カテジナ・ルース

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カテジナ・ルース
外国語表記 Katejina Loos
登場作品

ガンダムシリーズ

声優 渡辺久美子
デザイン 逢坂浩司
初登場SRW 第2次スーパーロボット大戦G
SRWでの分類 パイロット
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プロフィール
種族 地球人(アースノイド
性別
年齢 17歳
出身 ウーイッグ
所属 民間人ザンスカール帝国
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カテジナ・ルースは『機動戦士Vガンダム』の登場人物。

概要

ポイント・カサレリア近くの都市ウーイッグに住む上流階級の令嬢。

ベスパの攻撃で家を焼け出され、カミオン隊に合流するが、これが人生を大きく狂わせていくきっかけになってしまう。

人物

他者に対して極端なまでに潔癖さを求める、排他的にすら感じられる性格ザンスカール帝国リガ・ミリティアの争いに嫌悪感を示しウッソを庇う事もあったが、それはどちらかと言えば潔癖症に近い「大人への反発」から出たものであろう。

これらの性格は、後にザンスカールに下っても変わる事は無いばかりか、モトラッド艦隊による「地球クリーン作戦」が開始される時期あたりから、次第に冷酷さや高慢さが増していく事になっていき、特にウッソに対する偏執的な憎悪と執着が、精神面の暴走に拍車をかけていくことになる。 エンジェル・ハイロゥ攻防戦の時期になると、目的の為に手段を一切選ばない狡猾さや凶暴さも見せていくが、それがかつて自分が忌み嫌っていた「汚い大人たち」そのものであることに彼女が気付く事はなかった。

総じて、周りの社会や戦争に振り回され歪んでいった悲しいキャラクターである。…はずなのだが、視聴者には彼女の強烈な言動からあまりそうは見られていないようである。

来歴

当初はウーイッグで暮らす箱入り育ちのお嬢様に過ぎなかったが、カテジナの人生は、ザンスカールのクロノクル・アシャー誘拐された事で一変する。

周りと上手く付き合えない自身に対し、優しく紳士的な態度を見せたクロノクルに惹かれ、その結果、彼女はリガ・ミリティアとザンスカール(クロノクル)の間で揺れ動き、この迷いはパイロットとしてウッソたちの前に再び現れるまで続いていた模様。

当初はクロノクルの秘書的な立場に過ぎなかったが、ザンスカールの理念に共感を示していった結果、かつてあれほど嫌悪感を抱いていたパイロットとなり、べスパの一員となる。元々パイロットとしての才能があったのか、尋常ならざる速度で腕を上げていく。

シュラク隊生き残りを次々とその手にかけていき、リガ・ミリティアに身を置いていた時期に交流のあったオデロ・ヘンリークまでも容赦無く殺害するが、その直後にV2ガンダムに乗ったウッソによってクロノクルのリグ・コンティオが撃墜され、クロノクルも、姉のマリアを求めながら命を落とす事になる。ウッソへのフラストレーションを極限にまで肥大化させたカテジナは、ウッソを待ち構えてゴトラタンのメガビームキャノンでしとめようとするも、V2ガンダムの光の翼による衝撃に吹き飛ばされ、落下していった。

ザンスカール戦争の終結後、最終的には記憶と視力を失い、ワッパに乗って既に廃墟と化したウーイッグへ帰っていった。

その他

原作ではかつてのアムロ・レイらと同様、額から白い稲妻の様なものを発しているシーンはあるものの、ニュータイプとも強化人間とも明言されていない。一方、小説版ではザンスカール帝国によって明確に強化されている描写が存在し、それを反映してか、あるいは原作後半の情緒のあまりの不安定さを反映してか、スパロボにおいては強化人間である場合が多い。

登場作品と役柄

旧シリーズ

第2次スーパーロボット大戦G
初登場作品。拉致されてDCに所属し敵パイロットとして現れるルート、味方のオペレーターになるルートがある。味方の時は髪をおろした民間人バージョンのままだが、敵の時はパイロット時代の髪型のグラフィックになる。
敵対する場合のルートでは、ホワイトベース隊がミチルのゲッターQを倒した時、やむをえなかったとはいえ味方を攻撃するやり口にカテジナが嫌悪感を抱くシーンがあり、DCに入る理由付けがされている。
なお『電視大百科』によれば敵対ルートが正史であり、(原作と異なり)死亡したとされている。

αシリーズ

スーパーロボット大戦α
最初は非戦闘キャラで中盤から敵として登場。初登場時でも、自分達を助けてくれたロンド・ベル隊のメンバーと反目するなど、可愛げのない性格は相変わらず。
敵としてはリグ・シャッコーに始まり、コンティオ(ルート、熟練度限定)、ゲドラフゴトラタンとシナリオ進行と共に乗り替えていく。技量以外はウッソと肩を並べるほど高い能力を持ち、底力に加え後半には強化人間にもなるなど、登場時期によって強さの印象がかなり変わってくる。
ウッソとの間に会話イベントが用意されている。
スーパーロボット大戦α外伝
9話後半で登場。前大戦でいうところのジュピトリアン唯一の生き残りだが記憶を失っており、同じく捕らえられていたプルツーと共にティターンズの戦力として調整、利用されている。その後プリベンターらと同じく未来へと飛ばされており、放浪していた所をギンガナム艦隊に救助されまたも戦力として利用される。
記憶が無いながらも「(プリベンター)連中が大切なものを奪った」「連中、特にウッソへの不快感」など断片的な記憶は残っており、ウッソとの戦闘前台詞も豊富。決戦時には味方でトドメを刺すか、規定HP以下になるかで死亡イベントが変化し、いずれにしても最期に記憶を取り戻す。メリーベルと口論になりギンガナムがメリーベルをたしなめる、といったことが数度あり、死亡時の後者のパターンではギンガナムに襲われたウッソを庇って討たれるといったクロスオーバーがある。
前作『α』と同じく全体的に高めの能力に加え、強化人間底力を併せ持つ強敵。強化人間のレベルがガタ落ちした事と、援護を持たないのが救いか。今回の搭乗機は一貫してゴトラタン

携帯機シリーズ

スーパーロボット大戦D
原作通りの展開で敵になる。リガ・ミリティアルートを通っていると、敵対前に主人公とも交流があり、敵対時に戦闘前会話が発生する。
本作ではウッソの説得とルート次第で、なんとクロノクルと共に仲間になる。味方版は顔グラが前半Ver.となり、カットインが付く(敵版はカットイン無し)。また、敵の頃に比べて性格がだいぶ丸くなっている。憑き物が落ちたといったところか。
仲間にならなかった場合は、リガ・ミリティアルートではEDにおいて原作通りの展開でシャクティに道に尋ねた事が示唆されている。他のシリーズのように死亡したりしないだけ扱いはマシであろう。現時点では相方のクロノクル共々、最も扱いが良く救われた作品。
乗替によってはウッソとの合体攻撃も可能になる(クロノクルとの組み合わせでも可)。
精神コマンドもを併せ持ち(その代わり熱血はない)、それ以外も有用な物が揃っている。今回は愛は歪んでいない模様。
Lvは低めなものの強化人間である上に、底力のレベルが8まで上がる猛者。最終的には、HP50%以下でNTレベル9を超える命中回避補正を得る事が出来る。ステータスも格闘以外は一流。また、エース級のUCガンダム系MSパイロットで援護攻撃が高レベルまで上がるのは彼女のみ。ただし、強化人間Lvの関係でΖガンダムやファンネルの真価は引き出せない。
また、クロノクルとは違って敵時にステータスが引き継がれないのも利点。
少々面倒だがバグにより一周目から全ステータス+255なんてことも。

単独作品

新スーパーロボット大戦
声入りで参戦。今回は敵対するルートのみ。強化人間扱いの為少々手強い。強化人間技能はこの後の作品でも必ず所持する事になる。隠しマップ『狂気の力』には登場しないが、本編で死亡したかどうかは明言されていない。なお没データでは民間人バージョンのパイロットデータが存在しており、ボイスも収録されている。
本作独自の仕様として、カテジナを撃墜したユニットに対し、次のステージでカテジナがそのユニットをのみを狙うようになるという特殊な行動ルーチンが組まれている。
新スーパーロボット大戦 スペシャルディスク
フリーバトルに登場。またおまけマップでは敵としても出現する。
スーパーロボット大戦X-Ω
SSRサポートユニットを経て、2019年11月のイベント「宇宙に揺らぐ陽炎」からパイロットとして参戦。ゴトラタンに乗る。

パイロットステータス

精神コマンド

α
加速気合挑発奇襲
敵キャラクターとしての登場のため、使用する機会はないが、攻略本『スーパーロボット大戦α パーフェクトガイド』にて「あなたの「愛」は歪んでいますよ」などと書かれている。
α外伝
加速気合必中奇襲
D
加速気合必中ひらめき
X-Ω
加速気合挑発
パイロットパーツ装備時
閃き

特殊技能(特殊スキル)

小説版の設定を採用してか、強化人間技能を所持している。

切り払いL6シールド防御L6強化人間
α
強化人間L5底力シールド防御L7切り払いL6
α外伝
底力強化人間L4シールド防御L5切り払いL3
D
強化人間L4底力L8シールド防御斬り払い撃ち落とし援護攻撃L3コンボL2
自軍パイロット中、唯一底力とNT系技能を両立する(敵軍ではファラ・グリフォンが該当)。

サポートアビリティ

ウーイッグの御嬢さん
SSR。敵を倒すごとに攻撃力アップ。

人間関係

家族

お世辞にも良き親とは言えなかった両親と、それを許せないながらすがって生きるしかない矛盾と無力な自分。こういった要因が、カテジナの器用とは言えない直情的で苛烈な性格を作り上げていったのだと思われる。

テングラシー・ルース(SRW未登場)
父親。社会的には成功しておりそのため家も中々裕福だった。しかし、大変日和見主義な性格で、妻が出て行ったのを良い事に愛人まで作っていたため、カテジナは彼を軽蔑していた。
カテジナの母(SRW未登場)
母親。夫に愛想を尽かしたのか、男を作って家を出てってしまった事が明らかになっており、カテジナの方も自分を捨てていった自己中心的な母を嫌悪していた。

リガ・ミリティア

ウッソ・エヴィン
ペンフレンド。物語の序盤までは、異性に関心を持ち出した少年が憧れる対象の美しいお姉さんというよくあるキャラクターであったが、物語が展開するにしたがって登場人物の性格や人物同士の関係に大きな変化が起こる事は数あれど、ここまで強烈な印象を残す例も珍しい。
ただし、『機動戦士Vガンダム』の総監督である富野由悠季氏によってウッソ(=嘘)と名付けられた彼の本質を、最も深く理解している人物とも言える。事実、富野氏はウッソ自身やその両親らを肯定的には描いておらず、劇中でカテジナがウッソに対して投げかけた言葉や嫌悪感は、そのまま製作者による問題提起でもあった。

ザンスカール帝国

クロノクル・アシャー
彼女を人質として誘拐した事が不運(?)の始まりであった。
カテジナは「私の巣」と例える程まで、クロノクルに依存していたが、クロノクルが最後に求めたのは自分ではなく、たった一人の肉親である姉のマリア・ピァ・アーモニアであった。
ルペ・シノ
新人時代の上官。
ザンスカール兵
高慢な振る舞いを見せては兵士達に反感を抱かせており、「あの人が一番、MSの弾薬を無駄に使っている」と、陰口を叩かれていた事もある。

その他

シャクティ・カリン
序盤では自分が赤ん坊の面倒を見るのが苦手なので、彼女に代わりにやってもらうなど世話になっていた。後半になるにつれて、女王の娘というだけで特別扱いされる彼女に憎悪めいた感情を抱くようになる。
なお、この『機動戦士Vガンダム』という作品は総括的に見れば「2つの母性の対立」ともいうべきシャクティとカテジナの2人の相克にテーマが秘められており、シャクティが「子供を暖かく包み込む、慈愛に満ちた母性」ならば、カテジナは「子供に対して威厳的なもので、生きていく術や知識を教え、しつけや厳しさに満ちた母性」という、人間の母性が持つ二面性の戦いとも言うべきものであった。

他作品との人間関係

ガンダムシリーズ

宇宙世紀ガンダムシリーズ

アムロ・レイ
α』では、序盤で民間人としてアーガマ隊に保護してもらった際に、葵豹馬と一触即発の状態になった時に、彼と甲児から仲裁を受ける形で諭される。
ブライト・ノア
『α』では、序盤で民間人としてアーガマ隊に保護してもらった際に、彼とオイ・ニュング伯爵に降ろしてもらうように申し出て、用件を受け入れてもらう。
カミーユ・ビダン
意外と性格や来歴、辿った運命などに共通点が数多くみられる。『D』では、エンジェル・ハイロゥでの最終決戦の際に、ウッソとクロノクルの一騎打ちのときに、やたらとウッソにアドバイスを送り横槍を入れる彼に、狂気ともとれる敵愾心を剥き出しにする。
また、ガンダムファンからは「カミーユが暴走の王様なら、カテジナは暴走の女王」と評される事もしばしば。
パプテマス・シロッコ
『α』では、同じジュピトリアンとして彼の指揮下で行動する。
バスク・オム
α外伝』ではバルマー戦役後に敗残兵となったカテジナを拾い上げ、再強化して配下にした。

アナザーガンダムシリーズ

東方不敗マスター・アジア
『第2次G』にて彼の暴れっぷりに驚愕していた。
リリーナ・ドーリアン
D』では、彼女がブルー・スウェア代表としてザンスカール帝国の代表のクロノクルと停戦交渉を行っている最中に、彼女がザンスカール帝国の方針に対して諫言を示した事が癪に触って、後述の台詞で食って掛かった。

正暦作品

ギム・ギンガナム
『α外伝』では記憶喪失の状態のまま、未来世界で彼の部下になるが道具程度の扱いであった。展開によっては彼の攻撃からウッソを庇い、命を落とす事に。

スーパー系

ダイナミック系

兜甲児
α』では、序盤で民間人としてアーガマ隊に保護してもらった際、豹馬と一触即発の状態になるが、甲児とアムロから仲裁を受ける形で諭される。
早乙女ミチル
初登場の『第2次G』では、ミチルを倒すかどうかでカテジナの運命が決まる。

長浜ロマンロボシリーズ

葵豹馬
α』では彼らが地球を守るために戦っている事を、彼に対して無駄に戦火を広げているだけだとなじってしまい、彼と一触即発の状態になる。

バンプレストオリジナル

ジョシュア・ラドクリフ
D』ではリガ・ミリティアルートを通ると彼と因縁が出来る事に。

名(迷)台詞

ウーイッグの街は、こういう風に爆撃されて良かったんです。特別区の特権にすがっていた人々は、みな堕落してしまいましたから」
第1話より。自分の住んでいた街がベスパによる空襲で焼かれたのだが、カテジナがオイ伯爵に返した反応は非常にドライなものだった。
「堕落した」という点については、大きな視点から見れば事実ではあるのだが、この台詞の前に目を閉じ、何かを思い出すような仕草をしている。カテジナの言う「堕落していた人々」とは、おそらく彼女の…。
一方で、空襲によって変わり果てたウーイッグの惨状を子供達には見せないようにと配慮する等、カテジナには犠牲者を悼む優しい気持ちが有ったようである。
「怖い人だけにはならないでね、ウッソ」
MSパイロットとして能力を開花させつつあったウッソに向けて。
余談だが、言った本人の方が後々常人より遥かに怖い人になっていくという事はビデオ最終巻の映像特典でも指摘されている。
カミオンおじいさん達のやり方では、地球は永遠に絶望的よ。だから私はザンスカールのやり方を学ぶの」
第9話より。クロノクルと共にいる事をウッソに追及された際の返答。
「これがあなたの顔、これがウッソの顔なのよね…」
「思い出というものは遠くなってしまうものだから宝にもなると言うのに、あなたという人は、ピーチャカと動き回って」
第26話より。リグ・シャッコーを駆り、ウッソのVガンダムを追い詰めながら。ウッソが敵であると頑なに思い込もうとしているのだろうか?
「ピーチャカ」という独特の言い回しが印象に残る台詞。『D』では、戦闘前会話としてほぼそのまま再現されている。
「いちいちこれ見よがしに強くなって現れる……可愛くないのよ!」
敵として対峙したウッソに向かって言った言葉。「僕が……可愛くない?」とウッソはショックを受けてしまう。
「貴様たち! その態度おぼえておけ!」
マケドニア・コロニーでウッソ達の引き渡しを求めた際「お前たちが来たから逃げられたんじゃないか! そっちで探したらいいだろう!」と正論を言われて。
この相手は足元にいたにも関わらず、直後にゲドラフのタイヤで突っ込んでいる。訊ねた際には「捕虜たちはどこに行ったのですか?」と礼儀正しく聞いていた分、豹変している様にも思える。
「とうにおかしくなっている!」
シャクティに「おかしいですよ!」と言われた時に。自身が戦争の狂気に呑み込まれている、という自覚はある模様。
「トチ狂ってお友達にでもなりに来たのかい? アハッ!」
エンジェル・ハイロゥの波動を不快に感じたため、それを攻撃するカテジナを見て味方と誤解してしまったフラニー機を叩き墜とした直後にあざ笑いながら。カテジナを語る上で必ずといっていいほど出る台詞である。
「クロノクルは私に優しかったんだ! それを!!」
ウッソに言い放った彼女の本音。
「クロノクル、来い!」
ウッソに負けそうになった際、近くにいないクロノクルに向けて放った言葉。
因みにこの時クロノクルは宿敵の母艦「リーンホースJr.」のブリッジ正面を抑えてトドメを刺そうとしていたが、カテジナの呼びかけにより生まれた隙をオデロ達に突かれてしまい、沈める絶好の機会を逃してしまう。結果的にクロノクルの足を引っ張ってしまった。
「クロノクル遅いぞ、どうした!」
そしてリーンホース特攻によって、モトラッド艦隊が全滅した際に。
「戦え…クロノクルウッソ……。私の手の中で戦いなさい……。勝った者を、私が全身全霊をかけて愛してあげるよ」
ウッソとクロノクルを戦わせた場面での言葉。女の本能をむき出しにして、二人の男が自分を巡って戦うという状況(※カテジナ視点)を楽しんでいる。この場面はイメージ背景で彼女が手を広げ二人に覆い被さるように描かれていた。
この後、結果的にウッソが勝つものの、愛するどころかクロノクルの仇としてますます憎悪を向ける。はなからクロノクルを勝たせようとしか思ってはいない。
「獲り合うなら全力を尽くしてやっておくれよ」
最終話冒頭より。ウッソとクロノクルの戦いを眺めて舌なめずりするカテジナに、もはや清楚なお嬢様だった頃の面影など微塵も残っていなかった。
「私が好きなんだろう、ウッソ。ずっと愛していたんだよね?」
「私も、君のような少年にこんなに思われて、とっても嬉しいわ」
「戦いのケリもついたようだわ…君が勝ったの。でもあたしはクロノクルを愛してしまったから、君と抱き合う事はできない。だから殺してちょうだい」
「どうしようもないでしょう?! こうまで君と戦ってきたあたしが、クロノクルのところに行くしかないのよ。だったら潔く君の手で、このあたしを…」
最終話、クロノクルを降すもエンジェル・ハイロゥのブロックに挟まれ身動きが取れなくなったV2の前に、ゴトラタンが降り立つ。ハッチを開き、カテジナは勝者となったウッソに対して「自分を殺して」と懇願しながらウッソに接近する。ウッソは「死ぬことなんてありませんよ」とカテジナを受け止めるが…。
「甘いよねぇ、坊や!」
しかし、それはカテジナの罠だった。油断したウッソの脇腹に隠し持っていたナイフを突き立てながらこの台詞である。もっとも致命傷を与えるまでには至らなかった。
「クロノクル、白いやつを手向けにしてやる。そしたら!」
「外れた!? なんで!」
亡き想い人のため、ブロックに挟まれたV2を狙い撃つものの、そのビームはV2を拘束していたブロックに当たり、脱出を許してしまう。
もしかしたら、この時から既にカテジナの失明兆候があったのかもしれない。
「来ると思ったよ……。甘ちゃん坊やは、この艦が沈めばこの艦もろともみんなが幸せになるんだろう?」
最終局面でウッソを待ち伏せした際に。富野節全開である。
「ば、馬鹿にして……。坊主がやること! 坊主がッ!!」
そして、待ち伏せにひるまなかったウッソに激昂してこう吐き捨てる。"坊や"から一転して"坊主"、である。
「まやかすなぁッ!!」
上記の台詞の後、なおも向ってくるV2に対して。直前でオデロらの残留思念がウッソに語りかけており、それを聞いてしまったため振り切るかのように叫んだ一言。この時、瞳のハイライトが消えている。
「い、いえね……冬が来ると、訳もなく悲しくなりません?」
最終話エピローグより。恋人も視力も記憶も家も何一つ残らず全て失ったカテジナがシャクティに残した台詞。
宇宙世紀シリーズのラストを飾るシーンであり、視聴者に何とも言えない悲しみを与えた。
余談だが、『ケロロ軍曹』において、渡辺久美子氏が演じる宇宙渡辺久美子が上記の台詞を喋るという、パロディ場面が存在する。

スパロボシリーズの名台詞

旧シリーズ

(これではDCと変わらないじゃないの…)
第2次G』第4話「謀略の街」より。人質を取られ敵に回ったことで撃墜され、負傷した早乙女ミチルを見て。「戦闘中で仕方なかった」と言うブライトに、引いてはホワイトベース隊に失望したカテジナは後にクロノクルによって連れ去られ、やがてこちらに牙をむく事になる。
「ヒジョーシキだわっ!! あんなのって!」
『第2次G』第13話「デビルガンダム出現」より。東方不敗の暴れっぷりに驚愕して。確かに非常識だが…。

αシリーズ

α

「私はあなた達に助けてくれと頼んだ覚えはないわ。それに、あなた達の行動は無駄に戦火を広げているだけではなくて?」
第11話(ジャブローへ向かうルート)「白いモビルスーツ」より。豹馬達と口論になった時の台詞。
平和の為に対して戦っている彼らに対してこの言い方は失礼であろう。『α』から更に後の時代にも、空気の読めない発言をαナンバーズにぶつけて不快な思いをさせたもいるが。
「オデロ君、あの人達に投降しましょう」
オデロ「何だって!?」
エゥーゴの戦艦に乗るより、ジオンに投降した方がマシだわ」
オデロ「あ、あんた…正気かよ!? あいつら、俺達の街を爆撃しやがったんだぞ!!」
「私は連邦政府の支配下で生きて行くつもりはないわ。いずれ地球の人々はスペースノイドに粛正される…だったら、今の内にジオンへ身を寄せた方がよくてよ」
第12話(ジャブローへ向かうルート)「戦いは誰のために」より。
独立部隊とはいえ連邦の一組織に保護されるという事が、連邦の特権にしがみ付いていた両親やウーイッグの住民など自分が一番忌み嫌っていた人たちと同類になるため、それを嫌がったのである。
アーガマの人達のやり方では地球は永遠に絶望的よ…だから、私はジュピトリアンのやり方を学ぶつもりなの」
第37話(弾丸を撃ち落とすルート)「ジュピトリアン」で、思想の違いからジュピトリアンに身を投じ、敵となってウッソの前に立ちはだかった台詞。原作9話のアレンジ。
やはり、「地球に住んでいる人達の中にも助けを求めている人はおり、どんな人間であれ彼らを見殺しには出来ない」』というお題目を掲げて戦うばかりに、「地球の重量に魂を引かれた人間達」を増長させる結果を招いているようにしかカテジナには見えず、ロンド・ベルの方法では手緩過ぎると困惑するウッソに言い放つ。
「じゃあ、どこへ行けというの!?お前達と…ここまで戦った私は!!」
第58話(エンジェル・ハイロゥを追うルート)「勝者と敗者に祝福を」に於ける主人公との戦闘前会話。主人公が放つプレッシャーへの生理的嫌悪感と、「カテジナが居るべき場所は戦場じゃない」と説く言葉の前に一瞬、しおらしい振る舞いを見せるが…。
「フッ…フフフ…ハハハ!甘いねえ…そうすれば、皆が幸せになれるとでもいうのか!?そんな甘い考えで、これから先の戦いに生き残れるものか!」
直後、主人公が発した「拘りを棄てろ」との言葉に狂笑し、ゴトラタンの照準を主人公機へと絞り込む。

α外伝

「…ウ…ウッソ……!」
第38話「月光蝶」において、カテジナを撃墜しなかった際の台詞。ギンガナムの奇襲からウッソを庇った際に、記憶を取り戻して発した一言。
すでに機体が限界であったため、耐えられずに戦死という悲惨な最期を遂げる。
「あ、あの頃の……あの頃の…ウーイッグに……!」
同上。カテジナを撃墜した際の台詞。上記共にウッソが脱出を促すが、錯乱しているのかそれを聞き入れないまま機体と共に爆発してしまう。
最後の最後で忌み嫌っていたはずの自分の生まれ育った故郷の名を呼んでいた事から、カテジナが心の底から本当に欲しがっていたのは、自分を受け入れてくれる愛情と優しさに満ちた暖かい家庭だったのだろう……。

携帯機シリーズ

D

「ジョシュア・ラドクリフ。あなたのような男は、戦いをして犯した罪をつぐないなさい!」
リガ・ミリティアルートを通った場合に発声する「ザール艦隊総司令、クロッペン出撃!」におけるジョッシュとの戦闘前会話より。
「ピースクラフト。貴女は話し合いにきたのか? それとも我々をバカにしにきたのか?」
「聞こえないレクイエム」シナリオデモより。ブルー・スウェアベスパの停戦交渉の最中、リリーナがベスパは地球侵攻の大義名分としてマリア主義を利用しているだけであると苦言を呈した際に。
カテジナから見れば、リリーナも気に食わなかったのだろうが、地球圏もザンスカール帝国も分け隔て無く平和へ導きたいと考えるリリーナに対し、個人的感情を優先させる視野の狭いカテジナという、両者の器の違いを見せつけられる事となった。
そもそもリリーナは今はモトラッド艦隊司令のクロノクルと交渉しているのであって、カテジナが口を挟んでいい場面ではない。事と次第によってはこういった独断専行が、本来なら交渉決裂に繋がりかねない。自分の立場を理解せず分を弁えようともしない態度もさりげなく原作通りに再現されている。
「…はい。もし私1人が生き残ったのなら、死ぬほかはありませんでしたし…そういう覚悟をされたクロノクル大尉と一緒なら、私も居場所を失わずに住むと思えます。周囲の人たちからは、大尉が守ってくださるのでしょう?」
終盤、ブルー・スウェアと共に戦う事を決意したクロノクルに「共に来て欲しい」と言われて。この返答に、クロノクルも「君がいてくれれば私も嬉しい」と喜ぶ。原作終盤とは大違いで、互いに信頼しあう恋人同士としてよき関係となっている。
「すっかり、戦士の顔になったのね、ウッソ。あなたが戦いの中でカサレリアのウッソくんではなくなったように、私も、もうウーイッグのカテジナ・ルースではないわ。それは、覚えていてちょうだい」
終盤、ブルー・スウェアと共に戦う事を決意した直後のウッソとのやり取り。カテジナもどこか複雑そうで、切ない台詞。

搭乗機体

リグ・シャッコー
最初に搭乗した機体。事もあろうに、ウッソが初めて戦ったシャッコーの発展型に初恋の相手が乗って自らの前に立ち塞がるという因果。
ゲドラフ
カテジナ曰く「リガ・ミリティアの連中の鼻を明かせる」と意気込んでいたが…リガ・ミリティアの新型に一蹴される。
ゾリディア
地球クリーン作戦時に使用[1]
ゴトラタン
最後の乗機。カテジナの狂気と合わさって、脅威的な性能を発揮[2]
ガンイージ
エンジェル・ハイロゥ内で、ウッソへのだまし討ちの際に搭乗。

SRWでの搭乗機体

ブルッケング
』にて搭乗。
コンティオ
α』にて搭乗。

余談

  • カテジナの結末について、富野由悠季総監督は「カテジナを殺すつもりはなかったがタダで済ます事は作劇上できないので、ペナルティとしてこうなった」と語られている。
    • 一方で、それと同時に彼女にこのような救いのない役回りを与えてしまった事に罪悪感も感じていたようで「頑張って狂ってくれたカテジナを救うには これしか無かった」とも語っている。
  • 富野総監督自身の筆による小説版では、リガ・ミリティアの秘密工場が襲撃を受けた時に全身に大火傷を負い、茫然自失の状態になっていた所をクロノクルに救助される。その後、治療手術に耐えた事から強化人間にされた後べスパのパイロットとなりゴトラタンに搭乗、最終決戦の中でウッソとの戦闘で命を落としている(撃墜の際にはウッソと共鳴しており、彼の思いの中の過去の自分を見ている)。なお、同作では明確にクロノクルと恋仲になっており、性行為も行っている。
  • 寿司(ことぶきつかさ)氏のギャグ漫画『いけ!いけ!ぼくらのVガンダム!!』では「カテ公」と呼ばれており、それが広まって一部ファンの間でもカテ公と呼ばれることがある。なお、彼女はラストシーンでシャクティによってワッパに爆弾を仕掛けられて爆殺される(!)という結末になっている。
  • 『コミックボンボン』で連載された岩村俊哉氏のコミカライズ版では、カテジナは未登場である。その為か、同誌のリグ・シャッコーの紹介記事内で「カテジナさんって、覚えてる? ウッソがウーイッグにいた頃、憧れていた女の人だ」と、何やら弱気な紹介をされていた。

商品情報

資料リンク

脚注

  1. なお、第36話「母よ大地にかえれ」では戦闘開始当初、カテジナはゲドラフに搭乗していたが、後半ではいつの間にかゾリディアに変わっているという場面がある。作画ミスだったのか、それとも長い戦闘の最中で乗り換えたのかは不明。
  2. 小説版ではクロノクルゴトラタンのカラーリングを目にした際、前夜抱いた際のカテジナの女性器の色を思い出すというシーンが存在する。