グフ

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グフ
外国語表記 Gouf[1]
登場作品

ガンダムシリーズ

初登場SRW 第2次スーパーロボット大戦
SRWでの分類 機体
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スペック
分類 陸戦用モビルスーツ
生産形態 試作機 → 量産機
型式番号 YMS-07B(先行量産型
MS-07B
頭頂高 18.2 m
全高 18.7 m
本体重量 58.5 t
全備重量 75.4 t
動力 熱核反応炉
ジェネレーター出力 1,034 kw
スラスター総推力 40,700 kg
装甲材質 超高張力鋼
開発 ジオニック社
所属 ジオン公国軍
主なパイロット ランバ・ラル
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グフは『機動戦士ガンダム』の登場メカ

概要

ジオン公国軍モビルスーツ

劇中(一年戦争)では、「青い巨星」の異名を持つランバ・ラル大尉の乗機が活躍する事になる。

機体概要 

ジオン公国のジオニック社が、ザクIIJ型をベースに開発した量産型モビルスーツ。一年戦争時の地球侵攻作戦の初期にて制圧したキャリフォルニア・ベースにて開発が行われ、全体的なフォルムはベース機に似通っているが、機体構造を陸戦仕様であるザクIIJ型よりも更に陸戦用へ最適化されており、頭部にはザクの指揮官仕様と同様の通信能力強化を目的としたブレードアンテナが標準装備されている。また、地球連邦軍側が鹵獲したザクを戦力に取り入れる形で反撃に転じる様になった事から、将来的にモビルスーツ同士による戦闘が主流となる事も予想された結果、対モビルスーツ戦も想定されたコンセプトとなり、装甲や運動性を強化されている。背部のランドセルは、高機動型試験機の開発データが取り込まれており、優れたジャンプ性能も発揮可能。またザクでは宇宙戦闘の為搭乗口とコックピットの間にエアロックのスペースが設けられていたのに対して、地球での戦闘が前提となっている本機ではそのスペースが排され搭乗口の真後にコックピットが設置されている。

武装面においてはも白兵戦を重視した固定装備の物を採用しており、左前腕部にはマニピュレーター五本の先端部を砲身とした「75mm5連装フィンガーバルカン」、右前腕部には高電圧によって相手モビルスーツの伝送系のみならずパイロットにもダメージを与える鞭状の武器である「ヒート・ロッド」といった特殊装備を備えており、手持ちの武装としては大型のシールドと刀剣状の格闘兵装である「ヒートサーベル」を用いる。

基本性能の高さからも、まさに「ザクとは違う」機体であるのだが、製造コストがザクIIに比べて高騰化してしまっており、更には固定武装を導入してしまった事でモビルスーツ本来の特徴である汎用性に欠けてしまう機体となってしまった結果、エースパイロットクラス…それも格闘戦に秀でた能力を備えたパイロットでなければまともに扱えない代物となってしまった。そして連邦軍の大反抗作戦である「オデッサ作戦」が展開された後は、製造を行っていたキャリフォルニア・ベースが奪還された結果、生産ラインも大幅に縮小を余儀無くされてしまい、ホバー走行式による優れた機動力を備えたツィマッド社製モビルスーツであるドムが実戦投入されてからは、陸戦主力モビルスーツの座を奪われる事になった。

なお、製造された機体の中には従来のマニピュレーターに換装しザク・マシンガンやザク・バズーカ、ヒート・ホークを武器として扱う機体も存在しており、劇中に登場しないもののマ・クベ大佐の専用仕様となっている機体も存在する。また、汎用性を損ねたが故に搭乗者を選ぶ機体となってしまったグフを惜しんでいた技術者もいた様で、本機のマニピュレーターを通常のモビルスーツの物へ換装し、武装や運動性、機動力も改良させた改修仕様機であるグフカスタムも開発され、一年戦争の後期に実戦投入されている。一方、軽量な機体である本機をベースにする形で重力下での飛行可能なモビルスーツの開発計画も検討されているが、地上戦仕様であった機体を飛行用に転用してもうまくいくはずもなく、「実験機」の域を出ないままで終わっている。

劇中の様相 

ホワイトベースが地球へと降下し、北米でガルマ・ザビ大佐が戦死した後、ドズル・ザビ中将によりホワイトベース隊の打倒を命じられたランバ・ラル大尉が先行量産型(YMS-07B)を受領。本機に搭乗してホワイトベースに攻撃を仕掛けたが、最初の戦いでは対峙するガンダムにラル家と深い関わりのあったダイクン家の遺児であるアルテイシア・レム・ダイクンが搭乗していたという予想外の事態により撤退。二度目の戦いでは、アムロ・レイガンダムとの一騎打ちを展開し、最終的には撃破されているものの、搭乗者のラル大尉は後退するガンダムにワイヤーを投げて引っ掛け、脱出に成功している。

その後、量産型であるMS-07Bが登場する事になり、マ・クベ大佐の傘下として8機のグフが投入された事もあり、大気圏内の戦闘ではド・ダイYSに搭乗した3機のグフを用いた空中戦も展開している。しかし、クセの強い性能な上にどちらかといえばエースパイロット仕様の機体であった為、ラル大尉程ホワイトベース隊を苦しめた者は出ておらず、アムロのガンダムやハヤト・コバヤシガンキャノンに撃破されたり、終いにはコアファイターのミサイル連射だけで爆発した機体もあった。

登場作品と操縦者

旧シリーズ

第2次スーパーロボット大戦G
初登場作品。原作同様、ラルが乗る。
第3次スーパーロボット大戦
『第2次』に比べ弱体化。射程が1しかない上に、ラルも他のMSに乗り換えている。以降旧シリーズからは姿を消す。

αシリーズ

スーパーロボット大戦α
ラル専用機として久しぶりの登場。妙に装甲が高い意外は大したこと無いのだが、ラルの能力の高さと底力の影響で思いのほか強い。ヒートロッドのクリティカルが出ればEVAA.T.フィールドすらブチ抜く威力を発揮するので要注意。
スーパーロボット大戦α for Dreamcast
射程5の高威力ヒートロッドでMSは一撃で落とされることも。HPは並程度だがよく避け、装甲も厚いため大変しぶとい。必中をかけたコン・バトラーVあたりで速攻をかけたい。

COMPACTシリーズ

スーパーロボット大戦IMPACT
COMPACT2』では全てグフカスタムだったが、ノリス機以外が第1部終盤の一部を除きグフに入れ替わっている。

Scramble Commanderシリーズ

スーパーロボット大戦Scramble Commander
ドム同様アプサラスII戦にて大量に出現。こちらは無限湧きではないので、全滅させればある程度ボス戦に集中しやすくなる。

単独作品

スーパーロボット大戦リンクバトラー
64』には登場しないにもかかわらずトレーニングの相手として登場(プレイヤーは入手不可)。
スーパーロボット大戦GC
原作通りラルが搭乗するほか、一般兵が搭乗しているものは捕獲することが出来る。自軍で運用する場合、武器全体の射程が短いうえ射撃武器も貧弱なので主戦力として使うには正直微妙。だが、ヒートロッドがP武器で射程1-3、さらに燃費が良いので使いやすく、序盤で「格闘スキルエース」の獲得のために格闘攻撃を多用したい時には役立つ。
スーパーロボット大戦XO
ヒートサーベルがTVアニメ版同様の刀身が伸びる演出になっている。
スーパーロボット大戦Operation Extend
ザクIIに毛が生えただけの一般機と高HPのボス仕様ランバ・ラル機が登場。ラル機は武器属性が追加されているほか、引投属性の「ヒート・ロッド / 投げ」を所持する。なるべくなら「不動」か「頑強」持ちで対処したい。

関連作品

ヒーロー戦記 プロジェクトオリュンポス
ザコ敵。グフII、グフ改、グフカスタム(『第08MS小隊』の機体とは名前が同じだけ)という上位種も登場する。
リアルロボット戦線
ラルや青の部隊が乗り、敵として登場。ラズロルートとシャアルートではラルが仲間になる際に入手できる。
陸戦用であり、砂漠でも移動力が落ちないが攻撃力は低い。

装備・機能

武装・必殺武器

基本装備

ヒート・ロッド
右腕に内蔵されている伸縮可能な電磁式の鞭。敵機に巻きつけて電子回路を破損させたり、発生する熱で敵機を溶断したり出来る。本機を象徴する武器である。しかし、完全に使いこなすには相応の操縦技量が要求されたため、一般兵は専ら熱溶断機能で武器として用いることが多かった。
OE』ではスタン属性、さらにラル機はエスケープ属性付き。
ヒート・ロッド / 投げ
『OE』のラル機専用攻撃。ヒート・ロッドを相手に巻き付かせ、そのまま投げ飛ばす。引投属性で、落下の追加固定ダメージがかなり痛い。ヒートロッド自体がグフの全重量を支えられるだけの強度があり、SRWならではのロマン技とも一概には言い切れない。
75mm5連装フィンガーバルカン
左腕のマニピュレーターに内蔵されている機関砲。「フィンガーランチャー」とも表記される。ヒートサーベルをしっかり握り締める程度の可動性はあるものの、マニピュレーターとしての性能が低下しており、パイロットからの評判はあまり良くなかったらしい。
作中では両手ともバルカンになっている機体(同時にヒートロッドも装備)も登場していた。
『OE』ではヒット&アウェイ属性、さらにラル機は対空属性付き。
ヒートサーベル
格闘戦用の武装。シールドの裏側にマウントされている。対ガンダム戦で使用した。ちなみに、当初の設定では「ビームサーベル」だったらしく、ラル機がガンダム相手にシールドを投げ捨てて起動させるシーンでは刀身が伸びている。
『OE』ではラル機のみガードアーム属性付き。
シールド
左腕に装備。裏側にヒートサーベルをマウント可能。

オプション装備

基本的にザクなどの友軍機が用いる「手で使う武器」は共通して使用可能。

ヒートホーク
接近戦用の斧。刃の部分から高温を発し、敵機の装甲を焼き切る。ザクの物と同型。
120mmマシンガン
通称「ザク・マシンガン」。上部にドラムマガジンを装備し、そこから給弾する。ザクの物と同型。
ジャイアント・バズ
口径360mmの実弾兵器。ドムの物と同型。

合体攻撃

青き双璧
ランバ・ラル搭乗時に使用できるノリス・パッカードグフカスタムとの合体攻撃。ラル機のヒートロッドとノリス機のヒートサーベルで順に攻撃。『XO』で実装。
ランバ・ラル隊
ランバ・ラル搭乗時に使用できるアコースザクコズン・グラハムザクとの合体攻撃。アコース機がマシンガンで牽制後、コズン機のヒートホークとラル機のヒートサーベルによる連続攻撃。『XO』で実装。
デザート・ストーム
ランバ・ラル搭乗時に使用できるノリス・パッカードグフカスタムデザート・ロンメルドライセンとの合体攻撃。ノリス機のヒートサーベル、ラル機のヒートロッド、ロンメル機のビームトマホークで順に攻撃する。『スーパーロボット対戦』で実装。

特殊能力

剣装備、盾装備
切り払いシールド防御を発動。

移動タイプ

作中では砂の中に隠れて奇襲したこともあるが、ゲームでは地中は移動できない。

サイズ

M

対決・名場面

ガンダム
東アジアにて、ガンダム不在のホワイトベースを襲撃するランバ・ラル隊。そこにアムロ・レイガンダムが現れ、ラルのグフと激突する。『機動戦士ガンダム』でも屈指の名戦闘シーンであり、雑誌の記事などでもこのシーンが紹介される事は少なくない。
一撃必殺の威力を持つビームサーベルを防ぐためグフの腕をガンダムの腕にぶつけサーベルを振り下ろせなくする、ビームライフルを最小限の機動だけで回避するなど決して性能頼りではない戦い方が印象的だった。
またラル隊撃破後も量産されたグフを用いる部隊とガンダムは何度か交戦しており、無名のパイロットが乗るグフがヒートロッドでガンダムの爪先を切り裂く・腹部に巻き付けて装甲を半壊させる[2]など損傷を与えており、近接戦におけるグフは強敵として描写されることが多かった。
ガンダム+Gファイター
マ・クベ配下のクリンク率いるMS隊はサブフライトシステム「ド・ダイYS」に搭乗したグフでホワイトベースに戦いを挑む。ガンダムを苦戦させ、脚部を損傷させあと一歩のところまで追いつめるが、ミデア隊が輸送した新兵器Gファイターの活躍により惜しくもあと一歩のところで撃破された。その後も再戦の機会はあったが、元々の性能差と戦い慣れたアムロたちの敵ではなく、ほぼ一方的に撃破されている。

主な関連機体

一覧に無い機体はガンダムWikiを参照。

強化型・バリエーション機

グフカスタム
グフの問題点を改良した再設計機。主な変更点はヒートロッドの改良・フィンガーバルカンの廃止・射撃戦能力の強化等。

関連機

ザク
陸戦型ザクをベースにグフが開発された。
ドム
「グフ試作実験機」をベースに開発されたため、グフが開発の大本と言える。
ガルスJ
デザイン的には共通点はほぼないが、コンセプト的には後継機。

他作品の関連機

グフイグナイテッド
コズミック・イラ世界のそっくりさん。こちらは空中・宇宙にも適応する。
グフR35
ラルさんがグフをベースに改造したガンプラ。

余談

  • 実を言うと、グフはテコ入れで登場した機体である。
    • 『機動戦士ガンダム』では当初ザク以外のMSを出さない方針(「現実的に考えると新型が次から次へと登場するのはおかしい」というスタッフの認識から)であったが、スポンサーからの要望で新型MSを出す事となった経緯が有る。ついでに、あのランバ・ラルの「ザクとは違う」の台詞も、そのあたりの事情を反映した台詞だったりする。
    • 更に言うなら『グフ』という名前も登場当初は決まっておらず、ただ「新型」と呼ばれるばかりで、作中ではなかなか名前が登場しなかった。それどころかクランプから、ザク2機と合わせて「3機のザク」と呼ばれているシーンまである。
  • 絵本版『機動戦士ガンダム』では、なんとシャア専用グフも登場しており、機体のカラーリングは言わずもがな「赤」である
  • セガサターンの3Dアクションゲーム『機動戦士ガンダム外伝 THE BLUE DESTINY』(SRW未参戦)では、なんと跳び蹴りという男気溢れる手段で攻撃してくる。これはヒートロッドが使えなくなった(おそらくハードの制約)ので、苦肉の策で用意されたとの事。
    • アニメーションではwebアニメ『ガンダムブレイカーバトローグ』に登場した「グフクリムゾンカスタム」がAIパイロットを再現したかのような見事な飛び蹴りを披露した。
  • 実写PSソフト『GUNDAM 0079 THE WAR FOR EARTH』では「灰色がかった銀色のグフが、主人公(プレイヤー)の駆るガンダムの前に立ちはだかる」という場面が有る。
    • ちなみに、このグフのパイロットの名前はランバ・ラル…ではなく「ブラクシス」。いわば、彼はラルの代役である。なお、担当声優は飯塚昭三氏であり、モブキャラながら氏の熱演でスーパーロボット物の悪役チックな迫力がある。
    • グフと言えば青色のイメージだが、これは「ランバ・ラルのパーソナルカラーがそのまま量産機にも採用された」という設定なので、ラル戦以前に戦うこのグフが青ではないのは原作を尊重しているといえる。
  • 岡崎優氏による漫画版では原作よりも早い段階で量産化されランバ・ラル隊に8機が配属されていたが、ガンダムと数度の戦いを経て全て撃破されている。
  • 「トミノメモ」には、「グフタイプのMS月面でガッシャ(SRW未登場)に率いられて登場する」と記述されている為、宇宙用のバリエーションが出る予定だった可能性も有る。
    • それを踏まえての事か、漫画『機動戦士ガンダム サンダーボルト』(SRW未参戦)では、グフがア・バオア・クーの攻防戦に出撃している姿が描かれている。
  • 機動武闘伝Gガンダム』最終話ではガンダムらと共にグフらしきMS(ヒートロッドらしきものを装備している)もロケットで宇宙に向かっている場面がある。
    • なお、ガンダムをはじめとする他のMSはロケットにしがみついていたのに対し、グフはヒートロッドをロケットの先端に巻き付けてロケットの側面に立っていた
  • グフの代名詞ともいえるヒートロッドだが、本来ロッド(rod)は教鞭や乗馬鞭のような棒状の鞭を指す単語であり、一般的にイメージされる鞭を指すのはウィップ(whip)である。
  • グフの持っている剣がヒートサーベルなのかビームサーベルなのかは当時の資料では定まっていないが、劇中ではビームサーベルのように刀身が伸びるシーンがある。しかし、後に登場したゲルググが「ジオン初のビーム兵器搭載MS。そのために開発が遅れた」と設定されたために、グフの剣はヒートサーベルだと決定した。
    • この設定と描写の整合性を取るために、形状記憶されたセラミック系微粒子を主成分とする高分子化合物が瞬時に刀身を形成するという、宇宙世紀全体を通してもここにしか使われていない謎の超技術が誕生することとなった。「そんな技術があるなら後世でもっと応用できるのでは?」という別の矛盾が生まれているような…。

脚注

  1. MS、機動戦士ガンダム公式web、サンライズ、2022年1月8日閲覧。
  2. ガンダムのコクピットは腹部にあるので、この時は一歩間違えばアムロが戦死していた可能性もあった。

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