強化人間

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強化人間とは、ガンダムシリーズの内、『機動戦士ガンダム』を始めとする宇宙世紀シリーズに登場する概念。

概要[編集 | ソースを編集]

宇宙世紀における一年戦争後、地球連邦軍ジオン公国双方で開発された人工的なニュータイプ。一年戦争におけるニュータイプの戦果は目覚しいものがあり、それに対応した兵器群も開発されていった。しかし、兵器を運用するに当って問題となるのが「パイロット」である。ニュータイプ兵器が発達しても、パイロットが運用できないのでは意味がない。そのため、兵器に順応するパイロットを「開発」したものが強化人間と呼ばれるものである。なおパイロットの開発自体は一年戦争の時点で既に行われており、戦後はニュータイプ兵器への順応が開発目標に加えられたという方が正確なようだ。

その他のガンダムシリーズにおける類似した存在として、ブーステッドマン生体CPU)、エクステンデッド人工ニュータイプ超兵などがある。物語の設定上多少の違いはあるが、似通った特徴を持つ。詳細は各項目を参照。

実際に対象に行われる処置としては大きく分けて

精神操作
記憶操作や心理操作による感応能力の付与ないしは上昇、戦闘衝動の付与によるパイロット適性の上昇。
肉体改造
薬物投与や人工物の移植による肉体強度の上昇。

の2つが存在する。

作品としては『機動戦士Ζガンダム』から登場し、ティターンズの強化人間として、フォウ・ムラサメロザミア・バダムゲーツ・キャパなどが登場している。『機動戦士ガンダムΖΖ』でも、ネオ・ジオン軍にマシュマー・セロキャラ・スーンなど多数の強化人間が登場しているが、やはり精神は安定していない。むしろ『Ζガンダム』時より情緒不安定かもしれない。

また、『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』ではギュネイ・ガス、『機動戦士ガンダムUC』ではマリーダ・クルスフル・フロンタルが登場。技術の向上か、情緒面はかなり安定していた。『機動戦士ガンダムNT』ではゾルタン・アッカネンが登場する。更に30年後の『機動戦士ガンダム F91』のカロッゾ・ロナは肉体強化によりほとんどサイボーグインプラント)と化している。

本来はオールドタイプをニュータイプ兵器を操作できるようにした人間を「強化人間」と呼ぶが、元々ニュータイプであった人間に対して先述のような処置を行うケースもあり、エルピー・プルプルツーマリーダ・クルスクェス・パラヤなどがそれに当たる。作品によってはニュータイプの片鱗がある人間を集めた上で処置をしているような描写もある(そもそも強化処置を行う施設は「ニュータイプ研究所」である)。メディアでの扱いはまちまちであるがクェス以外は基本的には「強化人間」として扱われる事が多い。SRWではプルのみニュータイプと強化人間が混在しているが、それ以外は「強化人間」とされている。

ちなみに、強化人間となったパイロットはほぼ確実に死亡している。(外伝などでは生き延びている強化人間も少数だが存在する。)

なお『機動戦士Vガンダム』のカテジナ・ルースは、小説版においては強化人間にされたと明言されている。(情緒面では、彼女は素で不安定だった気もするが。)その小説版では最終的に戦死しており、確証が無いTV版では生き延びている事も、上記の不文律を強調する一材と言えるかもしれない。ただし記憶と視力を失い死んだも同然になったという意味では強化人間のフラグを踏んでしまっていたともいえるが…。

一般的なサイエンス・フィクション作品では、「人工的に手を加えられて強化された人間」のことを「強化人間」と呼ぶ。例を挙げるとボトムズシリーズにおけるパーフェクトソルジャーなどである。

スパロボシリーズにおいて[編集 | ソースを編集]

ゲーム中では、ニュータイプとほぼ同じか若干低い能力を持ち、命中回避率とファンネル系武器の射程が上昇する。ファンネル系など一部武器の使用条件でもある。 『F』や『COMPACT』等では、補正値がパイロット能力命中回避にそのまま加算され表示される為、強化人間パイロットは機体の限界反応がすぐに赤くなってしまう。

第4次スーパーロボット大戦S[編集 | ソースを編集]

ニュータイプ同様、MS系パイロットがニュータイプ用武器を使用出来る技能。

新スーパーロボット大戦[編集 | ソースを編集]

ニュータイプ同様、命中・回避に+5の補正が付くようになったが、本作でこの技能を所有しているのは敵キャラのみ。

スーパーロボット大戦F / スーパーロボット大戦F 完結編[編集 | ソースを編集]

レベル制になり、パイロットの命中・回避・ファンネルの射程に補正が入るようになった。もっとも補正が凶悪だった時代。本作ではニュータイプと同等の補正。

『F完結編』への移行時に大幅な弱体化がなされているように見えるが、『F』の間は敵味方ともに強化人間が存在しないため、実際のプレイにおける影響は全く無い。

レベル 命中・回避補正 ファンネル射程
F F完 F F完
1 +10 +10 0 0
2 +15 +15 0 0
3 +20 +20 +1 0
4 +25 +25 +1 0
5 +30 +30 +2 0
6 +35 +35 +2 0
7 +40 +38 +3 +1
8 +45 +40 +3 +1
9 +50 +43 +4 +2

スーパーロボット大戦コンプリートボックス[編集 | ソースを編集]

本作ではニュータイプと同等の補正。

レベル 命中・回避補正 ファンネル射程
1 +3 +1
2 +6 +1
3 +9 +1
4 +12 +1
5 +15 +2
6 +18 +2
7 +21 +2
8 +24 +2
9 +30 +3

スーパーロボット大戦α[編集 | ソースを編集]

レベル 命中・回避補正 ファンネル射程
1 0 0
2 +3% 0
3 +8% 0
4 +13% 0
5 +18% 0
6 +23% 0
7 +28% 0
8 +28% +1
9 +30% +1

スーパーロボット大戦α外伝[編集 | ソースを編集]

レベル9達成者は不在。実際の回避補正は各種媒体での表記の2倍。

レベル 命中・回避補正 実質回避補正 ファンネル射程
1 0 0 0
2 +3% +6% 0
3 +8% +16% 0
4 +13% +26% 0
5 +18% +36% 0
6 +23% +46% 0
7 +28% +56% 0
8 +30% +60% +1
9 +32% +64% +1

スーパーロボット大戦COMPACT[編集 | ソースを編集]

  • 本作ではニュータイプと同等の補正
レベル 命中・回避補正 ファンネル射程
1 +10 0
2 +15 0
3 +20 0
4 +25 0
5 +30 0
6 +35 0
7 +40 +1
8 +45 +1
9 +50 +2

スーパーロボット大戦COMPACT2[編集 | ソースを編集]

  • 本作ではニュータイプと同等の補正
レベル 命中・回避補正 ファンネル射程
1 +10 0
2 +15 0
3 +20 0
4 +25 0
5 +30 0
6 +35 0
7 +38 +1
8 +40 +1
9 +43 +2

スーパーロボット大戦R[編集 | ソースを編集]

技能所持者は撃ち落としが『技能Lv/14』の確率で発生するようになり、切り払いの発生率が『技能Lv/16』になる。シールド防御の発生率が『技能Lv/18』になる。敵の場合は、発生確率が計算値から更に半減する。

レベル 命中・回避補正 ファンネル射程
1 0 0
2 +3% 0
3 +8% 0
4 +13% 0
5 +18% 0
6 +23% 0
7 +28% 0
8 +30% +1
9 +33% +1

スーパーロボット大戦D[編集 | ソースを編集]

技能所持者は撃ち落としの発生率+8%、切り払いの発生率+3%。ただし、シールド防御の発生率補正がなくなる。

レベル 命中・回避補正 ファンネル射程
1 0 0
2 +3% 0
3 +8% 0
4 +13% 0
5 +18% 0
6 +20% 0
7 +23% +1
8 +25% +1
9 +28% +1

スーパーロボット大戦GCXO[編集 | ソースを編集]

  • 従来と比べても補正がかなり小さい。またGCではバグでファンネル系武器の射程が延びない。
レベル 命中・回避補正 ファンネル射程
1 +2 0
2 +4 0
3 +6 0
4 +8 0
5 +10 0
6 +12 0
7 +14 +1
8 +16 +1
9 +18 +1

スーパーロボット大戦Z[編集 | ソースを編集]

本作でもニュータイプよりやや効果が抑えられている。ファンネル射程も最大で+1。

レベル 命中・回避補正 ファンネル射程
1 +0 0
2 +4 0
3 +8 0
4 +12 0
5 +15 0
6 +20 0
7 +20 +1
8 +25 +1
9 +30 +1

スーパーロボット大戦Vスーパーロボット大戦Xスーパーロボット大戦T[編集 | ソースを編集]

L5のみZシリーズと補正値が異なっている。

『V』『X』では、一部機体のカスタムボーナスである『NTレベルに応じて、NT専用武器の攻撃力アップ』の適用外で、ファンネルなどのNT専用武器の射程延長効果のみ適用される。これは最新バージョンでも修正されていない。

このカスタムボーナスを持つ乗り換え可能な機体が、『V』では最強武器がアムロ専用のνガンダムだけなので実害はほぼ無いが、『X』ではHi-νガンダムサザビーナイチンゲールといった主力級の機体が加わる一方で、『V』に参戦していたΞガンダムペーネロペーバンシィ・ノルンといった機体が無い為、実害が大きい。プルツーマシュマーの乗機を同等の攻撃力を持つ機体に絞るとなると、途端に選択肢が減ってしまう。

『T』では、一部機体のカスタムボーナスである『NTレベルに応じて、NT専用武器の攻撃力アップ』の適用外であるだけでなく、ファンネルなどのNT専用武器の射程延長効果も無く、あくまで『使えるだけ』という仕様だった。そのため、十全に扱える機体を選ぶのが非常に難しかった。

こちらは現在(ver1.04)では改善されており、命中・回避補正こそ劣るものの、NT専用武器の射程延長効果や、『NTレベルに応じて、NT専用武器の攻撃力アップ』というカスタムボーナスに関しては、ニュータイプと同様の扱いになった為、機体選びが飛躍的に容易になった。なお、レベル9達成者は不在。


レベル 命中・回避補正 ファンネル射程
1 +0 0
2 +4 0
3 +8 0
4 +12 0
5 +16 0
6 +20 0
7 +20 +1
8 +24 +1
9 +24 +1

スーパーロボット大戦Y[編集 | ソースを編集]

命中回避補正が最終値に変更された。 また、サイコミュ系武器の攻撃力も上昇する効果が追加。 ただし、補正量自体はかなり抑えめにされている。

レベル 最終命中・最終回避補正 ファンネル射程 サイコミュ武器威力
1
2
3
4
5
6
7
8
9 +20 +1 +500

主なパイロット[編集 | ソースを編集]

劇中強敵が多い事も有り、大抵の作品でレベルが7~8に達する事が多い。

フォウ・ムラサメ
『Z』に登場。
第3次Z』では、エースボーナスの効果によってニュータイプになる。
ロザミア・バダム
『Z』に登場。映像作品に登場した最初の強化人間。
ゲーツ・キャパ
『Z』に登場。
エルピー・プル
『ZZ』に登場。正確にはニュータイプであるとされる。
SRWでは登場するほぼ全ての作品でニュータイプと設定されているが、一部作品では強化人間である。
プルツー
『ZZ』に登場。
マシュマー・セロ
『ZZ』に登場。
キャラ・スーン
『ZZ』に登場。
プルクローン
『ZZ』に登場。文字通りエルピー・プルのクローンたち。ただしプル本人もクローンだとする説もある。
外伝作品ではプル以外のクローンも登場しており、「ニュータイプのクローン」を先天的にニュータイプ能力を付与できる第3の強化処置とみなすこともある。
なおニュータイプ能力は必ずしもオリジナルと同等になるわけではなく、基準に満たなかったので強化処置を重ねて後天的に強化された者もいる。
ギュネイ・ガス
『CCA』に登場。
フル・フロンタル
『UC』に登場。
V』では、エースボーナスの効果によってニュータイプになる。
アンジェロ・ザウパー
『UC』に登場。
本来は強化人間ではないのだが、『BX』では何故か強化人間技能を所持(恐らくはローゼン・ズールサイコフレームを機能させるためだと思われる)。
マリーダ・クルス
『UC』に登場。
ゾルタン・アッカネン
『NT』に登場。
カロッゾ・ロナ
『F91』に登場。
カテジナ・ルース
『V』に登場。
作中でそれらしき描写はあるものの、強化人間であるとは明言されていない。
ファラ・グリフォン
『V』に登場。
カテジナ同様、描写はあるが強化人間とは明言されていない。
バイオ脳
『クロスボーン・ガンダム』シリーズに登場。『V』で所持。「人間」ですらない存在が有したレアケースである。しかしアマクサのそれはアムロ・レイ(の戦闘データ)のコピーという設定だけあり序盤でLV5、最大LV9という高水準を誇る。
遡って『第2次α』のクラックス・ドゥガチのバイオ脳たちはコピーとしての演出も含まれてか、本人共にニュータイプ名義だった。

また、ギルガザムネ搭乗のギガノス兵や、バンプレストオリジナルラミア・ラヴレス(GBA版『A』のみ)がこの技能を持っている事もある。

関連用語[編集 | ソースを編集]

ニュータイプ / ニュータイプ (X)
強化人間は普通の人間をこれらに近づけるために開発された技術である。
オールドタイプ
ニュータイプ能力を持たない人間であり、強化人間の開発元。
人工ニュータイプ
機動新世紀ガンダムX』における強化人間。
カテゴリーF
『機動新世紀ガンダムX』に登場する、ニュータイプとは別系統の能力。
ブーステッドマン
機動戦士ガンダムSEED』に登場する強化人間。
エクステンデッド
機動戦士ガンダムSEED DESTINY』に登場する強化人間。上記ブーステッドマン共々「生体CPU」とも呼称される。
ソキウス
機動戦士ガンダムSEED ASTRAY』に登場する強化人間。マインドコントロールが施された戦闘用コーディネイターであり、グゥド・ヴェイアのクローンでもある。
超兵
機動戦士ガンダム00』に登場する強化人間。
強化人士
機動戦士ガンダム 水星の魔女』に登場。他のシリーズの強化人間とは異なり、肉体機能の強化はGUND-ARMへの適合≒データストームへの耐性程度。
パーフェクトソルジャー
ボトムズシリーズ』における強化人間的存在。
もっとも、登場したのはこちらが先(『機動戦士Ζガンダム』放送より約2年前)なので、厳密には「強化人間の元ネタ」或いは「先駆け」である。
ブーステッド・チルドレン
『OG』版強化人間。
サイボーグインプラント
肉体改造技術の一つ。
サイエンス・フィクション作品ではブレイン・マシン・インターフェースを動かす(脳波コントロールする)ために改造されることがあり、強化人間的存在といえる。特に同じガンダムシリーズの阿頼耶識は孤児に処置を行うという点でも似通っている。
クローンデザイナーベビー
望んだ能力を持つ人間を作る技術の一つ。
戦闘能力を持たされれば戦うために作られたという意味で強化人間と同じであり、それゆえか死亡する確率が高いのも強化人間と同じ。

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