「機動戦士Vガンダム」の版間の差分

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このような作風の変化に当初からの視聴者は付いて来れず、富野監督も視聴者も[[トラウマイベント|鬱気分]]であった。富野監督は放送終了後、本当に鬱病を抱えることになった。ただし、放送当時から作品を高く評価していた庵野秀明監督は『[[新世紀エヴァンゲリオン]]』製作に強く影響を受けた作品の一つとして挙げており、また戦闘シーンについては娯楽活劇もののイメージが最後まで踏襲され、全編通じ高い評価を与えられている。中でも[[シュラク隊]]の戦い方は「足癖が悪い」と言われつつも、好意的な反応ばかりである。
 
このような作風の変化に当初からの視聴者は付いて来れず、富野監督も視聴者も[[トラウマイベント|鬱気分]]であった。富野監督は放送終了後、本当に鬱病を抱えることになった。ただし、放送当時から作品を高く評価していた庵野秀明監督は『[[新世紀エヴァンゲリオン]]』製作に強く影響を受けた作品の一つとして挙げており、また戦闘シーンについては娯楽活劇もののイメージが最後まで踏襲され、全編通じ高い評価を与えられている。中でも[[シュラク隊]]の戦い方は「足癖が悪い」と言われつつも、好意的な反応ばかりである。
  
一方、富野監督は制作時の心境の所為かこの作品を特に酷評しており、'''「このDVDは、見られたものではないので買ってはいけません!!」'''と、'''DVD-BOX(2010年9月24日初回限定生産)を買わなければ読めないブックレット'''にコメントしていた。<ref>ちなみに、2015年にBlu-ray Boxの発売が決定された際にも、富野監督は『機動戦士Vガンダム』の公式HPにおいて'''「この作品は全否定したいと思っているものです。(中略)何かの間違いでこのBlu-rayで見た方は『機動戦士Vガンダム』の何がダメなのかを探してみてください。そこから気付ける人がひとりでもいらっしゃればBlu-rayとして出した意味があると思っています」'''というコメントを残している。 </ref>この事はファンの間では非常に有名な話で、ウッソ役として[[声優]]デビューした阪口大助氏もラジオ等でこの発言に対してネタも含めながらも苦言を呈したことがある。それが理由かは不明であるが、[[ガンダムシリーズ]]の中ではメディアにて冷遇されがちな傾向にあり、スパロボも含めた[[ガンダムシリーズ]]を取り扱うゲームへの登場回数は少なめで、事実2003年の『[[スーパーロボット大戦D]]』を最後にTVシリーズ作品の中では最も参戦が遠ざかっている。『ガンダムバトルシリーズ』には不参加、その流れを汲む『ガンダムアサルトサヴァイブ』にようやく(ウッソとカテジナだけ)参戦したものの、『機動戦士ガンダム クライマックスU.C.』に至っては、『[[機動戦士クロスボーン・ガンダム]]』ですら参戦しているのに顔出しすらさせてもらえなかった。
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一方、富野監督は制作時の心境の所為かこの作品を特に酷評しており、'''「このDVDは、見られたものではないので買ってはいけません!!」'''と、'''DVD-BOX(2010年9月24日初回限定生産)を買わなければ読めないブックレット'''にコメントしていた。<ref>ちなみに、2015年にBlu-ray Boxの発売が決定された際にも、富野監督は『機動戦士Vガンダム』の公式HPにおいて'''「この作品は全否定したいと思っているものです。(中略)何かの間違いでこのBlu-rayで見た方は『機動戦士Vガンダム』の何がダメなのかを探してみてください。そこから気付ける人がひとりでもいらっしゃればBlu-rayとして出した意味があると思っています」'''というコメントを残している。 </ref>この事はファンの間では非常に有名な話で、ウッソ役として[[声優]]デビューした阪口大助氏もラジオ等でこの発言に対してネタも含めながらも苦言を呈したことがある。それが理由かは不明であるが、[[ガンダムシリーズ]]の中ではメディアにて冷遇されがちな傾向にあり、スパロボも含めた[[ガンダムシリーズ]]を取り扱うゲームへの登場回数は少なめで、事実2003年の『[[スーパーロボット大戦D]]』を最後にTVシリーズ作品の中では最もコンシューマ作品への参戦が遠ざかっている。『ガンダムバトルシリーズ』には不参加、その流れを汲む『ガンダムアサルトサヴァイブ』にようやく(ウッソとカテジナだけ)参戦したものの、『機動戦士ガンダム クライマックスU.C.』に至っては、『[[機動戦士クロスボーン・ガンダム]]』ですら参戦しているのに顔出しすらさせてもらえなかった。
  
 
出てくる[[モビルスーツ]]はスペック表にも載らないようなトリッキーな攻撃(主にボディを分割して敵にぶつける、ビーム兵器を過剰出力で使うなど)を繰り出すことが少なからずある。これは上述したように元々が娯楽活劇ものをイメージした企画だったためでもある。SRWに限らずゲームで再現されるのは、代表格でもあるVガンダムのパーツアタックやV2ガンダムの光の翼ぐらいだが。
 
出てくる[[モビルスーツ]]はスペック表にも載らないようなトリッキーな攻撃(主にボディを分割して敵にぶつける、ビーム兵器を過剰出力で使うなど)を繰り出すことが少なからずある。これは上述したように元々が娯楽活劇ものをイメージした企画だったためでもある。SRWに限らずゲームで再現されるのは、代表格でもあるVガンダムのパーツアタックやV2ガンダムの光の翼ぐらいだが。

2017年5月8日 (月) 16:16時点における版

  • 読み:きどうせんしヴィクトリーガンダム
  • 1993年4月2日 ~ 1994年3月25日放映(テレビ朝日)全51話
  • 初参戦スパロボ:第2次スーパーロボット大戦G(1995年)

概要

宇宙世紀0153年、地球連邦政府は形骸化し、統制を離れたスペースコロニーは各地で紛争をはじめていた。サイド2にあるザンスカール帝国は地球侵攻をはじめ、レジスタンス組織「リガ・ミリティア」はザンスカール支配への抵抗運動をはじめていた。

元々はジュブナイル色の強い「子供がワクワクしながら見れる楽しいガンダム」として企画されており、若干13歳の主人公ウッソ・エヴィンはRPGの主人公のイメージで作られたらしい。脇を固めるキャラクターも冒険娯楽活劇を意識して「幼馴染の美少女」「憧れのお姉さん」など明るい属性が付け加えられた。また、敵側のメカデザインも今までのガンダムシリーズには見られないようなコミカルさが加えられ、視聴者の度肝を抜いた。

しかし、番組が進むうちに俗に「黒富野」と呼ばれる「戦争の現実」を突き付けるストーリーにシフトしていき、本来は明るいはずのキャラクターたちが成長しつつも悲惨な現実に苦悩し、変質していくという、独特の味付けの作風になっていった。後の富野監督のインタビューによると「自身(富野監督)とスポンサーで方向性が食い違ったために誰もが予想しきれない作品になってしまった」ことが語られている。

このような作風の変化に当初からの視聴者は付いて来れず、富野監督も視聴者も鬱気分であった。富野監督は放送終了後、本当に鬱病を抱えることになった。ただし、放送当時から作品を高く評価していた庵野秀明監督は『新世紀エヴァンゲリオン』製作に強く影響を受けた作品の一つとして挙げており、また戦闘シーンについては娯楽活劇もののイメージが最後まで踏襲され、全編通じ高い評価を与えられている。中でもシュラク隊の戦い方は「足癖が悪い」と言われつつも、好意的な反応ばかりである。

一方、富野監督は制作時の心境の所為かこの作品を特に酷評しており、「このDVDは、見られたものではないので買ってはいけません!!」と、DVD-BOX(2010年9月24日初回限定生産)を買わなければ読めないブックレットにコメントしていた。[1]この事はファンの間では非常に有名な話で、ウッソ役として声優デビューした阪口大助氏もラジオ等でこの発言に対してネタも含めながらも苦言を呈したことがある。それが理由かは不明であるが、ガンダムシリーズの中ではメディアにて冷遇されがちな傾向にあり、スパロボも含めたガンダムシリーズを取り扱うゲームへの登場回数は少なめで、事実2003年の『スーパーロボット大戦D』を最後にTVシリーズ作品の中では最もコンシューマ作品への参戦が遠ざかっている。『ガンダムバトルシリーズ』には不参加、その流れを汲む『ガンダムアサルトサヴァイブ』にようやく(ウッソとカテジナだけ)参戦したものの、『機動戦士ガンダム クライマックスU.C.』に至っては、『機動戦士クロスボーン・ガンダム』ですら参戦しているのに顔出しすらさせてもらえなかった。

出てくるモビルスーツはスペック表にも載らないようなトリッキーな攻撃(主にボディを分割して敵にぶつける、ビーム兵器を過剰出力で使うなど)を繰り出すことが少なからずある。これは上述したように元々が娯楽活劇ものをイメージした企画だったためでもある。SRWに限らずゲームで再現されるのは、代表格でもあるVガンダムのパーツアタックやV2ガンダムの光の翼ぐらいだが。

漫画版

漫画雑誌『コミックボンボン』にて連載された岩村俊哉氏による漫画版は、読者層に合わせて原作の暗い雰囲気は抑えられ、ギャグ漫画のようなノリになっている。ストーリーは一応シリアスなのだが、主人公のウッソをはじめ本編のキャラクターの性格が妙にはっちゃけていたり、各所にゲームや実在の人物を元にしたパロディキャラクターがいたりと奇抜な作風で、ファンの間では語り草となっている。これは当時の編集長の意向によるものである。

印象が強かったせいか、スパロボやGジェネなど後のゲーム作品では漫画版の要素が取り入れられている(スパロボではV2ガンダム分身機能が採用されており、GジェネではV2系列のいずれかの機体がビームサーベルで漫画版の必殺技を使用できる)。

登場人物

スパロボ毎の登場人物一覧については以下を参照して下さい。

リガ・ミリティア

ウッソ・エヴィン
主人公。巻き込まれるようにVガンダムのパイロットになる。
シャクティ・カリン
ヒロイン。次回予告の「見てください」担当。
ハロ
オデロ・ヘンリーク
マーベット・フィンガーハット
ウォレン・トレイス
スージィ・リレーン
カルルマン・ドゥカートゥス
トマーシュ・マサリク
カレル・マサリク
エリシャ・クランスキー
マルチナ・クランスキー
オイ・ニュング
レオニード・アルモドバル
ロメロ・マラベル
オーティス・アーキンズ
エステル・チャバリ
ロベルト・ゴメス
ジン・ジャハナム
ネス・ハッシャー
クッフ・サロモン
ストライカー・イーグル
ミューラ・ミゲル
ハンゲルグ・エヴィン
フランダース

シュラク隊

オリファー・イノエ
ジュンコ・ジェンコ
ヘレン・ジャクソン
ケイト・ブッシュ
マヘリア・メリル
ペギー・リー
コニー・フランシス
ユカ・マイラス
フランチェスカ・オハラ
ミリエラ・カタン

ザンスカール帝国

マリア・ピァ・アーモニア
フォンセ・カガチ
タシロ・ヴァゴ
カテジナ・ルース
ウッソの憧れの人。ザンスカールに捕らわれた後、クロノクルに共感してパイロットになる。
クロノクル・アシャー
ガンダムシリーズ定番の仮面の人。カテジナに役を食われる。
アルベオ・ピピニーデン
ファラ・グリフォン
メッチェ・ルーベンス
ドゥカー・イク
レンダ・デ・パロマ
ルペ・シノ
ゴズ・バール
ゴッドワルド・ハイン
ブロッホ
キスハール・バグワット
カリンガ・ウォーゲル
ゲトル・デプレ
ガリー・タン
ワタリー・ギラ
ザンスカール兵

その他

マンデラ・スーン

登場メカ

スパロボ毎の登場メカ一覧については以下を参照して下さい。

リガ・ミリティア

モビルスーツモビルアーマー

戦艦

その他

ザンスカール帝国

モビルスーツ、モビルアーマー

戦艦

楽曲

オープニングテーマ
「STAND UP TO THE VICTORY」(前期)
作詞:井荻麟、みかみ麗緒 / 作曲・編曲・歌:川添智久 / 編曲:神長弘一、井上龍仁
『新』『α』『α外伝』『D』の戦闘BGMとして採用。
ちなみに川添智久は「BILIEVE IN LOVE」などで有名なバンド・LINDBERGのベーシスト。
「DON'T STOP CARRY ON」(後期)
作詞:西脇唯 / 作曲:小泉誠司 / 編曲:福田裕彦 /歌:RD
『第2次G』『α』『α外伝』『D』の戦闘BGMとして採用。『α』以降ではV2ガンダム専用の戦闘BGMとなっている。
エンディングテーマ
「WINNERS FOREVER ~勝利者よ~」(前期)
歌:INFIX
元々特撮映画『仮面ライダーZO』のテーマソングとして作られたものを、題名と歌詞の一部を変更して採用された。
「もう一度TENDERNESS」(後期)
歌:KIX▶S

登場作と扱われ方

ある程度原作再現はされているが、宇宙世紀系のガンダム作品では参戦回数が少なめ。

旧シリーズ

第2次スーパーロボット大戦G
初登場作品。ザンスカール帝国がなく、クロノクル達はDC所属になっている。

αシリーズ

スーパーロボット大戦α
序盤のシナリオから再現。ザンスカール帝国は原作と違い、木星に本拠を持つため、ジュピトリアンと呼ばれており、シロッコもここに属している。
ゴメスシュラク隊の面々はスポット参戦であり、最後まで使えるのはウッソマーベットオデロの3名のみ。
他作品に比べ、キャラクターのバストアップが特に似てないことで有名。
スーパーロボット大戦α for Dreamcast
現時点で最後の据え置きスパロボ参戦作。また3Dのスパロボ参戦も本作が唯一である。全キャラのバストアップがドリームキャストの描画性能に合わせ描き直されている。ウッソなど一部のキャラの原画は『α外伝』と共通のようである。
スーパーロボット大戦α外伝
味方ではスポット参戦のゴメスを除けば、ウッソとマーベットのみの参戦となる。
敵ユニットは割と登場場面が多いが、敵パイロットはカテジナのみで原作に反して死亡してしまう。登場するキャラクターはバストアップが書き直されかなりマシになった。
ちなみに原作再現がほぼ終わった事もあってか、『機動戦士Vガンダム』は本作以降、αシリーズには参戦せず。

携帯機シリーズ

スーパーロボット大戦D
最後の方までストーリーの中心。条件次第でカテジナクロノクルを仲間に出来る唯一の作品。

単独作品

新スーパーロボット大戦
宇宙編のストーリーの中心となる。
スーパーロボット大戦X-Ω
第2期参戦作品第8弾として2016年9月に追加参戦。『D』以来13年ぶりの参戦となる。

用語

リガ・ミリティア
主人公の属するゲリラ組織。
ザンスカール帝国
サイド2に居を置く敵組織。政治体制は立憲君主制に近い。
ザンスカール戦争
リガ・ミリティアとザンスカール帝国の戦い。
ベスパ
ザンスカールの軍隊。
イエロージャケット
ベスパの地球侵攻の先行部隊。黄色のノーマルスーツがその由来。
シュラク隊
リガ・ミリティアの一部隊。隊長以外は女性で精鋭揃いだが、メンバーが次々と死んでいった死亡フラグの代名詞。
カイラスギリー
ザンスカールの施設。巨大ビーム砲を擁する。
エンジェル・ハイロゥ
ザンスカールの施設。破壊力はないが、地球全土に対して脳波コントロールが可能。最終決戦の舞台。
ポイント・カサレリア
ウーイッグ

主要スタッフ

制作
サンライズ(第3スタジオ)
監督
富野由悠季
キャラクターデザイン
逢坂浩司
メカニックデザイン
カトキハジメ
大河原邦男
石垣純哉
音楽
千住明

脚注

  1. ちなみに、2015年にBlu-ray Boxの発売が決定された際にも、富野監督は『機動戦士Vガンダム』の公式HPにおいて「この作品は全否定したいと思っているものです。(中略)何かの間違いでこのBlu-rayで見た方は『機動戦士Vガンダム』の何がダメなのかを探してみてください。そこから気付ける人がひとりでもいらっしゃればBlu-rayとして出した意味があると思っています」というコメントを残している。

商品情報

DVD

発売の前に富野監督本人が「こんなものを買うとダメになるので買わないでください」というコメントを残している。色んな意味で最もカオスな時期に作られた作品だからなのだろう。

DVD-BOX

単巻

Blu-ray

Blu-ray Box

書籍

小説

解説本

漫画

  • コミックボンボン

上述のとおり、奇抜な作風で有名なボンボン版。

  • プラチナコミックス

  • 角川コミックス・エース

“木星じいさん”ことグレイ・ストークが登場。他にもガンダムシリーズ伝説巨神イデオンのクロスオーバー作品『機動戦士VS伝説巨神 逆襲のギガンティス』が併録。右は2012年の改題版。

資料リンク