「機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY」の版間の差分

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2013年2月27日 (水) 10:18時点における版

概要

機動戦士ガンダム』と『機動戦士Ζガンダム』の間のミッシングリンクを一気に繋いだ意欲作。宇宙世紀0083に起こった歴史から抹消された「デラーズ紛争」を語った物語。ジオン残党のその後とティターンズが権力を握るまでの過程が描かれている。
この作品では、歴史的勝者であることが約束されている連邦軍の負の面が大きく描かれている(ただし、主人公や所属するアルビオン隊メンバーは良識的な軍人である)。それに対抗するジオン将兵達は、殆どが理想と義を重んじる兵士として描かれている。
上記のキャラクター描写には、ジオン軍の行為を正当化しているのではないか、との批判もあるが、本編ではさらに、それに対してシーマ艦隊が理想の裏にある現実を突きつける役割を担われており、主題歌にある通り「勝利者などいない戦い」として物語は収束していくこととなる。

戦略核搭載MSであるGP02Aの開発など、現場の責任問題では収まらない様々の問題を含むため、大規模な話ながらガンダム作中世界ではU.C.0099年に情報が公開されるまでは事件や機体の存在自体が「正史として記録されていない」事になっていた。(ただし、軍関係者などは流石に知っており、漫画『デイアフタートゥモロー』ではアムロも知っていた)。

劇場用に編集された『ジオンの残光』、シーマを中心として描かれたドラマCD『宇宙の蜻蛉』、同じく劇中では描かれなかった戦闘を描いた『ルンガ沖砲撃戦』などもある。

スパロボシリーズにおいて

旧シリーズから参戦していたSRW常連では中堅格といったところだが初期は他のガンダム作品のオマケ的な存在で、コウとガトーとの対立とGP02強奪しか再現されていなかったが、近年ではαシリーズのように不死身の第4小隊が勢揃いしたり、コウの能力も高めに見直されるなど、扱い自体は良くなってきている。

スパロボに限った事では無いが、何度か真の「星の屑」であるコロニー落としイベントが発生しているものの、一度として成功した例がない。

また本来の目的である初代とΖを繋ぐというストーリー設定はΖΖΖと競演する展開上再現されず、ΖΖΖの年代にガンダム強奪が起きる展開で、他には地球連邦軍内部の複雑な勢力争いもあまり描写されない(これまで登場した高級将校はジャミトフとコーウェンのみ)。

登場人物

スパロボ毎の登場人物一覧については以下を参照して下さい。

地球連邦軍

アルビオン隊

コウ・ウラキ
主人公。士官学校卒のモビルスーツマニア。ニンジン嫌い。新開発のGP02Aがジオン残党に奪われた際にGP01の近くに居たために咄嗟に乗り込み、追撃する。その造詣の深さが災いし、陸戦用のGP01を自前でカスタマイズ、宇宙に出て行ったが、シーマのゲルググMに半壊に追い込まれ、さらにはニナに罵られる始末。GP02Aの一連の奪還作戦、及びジオンエースであるガトーとの交戦により、パイロットとしても人間的にも飛躍的に成長していく。乗機はGP01、GP01Fb、GP03S、GP03。結局ガトーとの決着は付く事がなかった、「ライバルキャラを倒し損ねた」人物。それどころか最後も彼に押されていた。
チャック・キース
コウの級友で同じくトリントン基地配属となる。お調子者で気弱なところもあるが、意外に努力家。
サウス・バニング
コウ達の上官でもあり、元不死身の第4小隊隊長。一年戦争を生き抜いたベテランパイロット。
ベルナルド・モンシア
GP02追撃の際にアルビオンに招集された元不死身の第4小隊メンバーの一人。腕前は確かだが性格に難あり。
アルファ・A・ベイト
不死身の第4小隊メンバー。バニング戦死後はMS隊長となる。
チャップ・アデル
不死身の第4小隊メンバー。大人しい性格のためモンシアやベイトに振り回される事が多い。
エイパー・シナプス
アルビオン艦長。
イワン・パサロフ
アルビオンの操舵手。
ジャクリーヌ・シモン
アルビオンのオペレーター。
モーラ・バシット
チーフメカニック。

その他連邦軍人

ジョン・コーウェン
連邦軍中将。ガンダム開発計画の責任者。最終的には一連の責任を負わされ、ジャミトフにより排斥される。
ジャミトフ・ハイマン
連邦軍将校。バスク・オムの上官。星の屑作戦終了後、連邦内に生まれた危機感を煽る形で権力を掴み、手勢のティターンズともども躍進する。
バスク・オム
連邦軍人。ソーラーシステムの指揮を執り、星の屑作戦に対する最終防衛線を張る。

アナハイム・エレクトロニクス

ニナ・パープルトン
ヒロイン。アナハイム・エレクトロニクスに所属しており、自らが開発したGPシリーズを「私のガンダム」と呼ぶ程、偏愛している。
ルセット・オデビー
アナハイム・エレクトロニクス所属で二ナの友人。
オサリバン
アナハイム・エレクトロニクスの常務で二ナの直属の上司。

デラーズ・フリート

アナベル・ガトー
ジオンエース。「ソロモンの悪夢」という異名を持つ。星の屑作戦の中で、表舞台で大暴れする。兎に角頭の固い硬派な武人。GP02A奪取の際にコウに仕官としての心構えを説いたりも。パーソナルカラーは紺に近い青だが、奪取したGP02Aは時間的余裕も無く設計色のままである。乗機はGP02Aノイエ・ジール。ガンダム作品では珍しい「主人公に倒されることなく死んだ」ライバル。
シーマ・ガラハウ
ジオン軍特殊部隊員、宇宙世紀二大毒婦あるいは宇宙世紀三大悪女の一人と目される(反面、彼女の辛い生い立ちと、ニナのあまりにも共感を得辛い行動から「0083の真のヒロイン」と評される事も多い)。星の屑作戦の裏で暗躍する。ジオン軍に居た頃から汚れ仕事ばかりやっていた。戦艦リリーマルレーンの艦長でもあり、部下は海兵よりむしろ海賊に近い。乗機は指揮官用のMS-14FsゲルググM(マリーネ)、AGX-04ガーベラ・テトラ。スパロボでは扱いは劇中とほぼ同じだが、他のゲーム作品では自軍で使用可能だったり、ドラマCD版を再現したシナリオがあったりとかなり優遇されている。
ケリィ・レズナー
ジオン軍パイロット。ソロモン攻防戦で片腕を失い、戦後はの都市フォン・ブラウンでジャンク屋に落ち着いていた。デラーズ・フリートの誘いに応じて、かつて搭乗していたMAのMA-06ヴァル・ヴァロを片腕で操作できるよう改修、月面のクレーターでGP01Fbと激戦を繰り広げる。
カリウス・オットー
ガトー直属の部下。戦後はアクシズに向かっている。
なお、数年後にアクシズで少佐になった彼が核戦術MSギガンティックに乗るという話も存在する。
エギーユ・デラーズ
ジオン軍将校で、デラーズ・フリートの首魁。ジオンの大義のために、茨の園と呼ばれる宙域に潜んで機会を伺っていた。清濁併せ呑む度量の広さを持つが、最終的には身内によって暗殺された。
ノイエン・ビッター
キンバライド鉱山基地の責任者であるジオン軍残党の中将。GP02とガトーを宇宙に送り届けるために半ば特攻に近い形でガトーのHLVを守り抜いた。第2次αでは原作ではないシーマとの会話が存在する。

アクシズ

ハマーン・カーン
ジオン残党の集結する小惑星アクシズの摂政。デラーズ・フリートとの共闘は断ったが、戦後の敗残兵の受け入れを約束し、ノイエ・ジールの供与を行う。

登場メカ

スパロボ毎の登場メカ一覧については以下を参照して下さい。

地球連邦軍

ガンダム試作1号機
分離形態はコアファイターII。実はジェネレーターなどが後のグリプス戦役の機体よりも上というトンデモMS。しかし、ゲームでは特に反映されておらず、ごく普通のガンダム。
ガンダム試作1号機フルバーニアン
分離形態はコアファイターIIFb。宇宙用に改修されたはずだが、シリーズによっては地上でも使える。第2次αでは同時に手に入るステイメンとは差別化がされており、こちらは小隊攻撃武装を持っている。
ガンダム試作3号機
分離形態はガンダム・ステイメン第2次αでは小隊攻撃こそ無いが、高火力で長距離に対応したロングレンジライフルがある。
ガンダム・ステイメン
試作3号機のコア・ユニット。
ジム・カスタム
アレックスの戦闘データを元に開発されたジムシリーズの1機。第2次α以降では地味に小隊攻撃を持っている。主なパイロットはバニング、モンシア、ベイト。
ジム・キャノンII
ジム・キャノンの火力を底上げし、チョバムアーマーを標準装備した機体。主なパイロットはキース、アデル。
ジム・クゥエル
SRWでは中々お目にかかる事のないジム・カスタムの上位機。近年ではAOZシリーズで再登場し、ヘイズルの母体になるなど忙しい。
ジム(改)・パワード・ジム・ボール改修型
いずれもSRW未参戦の機体。

デラーズ・フリート

ガンダム試作2号機
核弾頭搭載の重MS。連邦軍のMSであったが、アナベル・ガトーによって核弾頭ごと強奪。その後、デラーズ・フリート所属のMSとなった。シリーズによっては自軍で使用可能だが、機体だけ手に入って肝心の核弾頭を手に入れるためにもう一フラグ立てないといけない事も多い。また近年ではMSV設定だったビームバズーカを持って登場する事もある。
ノイエ・ジール
ガトー最後の機体。後のα・アジールなどの試作型なイメージが強い。
ザクIIF2型
ジオン兵用、指揮官用、ビッター隊用、ビッター用が登場。第2次αでは、これに連邦兵用、連邦指揮官用を含め6種が図鑑に登録される。
ゲルググM
Mはマリーネ(海兵隊)のM。シーマ専用機は小豆色。貴重なゲルググを多く保有している事がデラーズがシーマ艦隊を引き入れる要因にもなった。なお、スパロボではシーマが始めからガーベラ・テトラに乗っている事が多いため、彼女専用機が出てくる事の方が少ない。
ドラッツェ
ザクIIの上半身にガトル戦闘爆撃機のスラスターを足部分に組み合わせて製造された機体。性能は低いが加速性能だけはリック・ドムに匹敵する。
ザメル
長距離支援用の機体。
ガーベラ・テトラ
元はGP04ガーベラだったものに手を入れ、シーマに譲渡された機体。シールドもないために特に強いイメージはない。
ヴァル・ヴァロ
一年戦争時代に開発されていたMA。作品によってはプラズマ・リーダーがMAP兵器対ビームコーティング持ちなのでなかなか侮れない。

戦艦

アルビオン
近年から自軍母艦として使用できるようになった。
マゼラン改級
サラミス改級
グワデン

主題歌とBGM

『THE WINNER』
前期オープニング。第4次FF完結編BGMとして採用。
『MEN OF DESTINY』
後期オープニング。αシリーズのGP03のBGMとして採用。
『MAGIC』
前期エンディング。
『Evergreen』
後期エンディング。
『BACK TO PARADISE』
挿入歌。IMPACTBGMとして採用。

登場作と扱われ方

第3次スーパーロボット大戦
初出演作品。ガンダム強奪や、ガトーの核発射イベントが再現されている。確実に仲間になるのはコウのみで、ルート次第でキースが、説得次第でガトーが仲間になり、モンシアはスポット参戦。
スーパーロボット大戦EX
ライバル同士のコウとガトーが一緒に仲間になる。GP02はアトミックバズーカの代わりにプラズマリーダーを装備している。
第4次スーパーロボット大戦S
ルート次第ではガトーが仲間になり、GP02も入手可能。第4次Sでコウとガトーに声が入った。
スーパーロボット大戦Fスーパーロボット大戦F完結編
ルート次第ではガトーが仲間になり、GP02orノイエ・ジールも入手可能。
スーパーロボット大戦COMPACT
バニング初参戦。
スーパーロボット大戦64リンクバトラー
基本的にいるだけ参戦。条件次第でガトーは一時的に仲間になるが、結局シャアと一緒に抜ける。アルビオンガンダム試作2号機も出たはずだが、カラオケモードではガンダム試作3号機ノイエ・ジールだけが延々と戦い続ける。
スーパーロボット大戦COMPACT2第1部
コウ達は出ないが、ガトーは敵として登場する。
スーパーロボット大戦COMPACT2第2部
序盤からコウ及びバニングが自軍のリアル系主戦力として登場。
スーパーロボット大戦COMPACT2第3部
第2部よりフラグを引き継ぎ、ガトーを説得し自軍に加入させることが可能。しなかった場合、隠し最終ステージにも敵として登場。
スーパーロボット大戦IMPACT
強奪イベントが無いままガトーが試作2号機に搭乗し、コウは1部1話と同じ時系列で1号機(Fb)に搭乗している。
スーパーロボット大戦α
ガンダム強奪イベントからコウの、勝手に飛び出してシーマに叩きのめされるイベント、ソロモンに核発射、コロニー落としとイベントがある。
スーパーロボット大戦α外伝
ガトーが登場しない為、存在は薄いがGP02強奪がミドガルドにより挙行されている。原作と大きく形は違うとはいえ、モンシアが唯一ティターンズに加担している作品。
第2次スーパーロボット大戦α
ストーリーは終了しているが、ガトーはシャアに誘われてネオ・ジオンに荷担する。ちなみにガトーがGP02に一切乗らない珍しい作品。また前作であるαに未登場だったビッター少将が登場し、シーマとの会話も設けられている。なおGP02は隠し機体として入手可能。またベイト、アデルが味方パイロットとして初登場し、アルビオン母艦として使える。
第3次スーパーロボット大戦α
デラーズ陣営の人間は第2次αにて死亡しているため登場せず、アルビオン隊のメンバーのみ。しかしノイエ・ジールやGP02、核搭載フラグなど隠しフラグを多数持っている。ストーリーとしてはSEEDのバルトフェルドとの絡みが多い。
スーパーロボット大戦A
味方はコウとバニングのみだが、ケリィのイベントが原作に近い形で再現されている。GP02は本作(A)だけ、入手不可。

用語

アルビオン隊
不死身の第4小隊
デラーズ・フリート
ガンダム開発計画
星の屑作戦
ジオン軍残党のデラーズ・フリートにより決行された大規模作戦。
デラーズ紛争

主要スタッフ

制作会社
サンライズ(第2スタジオ)
監督
加瀬充子
今西隆志
キャラクターデザイン
川元浩利
メカニカルデザイン
河森正治
石津泰志
カトキハジメ
音楽
荻田光夫

商品情報

資料リンク