機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ
| 機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ | |
|---|---|
| 読み | きどうせんしガンダム せんこうのハサウェイ |
| 外国語表記 | Mobile Suit Gundam Hathaway |
| 著者 | 富野由悠季 |
| 挿絵 | 美樹本晴彦 |
| メカニックデザイン | 森木靖泰 |
| 出版社 | 角川書店 |
| レーベル | 角川スニーカー文庫 |
| 発表期間 | 1989年 - 1990年 |
| 巻数 | 全3巻 |
| シリーズ | |
| 前作 | 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン |
| 初登場SRW | スーパーロボット大戦V |
『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』は富野由悠季著作の小説作品。
概要[編集 | ソースを編集]
1989年から1990年にかけて富野由悠季監督によって執筆された小説オリジナルの宇宙世紀ガンダムシリーズ作品。その名の通り、ハサウェイ・ノアを主人公とした作品で、略称は『閃ハサ』。
当初は媒体が小説であったため、知名度は低くコアなファンが知っている程度の作品だったが、『機動戦士クロスボーン・ガンダム』と共にゲーム『SDガンダム GジェネレーションF』に参戦したのをきっかけに知名度が上昇。以降は様々なゲームに登場するようになる。その後、2018年の『機動戦士ガンダムNT』公開と共にアニメ化が発表され、2021年よりガンダムシリーズ40周年記念の劇場用作品三部作として順次公開。また、2023年には『機動戦士ガンダム サンダーボルト』(SRW未参戦)、『機動戦士ガンダムNT』と共に地上波用に再編集された「TVエディション」が放送された。
小説版は『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』の小説である『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン』の続編に相当する作品であり、設定[1]もそちらから引き継いでいる。一方、劇場版は『逆襲のシャア』からの続編として製作されており、設定もそちらに準拠したものへと変更されている[2]他、映像化に際して追加・変更された描写も存在している。
本作のメカニックは森木靖泰氏、キャラクターデザイン及び挿絵は美樹本晴彦氏が担当。両氏は劇場版には参加していないが、「原案」としてクレジットされている[3]。
メカニックおよびキャラクターデザインが小説版、Gジェネ、劇場版とで異なっているのが特徴で、特にキャラクターデザインに関してはGジェネ版と劇場版で変化が激しく、キャスティングも一新されている。スーパーロボット大戦Vに参戦した際のキャラクター・メカニックデザインもGジェネ版に準拠している。
登場人物[編集 | ソースを編集]
スパロボ毎の登場人物一覧については以下を参照して下さい。
主要人物[編集 | ソースを編集]
- ハサウェイ・ノア(マフティー・ナビーユ・エリン)
- 主人公。シャア・アズナブルの起こした「シャアの反乱」で心に傷を負い、それを癒やす最中に彼の思想に共感し、政府高官を狙ったモビルスーツを使ったテロ行為に参加する。
- ギギ・アンダルシア(SRW未登場)
- ヒロイン。大保険会社の創業者の愛人で、ハサウェイの正体を見抜く鋭い感性を持った女性。
- ケネス・スレッグ(SRW未登場)
- マフティーの撲滅を主任務とするキルケー部隊の指揮官。ハサウェイのライバルにして、もう一人の主人公的な存在。
マフティー[編集 | ソースを編集]
- イラム・マサム
- ハサウェイの参謀役で、彼の理解者。支掩艦ヴァリアントの副長も務める。
- ケリア・デース
- ハサウェイの恋人。元々はハサウェイのカウンセリングを行っていた主治医であったが、ハサウェイを追ってマフティーに参加した。
- エメラルダ・ズービン
- マフティーに所属する女性パイロット。
- ガウマン・ノビル
- マフティーに所属するパイロット。元連邦軍人。
- レイモンド・ケイン
- マフティーに所属するパイロット。エメラルダとは恋人同士の仲。
- シベット・アンハーン
- マフティーに所属するパイロット。
- ブリンクス・ウェッジ
- 支掩艦ヴァリアントの艦長。劇場版では常に上半身裸で艦内を歩き回る姿で印象を残す。
- クワック・サルヴァー
- マフティーという組織を作り上げた黒幕。クワック・サルヴァーというのは偽名で、「インチキ医者」を意味するコードネームとなっている。元々は連邦軍の高官であったとされ、マフティーの用いる拠点の用意やアナハイムへの兵器発注など様々な手腕を発揮するが、その正体は不明。
地球連邦軍[編集 | ソースを編集]
- レーン・エイム
- キルケー部隊に所属する中尉。ペーネロペーのパイロット。
- キンバレー・ヘイマン
- ケネスの前任の指揮官。左遷を目前に少しでも功績をあげるためオエンベリで虐殺行為を行ってしまう。
- ブライト・ノア
- ハサウェイの父。『逆襲のシャア』と『UC』に引き続いてラー・カイラムの艦長を務める。
オエンベリ軍[編集 | ソースを編集]
- ファビオ・リベラ
- オエンベリ軍の指導者。マフティーの理念に共感して私設軍隊を設立する。
- ハイジャッカー
- 宇宙から地球へ向かうハウンゼンを制圧したハイジャック犯。活動資金を得るために政府高官を人質に連邦政府に身代金を要求するが、ハサウェイとケネスによって制圧され、それによってハサウェイがギギ、ケネスと知り合う切っ掛けを作る。
その他[編集 | ソースを編集]
- ハンドリー・ヨクサン
- マン・ハンターを従える刑事警察機構の長官。
- ミライ・ノア
- ハサウェイの母。
- カーディアス・バウンデンウッデン
- ギギのパトロン。大保険会社の創業者であり、齢80を越える老人。
- クェス・パラヤ
- ハサウェイの初恋の女性。既に故人だが、ハサウェイの夢の中で彼に語りかける。
- アムロ・レイ
- 劇場版のみ登場。思惟となってハサウェイに語りかける。
登場メカ[編集 | ソースを編集]
スパロボ毎の登場メカ一覧については以下を参照して下さい。
マフティー[編集 | ソースを編集]
- Ξガンダム
- ハサウェイの乗機となるガンダム。機体に装備したミノフスキークラフトにより、大気圏内での高い機動戦を可能としている。
- メッサー(SRW未登場)
- マフティーの主力量産型モビルスーツで、ジオン軍の設計思想を色濃く残した機体。
- ギャルセゾン(SRW未登場)
- マフティーが移動拠点としても運用するサブフライトシステム。機体両脇にメガ粒子砲を備える。
地球連邦軍[編集 | ソースを編集]
- ペーネロペー
- レーンの搭乗機体。大出力のミノフスキークラフトを装備しており、大気圏内のモビルスーツの運用を一変させる機種として期待されている。
- グスタフ・カール(SRW未登場)
- キンバレー部隊の主力量産型モビルスーツで、ジムやジェガンなどの設計思想の延長線上に位置する汎用型。
- ケッサリア(SRW未登場)
- 連邦軍で運用されているサブフライトシステム。
戦艦・その他[編集 | ソースを編集]
- ラー・カイラム
- 本作では第13独立艦隊の旗艦。ビーム・バリアーを装備して地球に降下した。
- ヴァリアント(SRW未登場)
- マフティーのMS運用支掩艦。鉱物運搬船を改装してMS運用能力が付与されている水上船。同様の支掩艦としてシーラックがある。
用語[編集 | ソースを編集]
- マフティー・ナビーユ・エリン
- 反地球連邦政府を掲げるテロ組織。地球環境の保全と再生をうたい、連邦政府に対して全人類の宇宙移民を実行するよう要求している。ハサウェイが表向きのリーダーを演じているが、実際にはアナハイム・エレクトロニクスと繋がりを持つクワック・サルヴァーが組織の後ろ盾となっている。
- キルケー部隊
- 連邦軍ダバオ基地に所属する対マフティー部隊。元々はダバオ基地司令のキンバレー・ヘイマンが指揮する「キンバレー部隊」であったが、ケネスの基地司令赴任と共にギリシア神話の女神に準えて改名された。
- マフティー動乱
- 本作の舞台となる宇宙世紀0105年に勃発したハサウェイ率いるマフティーと地球連邦軍との間の武力闘争。
- アデレード
- オーストラリアの南部に位置する都市。地球連邦政府の会議が開かれるが、そこで議論される「地球帰還に関する特例法案」が特権階級による地球の独占を生むとして、マフティーの攻撃目標となる。
- マン・ハンター
- 地球に居座る不法居住者を摘発し、宇宙への強制送還を行う刑事警察機構の下部組織。実際には不法居住者のみならず、正式な居住権を持った一般市民すらも拉致して宇宙へ送る他、その活動によって数万人もの死傷者が出ていることから、「人狩り」の悪名で呼ばれている。
- オエンベリ軍
- オーストラリア北部の都市オエンベリでファビオ・リベラが結成した、3万人からなる私設軍隊。マフティーとは連携を取っている訳ではなく独自の行動を取っていたが、後に協力関係を築く。ハサウェイがケネス、ギギと知り合う切っ掛けを作ったハイジャック事件も彼らの一派によるもの。
楽曲[編集 | ソースを編集]
曲名は『機動戦士ガンダム エクストリームバーサス シリーズ』に参戦した際に付けられたもの。
- 「その名はマフティー・ナビーユ・エリン」
- ゲーム作品において使用されるBGM。『GジェネレーションF』が初出。『V』にて採用。
- 疾走感の中に悲壮さが混じった曲調は「原作の雰囲気とマッチしている」として人気は高い。
- 『閃光のハサウェイ』が登場するガンダムゲームではほぼ確実に使われており、現在でもΞガンダム&マフティーのテーマ曲として完全に定着している。
- 「連邦軍戦闘BGM(曲名不明)」
- 連邦軍戦闘BGM。『GジェネレーションF』が初出で、この頃の連邦軍の体制を表したような不穏な雰囲気の曲調が特徴。
- 曲名が決まっていないため、便宜上「キルケー部隊(キルケーユニット)」と呼称される事がある。
- ゲームによっては下記の「レーン・エイムのテーマ」が採用されることがあるため、Gジェネレーションシリーズにおけるペーネロペー&レーンのテーマ曲として定着している。
- 「強襲」
- マフティー汎用戦闘BGM。『Gジェネレーション スピリッツ』が初出で、疾走感のある軽快なBGMになっている。
- なお、一部メロディに『機動戦士ガンダムSEED DESTINY GENERATION of C.E.』の「ザフト:エース」に酷似した部分がある。
- 「レーン・エイムのテーマ」
- 連邦軍汎用戦闘BGM。『Gジェネレーション スピリッツ』が初出。
- Gジェネレーションシリーズでは一般兵の戦闘曲だが、一部ゲームではペーネロペー&レーンの戦闘曲として採用されている。
登場作と扱われ方[編集 | ソースを編集]
正式な初参戦を果たしたのは『V』だが、それ以前より『逆襲のシャア』絡みで小ネタが挿まれることが幾度かあった。
『第4次』ではエンディングに表示されるハサウェイの「その後」が植物観察官と明らかに本作を意識したものとなっており、また『Z』『第3次Z』両篇でも会話の小ネタ程度に本作について触れられている。
VXT三部作[編集 | ソースを編集]
- スーパーロボット大戦V
- 初参戦作品。機体のみの参戦と告知されていたが、ハサウェイとレーンもそれぞれの機体のパイロットとして登場。レーンの参戦は『逆シャア』名義のハサウェイだけかと予想していたプレイヤーを驚かせた。
- 反地球連邦政府組織「マフティー」やキルケー部隊は存在しない。ボーナスシナリオにおいては「潜航のハサウェイ」というタイトルのものがあるが、これはカークスほかのジオン残党と戦うシナリオになっている。
- ハサウェイはミスリルに協力するテストパイロット、レーンは地球連邦軍総司令部直属の精鋭部隊Gハウンド所属となっており、原作とは異なる形でライバル関係となっている。
- 本作のハサウェイは宇宙世紀世界の出身でバナージと同年代の設定となっているが、新正暦世界の過去ではマフティー・ナビーユ・エリンとして活動し処刑されていた事実が語られている。
- 本作における世界観のからくりを考えると、新正暦世界における「シャアの反乱」は『閃ハサ』の前日譚となる『ベルトーチカ・チルドレン』のストーリーが展開されていたのかもしれない。
余談[編集 | ソースを編集]
- 『ニュータイプ』1990年8月号の『ガンダムF91』特集で、「先ごろ完結した『閃光のハサウェイ』は、映像化を前提としないノベライズオンリーの作品。当然ながら、映像より、さらにシビアな現実がそこには描かれている。」と書かれていた。この記事を元にして、「『閃光のハサウェイ』は、原作者の富野由悠季監督が映像化に許可をしないからアニメ化しないのだ」とインターネット上で永らく語られていた。
- しかし、『ザ・スニーカー』2003年06月号のインタビュー記事では富野監督は「『閃光のハサウェイ』の経緯は覚えてないし、特に何も無かったと思います。映像とのタイアップみたいなものも何も無かった。」と語っているので、単に『閃光のハサウェイ』執筆当時に映像化の企画が持ち上がらなかっただけで、「原作者の富野監督が映像化を禁じている」という噂はデマであろう。
- 富野監督が手掛けた『逆襲のシャア』のノベライズには他にも、徳間書店より刊行された『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』(2002年に復刊したバージョンは『機動戦士ガンダム ハイ・ストリーマー』)があり、こちらは『閃光のハサウェイ』に比べて映像作品の補完的な内容を加えたノベライズとなっている。
- なお『閃光のハサウェイ』との繋がりは、「復刊バージョンの3シャア編」でのインタビューにて、富野監督は「物語的な繋がりは無い」と語っている。
- 『第4次スーパーロボット大戦』の没データにおいて本作に登場するΞガンダムのデータが存在している。
- スーパーロボット大戦シリーズに参戦する以前には、『SUNRISE WORLD WAR Fromサンライズ英雄譚』で本作が登場していた[4]。
- 後に製作された劇場版だが、新型コロナウイルスの蔓延により幾度となく公開延期となっていた。最終的に2021年6月11日に第一部の公開が再決定した際、「マフティーからの声明」として告知動画が公式からアップロードされた[5]。マフティー・ナビーユ・エリン名義で「我々と共に感染予防・対策をしっかりして劇場でお会いしましょう!」という注意喚起が出されるのはなかなかにシュールである。
- その他、東京都都民安全推進本部とのタイアップで特殊詐欺防止のポスターにも採用された。[6]最前面に映っている男は実は反体制側なのだが…。オレオレ詐欺や架空料金請求詐欺といった特殊詐欺犯罪はまた別口ということだろうか。
- 劇場版のプロモーションとして冒頭部分がバンダイチャンネルにて公開されており、YouTubeのAIによる自動翻訳で日本語字幕を付けることができたのだが、AIの聞き間違いによってあるキャラクターの台詞に「悲鳴を上げるな、陰茎が苛立つ[7]」というとんでもない誤字が施されてしまい、本作を象徴するネタとなった。
- 他にも、登場人物の一人がハロウィンで使われるカボチャマスク(ジャック・オ・ランタン)を被っていたことから、同じくカボチャマスクの男がダンスを披露する海外のネタ動画「The Pumpkin Dance」に本作の主題歌「閃光」を合わせた動画が作られ、「連邦に反省を促すダンス」と呼ばれネットミーム化するなど妙にネタに事欠かない作品となっている。
- 2026年1月30日に公開された劇場版第二部『閃光のハサウェイ キルケーの魔女』では、劇場版オリジナル要素として量産型νガンダムが登場した他、エンディング主題歌にアメリカのロックバンド「ガンズ・アンド・ローゼズ」の楽曲である「スウィート・チャイルド・オブ・マイン」が採用された[8]。
- この曲は1987年に発表されたアルバム『アペタイト・フォー・ディストラクション』に収録されたのが初出で、翌年にシングル化。全米ビルボード・チャートで1位を獲得した他、1999年にはシェリル・クロウのカヴァーでグラミー賞を取るなど、バンドを代表する楽曲となっている。
脚注[編集 | ソースを編集]
- ↑ 『逆襲のシャア』と異なる点の一例を挙げると、「ハサウェイが本意ではないにせよクェスを手に掛けている」等がある。
- ↑ 『月刊ガンダムエース』2020年5月号、プロデューサーインタビューより。
- ↑ なお、森木氏は作画監督補佐としてもクレジットされている。パンフレットによれば、「料理作監」を手伝ったとのこと。
- ↑ なお、ハサウェイは『逆襲のシャア』時代の姿の為、本作のキャラクターはケネスのみ。機体はΞガンダムのみだが、ペーネロペーが没データとして登場していた。
- ↑ 6月11日公開『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』反地球連邦政府運動 マフティーより声明が到着 2021年6月1日公開。
- ↑ STOP特殊詐欺!『閃光のハサウェイ』×「東京都都民安全推進本部」タイアップポスターが本日より掲出スタート![4/27更新] 2021年4月19日公開。
- ↑ 正しくは「神経が苛立つ」である。
- ↑ 『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女』本日公開!エンディング主題歌はガンズ・アンド・ローゼズ 「スウィート・チャイルド・オブ・マイン」! 『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女』公式サイト2026年1月30日公開。
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