「フリット・アスノ」の版間の差分
細 (→ゲーム・書籍媒体) |
(→余談: 無意味な補足) |
||
476行目: | 476行目: | ||
**補足すると、フリットは生身で宇宙空間に出る前に肺から空気を吐き出し、[[太陽|太陽光]]を浴びないように双方のMSの位置を調整した上で宇宙空間に出ている。'''極めて科学的に正しい描写である'''。 | **補足すると、フリットは生身で宇宙空間に出る前に肺から空気を吐き出し、[[太陽|太陽光]]を浴びないように双方のMSの位置を調整した上で宇宙空間に出ている。'''極めて科学的に正しい描写である'''。 | ||
**しかしながら、上記の([[クェス・パラヤ]]の様に)フリットがノーマルスーツを着用せずに宇宙空間に出る場面は、視聴者にとっては安全面等において賛否両論であった。その為、小説版では、これらの行動は削除された。 | **しかしながら、上記の([[クェス・パラヤ]]の様に)フリットがノーマルスーツを着用せずに宇宙空間に出る場面は、視聴者にとっては安全面等において賛否両論であった。その為、小説版では、これらの行動は削除された。 | ||
− | * | + | *フリットは現時点の[[ガンダムシリーズ]]において、幼少期から老年期までの活躍が描かれた数少ない[[主人公]]である。 |
− | ** | + | **またフリットは、映像作品としては初めて父親および祖父になったガンダムシリーズ主人公である。 |
*壮年期以降のフリットには、視聴者から少年期との区別も込めてそれぞれに'''「オジット」'''あるいは'''「ジジット」'''という[[俗語・俗称|あだ名]]が付けられている。 | *壮年期以降のフリットには、視聴者から少年期との区別も込めてそれぞれに'''「オジット」'''あるいは'''「ジジット」'''という[[俗語・俗称|あだ名]]が付けられている。 | ||
2019年10月13日 (日) 16:50時点における版
フリット・アスノ | |
---|---|
外国語表記 | Flit Asuno |
登場作品 | |
声優 |
豊永利行(フリット編) 井上和彦(アセム編以降) 嶋村侑(幼少期) |
デザイン |
千葉道徳 長野拓造(原案) |
初登場SRW | スーパーロボット大戦BX |
SRWでの分類 | パイロット |
プロフィール | |
---|---|
種族 | 地球人(Xラウンダー) |
性別 | 男 |
年齢 |
|
出身 | スペースコロニー「オーヴァン」 |
身長 |
147cm(フリット編) 189cm(アセム編以降) |
所属 |
|
役職 |
隊長(青年時) 総司令官(アセム編) 退役(キオ編) |
軍階級 | 中将(アセム編) |
フリット・アスノは『機動戦士ガンダムAGE』の主人公の一人。
概要
第一部・フリット編の主人公にして、作品自体を通しての主人公とも呼べる重要人物。
技術者「モビルスーツ鍛冶」として有名なアスノ家[1]の出身であり、自身も技術者としての高い素質を持ち、若年でありながらガンダムAGE-1の設計・開発を担当する。
来歴
第1部前半フリット編
A.G.101年、「天使の落日」と呼ばれるヴェイガン(当時はUEと呼ばれていた)による最初のコロニー「エンジェル」襲撃の日に生まれた。7歳の時、ヴェイガンによってフリットの故郷であるコロニー「オーヴァン」を襲撃され、母マリナを喪う。彼女の死に際に、小型コンピューター「AGEデバイス」を手渡された。
14歳時、住んでいたコロニー・ノーラへとヴェイガン(UE)が侵攻。AGEデバイスに内蔵されていた設計図のデータを元に製造・完成したガンダムAGE-1を起動させ、MS・ガフランを辛くも撃破する。それ以降はヴェイガンを多く撃破する数少ない戦力として重宝されるようになり、ヴェイガンの秘密基地アンバット陥落(後に「コウモリ退治戦役」と呼称される)まで前線で戦い抜いた。頑固な性格で自身の考えを曲げようとしない。また、悲劇的な経歴からか、この頃はガンダムに対する想いが人一倍強く、ガンダムAGE-1に他のパイロットが乗ることを強く拒絶する程(ただし漫画版などではラーガンにAGE-1で出撃するように進言することもあった)。しかしアセム編以降は成長によるものか、執着心はだいぶ薄れている。
第1部後半青年フリット編
コウモリ退治戦役後、フリットは地球連邦軍へ正式に入隊。以降は青を基調としたノーマルスーツを老年期まで着用している。入隊後、着実に戦果を挙げた事によって22歳の時点でモビルスーツ部隊長(部隊名は「アスノ隊」)への昇進を果たし、地球連邦軍基地の一つ「トルージンベース」へと赴任した。
トルージンベースは(防衛戦力がアスノ隊の一つだけしか無かった状態だったとはいえ)前線から遠く離れた宙域に所在していた為、そこに駐留する軍人達の緊張感は皆無であった。しかし、フリットは新たな換装形態「ガンダムAGE-1 レイザー」の調整を進めながら、敵襲への警戒を怠らなかった。[2]
そんな状況の中、ヴェイガンの4隻の巨大戦艦からなる艦隊がトルージンベースに襲来する。フリットは単機で敵MSを相手に奮戦するも、多勢に無勢であった。しかし、フリットは「敵艦の外壁に味方MSを取り付かせ、外壁部に出ている情報伝達ケーブルを伝って敵艦の航行コンピュータを乗っ取る」という奇策を編み出し、部下である技術部門出身の連邦兵にそれを実行させる。その結果、敵艦の操舵を乗っ取る事に成功。さらに、この艦を他の艦に玉突き衝突させて、ヴェイガン艦隊を壊滅させる事に成功する。フリットはたった一部隊でヴェイガンの4隻の巨大戦艦からなる艦隊を撃退し、トルージンベースを守り抜いた戦い(後に「アーシュランス戦役」と呼称される)の功績によって、異例の三階級特進となった。
アーシュランス戦役後、フリットはトルージンベースへの赴任中に再会した幼馴染のエミリーと結婚。彼女との間にアセムとユノアの一男一女をもうけた。
第2部アセム編
地球連邦軍総司令部「ビッグリング」基地司令へと昇り詰めた。この頃から口髭を蓄えている。歳を重ねた事もあり、冷静な判断力を多く見せた他、自身もパイロットとして前線で戦い、Xラウンダーかつアップデートを繰り返しているとは言え、旧式の機体でありながら最新鋭機を多く撃破するなど腕の衰えを一切感じさせない。
当初は地球圏からヴェイガンを一掃する事を目的としていたが、アセム編最終話において旧知の仲である戦友たちを失った事もあり「全てのヴェイガンを殲滅する」という異常なまでの憎しみを持つまでに至る。
第3部キオ編
この頃には地球連邦軍を退役している(小説版ではゲームクリエイターとして活動している様子)が、密かにガンダムAGE-3を建造し、孫のキオをパイロットとして育てていた。オブザーバーという形で軍に復帰し、ディーヴァに乗艦。新艦長のナトーラ・エイナスを補佐していたが、ガンダムAGE-1 フラットが搬入されてからはパイロットとしても活動するようになった。さすがに齢60を超えているためか、全盛期に比べると明らかにパイロットとしての腕は低下している。退役していたとはいえ、その影響力は今なお健在であり、そのせいで一部の連邦軍人からは快く思われてもいない。長きに渡る救世主・ガンダムへの執着とヴェイガンへの憎しみが募るあまり、口を開けば「殲滅」とヴェイガンの殲滅に非常に強く拘る様になってしまっている。
第4部三世代編及び没後
終盤では再び連邦軍総司令(中将か不明)に復帰し最終決戦では最前線で奮闘、敵の本拠地コロニー「セカンドムーン」を眼前まで迫りプラズマダイバーミサイルを使用しコロニーごとヴェイガン「殲滅」を果たそうとするもかつての恋人ユリンが残留思念としてあらわれ彼女を守られなかった事を悔やみ続けるフリットに「自分を許してあげて」と問いかけられ自分の今までしてきた所業を悔やむ。そんな最中、最後の敵として立ちはだかったゼラ・ギンスの搭乗機体であるヴェイガンギアがシドに取り込まれヴェイガンギア・シドに変貌を遂げ暴走状態に陥り敵味方関係なく攻撃を仕掛けセカンドムーンが崩壊し始める。全ての憎しみと復讐心を捨てたフリットはコロニーに住まう人々を救うためヴェイガン全軍を説得し協力しあい半壊状態に陥ったコロニーから取り残された人々を救助するため自身の命をかけて奮闘した。
戦後、火星のマーズレイの対策に人生を費やし死病の克服を実現に成功し「抱え切れなかった人口」全てを了承できるよう火星移住計画を実現させるも、完遂を待たず死去。そしてラ・グラミス戦から37年後に当たるある日、地球とヴェイガンの双方を救った彼を讃え、ガンダム記念館に「フリットの銅像」が建てられていた。この記念館の完成時点をもってフリット生誕=UEと人類の接触より100年、「機動戦士ガンダムAGE」の謳い文句でもある『100年に渡る戦い』はついに終わりを迎えたのだった。 結果的にその人生の多くを戦争に費やし、護れなかった自責の念から他者のために戦い続け、ヴェイガンを憎んで憎んで憎み続けながらも最終的には憎しみを捨て、地球とヴェイガンの双方に尽力した末にその生涯を終えるという壮絶な人生を送った彼は間違いなく人類の救世主とも言えようか。
キャラクターの総評
キオ編以降における度重なるヴェイガン殲滅発言が視聴者の強い印象に残ってしまったのか、ガンダムシリーズは勿論ロボットアニメにおいても数少ない主人公でありながら「殲滅至上主義者」というその特異のキャラクター性が、特に語り草となっている。それ故に、パトリック・ザラやミツヒロ・バートランド、終いには三輪防人といった他作品の主人公達と敵対・対立する立場にある醜悪に歪んだ過激思想を持った人物達の同類と見做されてしまいがちな傾向もある[3]。
しかしながら、フリットがヴェイガンに対しての過激なまでの殲滅思想を抱くようになった背景には、彼が幼少期からの悲劇的な経験を多く得た事も関係している。すなわち、フリットの殲滅思想は、大切な人々をヴェイガンの襲撃から守りきることができなかった事に対する後悔の念に端を発するものであり、その悲劇を繰り返させまいとする強い決意と責任感の表れでもあった[4]。
そして、何よりもフリットは口でこそ過激な発言をするものの、人としてあるべき心をも失った上記の面々と違って人としての良心も強く残しており、実際に一線を越えてしまった事は全く無い点を留意すべきであろう。ただし、本当に一線を越えようとしてキオら他の人々に水を差されて不発に終わったこともあるため、「自分を止めてくれる人がいてくれたから外道に堕ちずに済んだ」という解釈も捨てきれない。そういう点では「多くの悲劇を経験したが、得難い人々に恵まれもした男」であったとも言える。
登場作品と役柄
携帯機シリーズ
- スーパーロボット大戦BX
- 初登場作品。本作ではシナリオの都合上、第3部の姿での登場となるが、第41話「君の中の英雄」で一度だけ少年時代の姿が見られる。
- 序盤から自軍部隊に同行し、BXの首脳陣の一人として活躍する。自軍の中でも屈指の老齢であり、後述にもあるように『ガンダムAGE』のみならず宇宙世紀ガンダムシリーズや『ガンダム00』、マクロスシリーズの歴史を内包した世界観を持つ本作の世界で長きにわたる戦いを生き続け、十分なまでの勇名を馳せている為その存在感は非常に大きい。特にガンダムシリーズでは『UC』『劇場版00』が参戦している都合上、ティターンズやアロウズなど軍内部の醜い争いを繰り返す上にアムロやシャア、セルゲイなど自身よりも年齢が下である後輩が次々と死ぬという、責任感をより深めかねない原作以上に過酷な状況と化している(特にティターンズに関しては、アセムの失踪・フリットの退役がデラーズ紛争の時期と合致しているため、「フリットが退役したためにティターンズの台頭を許してしまった」と取れる時系列になっている)。さらに初代マクロスの時系列がフリット編と重なる時期のため、ゼントラーディたちのような異星人とは和解できたのに地球人同士で争っている状況を目の当たりにしていることになる。また、その年齢と経歴ゆえ、物語開始以前から幾人もの他作品のキャラクターと面識を持っている。
- 原作同様ヴェイガンに対して強い憎悪を向ける場面では周囲に戸惑いを与える事もあるが、同時に優れた人格者である面も多々描写され、BXのメンバーからも強く信頼されている。終盤には原作同様、地球連邦軍の総司令に復帰する。精神世界でのユリンとの邂逅、そこから続く戦場全域への協力要請イベントはDVEつきでしっかり再現されている。
- 当初はディーヴァのサブパイロットとして参入し、終盤でガンダムAGE-1グランサのパイロットに転向する。恐ろしいまでの火力を誇るAGE-1のお陰ですぐ一軍になれるだけの能力はあるのだが、ディーヴァを使っていないと低レベルで加入する事になるのが最大の難点。そのディーヴァも比較的性能が低く、他の母艦に押され気味で出番が少ない。
- また、サブパイロットとして自軍に参入済みである(自身で出撃していないので撃墜数を稼げるわけがない)ためか、あるいは退役して長かったことを表しているのか、参入時の撃墜数が0である。……乗機がトンデモ性能のMAP兵器を持っていることも一因と思われるが。セリック生存を果たせなかったプレイヤーはMAP兵器で撃墜数を稼いでいくのも一手。
- なお、戦術指揮も担当する。内容も相応にフリットらしいものであり、三段階目までいくとヴェイガンに対して猛威を奮う。
- 戦闘前会話についてはキオがメインの主人公格として扱われ、それにフリットとアッシュが加わる三人一組の形になっている。(『UX』におけるシンの戦闘前会話でのキラ、アスランの関係に近い)。
パイロットステータス
能力値
老齢かつブランクが長いとは思えないエース級能力の持ち主で、防御以外の全能力が平均的に高い。AGE-1は射撃特化なのだがフリットのパイロット特性は「格闘」なので、キオや刹那、撃龍神、フラグが立っていればゼハートやジラードなど、「長射程の格闘武器」持ちと組むと良い。
精神コマンド
- BX
- 集中、直感、闘志、魂、覚醒
- 『ガンダムAGE』の初代主役だけに、息子も孫も持っていない「魂」と「覚醒」を所持。
- 魂は乗機に追加されるプラズマダイバーミサイルの凶悪な性能と併せると自軍でもトップクラスのダメージを与えることができ、正に「鬼」のような活躍を見込める。
- サブ時も構成と習得Lvが同じなので、頑張ればディーヴァも覚醒させられるが、習得がLv53なので周回時でないと厳しいだろう。
特殊技能(特殊スキル)
- BX
- XラウンダーL9、援護攻撃L1、援護防御L1、全体攻撃L1、指揮L3、ガード、カウンター、見切り
- 初めからガード、カウンター、見切りを所持しており、Xラウンダーレベルも最高の9まで上がる。かつて地球連邦軍の指揮官であった経験を持つ故か、母艦の艦長以外でただ一人の指揮L3持ち。
戦術指揮
- 反撃時の攻撃力上昇、ヴェイガンに対する攻撃力・防御力上昇、連続ターゲット補正無効
- 「ガンダムでヴェイガンを殲滅しろ」と言わんばかりの効果。もっとも、決着が付く第41話「君の中の英雄」以降も反撃無双に大きく貢献してくれる。
人間関係
家族
- マリナ・アスノ
- 母。フリットが7歳の時にUE(ヴェイガン)に屋敷を襲撃され落命。死に際にAGEデバイスを彼に託した。
- 最終話では「フリットが守れなかった人」の一人として幻影として現れた。台詞こそ無いが、息子を見守る母を前にフリットのヴェイガンへの憎悪も氷解していった。
- 余談だが、名前が同じ『ガンダム00』のマリナ・イスマイールとは声優も同じで、恒松あゆみ氏が演じている。
- エミリー・アモンド(エミリー・アスノ)
- 幼馴染。後に結婚する。小説版の描写によると、恐妻家な一面も見受けられる。
- バルガス・ダイソン
- エミリーの祖父で、後に義理の祖父となる。ガンダムAGE-1開発を支援した。
- ちなみに関係はかなりフランクなのか、名前を呼び捨てで呼んでいる。
- アセム・アスノ
- 息子。親子仲自体は良好ではあるが、優秀な父へのコンプレックスとフリットの性格故にやや冷めた関係でもあった。
- アセムがキャプテン・アッシュとして活動するようになった後には、方針の違いで対立する。
- ユノア・アスノ
- 娘。アニメ本編では純粋に良き父親と慕われている。キオ編では高齢ゆえに思考が硬直化してしまったフリットを諭すことも。
- ところが、一方の小説版では「フリットが放任主義であったことや連邦内のヴェイガンの内通者を過剰に粛清したこと等が原因で、キオ編の時点ではユノアから愛憎入り混じった目を向けられている」等、険悪な関係となっている。
- キオ・アスノ
- 孫。プレゼントとしてゲームと称したMSシミュレーターを与える等、アスノ家の後継者としての教育を施す。
- 一方で、老化によって身体能力が衰えた自分の代わりにヴェイガンを滅ぼす者としての教育をした事に対して強い罪悪感も抱いていた。もっとも、キオの危機には我が身を省みず助けようとする等、家族としての愛情も確かなものである。
- なお、小説版では「MSシミュレーターは親がおらず寂しがるキオにゲームとして与えたもので、操縦訓練はついでだった」事が語られている。
- TV版では、「コロニーデストロイヤーでコロニー・ノーラを破壊しようとしたガフラン」と同様の行為に手を染めようとするフリットに対し、キオは「それをなんとしても止めようとしたAGE-1」、すなわちかつての少年フリットとしてフリットの前に立ちはだかる存在でもある。
友人
- ユリン・ルシェル
- コロニー・ノーラ脱出時に出会った少女。互いに心惹かれていくものの、最終的にデシルからの攻撃を彼女に庇われる形で死別してしまい、フリットの心に強い傷を残した。
- ちなみに、ゲーム版では「フリットの初恋の人」というポジションである(キスシーンも存在している)。
- 最終話では「フリットが守れなかった人」の一人として幻影として現れた。自らを責めるフリットに「自分を許してあげて」と彼の憎しみを解くきっかけを与えた。
- ディケ・ガンヘイル
- 幼馴染。ノーラ脱出時に共にディーヴァに乗艦。以後バルガスのサポートをするなど、後方支援として活躍。
- その後も、ディケの娘・アリーサおよび孫・ウットビットと一家揃っての付き合いとなる。
- 小説版ではディケは最初はフリットを嫌っていたが、UEの侵攻の際にフリットに命を救われてからは彼に友情を抱くようになり、親友となる。
- フリットはキオ編の時代にはディケを「太陽系一のエンジニア」「あの男以上の友はない」と評する等、老齢になっても彼との強い友情が健在であることを示している。
地球連邦軍
- ヘンドリック・ブルーザー
- ノーラ・アリンストン基地司令。孤児となったフリットを引き取った養父。コロニー・ノーラを脱出する際にフリットに救世主の使命を託し戦死。
- 最終話では「フリットが守れなかった人」の一人として幻影として現れた。
- グルーデック・エイノア
- ディーヴァ初代艦長。彼の壮絶な生き方と思想はフリットの後々の人生に大きな影響を与える事になり、フリットにとっては人生の師の一人である。
- 最終話では「フリットが守れなかった人」の一人として幻影として現れ、フリットの壮絶な人生を労った。
- ラーガン・ドレイス
- ガンダムAGE-1のテストパイロットであり、少年時代からの兄貴分。
- ウルフ・エニアクル
- ラーガンと並ぶもう一人の少年時代からの兄貴分であり、息子のアセムにとっても恩人となる。ゲーム等で描写された青年期においては二人で組んでいたことから「二筋の流星」という異名で呼ばれていたことも。
- フリットが軍の改革の為に昇進する一方ウルフは現場に拘ったことからコンビは解消されるも、ディーヴァのMS隊を任せたりテクノソロン社への潜入調査を任せたりとその信頼は変わらなかった。
- 最終話では「フリットが守れなかった人」の一人として幻影として現れた。
- フレデリック・アルグレアス
- ビッグリング参謀であり、側近。退役してからも関係は続き、様々な便宜を図って貰った事も多い。
- ナトーラ・エイナス
- ディーヴァ三代目艦長。不慣れな彼女を叱責する事も多いものの、素質の高さと日々の努力を評価してもいる。
- セリック・アビス
- アビス隊を率いる隊長。彼やナトーラと今後の行動方針や作戦を相談し合うことが多い。
- ジラード・スプリガン
- ヴェイガンへ寝返った連邦軍大佐。
- 小説版ではキオにエースパイロットの例として名指しする等、その力量を買っていた模様。
地球連邦政府
- フロイ・オルフェノア
- 地球連邦首相。実は、ヴェイガンに内通していた。
- 青年フリット編にて、フリットを守りが手薄なトルージンベースに赴任させ、トルージンベースをヴェイガンの艦隊が襲撃するという出来事が起こった。
- アセム編では、逆にフリットが起こしたクーデターによって自身の罪を暴かれて失脚に追いやられ、粛清される。
- 余りにも激しいフリットの復讐心を目の当たりにしたため、連行される時は「復讐に取り付かれた男」「貴様ごときに地球が守れるかぁ!!」と激しく罵っている。
ザラムとエウバ
- ドン・ボヤージ
- 旧国家派閥にして武装マフィア「ザラム」のリーダー。フリット編において、下記のラクト共に共闘するが、ファーデーン防衛戦においてフリットの目の前で帰らぬ人となってしまう。
- 最終話では「フリットが守れなかった人」の一人として幻影として現れ、笑顔でフリットを見守っていた。
- ラクト・エルファメル
- 旧国家派閥にして武装マフィア「エウバ」のリーダー。ファーデーンの騒動以降コウモリ退治戦役まで共闘した。小説版ではキオ編でも存命であり、キャプテン・アッシュことアセムにフリットがヴェイガンへの復讐に拘る理由としてユリンの事を伝える。その際の発言からも自らをザラムとの復讐の連鎖を断ち切ってくれたフリットが復讐鬼になってしまった事を嘆いている事を窺わせる。
ヴェイガン
- フェザール・イゼルカント
- ヴェイガンの首魁であり、宿敵。
- フリットは独善的な目的で多くの人間の命を奪ってきた彼のことを「邪悪な存在」「人類の敵」「魔王」などと口を極めて痛罵しており、激しい憎しみを抱いている。
- しかしながら、小説版第5巻にてキオが批判したとおり、フリットとイゼルカントの両名は「過去にとらわれ、過去を言い訳にして、憎悪と哀しみだけを広げている」者同士であり、「同じコインの裏表」の関係であったとも言える。
- デシル・ガレット
- フリット編において敵対関係となる。若干7歳でありながら、AGE-1を強奪するなど数多くの煮え湯を飲まされることとなる。しかし、アセム編においては戦闘経験を積んだフリットの敵では無かった。
- デシルは、ユリンおよびウルフを死亡させた元凶であり、フリットにとって「不倶戴天の怨敵」と言える存在である。ただし、長年の戦いを経たアセム編の時点ではフリットの復讐はヴェイガン全体を対象としており、デシル個人に対してはことさら強い執着を持ってはいなかった(むしろデシル側のみがフリットに一方的に固執し続けていた)。事実、最期はフリットではなく息子アセムによって引導を渡された。
- 結果的に、フリットが殲滅主義者と化す一因となり、結果的に地球とヴェイガンとの和平を困難にした遠因を作った罪作りな人物と言えよう。
- ギーラ・ゾイ
- フリット編に登場した宇宙要塞アンバットの司令官。フリットが誕生した日に起きたUE(ヴェイガン)によるスペースコロニー襲撃事件、いわゆる「天使の落日」の主犯格である。
- 撃破したMSデファースから降りた彼と対面して、フリットらは「UE(ヴェイガン)の正体が自分達と同じ人間である」という衝撃的な事実を知り、そのうえで「ヴェイガンは人間ではない」という思想に染まることに。
- ドール・フロスト
- 青年フリット編の「アーシュランス戦役」にてフリットと交戦した血気盛んなXラウンダー。
- なお、ドール・フロストは後年、アセム編に登場する8人のXラウンダーで構成されるエース部隊「マジシャンズ8」のリーダーに就任している。
- フラム・ナラ
- 彼女自体に特に強い因縁(強いて言えば、青年フリット編にて彼女の実兄ドール・フロストを交戦したことか)は持たないが、実戦経験不足の新兵と見抜く。
- 乗機がかつてユリンを苦しめたファルシアの発展機であるためか、小説版では怒りを露にし、『BX』では彼女からもフリットの過去を知った上での挑発の言葉を受けて小説版以上に強い憎悪を向けた。
- ゼハート・ガレット
- デシルの弟。戦場では司令官兼エースとして幾度となくあいまみえ、戦術勝負にMS勝負と様々な形で激突した。ゼハートの生き様は、「フリットあるいはアセムの別の可能性」とも言えるものであった。BD豪華版では特典イラストでまさかの競演を果たし、仲良く温泉卓球をやっていた。
その他
- イワーク・ブライア
- フリット編においてファーデーンへ立ち寄った際に彼の世話になっている。その際のやり取りは、放送終了後の現在でもなお語り草である(後述)。
他作品との人間関係
ガンダムシリーズ
- ブライト・ノア
- 『BX』では、かつての部下。ブライトとは強い信頼関係にあり、中盤に再会した際、彼とバナージを引き合わせる。
- カイ・シデン
- 『BX』では第1次ネオ・ジオン抗争以来の旧知の仲で、協力者。
- バナージ・リンクス
- 『BX』ではロストロウラン戦の直後に戦いに悩み苦しむバナージを気遣い、彼をブライトと引き合わせる。
- オットー・ミタス
- 『BX』では自軍部隊の首脳陣仲間の一人で、ジェフリーやアズベスらも交えて共に何度か酒を酌み交わし、語らう場面も。
- マリーダ・クルス
- 『BX』ではビスト財団に洗脳され操り人形にされた彼女の実情を知った事で、第25話「虹を見た日」ではいち早く彼女の機体を停止させて彼女を救う事を提案する。
- オードリー・バーン(ミネバ・ラオ・ザビ)
- 『BX』ではラプラスの箱の開示後、彼女からサイアムが遺言で伝えた銀の杯条約以前の技術やEXA-DBの一端の真実を告げられると共に、自身の正義と理想に歪みがあることを指摘される。
- ロニ・ガーベイ
- 『BX』では彼女の最期の様子を見て、少年時代に心を通わせるも命を救う事ができなかったユリンの事を思い出す。
- なお、OVA版『UC』におけるロニは、過去に両親を敵軍に殺害された為、父が残した機体を完成させて復讐の挙に出ている。その意味で、「(OVA版設定の)ロニは、フリットの有り得たかもしれない姿であった」とも言えよう。
- マーサ・ビスト・カーバイン
- 『BX』では政敵。己の私利私欲の為に連邦軍を私物化し利用する彼女を嫌悪を込めて「女狐」と呼んでおり、ロストロウラン戦直後に自身に嫌味を浴びせたアルベルトに対しても面と向かってビスト財団を「寄生虫」と呼び吐き捨てるなど、彼女をはじめ財団を激しく敵視している。
- また、アスノ家からAGEシステムとガンダムAGE-3の奪取も企てるなど、『BX』ではフリットにとってある意味ヴェイガンに次ぐ憎き地球人である。
- スメラギ・李・ノリエガ
- 『BX』では元は反地球連邦勢力であった彼女達ソレスタルビーイングを一応は警戒していたが、彼女達の人間性と信念を信用しすぐに仲間として受け入れる。
- カティ・マネキン
- 『BX』では地球連邦軍の改革派に属し、自身の支持者の一人である。
- アーミア・リー、タクヤ・イレイ、ミコット・バーチ
- 『BX』では、自身が義務化を導入したXラウンダー適性検査を受けたが、バナージ含め全員散々な結果だった。
リアル系
- ジェフリー・ワイルダー
- 『BX』では旧知の戦友で、かつては同じ部隊で共に戦った過去を持つ。
- アズベス
- 『BX』では関わる場面も多く、互いに敬意を表している。
- 実は、「一線を退いた歴戦の勇士」「現在は立場ある存在」「孫がいる」「その孫は『救世主と呼ばれる機体』に乗って戦っている」「大切なものを奪った敵がおり、その敵を倒すために戦っている」と、かなりの点で似たもの同士である。
- 一見フリット(キオ編以降)の同年代の友人とも見えるが実の所、フリットの方がアズベスより9歳も年上である。
- ジョルディ・ボーダー
- アズベスの見守る「孫」であり、『BX』ではフリットも彼の成長を見守っていくことになる。
- ミスマル・コウイチロウ
- 『BX』では地球連邦軍の改革派に属し、自身の支持者の一人である。
- 草壁春樹
- 『BX』ではイゼルカントの同盟者であり、自身の歪んだ正義のために姦計を弄する草壁に激怒する。
スーパー系
- 獅子王凱
- 『BX』では初対面時にオリバーノーツでの戦いでゼハートを撃退するためにあえて強硬な策をとったことに関して凱から難色を示されたが、直後にフリットの人間性の本質を悟った凱からも信頼を得る。
- 篠田俊太郎、姫木るる子
- 『BX』では序盤に彼らの直談判を受け入れ、地球防衛組と自軍部隊への同行を認める。
- 篠田先生とは酒の席で共に孫や子供達の事で語らう場面も(後述)。
名台詞
第1部フリット編
- 「また、あの時の夢見ちゃったよ…。母さん」
- 第1話プロローグより。フリットが見た悪夢の内容とは、「フリットが7歳だった時にUEによって母マリナの命を奪われてしまう」という現実に起こった惨劇であった。
- そして、フリットは母が死ぬ間際に自分に託したAGEデバイスの中に記録されていたMSの設計図を元に、「救世主」となる機体「ガンダムAGE-1」を造り上げた。
- 「さあ行こう、ガンダム。僕達がみんなを救うんだ! フリット・アスノ。ガンダム、出ます!」
- 同じく第1話より。コロニー「ノーラ」に出現したUEのMSを倒すべくガンダムAGE-1で出撃する際の台詞。初の実戦闘故にフリットは苦戦するも、辛うじてUEのMSガフランの撃破に成功する。
- そして、フリットの勝利は14年前の「天使の落日」以来劣勢を強いられていた地球連邦軍のUEに対する反撃の切っ掛けにもなった。
- フリット「そんなの意味が無いですよ!」
イワーク「そうさ、意味なんてない。上の奴らは裕福な生活を送りながら下らない思想をぶつけ合って戦闘に明け暮れている。俺達はそのしわ寄せで、こんな生活を…強いられているんだ!!」 - 第6話でのイワーク・ブライア(CV:乃村健次氏)とのやり取り。コロニー「ファーデーン」内部ではザラムとエウバの確執が未だに続いている事を聞き思わず反応するが、ほとんど八つ当たり気味に怒鳴り返される。
- 余談だが、「強いられているんだ!!」というイワークの名(迷?)台詞は、彼の濃い顔が集中線付きでアップされるという演出が為された故に、ネット界隈で予想外の人気を呼んだ。そのため、「ガンダムAGEは知らないがこのフレーズは知っている」という人も多い。
- 製作者側もまた「強いられているんだ!!」というフレーズの予想外の人気を反映してか(?)、井上和彦氏による劇中冒頭のナレーションに「過酷な環境で生きることを強いられた者たちは」等という言葉を入れるようになった。
- さらに、『機動戦士ガンダムAGE』が参戦する以前に発売された『スーパーロボット大戦UX』において、イワークと声優が同じである曹操ガンダムが「強いられている」という言葉を発する場面が存在する。さらにさらに『ヘボット!』において、主人公ネジル・ネジールが「強いられているんだ!!」の発言と共にドアップを行うというパロディが展開された。『ヘボット!』の制作元がサンライズの分家であるバンダイナムコピクチャーズである事を考えると事実上の公認ネタと言えなくもない。
- 何かとネタにされがちな台詞ではあるが、『ガンダムAGE』の登場人物には「生き方を強いられた者」が多く登場している為、真面目な方向でも『AGE』を代表する台詞となっている…かもしれない。
- 「昨日のケンカを今日に引きずるなんて、男らしくないよ!」
- 第7話より。ザラムのリーダーであるドン・ボヤージに対して。
- しかし、直後に「お前さんだって、昔を引きずって戦っているんだろうが! そのガンダムで!」と返されてしまい、フリットも言葉を濁してしまう。
- 事実、フリットは幼少・少年期のトラウマを以降も引きずってしまっている点が皮肉である。
- 「命は……オモチャじゃないんだぞおおおおおっ!!」
- 第14話より。ユリンを死に追いやったデシルへ対して激昂。圧倒的な力でデシルを撃破へと追い詰める。
- なお、フリットは(ユリンの仇敵とはいえ)デシルが7歳という年少者だった故か、トドメを刺す事はできなかった。
- 「何が救世主だ! ユリンさえ救えないなんて…。僕は…僕はああああああああっ!!」
- デシルを撃破後、心を通わせた一人の少女すら守れなかった事に対しての慟哭。この時から、フリットはUEへの憎しみ、そして無力な自分をへの怒りを募らせていく事となる…。
- 「お前達は人間じゃない! どんな姿をしてようと人間なんかじゃない! 罪の無い人達を巻き込んで、母さんだって…ユリンだって…お前達が殺したんだ!!」
- フリット編の最終話である第15話より。UEと呼ばれたヴェイガンの正体が自分達と同じ人間である事実を知った直後の台詞。
- 「なるんだ…! UEを倒して…僕が救世主になる!」
- 宇宙要塞アンバットでの戦い(いわゆる「コウモリ退治戦役」)の終結後、フリットはユリンら大切な人達を喪った悲しみを振り払い、再び「救世主」になる決意を固めた。胸にUE(ヴェイガン)に対する復讐心を抱いて…。
- そんなフリットをエミリーは、遠くから見守る事しか出来なかった。フリット編における彼の最後の台詞である。
第2部アセム編
- (お前には味わって欲しくない、大切な者を守れない悔しさを)
- 第16話より。コロニー「トルディア」を襲撃して来たヴェイガンの2機のMSを息子アセムがガンダムAGE-1によって撃退した報告を聞いて。
- 息子アセムに「救世主」ガンダムによってヴェイガンと戦うというアスノ家の宿命を負わせてしまった事に対して罪の意識を抱いているだけに、フリットは「せめて、息子アセムには自分と同じ辛い体験をさせたくない」と願うのであった。
- 「これは戦争だ! どんな手を使ってでも、お前を落とす!!」
- 第22話より。ユリンの仇敵であるデシルと再戦し、形勢がフリット側に有利なままで撤退する際に。
- 大切な人の命を奪った仇敵が相手といえど深入りしないあたり、フリットの大人としての余裕がうかがえる。
- 「お前の動きは読めているぞ! デシル!」
- 第25話より。ヴェイガン軍が抱えるXラウンダーの精鋭部隊「マジシャンズ8」を率いてディーヴァを襲撃してきたデシルを迎撃した際に。
- 感情任せの攻撃を仕掛けてくるデシルに対し、常に動きの先を読んで近づけようとしなかった。
- 結果、25年前の戦艦のみで最新鋭モビルスーツを事実上完封するというとんでもない指揮ぶりを見せつける。フリット編とは技量が完全に逆転していることがわかる。
- 「これより人間を食い荒らす、忌まわしき獣(けだもの)どもを撃退する!」
- 第26話にて戦闘開始前の艦隊への号令。徹底してヴェイガンを人間扱いしていないことがわかる。『BX』では対ヴェイガンの特殊戦闘台詞として採用。
- 「また私の前から……ウルフ……」
- 第26話にてフリット編の頃からの戦友であるウルフが戦死したことを聞いて。
- なお、この時ウルフを殺したのはユリンの時と同様デシル(もっとも、アセムの手によって討ち取られたが)であり、フリットのヴェイガンへの憎悪はさらに加速していくこととなる……。
- 「元よりそのつもりだ。私が目指すのは…ヴェイガンの殲滅なのだから!!」
- アセム編の最終話である第28話より。クーデターを決行し地球連邦首相フロイ・オルフェノアの罪を暴き、彼を前にして、堂々の殲滅宣言。この台詞を放った際のフリットの強い憎悪を滲ませた瞳も非常に印象的な場面である。
- 以後、フリットはオルフェノアをはじめとするヴェイガンとの内通者を次々と粛正(小説版ではさらに過激な粛清)していくなど、手段を選ばないようになる。
第3部キオ編
- 「アセム・・・今更、よくも私の前に姿を見せられたものだ!」
- キオがヴェイガンにさらわれた後、戦力を整えるため訪れたマッドーナ工房において、自分宛に通信をしてきたキャプテン・アッシュ(アセム)に対しての第一声。彼が戦死認定されてから13年間音沙汰が無く、連邦の部隊を襲う海賊の首領となっていた息子に怒りを向ける。
- 「ヴェイガンは殲滅する!」
- ある意味で、キオ編以降のフリットを代表する台詞。老年期のフリットはこのような感情的な台詞が特に目立つ。
- 「ヴェイガンは人間じゃない!! 人の命を簡単に奪う!」
- 第30話より。地球への侵攻を再び始めたヴェイガンの所業に怒り、キオに対して。実際、ヴェイガンによる被害は尋常ではなく、しかもこの時はオリバーノーツの市街にヴェイガンの戦艦がビーム砲で市民に無差別攻撃を加えているシーンでもあるため間違いではないが、過激な言い方が耳につく。
- 『BX』では対ヴェイガン用の特殊戦闘台詞としても採用。
- 「奴は邪悪な存在、人類を滅ぼそうとする『魔王』だ!」
- 同じく第30話より。キオに対して、ヴェイガンの首魁イゼルカントを分かりやすく、かつ過激な言い方で断ずる。
- 『BX』では本物の魔王相手の特殊戦闘台詞としても使われている。
第4部三世代編
- 「お前の考えは甘すぎる! 殺戮を繰り返す者達を撲滅しなければ、真の平和は訪れん! この戦争に勝利し、ヴェイガンを根絶やしにするのだ…!」
- 第40話より。戦争の拡大を防ぐために敢えて連邦とヴェイガンの勢力の維持に力を注いでいるアセムに対して。
- 「若いな。気合いに実力が伴っていないぞ!」
- 第43話より。ルナベース攻防戦にてフラムと相対した際に。フラムは技量不足をXラウンダー能力で補って戦っているのだが、同様に強力なXラウンダーであり、さらに技量と経験の確かなフリットの敵ではない。
- ヴェイガンに対しては過激な発言の多い三世代編のフリットだが、その中にあって「熟練のパイロット」としての側面が現れた一幕。
- 「輸送だと…? ヴェイガンの捕虜など全員処刑すれば良いのだ!」
- 第44話より。ヴェイガンの捕虜の扱いをどうするかを訪ねたフレデリックに対しての断言。
- この発言にはフレデリックも流石に当惑し、正規の手続きに基づいて地球に移送する事を伝えるが、「勝手にしろッ!!」と一方的に怒鳴りつける。
- 当然、アセムは絶句。さらにキオからも拒絶される事となってしまう。
- 一見フリットの過激さが目立つシーンであるが、その実、止めるべき人がいれば案外止めることは難しくないという事を表したシーンでもある。
- (私には守れなかった者がいる…守れなかった者達が…。私は誓ったのだ…敵を打ち倒し皆も守る救世主になると…。どんな手段を使っても…)
- 同じく第44話より。その後、息子たちが離れ一人残ったあとの独白。長い戦乱により、多くの家族・友人・仲間たちを失っていった事への自責の念をも感じさせる。
- ちなみに、この場面では「苦悩するフリットが額を寄せるガラスの向こう側に、少年時代の彼の姿が映っている」という演出がなされている。
- 「じゃあ…どうすればいいんだよ…」
「あいつらだって苦しいのは解ってるさ…でも…」
「奴らはユリンを…それに…この僕だって君を…」
「僕はユリンを守れなかった!」 - 最終話より。ヴェイガンの移動コロニー「セカンドムーン」へと大量破壊兵器「プラズマダイバーミサイル」を発射させようとするが、キオに静止されXラウンダーの能力で精神世界へと誘われる。
- 精神世界の中で少年時代へと若返っていたフリットは、長年抱えていた自責の念を吐露するが、そこへユリンを始めとするヴェイガンの攻撃で散っていった大切な人々が現れ、激励を受ける。
- ちなみに、この場面では挿入歌として1stエンディングテーマ『君の中の英雄』のバラードバージョンが流れる。「劇中流れる挿入歌の歌詞が、フリットがこれまで歩んできた人生と重なっていく」心憎い演出であると言えよう。
- 『BX』では、さらに「救世主」としてやるべき事を間違えていた事も自覚している。というか、「どうすればいいんだよ」と嘆いているように、原作の時点で必ずしも殲滅を是としていたわけではない。和平交渉はまるで通じず、イゼルカントが復讐をも超えた魔王だった結果、それしか選択肢が無かったのである。
- 「聞こえるか、地球圏と火星圏の全ての戦士達よ!! 私の声が届いている全MSに告ぐ! 戦闘を止めて聞いて欲しい!」
「このままではヴェイガンの移動コロニー『セカンドムーン』は崩壊し、多くの命が失われる! これを防ぐには誘爆を始めている球体ブロックを切り離すしかない! もはや時間は無い! ここにいる全ての者たちの協力がなければ間に合わないのだ!」
「多くの命を救うため……君たちの協力を要請するッ!」 - 同じく最終話より。キオ、アセム、そして仲間達や失った者達の励ましや叱咤を受け、過去の憎しみと自責の念から解放されたフリット。セカンドムーンを救うため、地球連邦軍もヴェイガンもなく全ての戦士達に呼びかける。君たちの力を貸してくれと。
- それは、フリットが少年時代から目指していたもの、即ち「真の救世主」となった瞬間でもあった。
- 『BX』では木連が存在するのと、セカンドムーンが崩壊するのではなく地球に落下するという状況のため、若干アレンジを加えた上で採用。また、最後の一言がDVEになっている。
- 「ああ……。あれが、キオ・アスノ……私の孫だ」
- ヴェイガンギア・シド撃破後、ゼラ・ギンスを救出したキオを指して。フリットの劇中最後の台詞でもある。
ゲーム・書籍媒体
- 「ああ…新しい機体は問題も多い。世話をかけるな」
- 新しいウェアである「レイザー」の機構に整備士が調整に苦労していたと聞いて。
- 元々エンジニアだったこともあり、整備士側の気持ちや立場もくみ取れる描写もフリットには少なくない。
- 「きっと帰ってくるよ、エミリー。君のところに……」
- 死を覚悟するほどのヴェイガンの大艦隊との戦いを前にもう会えなくなるかもしれないからと抱き着いてきたエミリーに対して非常に優しい声色で。
- エミリーの言葉は青年フリット編ではフリットとは久しぶりの再会もあって少々ぎこちない状態であったため、人物関係・恋愛面も含めた言葉であったが、DIVAメッセンジャーでの独り言も含めて、エミリーを守りたいと思う人で帰るべき場所と認識していることがわかる。
- 「戦争に大丈夫などない。生き延びたいのなら…死を覚悟して全力で戦うしかない」
「アスノ隊! 我々はどんな状況であろうと勝利を信じて戦う。それだけだ!」
「私に続け! フリット・アスノ、ガンダムAGE-1出る!」 - PSPのゲーム版『機動戦士ガンダムAGE ユニバーサルアクセル/コズミックドライブ』における青年フリット編における出撃時の台詞。
- この前のセリフである上記の言葉とは声色が違いこちらは軍人としてのフリットの言葉だということがわかる。このようなセリフ群や部下への対応、子供の頃のプライドの高さが薄まり壮年以降の過激思想も片鱗こそあれどほとんどないこともあってか、青年フリットは理想の上司と言う声も。
- 「よくやったキオ! さすがはワシの孫じゃ!」
- コミカライズである『クライマックスヒーロー』にて。このように、歴代ガンダムコミカライズ作品の例に漏れず、当作品においてのフリットは孫煩悩で砕けたキャラとなっている。
- 「そんな、ことは、どうでもいいっっっ!」
「あなたたちは、自分の子供に、同じことをおしえるつもりなのか! 銃を持って、違う奴らを殺せ、復讐をしろ、というのか! その子たちが、また誰かに復讐される人生を望むのか! 復讐された子の孫が、また誰かを殺すのか! そんな血まみれの人生を、あなたたちは、自分の好きな人に、残したいのかッ!」 - 小説版第2巻、コロニー「ファーデーン」内部におけるザラムとエウバの抗争の場面で。
- TV版と異なって本気で殺しあい復讐に復讐を重ね、もはや怨念としか言い様の無い想いをぶつけ合う彼らに対して、救世主たらんとする少年フリットは魂の底から吠える。「憎しみを子供たちに残すな、復讐を孫たちに押し付けるな」と。
- なお、この言葉は皮肉にも、成長したフリット自身へと返ってくる事となる。
- (エミリーとは意識せずに話せるのにな……この違いは、認知心理学とか大脳生理学で説明がつくのかな……?今度調べてみるか? でも、そういうことじゃない気がするな……)
- 同上、ユリンと二人きりの時間を過ごす事で、今までにない感覚にドギマギするフリット。
- なんだか酷い事を考えているようだが、これは彼にとっては比較対象がエミリーしかいないという事を示している…のだろう。
- 「許してくれ……アセム」
- 小説版第4巻より。キオに戦闘教育を施している事に関して、今は亡き(この時は死んだと思っていた)息子への謝罪。
- 当初はキオを戦争に関わらせるつもりなどは全くなく、孫に笑って欲しくて「MSバトルシミュレーター」を作り上げた。しかし、キオの才能がフリット、エミリー、アセム、ロマリーの優れた才能を総取りしたかの様な極めて高い数値を示し、孫に英雄の可能性を見出す事となる。
- 長く悩んだ末にキオにはMSバトルシミュレーターを通じてMS操縦技術を仕込む事にしたが、愛しい孫を戦争に放り込むことへの罪悪感、アセムの想いを裏切っている事実を前に謝罪とも後悔ともつかない涙を流す。
- 「私が根絶やしにしたいのはな、キオ。国民でも民族でもないのだよ、キオ。思想だ。ヴェイガンという思想を、ことごとく根絶せねばならん」
「キオよ、よいか。相対的な正義しかこの世には存在せん。我々には絶対的な真理を示してくれる神なるものは必要ない。そのようなものに従いたい、という反知性主義、己の思考を捨てる考えこそが、討つべき敵なのだ」 - 小説版第5巻より。火星圏から帰還し、ヴェイガンの実情を知った孫・キオに対して。
- そして、かの民達を「自分達の苦境に甘え、意志決定をイゼルカントという独裁者に投げ出した無責任な人々」と断じ、改めて殲滅の意志を固めつつそれをキオにも語る。
- 「『根絶やしにすべきなのは、人々ではなく誤った思想である』と語りながら、結局はその思想の持ち主である人々の殲滅を意図する」という老フリットの矛盾および心の歪みを象徴する台詞である。
- ファルシア……! 殺人を強要されたユリン・ルシェルを縛ったモビルスーツ、それを今また私の孫に向けてくる、その歪みきった精神性! やはりきゃつらは根絶やしにせねばならん……!
- 同第5巻においてフォーンファルシアの姿を初めて目の当たりにしての地の文での台詞。フリットにとって因縁のある機体のためか、憎悪を露わにした。
- なお、『BX』では、上記のフリットの発言を踏まえた台詞が存在する。詳しくは、スパロボシリーズの名台詞も参照。
- (こんな……こんな悲しみを広げるために、私は戦って来たというのか……!)
- エスペランス・ゾーン攻防戦にて、暴走したティエルヴァのビットがキオを撃とうとしているのに気づき、やむなくティエルヴァを撃墜した後に。
- 孫を救うためとはいえ、分かり合えたはずの相手を殺し、己の手で悲劇を生み出してしまった事実に慟哭する。
- 「嬰児殺しの罪を被るつもりはある! EXA-DBのデータも吸収したガンダムの進化ならば、太陽系のヴェイガンのことごとくを殲滅することは可能だ! その後で私という独裁者を討って平和を取り戻すのは、キオでもナトーラでも、若者がやればいい!」
- 最終決戦にて。FXバーストモードの影響を受けて精神世界へと沈み、ユリンをはじめとする守れなかった者達から「もういいのだ」と語りかけられるが、アニメ版と異なり真っ向から拒絶する。
- フリットにとっては、イゼルカントのエゴも、ヴェイガンの堕落も、何より自分自身を許すことは絶対に出来なかった。だからこそ、「ヴェイガンを残らず滅ぼし、虐殺者となった自分を若者が討てば全て解決する」と、妄執にも似た叫びを叩き付ける。が…。
- 「フリット・アスノ! あなたは、間違っているッ!!」
- 記憶の彼方に消えたはずの声が響き、グランサの前に白いモビルスーツが現れる。全ての始まりとなった懐かしき姿、ガンダムAGE-1ノーマル。それを駆り、フリットを否定したのは、他でもない少年時代の彼自身だった。
- 「覚悟があれば殺してもいいのか? それじゃイゼルカントとどこが違うんだ! 言ってみろ、フリット・アスノ! 自分の命を賭け金にしたら、自分が死ぬつもりがあったら、どんなテロリズムも行っても良いのか!? あなたとデシル・ガレットに何の違いがあるんだ!!」
「自分の過ちを認めて、他人の過ちを許して―――戦争を終わらせることが、『僕の勝利条件』じゃなかったのか、フリット・アスノ! 僕は……僕が、救世主になることをあきらめるなんて、決して許さないぞ!」 - 精神世界で激突する2機のガンダムAGE-1。少年時代のフリットは、老いた自分自身に叫ぶ。お前のやっていることは、イゼルカントやデシルと何も変わらないと。
- 仇敵たちの行いと、まさに今自分がやろうとしていたことが何も変わらないという事実、そして己の業を憎き敵と己自身を断罪することで清算しようとした……言い換えれば、逃げ出そうとした弱さを突きつけられる。
- 直後、ガンダムAGE-1ノーマルの放った怒りの一閃にガンダムAGE-1グランサは両断され、現実へ立ち返った老フリットは今まで自分が生き延びて来られた理由を知る。
- 1stエンディングテーマ『君の中の英雄』の歌詞にある様に、「救世主になる」という老フリットが背負う運命が、「少年時代の自分」という過去の記憶を目覚めさせ、救世主を目指した若きフリットという「英雄」が、未来の自分である老フリットを正道へ目覚めさせたのである。
- 「天才など不要の世を作るのだ。英雄など必要ない。誰もが、その愛する人と家庭を築き、次の世へ怨念を渡さなくてすむように」
「そのためには、技術を、社会を、もっと多様に発展させねばならぬ」 - フリットが晩年、よく口にしていた言葉。ヴェイガンとの長き戦争を終えたフリットは、その残る人生を平和と秩序を築き、守り、貧困や飢餓と戦うことに費やしていた。
- なお、フリットはラ・グラミス攻防戦から37年後のA.G.201年の時点では既に亡くなっており、彼の銅像が建てられている。
迷台詞
スパロボシリーズの名台詞
- 「私は…私が守れなかった者たちのために戦い抜いてみせる!」
- 『BX』での戦闘台詞。
- 単純に考えれば、この「守れなかった者たち」とはユリンやウルフ達の事を指していると思われるが、『BX』でのフリットは自身の少年時代から始まる『AGE』本編の戦いだけでなく、『1st』から『逆襲のシャア』に至る宇宙世紀の戦い、CBの蜂起から始まる『00』の戦い、統合戦争から始まるマクロスシリーズの戦いにも関わっていると思われる為(詳しくは、『BX』世界の略年表を参照)、そこで散ってしまった者達の事も含めての発言だと考えると、非常に重い台詞である。
- 「憎しみで戦うだけでは何も生まれない……私はそれをキオに教えられたのだ!」
- 『BX』第41話クリア後は戦闘台詞パターンが一変。上記の台詞に代わって出るその一つがこちらになる。
- 「貴様に教えてやろう!真の救世主は、絶対に無敵だという事を!」
- 『BX』にて、皇帝ワルーサとの特殊戦闘台詞。地球を侵略する悪の皇帝を倒す為、「絶対無敵」の「救世主」ガンダムが駆ける。
- 「どれだけの相手に地球は狙われているというのだ…!」
- 『BX』でのELSに対する特殊戦闘台詞。この宇宙人のみならず彼もまた、同じ声の蒼き星の救世主を思い起こさせる台詞を発する。
- ……のだが、実際の本編で相対する第43話では既に台詞パターンが変わっている関係上かこの台詞を目にする事はできず、キャンペーンマップ「Brand New X」においてのみ発生するレア台詞である。
- 「できるのならば、私自身が戦いたい…」
「だが、この眼も…! この身体も…! もはや在りし日のように動かんのだ!」 - 『BX』プロローグにて、自身の代わりに孫であるキオを戦いに巻き込もうとするフリットを娘のユノアは非難するが、フリットはそれもアスノ家に定められた宿命と断じ、戦争を終わらせる救世主『ガンダム』を造り続けることを誓う。
- なお、この台詞にも拘らず三世代編では長年の愛機と共に戦線復帰し、自身の能力は衰えず今だ健在であることを知らしめる。
- 『BX』では終盤にパイロットに転向するとはいえ、己の精神や自機の強力な武装も相まって、キオやアッシュが霞むほどの活躍をさせることも容易である。
- 「…覚悟は決めた。今の地球圏はヴェイガンだけでなく数多の悪意に包まれている。それを払う為ならば、たとえ鬼と呼ばれようとも、私は戦い続けよう」
- 『BX』第8話「じいちゃんのガンダム」より。ヴェイガンのみならず、様々な危機に瀕している地球を救うため、大人代表として敢えて修羅の道を歩む事を決断する。
- 「過去、機体に搭載されたシステムで、モビルスーツが暴走した事件を目にしたが、あれはやはり有人機であったはずだ…」
- 『BX』第17話「みんなの心をひとつにしろ!」に於ける、フリットを戦術指揮担当に選んだ際ELSによって暴走したモビルスーツを見て。
- ゲーム『ガンダム外伝』の主役機・ブルーディスティニーシリーズに搭載されたニュータイプ殲滅システム「EXAM」のことである。今回はユニコーンガンダムが参戦しているため、逆算するとおよそ17年前の出来事となる。
- 「彼らの言葉に全て信を置きはしないが、共に行動する事で動きを把握できるのなら、その方がいいとも言えよう」
- 『BX』第19話ELS移送ルート「歴史の裏に消えた者達」より。「我々は、CBと手を組む事も有りではないかと考えています」とジェフリーからフリットへ最終的な判断を求めてきた際の返答。
- かつての反地球連邦勢力を自軍の戦力として取り込めるあたり、フリットは清濁併せ呑める器量の持ち主である。
- なお、フリットの最終的な判断を聞いたスメラギは「物は言いようとは、よく言ったものですね」とコメントし、それを聞いたフリットは「物は使いようとも、よく言うものだ」と返した。改めて、フリットの老練さが光る名場面である。
- (『生きる事は難しい』…。時代は繰り返すというのか、ユリン…)
- 『BX』第20話ELS移送ルート「ロストロウランに散る」より。ニュータイプ同士の感応の末やっと分かり合えるも炎と共に消えていったロニを前に慟哭するバナージの姿を目の当たりにし、自身の遠き日の悲しい過去を想起しての心中での呟き。
- 「家や血筋からは自由になれないものだ。大きく、強ければなおさらな…」
- 荒んだ雰囲気のリディを評して。「モビルスーツ鍛冶」として有名なアスノ家の出身であるフリットにとっても、他人事とはとらえられないのだろう……。
- 「物心つかぬ頃に父親のアセムを亡くし、その上に母親のロマリーとも離れて暮らさせ、今までキオには心苦しい思いをさせてきた…にも関わらず、本当に良い孫に育ってくれた! う、うぅぅ…」
- 『BX』第26話「三つの星が集う時」より。一番星コンテストの最中でのボヤき。
- 元総司令の威厳はどこへやら、完全に孫バカなお爺ちゃんであるが、キオへの深い愛情をも感じさせる台詞である。
- 「他の者達もすぐに出撃しろ! 一分一秒でも早く原種を撃退するのだ! このコロニーを…この地を…これ以上戦火にさらしてはならんッ!」
「各機、目標は合体原種だ! 奴さえ倒せば他のゾンダーは大した脅威にはならん! 問題は合体原種の再生能力だが、全火力を集中して一気に破壊、すぐさま原種核を回収する!」
「全機、戦闘を開始しろッ!!」 - 『BX』第28話「友」より。ミンスリーに襲来した原種を前に怒りを滲ませながら部隊の出撃を命じる。ミンスリーはフリットにとって、かつてユリンと再会し、束の間の幸せな時間を過ごした思い出の場所。その地を穢そうとする原種に、フリットが怒りを抑えられるはずがなかった。
- その剣幕にはさやかも「荒れてる」と漏らし、ナトーラも気圧されながら「普段より気合が入っている」と言うほどで、キオも不安を覚えた。
- 「わ、忘れるはずが…ない…。あの機体はユリンの…」
「ヴェイガン、貴様らはどこまでッ!」 - 『BX』第29話「再会、そして別れ」より。戦場に現れたフォーンファルシアを見て。かつてユリンが「パーツ」として乗せられ、そして散った因縁の機体・ファルシアと全く同じ姿を見たフリット。フリットにとって忘れられない悲しい記憶を蘇らせる機体を見せられて、怒りに震えないはずがなかった。
- 既述したように小説版におけるフォーンファルシアを目撃した際のフリットの心境をアレンジした台詞である。
- ついでに、フォーンファルシアに搭乗しているフラムが、その機体にまつわるフリットの心の傷痕を抉ろうとして挑発するというやり取りが存在している。
- 「だが…この面子でまた酒を飲みたいものだな…」
- 『BX』第30話IMより。ジェフリーやオットー、アズベスといった老年組と酒を酌み交わしながら呟いた。長年の戦友たるジェフリーや、自身と同じく孫を見守るアズベス、さらにこの中ではまだ若く、彼らの後進となるであろうオットーを前にしんみりとした様子だった。しかしこの中の一人とは、これが最後の会話となってしまう……。
- 「貴様の言う共栄圏とやらが現実になれば、隔離された地球は、自らを生かすべく、地球の再開発を加速させる…旧暦然とした生活の中、抑圧された地球生まれが、宇宙の人々に対し恨みを抱くようになるかもしれん」
- 『BX』第32話「対の獣と光」より。フル・フロンタルと会談した時の台詞。地球との関係を完全に断ち切る共栄圏を掲げ、木連やヴェイガンとも手を取り合う事さえも目論んでいた彼を危惧していた。
- 「馬鹿を言うなッ!!」
「奴らは私の家族を奪った悪魔だ! イゼルカントを盲信し、生命を預けた段階で悪事に荷担しているも同然なのだ!」
「それとも、死病に怯えてさえいれば…劣悪な環境に暮らしてさえいれば、何をしても許されるというのか!?」
「それに、奴は言ったのだ! ヴェイガンの目指す楽園を作る為に人を選別すると!」
「信じられるか!? イゼルカントは、不適と判断したら味方すらも平気で背中から撃つと言った!」 - 同上。ヴェイガンの内情を知って彼らに同情し始めたブライティクスの面々に対して。
- 「言うに事欠いて救世主だと…!? あの悪魔どもがッ!!」
- 『BX』第38話「たったひとつの望み」より。ガンダムレギルスに搭乗して救世主を名乗り、いともたやすくシドを退けたゼハートに対して。
- 「……………」
(私とて愚かではないつもりだ。ヴェイガンとの和平など、キオに言われる度に考えた……だが、私がそれを口にしては全てが終わってしまうのだ……)
「ユリン……私は……私が守れなかった全ての者のために、ヴェイガンを許すことなど出来ない……! だが……私が本当にすべきことは……母さんから託されたことは……!!」 - 『BX』第41話「君の中の英雄」より。作戦プランを自室で見直している最中に息子・アセムと言い争った後。誰がどう否定してもヴェイガンや木連とわかり合おうとすることを諦めない孫・キオ。
- 孫・キオの言っていることが、そうすることが正しいのだとわかってはいる。わかっていても、今まで失ったもののためにヴェイガンを許すことが出来ない。しかし、母・マリナに託されたのは決してそのような道ではない。長年続いたフリットの懊悩の答えが出る時は、そこまで来ていた。
- 「ゼハートは魔王の申し子! それを信奉する貴様はさしずめ、魔女といったところかッ!」
「貴様達のような忌まわしき存在に地球を汚させはせんぞ!」 - 同話にて、フラムとの戦闘前会話より。
- 「何をしている!? そこをどけ! 地球が駄目になるかどうかの瀬戸際なのだぞ!」
- 『BX』第41話「君の中の英雄」より。ヴェイガンギア・シドのハッキングを受けてセカンドムーンごと地球に落下するラ・グラミスに対し、もろともヴェイガンを殲滅すべくプラズマダイバーミサイルを放とうとし、割り込んできたキオに対して。
- 『逆襲のシャア』にてアクシズを止めに来たネオ・ジオン兵の台詞が元ネタだが、やっていることが正反対なのが悲しい。
- 「聞こえるか! 地球圏と火星圏、木星圏の全ての戦士達よ! 私の声が届いている全ての機体に告ぐ! 戦闘をやめて聞いて欲しい!」
「このままでは、ヴェイガンの移動コロニー・セカンドムーンは地球に落下する! そうなれば、母なる星だけではない! 多くの命が失われる!」
「これを防ぐには、君達の同胞に取り付いているシドを倒すしかない! もはや時間はない! ここにいる全ての者が協力しなければ間に合わないのだ!」 - 同ステージにおいて、プラズマダイバーミサイルの光で注目を集めての演説。状況の違いにより原作からアレンジされており、さらにこの直後に元一朗による熱血クーデター、九十九の戦線復帰が重なったことで『BX』全体でもまさに名場面というべきシーンになっている。
- 「あの機体に乗せられているのは、ひとりの人間のエゴによって、生き方を歪められた存在……私の息子や孫が歩むかも知れなかった、もう一つの道だ」
「生まれてきた命に生き方を強いるなど、それはただの傲慢に過ぎなかったのだ……だからこそ!」
アッシュ「未来を見せてやらないといけない、だろ?」
「ああ…その通りだ!」 - 『BX』第41話「君の中の英雄」より。ゼラ・ギンスを指して表現した言葉。
- 上述したように「強いる」「強いられる」というのはガンダムAGE作品の人物のほとんどが該当する言葉であり、ゼラもまたその一人だった。
- 同時にフリットもアセムやキオに生き方を強いたと告げているが、アセムからは「…父さん、ひとつだけ言っておく。今の俺は生き方を強いられたとは思っちゃいない」「むしろ、感謝している。このガンダムがあったからこそ、俺は俺の道を進むことが出来た…!」と返された。
- 「構わん。共に来い」
「私の目の前にいるのは、確かにヴェイガンの元総司令であるかも知れない。が、息子が家に招いた友人でもある。敷居が高いなどと感じる必要はない」
「お前が気にしているのは、私の個人的な感情だろう」
「だが、私はこう言ったぞ。多くの命を救うため、君達の協力を要請する、とな」 - 『BX』第41話「君の中の英雄」クリア時、ゼハート達が参戦している場合。フリットの反ヴェイガン思想を知るだけに、BXへの参加を迷う「アセムの友人」に対してこう述べた。
- その結果、ゼハートは部下ともども「連邦軍総司令からの協力要請」に応じる形で、ヴェイガンの代表として部隊に参加することとなった。
- 長年に渡った仇敵ヴェイガンへの憎しみを超克し、ようやく「救世主」となる道を歩み始めた老フリットを象徴する名台詞であると言えよう。
- (だができる事ならこの光景…あなたと共に見たかったものだ…)
- 『BX』第45話「伝説の光芒」エンドデモより。マーダル打倒を成し、王子として惑星アーストを導く光となったジョジョを見守りながら、亡きアズベスに思いを馳せる。
- 「力に対して圧倒的な力でねじ伏せる。分かりやすく合理的な解決策だな」
「その圧倒的な力を持つが故に、それに気づく事も、気づかせてくれる者もいなかった事が貴様の最大の敗因だ!」 - 『BX』第48話「君と共に」より。バルギアス・ドラグーンとの戦闘前会話。
- 根本的な思想や目指している目標が違えど、己の理想を実現させる為だけに圧倒的な力を欲したバルギアスは、間違いを正してくれる相手がいないまま修羅の道へと突き進んだフリットの「IF」なのかもしれない。
- (感謝している、か……だが、それを言うなら、私の方だ)
(アセム……キオ……本当に、ありがとう……) - 『BX』エンディングより。息子と孫に「大切なものを守るために、ガンダムという力を与えてくれたことを感謝する」と言われたフリットは、憎しみの闇から己を引っ張り上げてくれた家族に心からの礼を送る。
- 「天使の落日」に端を発し、長きに渡る激動の中をひたすら戦って来たフリット・アスノの人生に、ようやく平穏が訪れた時だった…。
搭乗機体・関連機体
- ガンダムAGE-1
- 約半世紀も乗ることとなる愛機。なお、フリット編当時は不慣れゆえか接近戦偏重だった。
- ガンダムAGE-1グランサ
- 3部三世代編及び4部においての搭乗。AGE-1に増加装甲を施した機体。
- シャルドール
- デシルにAGE-1を奪われた際に一時的に搭乗。
- ガンダムAGE-2、ガンダムAGE-3
- 自身が開発したガンダムAGEの次世代機。
- ザ・ガンダム
- AGE-1を開発する際に参考にしたアスノ家に飾られていた肖像画のMSを各種文献やフリットの生前の証言などを参考に復元したMS。
- ディーヴァ
- キオ編・三世代編にて、指揮官であるナトーラ・エイナスを補佐する立場として乗艦。
余談
- アセム編からフリット・アスノ役を演じている井上和彦氏は『機動戦士ガンダムAGE』のナレーションも兼任している。
- この事から、『機動戦士ガンダムAGE』は「フリットが語り継ぐアドバンス・ジェネレーションの戦乱の物語」であるとも言える。
- フリット編第9話にて「フリットがノーマルスーツを着用していない状態で目と耳を塞ぎながら生身で宇宙空間に出て、(生身で宇宙空間にいられる15秒以内に)シャルドールからガンダムAGE-1 タイタスに乗り換えする」場面が存在する。
- フリットは現時点のガンダムシリーズにおいて、幼少期から老年期までの活躍が描かれた数少ない主人公である。
- またフリットは、映像作品としては初めて父親および祖父になったガンダムシリーズ主人公である。
- 壮年期以降のフリットには、視聴者から少年期との区別も込めてそれぞれに「オジット」あるいは「ジジット」というあだ名が付けられている。
脚注
- ↑ なお、第1話におけるフリットの回想(ヴェイガンの襲撃によって彼の母マリナを失う前の時点)の中に、フリットを「坊ちゃん」と呼び掛けた執事が存在していた事を鑑みると、アスノ家は資産家だった模様。
- ↑ ちなみに、フリットは「トルージンベースの防衛戦力が、自分自身が率いるアスノ隊だけしか存在しない状態になっている」点や、「アスノ隊のトルージンベースへの赴任は、地球連邦首相フロイ・オルフェノア直々の辞令であった」点に対して疑問を抱いている。ついでに、その疑問の答えはアセム編で明らかになる。
- ↑ 実際、『機動戦士ガンダムAGE』が『スーパーロボット大戦BX』への参戦が決まった際に(結果的には杞憂に終わったものの)、ユーザーから「フリットの殲滅思考が過剰に強調されてしまうのではないか?」と懸念もされた程であった。
- ↑ フリットが抱く「人類を守る救世主にならなければならない」という使命感もまた、既述した彼自身の悲劇的な経験に由来するものである。このフリットの純粋な願望は、自身を救世主だと称したリボンズ・アルマークの様な傲慢な意思とは全く無縁なものであった。また、(少年期に親しい人々の命をヴェイガンから奪われてもなお)フリットは「アセム編後半あたりまではヴェイガンとの和平を目指していた」という設定もある。そんなフリットが極端な殲滅思想を抱くまでに至った原因を作ったのは、フェザール・イゼルカントによるところが大きい。
商品情報
資料リンク
|