「ウズミ・ナラ・アスハ」の版間の差分
(→αシリーズ) |
|||
1行目: | 1行目: | ||
{{登場人物概要 | {{登場人物概要 | ||
− | |||
| 登場作品 = [[ガンダムシリーズ]] | | 登場作品 = [[ガンダムシリーズ]] | ||
*{{登場作品 (人物)|機動戦士ガンダムSEED}} | *{{登場作品 (人物)|機動戦士ガンダムSEED}} |
2022年9月23日 (金) 06:03時点における版
ウズミ・ナラ・アスハ | |
---|---|
登場作品 | |
声優 | 大川透 |
デザイン | 平井久司 |
初登場SRW | 第3次スーパーロボット大戦α 終焉の銀河へ |
SRWでの分類 | サポートユニット |
プロフィール | |
---|---|
異名 | オーブの獅子 |
種族 | 地球人(ナチュラル) |
性別 | 男 |
所属 | オーブ連合首長国 |
役職 | (前)代表首長 |
ウズミ・ナラ・アスハは『機動戦士ガンダムSEED』の登場人物。
概要
人物
オーブ連合首長国前代表首長で、オーブ五大氏族のアスハ家の当主でありカガリ・ユラ・アスハの義父。
「オーブの獅子」[1]という異名を持ち、威厳と決断力、更にはカリスマ性を合わせ持った政治力は、地球連合とプラントの双方から脅威と見なされている。
為政者ながらも戦争によって生じてしまう「憎しみの連鎖」を理解している故に、「銃を持って戦う事だけが戦いではない事」を信条としているが、中立国であるオーブを守る為には戦わなければならない時もある現実や、いずれ否応無しにオーブも戦渦に巻き込まれる可能性も理解している為、自国を守る為の戦力の整える等、先を見据えた対策等も積極的に行っている。
娘のカガリに対しては、時として手を挙げる事も辞さない程、厳しく接する事もあるが、同時に愛情深く育てており、「親子」としては確かな絆で繋がっている。しかし、まだ若く血気盛んな面のあるカガリには、なかなか自分の真意が伝わっておらず、また自身が連合のG兵器開発に携わっていたのではないかと疑いを向けられていた事もあってか、反発されるに近い形で彼女が積極的に戦場で戦おうとする事態になっている。
国や国民を守ろうとする意思や、その為には自身の命を掛けた選択も辞さない決断力もあったのだが、結果的に「オーブを戦果に晒した」と言う結果から、シン・アスカの様に「国民を裏切った指導者」として、憎しみさえ向けている者もいる。ただし、娘のカガリやレドニル・キサカ、エリカ・シモンズの様に、ウズミの信念やオーブの理念を現在も理解し続け、尊重しようとする者もおり、国民もウズミの娘であるカガリを尊重している為、指導者としての器は確かにあり、彼の思いは人々に伝わっていた。
劇中での活躍
『SEED』本編での登場は中盤であったが、『SEED ASTRAY』を始めとする外伝作品等ではその動向や代表首長の座を退いた経緯等が詳しく描かれている。
本編開始前
『SEED』本編の物語が開始する前、ウズミを中心とするアスハ家とコトー・サハクを中心とするサハク家の双方は、信念の違いから政治的に対立状態となっており、連合との技術提携に関しても、中立国家としての理念に反する行いになるとして認めなかった。しかし、コトーの養子で、アスハ家を打倒し自分達の手で牛耳ったオーブの軍事力をによって「力による統治世界」を構築する野心を抱いていたロンド・ミナ・サハク、ロンド・ギナ・サハクの姉弟は、独自の外交ルートを通す形で連合との技術提携を行うようになり、その結果、ストライクガンダムを始めとする5機のG兵器開発に繋がっている。
一方で、ロンド姉弟は、その裏で独自のG兵器であるアストレイのプロト・シリーズ5機の開発[2]も行っており、更には連合で開発されているG兵器の情報を、ザフトのラウ・ル・クルーゼを中心とするクルーゼ隊に情報屋のケナフ・ルキーニを通じて流していた。
その結果、G兵器の開発を行っていたオーブのコロニー・ヘリオポリスは、ザフト軍の襲撃によって壊滅し多大な犠牲者が出てしまい、事態やその経緯を知ったウズミは、世界中を敵に回しかねないサハク家の能動的介入を厳しく糾弾。その勢力を大幅に削ぐのと同時に、サハク家が連合に協力してG兵器の開発を行った責任を、自らが行ったものとする形でとり、弟のホムラを後任に、代表首長の座を降りる事になった。たが、いずれ戦火が拡大し、オーブもそれに否応無く巻き込まれる可能性を見越していたウズミは、密かに自国戦力のモビルスーツとしてアストレイの量産計画に踏み切る決定をする。
機動戦士ガンダムSEED
本編には、既に代表首長の座を降りている形で登場するも、未だオーブの政財界ではその強い影響力を持っており、実質的なオーブの指導者となっている。
ザフトと交戦しながらオーブの領海に近づいてくるアークエンジェルに対し、オーブの国民達が乗っていて船もオーブ製であっても、あくまでも地球連合が所有する船である事から、軍を出動させる形で領海から追い出そうとしていた。しかし、それに娘のカガリが乗っていた事から、やむなく撃墜して拿捕すると言う形でアークエンジェルをオーブ本国へ迎え入れる事になった。ウズミもこの方針には「茶番」と自戒しており、この為か、場面は描かれていないが、オーブ代表の娘でありながら、勝手に戦場で戦っただけでなく、通信で自分の素性を明かしてしまうという、自国と連合が結託しているとザフトに誤解されかねないを行動をとったカガリに対し、再会時は手を挙げて叱責している模様。
オーブのオノゴロ島に迎え入れたアークエンジェルのクルーに対し、対価としてストライクガンダムのパイロットとして戦っていたキラ・ヤマトに協力を要請し、彼にM1アストレイのOS開発に協力させている。その裏では、ヤマト夫妻と対面しており、今後のキラとカガリに、互いが実の姉弟であるという真相を話すかどうか話し合ってもいた。後に、カガリが再びアークエンジェルに同行して戦おうとした際には、憎しみの連鎖ややろうとしている事が「独り善がりな正義感」でしかない事を厳しく指摘。同時に戦う意外に戦いを終わらせる為の方法を模索するよう諭して、オーブに留めさせている。
その後、連合アラスカ本部JOSH-Aの意向によってアークエンジェルのクルーが切り捨てられてしまった際は、中立国としての理念から、行く当ての無かった彼らを匿う事になる。オーブの中立としての理念を信じながらも、国外ではナチュラルとコーディネイターの軋轢が悪化していく状況について語り、アークエンジェルのクルー達には本当に望んでいる未来がどうなのかを今一度考えるよう諭した後、連合に圧力をかけられているオーブも、戦いを回避できる状況では無くなったという現実を見据える事になる。パナマ攻略戦の後、政治力学の関係からか再びオーブの代表に就任するのだが、ロンド姉弟が連合側に協力しすぎたのが災いし、マスドライバーとモルゲンレーテ社の技術に目をつけたブルーコスモスの首魁・ムルタ・アズラエルの指揮する連合軍の大部隊がオーブに迫る事になった。無条件降伏に近い要求をされ、会談要請を行ったものの、それを無視した地球連合軍は強引に武力制圧に乗り出してきた為、もはや交渉の余地も無かったウズミは、避難勧告と共にオーブ国防軍を動員させ、アークエンジェルのクルー達と共闘する形で、地球軍によるオーブ解放作戦が開戦となる。
しかし、新型のGAT-Xシリーズ3機や量産型モビルスーツであるストライクダガーの物量に物を言わせた連合軍の戦法の前に、徐々にオーブも追い込まれていく事になり、最後は娘のカガリにキラとの関係を明かし、クサナギに乗艦させた後、モルゲンレーテ本社とマスドライバー施設を自爆させ、自身も「国を守りきれなかった指導者」として、側近と共にその自爆の炎に包まれて還らぬ人となった[3]。
キャラクターの総評
ウズミの理念は彼の娘であるカガリが受け継ぐことになるが、ロンド・ミナ・サハクやシン・アスカのように「理念を追いすぎて肝心の国民を犠牲にした」としてウズミの政策を批判する者も存在している。ただし、ウズミ自身も「己の決断がけっして正しいとは言えない」事を自覚してはいた。
しかし、「ナチュラルとコーディネイターが対立が激しいコズミック・イラ世界で両者が共存できる中立国たるオーブを維持し、理念によって国家とそこで暮らす国民達を守っていた」のも事実で、また、「中立国の中心国として理念」という大義を捨てて地球連合の要求を受け入れる事は、結局国民達を見捨てるに等しい方針の為、オーブ解放作戦においてオーブが地球連合に交戦したのは、国家や理念以前の問題で、国民達の安全を守る為にそれ以外の選択肢が無かったからである。
更に言えば、地球連合軍がオーブ解放作戦に乗り出した時期が非常に「最悪」とも言えるタイミングであった。作戦が決行される約20日前に起こったパナマ攻略戦にて、ザフト軍は敵を無力化する為に電子兵器を使用したにも拘らず、アラスカで敗戦した腹癒せの為だけに敵兵士の虐殺を行っており、当然これが原因で、連合軍全体のコーディネイターに対する憎悪がかつて無いまでに高まっていた。この為、迂闊にオーブが連合の要求を受け入れれば、オーブに在住するコーディネイター達の命が危険に晒される事になっていたのは明白で、実際にオーブ解放作戦に平行して行われた第三次ビクトリア攻防戦では、地球連合による制圧後、パナマの件から捕虜条約が黙殺される形でコーディネイターへの憎悪を肥大化させた連合兵によるザフト兵への報復殺戮が展開されている。また、第1次連合・プラント大戦当時のザフトは地球連合軍を地球に閉じ込める目的で各国が有するマスドライバー施設の制圧・破壊を最優先していた為、地球連合の要求を受け入れた場合でも、オーブがザフトによって戦火に飲まれるのは防げなかったであろう。
一方で、「オーブを守り切れなかった責任」は間違いなくウズミの方にあったものの、「オーブが地球連合に軍事侵攻される切っ掛けを作った責任」に関しては全くの別人にある。ミナ及び弟のロンド・ギナ・サハクを当主とするサハク家は、独断専行の形でアズラエルが牛耳る地球連合に協力しており、5機のG兵器開発や直接的な軍事協力によってオーブへの不介入の約束を取り付けたのだが、アズラエルを見くびりすぎていたロンド姉弟は、第三次ビクトリア攻防戦に参戦している間に約束を違えられてしまい、彼らの協力でオーブの技術力の高さに目を付けたアズラエルは、直接指揮を執る形で地球連合の戦力で軍事侵攻を行う結果となっている。この為、オーブが侵攻される責任に関しては、アズラエルに協力しすぎてしまったロンド姉弟にあったと言えなくもない(ロンド姉弟の方は、たとえ軍事侵攻を受けてもオーブが陥落する事は無いとみていたようだが)のだが、ウズミやアズラエルは死亡してしまった事もあって、そういった真実は全く公表されなかった結果、地球連合による軍事侵攻とオーブ壊滅双方の責任や、シンを始めとするオーブ壊滅で被害に遭った国民達からの憎しみは、結局死んだウズミ一人だけに押し付けられてまう事になってしまった。
「オーブを守りきれなかった」という確かな事実から、ウズミは視聴者にとっても激しく評価が別れる人物となっているが、少なくともウズミという人物が、「ナチュラルとコーディネイターに二分化しつつある世界や、それを防ぐ為に中立国であり続けたオーブやそこで暮らす国民達、そして愛娘であるカガリの未来について、真剣に憂い、守る為ならば自らの命を掛ける覚悟もあったのは、紛れも無い真実であった。 そんなウズミを指導者としてどうであったのかは、視聴者それぞれの判断に委ねられるべきであろう。
登場作品と役柄
αシリーズ
- 第3次スーパーロボット大戦α 終焉の銀河へ
- 初登場作品。ほぼ原作と同じ役回りで、連邦から逐われたαナンバーズを庇う事となる。グレートブースター、パーンサロイドといった各研究所からの支援物資を、オーブへと搬入させる段取りも取っていた。
- 地球圏を含む銀河全体を救う可能性を持ったαナンバーズを最後まで庇い続けた結果、自らも全ての責任を負う形で犠牲になった為、ブライト達αナンバーズに敬礼を向けられる事になった。
携帯機シリーズ
- スーパーロボット大戦J
- アズラエルから「オーブの獅子王」と呼ばれる。ある意味でウズミに相応しい異名とも言える。
- スーパーロボット大戦W
- 本作のシナリオは「続編」を意識した面が多々あり、テッカマンランスの攻撃からカズイを庇った際にウズミは「自分を恨んでくれてもいい、それでもオーブの子供たちに生きて欲しい」という、その信念を体現した言葉を遺している。
- しかし、その一方で「戦いを意義あるもの」とする張五飛からは、最後の最後までオーブの中立姿勢を批判されている。
- スーパーロボット大戦L
- ウズミ自身は既に死亡しているが、アカツキ受領時に音声のみの出演。
単独作品
- スーパーロボット大戦Card Chronicle
- ほぼ原作と同じ役回りだが、ナデシコの建造に関わっている。
- スーパーロボット大戦X-Ω
- ストーリークエスト第3章で登場。カガリと共に駆けつけた宗介の救出の手を払い除けオーブと共にその身を焼かれるはずだった…のだが、なんと意外な人物によって救われ、生存する。
- SSRアカツキのユニットクエストにも登場し、メガノイドの猛威に苦しめられるカガリにアカツキの格納庫への扉を開く秘匿コードを送る。なお、ウズミはオーブを焼いてしまった自責の念から生存の事実を隠し、陰からオーブを見守っているらしい。
- スーパーロボット大戦DD
- 1章Part11より登場。原作通りカガリ達を逃がした後、マスドライバーを爆破する。
ステータス
サポートアビリティ
- オーブの獅子
- R。HP 2/3 以上で攻撃、装甲アップ。
人間関係
- ホムラ
- ウズミの弟。兄のウズミがオーブの代表首長を退いた後、その地位を継いでいる。
- カガリ・ユラ・アスハ
- 義理の娘だが、自身に反発し血気に流行って戦おうとする彼女の姿勢には悩まされており、また勝手に飛び出していながら、危機に陥った際には自身の素性を明かしてオーブ軍に助けを求めるといった覚悟の足りなさには、「甘ったれ」と厳しく評している。反面、彼女が戦争の根を学んで成長してくれる事に期待しており、自身の言葉を受けたカガリは、その遺志を継ぐ為に、オーブの新たな代表を目指していく事になる。
- キラ・ヤマト
- 義理の娘の実弟。自身の選択を「一番大変な事」であると評しながらも、その選択が決して間違いではないと認めている。
- カズイ・バスカーク
- 原作では特に絡まないのだが、『W』では彼をテッカマンランスの攻撃から庇う。
- ロンド・ミナ・サハク、ロンド・ギナ・サハク
- オーブ五大氏族の一つサハク家の後継者。ウズミの理念を徹底して非難するが、彼らの場合は、自分達の武力による世界統一を正当化する為の詭弁であるとも言える。
- シン・アスカ
- オーブ出身のザフトの軍人。ウズミの行動が結果的にの家族の死を招いてしまった経験持つ故に、シンから激しく憎悪される。それ故に、娘のカガリにも憎しみの矛先を向ける事になる。
他作品との人間関係
- ブライト・ノア
- 『第3次α』では、世界から孤立状態になった彼の率いるαナンバーズのメンバー達を匿い、世界を救う為の希望になり得る彼等を最後まで庇い通した。
- 国を犠牲にしてしまう事も覚悟の上でウズミが取った決断は、ブライト達からも敬意を表され、脱出前の彼等から敬礼の意を向けられた。
- 張五飛
- 『W』では、「戦いを意義のあるもの」と考えている五飛からも徹底してその理念を非難される。
- もっとも、誰もが五飛の如く戦う事が出来るわけではない事を考えれば、五飛のウズミへの批判は、国民の安全を無視した「独善」でしかないと反論できなくも無いが…。
- ルルーシュ・ランペルージ(ゼロ)
- 『CC』ではウズミの事を「撃たれる覚悟と撃たない覚悟を併せ持った人物」と評し、同時に自己を犠牲にして道を切り開く決断をした姿はルルーシュ(ゼロ)に大きな影響を与えた。
名台詞
SEED
- 「国の命運と甘ったれたバカ娘一人の命、秤に掛けるとお思いか…?」
- アークエンジェルを迎え入れた際、自分達を受け入れたのが娘であるカガリの為かとムウに聞かれた際、睨み付ける形で返答した言葉。実際、ウズミ自身もアークエンジェルをやむなく匿う為に取った処置を「茶番」と評しており、代表首長の娘としての自覚が足りず、血気盛んな娘の身勝手さには、相当苦労させられている事が伺われる。
- 「よい…あれはこちらにも非があること。国の内部の問題でもあるのでな…」
- ヘリオポリスの崩壊を招いてしまい、オーブの民間人を志願兵としてアークエンジェルに乗せていた事について一個人として謝罪するマリューに対し、言った台詞。国の内部と言うのは、政治的に対立していたサハク家との確執の事を指している。
- 「しかし、知らぬというのも怖ろしい気がします。現に、子供達は知らぬまま、出会ってしまった…」
- ヤマト夫妻と対面したウズミが、キラとカガリに自分達が実の姉弟であるという真実を教えない事についてウズミが評した台詞。キラに隠された残酷な真実がある以上、止むを得ない部分があったかもしれないが、キラとカガリが男と女である以上、万が一過ちが起きてしまう可能性もあった為か、後にウズミは別れ際のカガリに、真実を教える事にした。実際、カガリはアスランと惹かれ合っていたが、同時にキラにも心惹かれていた為、言わない方がまずかったかもしれない…。
- 「お前が誰かの夫を討てば、その妻はお前を恨むだろう。お前が誰かの息子を討てば、その母はお前を憎むだろう。そして、お前が誰かに討たれれば、私はそいつを憎むだろう。こんな簡単な連鎖が何故解らん!」
- 戦争する事で生じる物について何も知らない娘・カガリの様子を看破していたウズミが、彼女に語った言葉。
- 「そんな安っぽい、独り善がりな正義感で何が出来るか!!」
「銃を取るばかりが戦いではない。戦争の根を学べ、カガリ」 - 「義憤に駆られたからといって戦う道を選んでは、何も解決しない」という信念を持つウズミは、血気に逸る娘に対して「戦う以外の方法」で戦いを終わらせる事について知る事を説いた。
- 「どうあっても世界を二分したいか!大西洋連邦は!敵か味方かと!そしてオーブは、その理念と法を捨て、命じられるままに、与えられた敵と戦う国となるのか!連合と組めば、プラントは敵。プラントと組めば、連合は敵。例え連合に降り、今日の争いを避けられたとしても、明日はパナマの二の舞ぞ!」
- 無条件降伏に近い無茶苦茶な要求を下してきた連合軍の行動に対し、ウズミが評した台詞。しかも、指揮を執っているのはブルーコスモスのアズラエルである為に、たとえ要求を受け入れてもオーブ国民…特にコーディネイター達の命は保障されず、更には敵となったザフトによるパナマと同じ虐殺劇が展開される可能性まであり、交渉の望みも薄かった。ザフト側も事態を知ってオーブを親プラント国家側に引き込むべく会談要請を出していたが、受けた時点で地球連合軍の熾烈な攻撃が開始されるのも目に見えていた。結果、ウズミは国民全てを確実に守りきるたった一つ手段として、避難勧告を行い戦う選択を余儀なくされる事になった。
- 「そんな顔をするな、オーブの獅子の娘が。父とは別れるが、お前は一人ではない…兄弟もおる」
- 「そなたの父で、幸せであったよ…」
- もはやオーブの敗戦は決定的となり、カガリをクサナギに乗せて脱出させようとしたウズミが、娘に最後に告げた言葉。この時のウズミは、「指導者」ではなく「父親」としての顔であり、短い離別の言葉にはカガリへの愛や感謝の総てが込められていた。自身の娘に対する本心をカガリに伝えたウズミは、全ての覚悟を決めて、カガリと今生の別れをするのだった。
- 「種は飛んだ、これで良い…」
「オーブも、世界も…奴らの良い様にはさせん!」 - 最期の台詞。世界を救う希望となるクサナギとアークエンジェルが宇宙に飛んだことを見届けたウズミは、オーブの国民達が築いてきた技術の結晶やマスドライバーをアズラエルの牛耳る連合の手に渡らないよう自爆装置を作動し、「国を守れなかった為政者」としての罪を背負いながら業火に包まれ、散っていた…。
- モルゲンレーテが爆発する光景を見たカガリは、父の名を叫びながら慟哭していた…。
SEED DESTINY
- 「カガリ…。もしもお前が力を欲する日来たれば、その希求に応えて私はこれを贈ろう。教えられなかったことは多くある。が、お前が学ぼうとさえすれば、それは必ずやお前を愛し、支えてくれる人々から受け取ることができるだろう。故に私はただ一つ、これのみを贈る。力はただ力。多く望むのも愚かなれど、無闇と厭うのもまた愚か。守るための剣、今必要ならばこれを取れ。道のまま、お前が定めた成すべき事を成すためならば。が、真に願うのはお前がこれを聞く日の来ぬ事だ。今この扉を開けしお前には届かぬ願いかもしれないが。どうか幸せに生きよ、カガリ」
- ウズミが娘のカガリの為に残した遺言。娘のカガリが戦い続ける事を望んでいなかったウズミであったが、戦わねばならない時もある事を理解していたウズミは、『守る為の力』としてアカツキをカガリに託す。
- 父・ウズミが国を守る者として成長する事を最後まで信じてくれていた事に気付いたカガリは号泣し、オーブの指導者としての揺るがぬ決意と威厳を備える事になった。
脚注
資料リンク
|