きが重要になった。
シールド防御の変更点
盾装備機体には「シールド耐久力」のパラメータが存在し、またシールド防御にはレベルごとの軽減値が設定されている。耐久力の強化は機体改造で行う。
シールド防御の軽減値以内であればシールド防御発動時に被ダメージを0にすることが可能だが、軽減値ちょうどか、それを超えたダメージを受けた場合は耐久力が-1され、0になるとシールド防御が発動しなくなる。
軽減系バリアと併用した場合、バリアによるダメージ軽減処理が先に行われ残りのダメージがシールド防御で処理される[2]
精神コマンドの変更点
新コマンドとして誘爆が追加。
シナリオ再構成に関わる仕様変更
前述の通り、参戦作品の追加と3部作をひと纏めとする関係でシナリオは再構成され、第1部からスタートしその後第2部・第3部を順次プレイしていく方式となる(第2部からプレイすることは不可能)。
第1部と第2部は同一時系列となっている関係上、第1部で得た資金や強化パーツは第2部へは引き継がれず第3部開始時に合算される。
また、シナリオの再構成の影響で、パイロットと機体の加入・離脱に変化が生じた。明確に影響がある人物と機体を下記に列記する。
  • コン・バトラーチーム:『C2』では第1部を引き継がなかった場合、第2部のシーン5終盤に加入し、第3部で宇宙組として合流するが、本作では地上組固定。
  • 万丈&ダイターン3:『C2』では第1部シーン4の終わりにエルシャンクと共に宇宙へ上がり、第2部シーン5で宇宙組と合流するが、本作では第1部シーン5が終わると離脱。直後のイベントで宇宙へ向かう。
  • グレンダイザー・アフロダイA&フリード兄妹:『C2』では終始宇宙にいるが、本作では第1部シーン4地上ルートにて一時的に加入するように変更され、その関係で第2部シーン4の冒頭にて離脱する。第1部ではその後、万丈の代わりにエルシャンクと共に宇宙へ上がる。また、『C2』では当初乗る機体が無かったマリアの乗機としてアフロダイAが設定され、アフロダイに乗っていたさやかは最初からダイアナンAに搭乗している。
  • 飛影:『C2』ではジョウの飛影搭乗(=飛影の正式加入)は第3部最終盤であったが、本作では第3部シーン3マーズ編と加入タイミングが前倒しにされた。
その他『COMPACT2』からの変更点および今作の独自点
  • 合体攻撃が追加。COMPACTシリーズ初の実装となった。
  • 熟練度が追加。
  • 資金の周回引き継ぎが可能となった。ただし引き継げるのはクリア時点における所持分のみである上に、本作の仕様上第1部にしか引き継げない。
  • 3つのシナリオが1つのソフトに収録された関係でシナリオに使う容量が膨大となり、容量節約のために全シナリオでユニットパラメータが共有されるようになった。これにより、第1部・第2部双方に登場するユニットは第1部の内に機体改造を行っていると第2部でも改造された状態で登場するため、第1部で得た資金を機体改造という形で第2部へ持ち越すことが可能。また、この仕様は隠し要素条件と第2部の熟練度獲得条件に関わっている[3]
  • パイロットのデータも基本的には共有されるが、第1部にも第2部にも登場するパイロットの中で時系列別に加入離脱などを繰り返すパイロットには個別のデータが設定されている。ナデシコ組やダンガイオーチームが該当し、特に後者は最終的に第1部のステータスを引き継ぐため、第2部における育成が反映されない点に注意を要する。

難易度[編集 | ソースを編集]

前述の通り、シリーズでも一、二を争う難易度を誇る作品として知られる。また後述するが、第1部第1話の難易度は今日においても語り草となっている。

高難度化の主な要因として、

  • 全体的に抑えられた与・被ダメージ。
  • 撤退するボスや熟練度条件の厳しさにより、序盤から機体・武器改造が必須。
  • 回避運動性が抑えられたことによる被弾率の高さ。
  • 第3部からのCPUルーチンの一変。

などが挙げられる。敵ユニットの多さと単純な自軍の火力不足により、全体的にスーパー系が有利。スパロボでおなじみの禁じ手・全滅プレイをしないとクリアしにくいステージまである。ただ、無理に熟練度を取ろうとしたり、強力なボスを倒そうとしなければ、『スーパーロボット大戦F』辺りよりは易しいとも言える。

評価[編集 | ソースを編集]

PS2初のスパロボということで期待が寄せられた本作であったが、「初心者向けのバランス。人気のあったシステム(援護など)を採用」という公式の売り文句に反した高難易度とピーキーなゲームバランスにより結果的に『スーパーロボット大戦α』からシリーズに触れた新規プレイヤーを裏切る結果となった。

逆を返せば、システムを熟知さえすれば確実に求めた結果を得られる「ハマる人間はとことんハマれる」バランスにもなっており、『α』以降の良く言えばユーザーフレンドリーな、悪く言えばヌルいゲームバランスのスパロボ作品に物足りなさを感じるヘビーなスパロボファンには今もって愛されている作品となっている。

ただし、それらコアなファンにも『C2』のリリース時系列を一直線につなげただけの捻りのないシナリオアレンジや、セーブ・ロードの遅さ、3Dマップが見辛い等といったストレス要素の多さは不満点として挙げられている。歯応えのあるゲームバランスはそのままに、ロード時間と細部を調整したリファイン版を望む声は大きい。

話題[編集 | ソースを編集]

  • α外伝』において一部のユニットにみられた、ユニット・武器改造によるパラメータ逆転現象が本作でも見られ、V-UPユニットの存在もあってそれは一層顕著なものとなっている(良く挙げられる例としてはコアブースターボチューンG-3ガンダムなど)。
  • α』の頃からニュータイプ・オールドタイプ間の格差は少しずつ改善されているが、本作では寧ろオールドタイプの方が使い勝手が良いという逆転現象が発生している。特にファースト~Z間のOVA3作のパイロット(バーナード・ワイズマンシロー・アマダノリス・パッカードコウ・ウラキサウス・バニング等)に顕著。能力に従来作ほどの差がない点に加え、援護攻撃能力の圧倒的な差や修得の有無がポイント。
  • キャラ同士の交流はファミリーネームや「~君」で互いを呼び合うものになっており、他のシリーズと比べると人間関係に若干、距離感を措いているような印象も受ける。
  • 3つのソフトを1まとめにしただけあってシナリオは非常に長く、普通にクリアするだけでも99話、隠しシナリオまで加えると101話もの大ボリュームとなっている。なお開発中にこの問題は寺田Pから指摘されていたが、森住惣一郎氏は「携帯機作品を繋げただけだから大丈夫」と思ったらしい。
    • その弊害か、『C2』では後のステージで決着を付ける展開だった一部の敵ネームドキャラが、リメイクによるシナリオ変更等の結果、生死不明のままフェードアウトするというやや消化不良な展開も起きている。
  • キャラクター事典ロボット大図鑑の説明が簡素。『α』『α外伝』で登場していたキャラ・ロボットはそれらの説明が流用されているため、見比べてみると顕著。後に『スーパーロボット大戦MX』にも登場したキャラ・ロボットの説明は一新されている事から(『α』『α外伝』のものは続けて流用)、スタッフも認識していたようである。また、これは『MX』も同じだが、他の作品と違って一部例外を除き、五十音順で並んでいる。
  • 戦闘シーンにおいて、パイロットのバストアップが大きく表示されるが、ユニットのほうが基本的にパイロット画像側に引いて動く戦闘アニメであるものが多く、パイロット画像で戦闘アニメが隠れてしまい見づらいという弊害もある。特にブルー・ジェットロッド・ドリルは頭が上に大きく伸びた姿である(画面端がほとんど隠れてしまう)上、ユニットが小さめなので、パイロット画像でほとんど隠れてしまいやすい。
  • 環望氏によるコミカライズ作品『スーパーロボット大戦IMPACTコミック 衝撃騎士団』が『スーパーロボットマガジン』で連載された。
  • 没データの一つとして、ダイターン3ザンボット3合体攻撃の「コンビネーションクラッシュ」が存在していた。この技の音声を破嵐万丈役の鈴置洋孝氏が生前収録していた事が、本作発売から6年後(鈴置氏の死去から2年後)の2008年6月19日に発売された『スーパーロボット大戦A PORTABLE』にて、初めて声付きで披露された事で明らかとなった。

登場作品[編集 | ソースを編集]

新規参戦はなし。C2三部作に『機動武闘伝Gガンダム』『機動戦艦ナデシコ』を加えたラインナップとなっている。

他、『超獣機神ダンクーガOVA』のシナリオが再現され、「劇場版マジンガーシリーズ」の機体が登場。『C2』に隠しで登場した『New Story of Aura Battler DUNBINE』の機体は本作では登場しない。その他リメイク前とは隠しユニットを中心に違いがある。単純に追加されたものも多い。

世界観[編集 | ソースを編集]

世界観/IMPACT」を参照。

バンプレストオリジナル[編集 | ソースを編集]

登場人物[編集 | ソースを編集]

主人公[編集 | ソースを編集]

キョウスケ・ナンブ
エクセレン・ブロウニング

アインスト[編集 | ソースを編集]

アインスト・アルフィミィ
ノイ・レジセイア

アインスト・アルフィミィは本作初登場。

登場メカ[編集 | ソースを編集]

主人公機[編集 | ソースを編集]

アルトアイゼン
アルトアイゼン・リーゼ
ヴァイスリッター
ライン・ヴァイスリッター

アインスト[編集 | ソースを編集]

アインストクノッヘン
アインストグリート
アインストゲミュート
アインストアイゼン
アインストレジセイア
ペルゼイン・リヒカイト
ノイ・レジセイア

アインストアイゼン、ペルゼイン・リヒカイトは本作初登場。

用語[編集 | ソースを編集]

アインスト
本作のオリジナル敵勢力。
第1話
恐らくスパロボ史上一番でこの先覆らないであろう凶悪な1話。出撃位置の周囲がで囲まれていて、こちらの攻撃は効きにくい上に、水中からゴッグがメガ粒子砲を援護込みで乱射してくるという初心者殺しな内容で、シールドを持ったノリスまでいる。おまけに味方の大半がモビルスーツな為、空も飛べず移動すらままならないという極悪さ。3Dマップの見難さ、簡易戦闘演出の長さなども相まって多くのプレイヤーがこの先に不安を抱く。
なお、こんな味方(というかプレイヤー)のピンチにも拘わらずゲッター3は不在。独壇場を逃したとファンの間では語り草になっている。
なお、後に『スーパーロボット大戦生誕25周年記念「生スパロボチャンネル」』にて森住惣一郎氏が実況プレイを行ったがユニットをとにかく海へと突っ込ませてゴッグに苦戦していた。
据え置きのスパロボでは「愛」の効果が味方ユニット全機のHP全回復だったのは本作が最後である。本作では上述の様に、回復系精神の使用が前提となっており、使えるパイロットにとってはそれが長所として扱われている。いざと言う時は「愛」を使わざるを得なくなる局面も発生する様に調整されており、下手をすれば、第1話からシローの「愛」が飛ぶ。最後の最後に戦術の肝、ある意味では最重要精神コマンドとして扱われているとも見る事ができ、これは有終の美と言って差し支えないだろう。

ゲーム中データ[編集 | ソースを編集]

分類 記事
全話一覧 全話一覧/IMPACT
隠し要素 隠し要素/IMPACT
精神コマンド 精神コマンド/IMPACT
強化パーツ 強化パーツ/IMPACT
特殊能力 特殊能力/IMPACT
特殊技能 特殊技能/IMPACT
メカ&キャラクターリスト メカ&キャラクターリスト/IMPACT

余談[編集 | ソースを編集]

  • 各篇の英名は、地上激動篇が「Earth Crisis」。宇宙激震篇が「Cosmo Quake」。
  • 元々本作誕生のきっかけは、『第2次スーパーロボット大戦α』の開発が遅れる最中、大変だから絶対通らないだろうと踏んで寺田貴信氏がCOMPACT2三部作の移植を提案したら本当に企画が通ってしまったこと。提案した寺田氏すら驚く事態になってしまい、寺田氏は森住惣一郎氏に謝罪している[4]
  • 本作の発売日は2002年3月28日だが、その1週間前である3月21日は『サクラ大戦4 ~恋せよ乙女~』の発売日だった。最新作の発売日が近いという以外にも多くの共通点があった事から、2002年3月29日発売の『ドリマガ』4月12日増刊号では2作品の発売記念として、スパロボの寺田貴信氏と『サクラ大戦』の寺田貴治氏の特別対談が組まれた。『X-Ω』や『30』で『サクラ』のスパロボ参戦が発表された際にも、当時の対談が引き合いに出されている[5][6]

脚注[編集 | ソースを編集]

  1. バンダイナムコゲームス『スーパーロボット大戦シリーズ生誕20周年記念特製ブックレット』16頁。
  2. ただし、本作ではバリア系とシールド防御を同士に持った味方ユニットはほぼ存在しないため、同時併用には強化パーツが必要。
  3. 前者の隠し要素はダンクーガの武装の早期解放に関係し、後者は第2部には第1部時点で武器改造を行っていなければ熟練度の獲得が不可能なマップが存在する。
  4. 2022年6月12日の寺田氏のtwitter、同日閲覧。
  5. 『スパロボ』×『サクラ大戦』実現までの軌跡【『スパクロ』インタビュー】、ファミ通App(2017年3月8日)、2021年4月23日閲覧。
  6. 『スーパーロボット大戦30』DLCで『サクラ大戦』シリーズ参戦決定! 体験版の配信も本日より開始、ファミ通.com(2021年10月15日)、2021年10月15日閲覧。

商品情報[編集 | ソースを編集]