ザク
MS-06F ザクII(Zaku II)
- 登場作品:ガンダムシリーズ
- 分類:汎用量産型モビルスーツ
- 形式番号:MS-06F
- 全高:17.5m
- 本体重量:58.1t
- 全備重量:73.3t
- 動力:核融合炉
- ジェネレーター出力:951kW
- スラスター推力:43,000kg
- センサー有効半径:3,200m
- 装甲材質:超硬張力鋼(超硬スチール合金)
- 開発:ジオニック社
- 所属:ジオン軍
- 主なパイロット:ジーン、デニム、他
※以下、最も多く活躍したとされている「F型」について記述する。
ジオニック社が開発したジオン公国軍の量産型モビルスーツ。正式名称は「ザクII(ツー)」であり、主に「ザク」と呼ばれる機体は本機の事を指す。MS-05BザクIを改良した機体であり、動力パイプを機体外へ露出させる事で運動性を向上させ、同時に稼働時間の延長なども図られている。また、オプション装備も実に多彩である。本機は、初期量産型であるC型の改良型で、南極条約にて使用が禁止された耐核兵器用の装備を外し、軽量化が図られている。
劇中ではジオン軍の主力として多数が登場しており、一年戦争時に連邦・ジオン双方で開発されたモビルスーツの中では最大級の生産数を誇った。
実はその装甲はガンダムの60mmバルカン砲でも余裕で貫通できてしまうほど貧弱なのだが、ゲームの影響もあってあまり知られていない。ゲームの都合上、どうしても被弾が避けられない仕様になる為、ジオン軍MSは強めに設定される事が多い(「第2次大戦期のドイツは強かった」と言えば分かり易いか)。だが、逆にそんな能力しかもたない上に本来、空間戦用兵器であったMSで、物量でも劣っているというのに空挺・対空・砲撃・白兵までこなしてしまったジオン兵達の力とはいったいどれほどのものだったのか…想像を絶するものであった事だけは間違いないだろう。それのエースともなれば、色を塗って角も付けたくなるというものである。
バリエーション
『機動戦士ガンダム』の劇中においては宇宙・地上を問わず活躍を見せているが、後付けで「F型」と「J型」の2種類がある設定になっている。F型は宇宙空間戦闘、それの派生機であるJ型は地上戦闘に特化した調整が施されている。一応、F型でも重力下の運用は可能ではあるが、性能が環境によって左右されやすくなってしまっている。この為、ザクは汎用性が高いものの万能MSとは言い難く、その点に関してはガンダムやジムに一歩劣る機体である。
その他にもザクIIは様々な環境に適応するために多数のバリエーション機体が開発されており、特にF型は全てのバリエーションの基となっている。MSVの登場機体を筆頭に具体的なバリエーションはMS-06A、C、D、E、E-3、F、FS、F-2、FZ、G、J、JC、K、M、RP、R-1、R-1A、R-2P、R-2、RD-4、S、V、W、Zなど。一年戦争終結後もジオン軍の残党や連邦軍などによって運用されているものも多い。
ジオンにとってのザク
そもそもにしてモビルスーツとは、ジオン公国が正面からの近代的物量戦争では地球連邦軍に勝てない事を悟り、造り出した兵器である。その思想の根幹は「優良種たる我々ならば、技術で持ってこれを克服できる」であり、この「物量で負けている分は技量で補えばいい」的思想は後の時代のジオン系MSにも連綿と受け継がれていく事になるのである。
「ザク」という機体は後のジオン系組織にとっては象徴的存在であるが、特に残党組織の傾向として見られる「過去の栄光」としてしがみつく対象であったり、ネオ・ジオンのザクIIIやギラ・ドーガのコンセプトである「汎用的な高性能兵器」という意味合いなど、組織の懐具合や勢いに応じて様々な思いの込められている機体として語り継がれている。
登場作品と操縦者
ザク改が登場することが多いので、一般兵仕様のザクIIの参戦機会はそこまで多くない。
旧シリーズ
- 第2次スーパーロボット大戦
- ディバイン・クルセイダーズ所属の兵器として登場する。
- 第2次スーパーロボット大戦G
- ザコの役目をゾロ辺りに盗られている。珍しくクラッカーを標準装備。
- 第3次スーパーロボット大戦
- DCの戦力として登場する。バーニィを説得することで入手もできるが、その頃には終盤なので戦力にはならない。
- スーパーロボット大戦EX
- バーニィが乗る。『第4次』以降はザク改に出番を奪われるため、しばらく登場しなくなる。
- 第4次スーパーロボット大戦
第4次スーパーロボット大戦S
スーパーロボット大戦F
スーパーロボット大戦F完結編 - 上記の通り、登場していない……が、ザク改のマップ上のアイコンはどう見てもザクIIである。
携帯機シリーズ
- スーパーロボット大戦A(A PORTABLE)
- 毎度のやられ役かと思いきや、今作独自のシールドシステム(HP方式)のおかげでかなり耐える。『A PORTABLE』へのリメイク時にスタッフから「肩にもう一機ザクが付いてる」と評される程。
Scramble Commanderシリーズ
- スーパーロボット大戦Scramble Commander
- マシンガン携行タイプとバズーカ携行タイプの2種類が登場。
単独作品
- スーパーロボット大戦
- 第1話などに登場。これといって特徴のない、ただのザコキャラ。
- スーパーロボット大戦64
- スペシャルズやゲリラ兵が搭乗。ザクII表記だが、F・F完結編のデータを流用しているのか、武装がザク改のものになっている。
- スーパーロボット大戦GC(XO)
- ザクII表記。一年戦争(含『08小隊』『0080』)メインのシナリオのおかげでザクII改との競演が実現。また捕獲システムの説明イベントでアムロに達磨にされる悲惨な出番も。非常食に変換できるのが何気においしい。
- スーパーロボット大戦Operation Extend
- ザク・マシンガン装備タイプ、ザク・バズーカ装備タイプが登場する。能力が貧弱なうえ、ザク・マシンガンは非常に攻撃力が低いので脅威とはならない。ただ戦闘デモでは第1話の再現なのか、やたらと至近距離で撃ってくる(その時のパイロットはいないのだが…)。シャアも一緒になって撃つので妙に印象に残る。ザクII改登場以降は徐々にフェードアウトしていくが、細々ながら出番は多い。中盤以降はスタック数の多さもあり、HP10000以上とザクらしからぬしぶとさを見せる。
関連作品
- ガイアセイバー ヒーロー最大の作戦
- 冒頭からザコとして登場する他、ラルのグフに率いられ、中ボスとしても登場する。
- また茶色の上位種(名称は単に「ザク」)も登場する。
- リアルロボット戦線
- 序盤から登場。名称表記は「ザクII 緑」。
装備・機能
武装は各機種によって異なる。
武装・必殺武器
- 120mmマシンガン
- 通称「ザク・マシンガン」。上部にドラムマガジンを装備し、そこから給弾する。本機の主兵装。実は口径だけならガンタンクの主砲と同スケールという、機関砲系武装としては破格の大口径砲だったりする。しかしガンダムの装甲の前にはかすり傷一つ負わす事ができない。OEでは原作の発射音を再現している。
- ヒートホーク
- 接近戦用の斧。刃の部分から高温を発し、敵機の装甲を焼き切る。対モビルスーツ戦を意識して、キシリア・ザビが提案した事がきっかけで装備される事となった。威力は折り紙つきで、ルナ・チタニウム合金でできたガンダムのシールドをも溶断して見せた。
- 280mmバズーカ
- 通称「ザク・バズーカ」。元々は核弾頭発射用に開発されていた。南極条約締結後は通常の弾頭が使用されている。
- クラッカー
- 炸裂弾式の手榴弾。腰部にマウントしており、マニピュレーターで投げて使う。主に陸戦で使用される。
- 3連装ミサイルポッド
- 両脚に装着して使用する。こちらも主に陸戦に使用されるが、宇宙でも使用可能。また、グフなどに装備される事もある。
- マゼラトップ砲
- マゼラトップの主砲を取り外し、モビルスーツ用の携行兵装に改良したもの。劇中ではタチが使用した。
- シュツルムファウスト
- 対MS用のロケットランチャー。命中精度は低いが無反動で撃てて、かつ広範囲に爆風を起こす牽制用の武装。
- シールド
- 右肩に装備されている実体盾。
特殊能力
移動タイプ
対決・名場面など
- 対ガンダム
- 初のモビルスーツ同士の戦闘になった。
- ザク対ザク
- 無人島で孤児たちと暮らすジオン脱走兵ククルス・ドアンは追撃してきたザクに自らのザクで挑む。ヒート・ホークすら装備していない中果敢に立ち向かい、相手のザク・マシンガンで小破するものの最後は正拳突きで見事に勝利を収める。
関連機体
登場済み
- ザクI
- 旧型のザク。宇宙世紀史上初のMS。
- 指揮官用ザクII
- 通称S型。指揮官用のザク。
- シャア専用ザク
- 赤色に塗装されているS型のシャア専用機。
- ガルマ専用ザク
- 茶色に塗装されているS型のガルマ専用機。
- 高機動型ザク
- エースパイロット用に開発した機体だが、スパロボでは単なる強化型。
- 宇宙用高機動試験型ザク
- リック・ドムの試験機で、同機の脚部を取り付けた機体。
- ザク改
- 最終生産型。旧シリーズやα、その他単発作品などで登場。
- ザクIIF2型
- 第2次スーパーロボット大戦αに登場するのはこっち。大戦後期型。
- ハイザック
- 地球連邦軍(ティターンズ)が開発したザク系列。「連邦の物は連邦の物。ジオンの物も俺の物」という発想から作られた。
- ザクIII
- 連邦のザクであるハイザックに憤ったネオ・ジオン(アクシズ)によって開発されたザク。重MS的フォルムながら高い汎用性を持つ。
- グフ
- 対モビルスーツ戦を意識した陸戦用。
- ギラ・ドーガ
- シャア率いるネオ・ジオン軍の主力機。"ザク"の直系ではないがその思想を受け継いでいる。
- ギラ・ズール
- ネオ・ジオン残党軍「袖付き」の主力機。流用元の機体ギラ・ドーガと比較して、外見がザクにより近付いている。
- ボルジャーノン
- レプリカだと考えられる。『∀ガンダム』の世界には推進剤が存在しないため、移動は徒歩。
- ザクウォーリア
- C.E.世界のザクだが、高性能量産機である。パイロットの腕次第では大気圏突入も可能(ただし飛行不可能)。
- ザクファントム
- ザクウォーリアの指揮官機。
- ティエレン
- 西暦世界のザク。本家のザクと比較すると、無骨な外見が特徴的。
SRW未登場
- ザクII J型
- F型の重力下仕様。空間戦用の装備・構造が省かれ、軽量化している。『機動戦士ガンダム』の放送当時にはなかったタイプで、後付け設定で地上戦で登場するザクの大半は本機であるとされ、現在はそれが定着している。
- ザクII JC型
- 『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』にて初登場。外見がJ型と少々異なっているが、性能の違いについては不明。HCM-Proにて1st版ザクとは別に商品化された。
- ディザート・ザク
- 『機動戦士ガンダムΖΖ』や『機動戦士ガンダムUC』に登場。J型のバリエーションであるザク・デザートタイプを連邦軍基地から強奪した資材でさらに改修した機体。ビーム兵器も使用可能。
- 『リアルロボット戦線』には青と茶色の2バージョンが出演。
- ザクII(MS-06A)
- 宇宙世紀0090年代が舞台の漫画『機動戦士ガンダムMSV-R ジョニー・ライデンの帰還』で登場した初期生産タイプ。マシンガンもバズーカも初期型で、マシンガンは特に変わってないがバズーカは先端から詰め込む仕様になっている。肩部スパイクが無いのが相違点。
- RFザク
- 『機動戦士ガンダム F90』『機動戦士クロスボーン・ガンダム』にて登場。オールズモビルが開発しており、見た目こそザクIIを模しているが時代相応の高性能を誇る。宇宙世紀0133時にも木星帝国軍と交戦したコロニー軍の機体の中に本機の姿が確認されている。
MSV
以下の機体は『MSV』にて設定され、その後『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』『機動戦士Ζガンダム』『機動戦士ガンダムUC』のいずれかにも登場した。
- ザクキャノン
- 背部にキャノン砲を装備した支援機。グリプス戦役時には連邦軍が地上用だけでなく、宇宙用に改修し配備した。
- ザクタンク
- 大破したザクの上半身とマゼラベースを接合して作られた作業用機体。グリプス戦役時にもジャブローにて運用されているのが確認されている。
- ザク強行偵察型(ザクフリッパー)
- ザクを偵察用に改修した機体で、各部にカメラが設置されている。戦闘力はほぼ皆無。ミノフスキー粒子下でも非常に高性能で、ガブスレイやギャプランのカメラアイはこの機体の物を参考にしている。
- MS-11 アクトザク
- ペズン計画で開発されたモビルスーツ。間接部にマグネットコーティングを施され、さらにビーム兵器の運用が可能になっており元のザクとは比べ物にならないほどに強化されている。しかし、試作段階で終戦を迎えてしまったため一年戦争には投入されることはなかった(一部ゲーム作品では唯一実戦に投入された一機が存在するが…)。戦後、生産施設を連邦が接収し少数が生産され研究用やテスト用に使用された。実は『機動戦士Ζガンダム』にてロザミア・バダムのギャプランに随伴する形で登場している。
商品情報
※ここでは見た目に大差ないJ型とJC型、どのタイプか説明されていない「HGUC 量産型ザク」のような商品も扱う。
プラモデル
- 1/144
- 1/100
- その他
フィギュア
書籍
資料リンク
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