ロード・ジブリール
ロード・ジブリール | |
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外国語表記 | Lord Djibril |
登場作品 | |
声優 | 堀秀行 |
種族 | 地球人(ナチュラル) |
生年月日 | C.E.42年10月1日 |
星座 | 天秤座 |
年齢 | 31歳 |
身長 | 181cm |
体重 | 70kg |
血液型 | A型 |
所属 | ロゴス |
役職 | ロゴス兼ブルーコスモス代表 |
概要
『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』時におけるブルーコスモスの盟主で、ムルタ・アズラエルの後任者。また軍需産業などで世界を影で操るロゴスのメンバーの一人で、その代表でもある。
性格は一見冷静沈着で紳士を装っているが、実際はかなりの激情家で、気に入らないことがあると物に八つ当たりする下劣さも併せ持っており、似たような性格のアズラエルに比べても様々な面で劣っている部分がある。また自分が不利になると仲間を見捨ていち早く逃亡するという往生際の悪さも持っている。
コーディネイターを嫌い[1]、ブレイク・ザ・ワールドを契機にザフトに攻勢をかけたが、まともに準備が整っていない上に情報不足な形で強引に開戦させた為に、序盤のプラントへの核攻撃作戦ではニュートロンスタンピーダーで自滅に追い込まれる形で敗退。その後、地球に降下したミネルバ隊をファントムペインに度々攻撃させるが失敗続きの有様であり、無駄に戦力を浪費しているだけの結果には、傀儡であったジョゼフ・コープランドを完全に呆れさせていた。 その為に黒海に部隊を派遣させようとコープランドに指示を行った際には、度重なる失敗によって民衆の反連合運動が高まっていた事や連合の同盟が拗れている事、自身の私兵部隊であるファントムペインですらまともな戦果をあげていないといった様々な事実を突きつけられた形で、コープランドに協力を拒否されてしまった。
その後、大西洋連邦に代わってユウナ・ロマ・セイラン率いるオーブ連合首長国軍に協力を要請するも、クレタ沖での戦闘でオーブ軍が壊滅し、ファントムペインもアウル・ニーダが戦死するなどことごとく失敗。その後新たに完成したデストロイガンダムを配備させ、連合に強く反対する幾つかの都市を壊滅状態に追い込むが、ベルリンにおいてミネルバとアークエンジェルとの共闘でデストロイは破壊されステラ・ルーシェは戦死、スティング・オークレーは敗退し、リーダーのネオ・ロアノークも行方不明となり、ファントムペインは事実上壊滅に追い込まれてしまう。
ギルバート・デュランダルにロゴスの実体を暴かれた後はヘブンズベースから、オーブ、月面のダイダロス基地へと逃げ延び、ダイダロス基地に設営されたレクイエムでプラント本国に反撃。だが、逆にザフトの総攻撃に再び追いつめられ、最後はガーティ・ルーで逃げるところをレジェンドガンダムの攻撃で死亡。
初登場は複数のモニターで覆われた部屋に、ペルシャ猫を抱きかかえてその中心部に居座っているというスパイ映画の悪人を彷彿させる登場シーンからだったが、その末路もスパイ映画の悪役そのままであった。
なお、ボンボン版ではザフトに敗北した際、重要な情報が全て知られていた事から自分がデュランダルの掌の内にいた事を悟り、呆然としていた所をデスティニーガンダムに討たれる。
登場作品と役柄
当然、悪役ポジションの人物であるのだが、前作のアズラエルと比較してもデュランダルのみならず他作品のキャラクターに利用されたり呆れられたりと、『機甲戦記ドラグナー』のドルチェノフや『重戦機エルガイム』のギワザ・ロワウ同様に小物感が拭えない小悪党という立ち位置となっている。原作では多くの部下や上司、同盟相手を利用して終盤まで生き延びた彼だけに、この立場は皮肉極まりないだろう。
Zシリーズ
- スーパーロボット大戦Z
- 地球連合軍の代表から、新地球連邦の幹部へと格下げ。後半は原作どおりにデュランダルに裏の顔を暴かれ、シロッコとデューイの起こしたクーデターから、バスク達と共に逃亡。レクイエムを放つまではほぼ原作どおり。最後はバスク共々シロッコの露払いとなって散る。ちなみにこのシナリオではガンダム系幹部勢ぞろいであるが、彼はその犠牲者第1号に。なお、本作での彼関連の一番のクロスオーバーと言えば、「ジロンにICBMのコントロールを奪われて驚愕する」イベントであろう。声バグの被害者の一人。
Scramble Commanderシリーズ
- スーパーロボット大戦Scramble Commander the 2nd
- 初登場作品。中盤までは黒幕然として振舞っているが、実際はデュランダルやユキムラにいい様に利用されているに過ぎず、中盤以降はデュランダルやAフォースに追い詰められる。最終的にレクイエムのコントロールルームをAフォースに破壊され死亡する。
- 今作ではゼントラーディの戦力を本格的に攻めてくる前とはいえ、軽んじていることから尚更滑稽な印象を受ける(さらにゼントラーディ軍が全力で攻めてくる頃には既に戦死している)。
携帯機シリーズ
- スーパーロボット大戦K
- 中盤で少し見かけるが、なんとこちらと出会う前にザフトに討たれてしまう。しかも、明確な死の描写が無く(一応ダイダロス基地で死んだから原作通り。ただ、レクイエムは使用していない)、中盤にヘスターから「ジブリールが戦死した」と伝えられるのみと、扱いは非常に小さい。
- スーパーロボット大戦L
- 概ね原作準拠。デュランダルを非難しようとして先手を打たれる、グロリアに頼って次の逃亡を試みるも見捨てられる等原作以上に小物ぶりを発揮しており、『マクロスF』のレオン・三島と並んで「野望だけは大きいが結局は誰かの掌の上で踊らされているに過ぎない小悪党」として描かれている。最期は原作通り艦で脱出した所を撃沈されるが、レイではなくシンに討たれた。これについてはイベント戦闘扱いとなっており、Zのときと違いガーティ・ルーのパイロットがジブリール自身になっている。
単独作品
- スーパーロボット大戦Card Chronicle
- リボンズの手引きでダイダロス基地に逃亡するも、最後はアークエンジェル隊に討たれて戦死。
- スーパーロボット大戦V
- 原作終了後だが、エンブリヲの手により密かに生き延びていた設定で登場。『クロスアンジュ』絡みの話にしか出てこないためかジュリオと並んでエンブリヲの腰巾着の印象が強い。最終的には西暦世界ルート第38話のミスルギ皇国での戦闘にてエンブリヲに粛清され今度こそ死亡した。
人間関係
- ウナト・エマ・セイラン、ユウナ・ロマ・セイラン
- 密かに彼ら親子と同盟を結んでいたが、最終的には切り捨てる。マガジンZ版では、切り捨てただけでなく、自分の側についたオーブ兵士達に暗殺させた。
- ジョゼフ・コープランド
- ロゴスの力を利用して、大西洋連邦の指導者に当選させている。しかし、コーディネイターを滅ぼす事しか考えていないことを見透かされ、内心では呆れられていたようである。
- ギルバート・デュランダル
- 本人は対立関係である彼とは対等の実力を持っていると思っていたのだろうが、実際には最後までデュランダルに良いように誘導されただけであった。
- ムウ・ラ・フラガ
- 彼を回収し、ネオ・ロアノークとしての記憶を植えつけた上で私兵部隊ファントムペインの指揮官として利用していた。
- イアン・リー
- 部下。最期は彼と運命を共にすることに。『Z』ではレクイエム攻防時に彼との掛け合いを聞くことが出来る。
- レイ・ザ・バレル
- 原作では最終的に彼に引導を渡された。
- シン・アスカ
- ボンボン版と『L』では最終的に彼に引導を渡された。
- マティス
- 公式外伝「DESTINY ASTRAY」(SRW未参戦)で地球圏に更なる混乱を巻き起こすためにジブリールを利用、サトー率いるザフト脱走兵達がユニウスセブンを降下させている証拠映像を提供した。
他作品との人間関係
とにかく他作品の大ボス悪役キャラに利用されていたり呆れられたりしている事が多い。スパロボ出演作五作中、その約半分にあたるSC2とLの二作品において、バンプレストオリジナルキャラのラスボスに体よく利用され続けた挙句、用済みとばかりに見捨てられている。
ガンダムシリーズ
- パプテマス・シロッコ
- 『Z』では彼に捨て駒にされてしまう。
- バスク・オム
- 『Z』では元々はいがみ合っていたが、クーデターが勃発してからは共同歩調をとる。最期は共にシロッコに捨て駒にされ、散る。
- リリーナ・ドーリアン
- 『L』では自身の元に抗議に現れた彼女を捕らえ、終盤まで人質にとった。だが、そのためヒイロに地の果てどころか月面まで追いかけ回されるハメに。
- トロワ・バートン
- 『L』では彼を部下として取り立てる。彼を「生粋のブルーコスモス」と信じており、スパイであることに最後まで気付けなかった模様。
- フロスト兄弟(シャギア・フロスト&オルバ・フロスト)
- 『Z』では彼らを部下として利用しようとするも、実はシロッコ側のスパイであり、見事に陥れられてしまう。
- ティファ・アディール
- 『Z』ではフロスト兄弟に彼女を拉致させ、レクイエムの発射とD.O.M.E.の解析の為に利用する。
- リボンズ・アルマーク
- 『CC』では彼を拾ったことでレクイエムまでたどり着く。
- マリナ・イスマイール
- 『V』ではジュリオとの会談のために神聖ミスルギ皇国を訪れた彼女とカガリの前にジュリオの代理人として現われ、彼女達から驚愕された。
リアル系
- ドレイク・ルフト、ビショット・ハッタ
- 『SC2』では彼らと同盟を結ぶ。
- アーサー・ランク、ノルブ
- 『Z』ではヘブンズベースに彼らを監禁し、協力させようとしていた。追い詰められている有様からか、ノルブからは「弱い犬程よく吠える」と評されてしまっている。
- ジロン・アモス
- 『Z』で彼にアーサー誘拐のお返しとばかりにICBMのコントロールを奪われてしまった。
- ヘスター・ギャロップ
- 『K』では彼女と共に連合の指揮を執っているのだが、彼女は本心ではジブリールの事を快く思っていなかった。
- エンブリヲ
- 『V』ではブルーコスモスとロゴスの黒幕的存在であり、彼に拾い上げられ部下になっていたが、最期はジュリオ同様に彼の思想を自分に都合のいい解釈をした結果、彼に粛清される末路を辿る。
- 彼の声が原作で自身を葬り去ったレイと同じ関俊彦氏だと言うことを考えるとまさに皮肉である。
- ジュリオ・飛鳥・ミスルギ
- 『V』では彼の部下になっている。ジュリオと揃ってエンブリヲの腰巾着のような関係で差別主義の思考などが共通している。ただ、自らの失態に取り乱すばかりでその癖自分の権力を傘に来て自身に対して高圧的な態度をとる彼に対して、非常に冷めた態度で皮肉を浴びせている。
- サリア、クリス、ヴィルヘルム・カスパー、リー・ファウラー、サビーナ・レフニオ
- 『V』では第38話での神聖ミスルギ皇国での戦闘の際に彼らの指揮を執るが当然ジブリールの指揮には従わず、クリスからは「ウザい」と吐き捨てられる。
スーパー系
- クライン・サンドマン
- 『Z』では彼の存在を強く警戒していた。
- ウィリアム・ウォーレス・フィッツジェラルド
- 『Z』では明言していないが、言動の端々から彼が優秀な政治家だと認めていた事が伺える。
- ゼーレ
- 『L』におけるロゴスの黒幕で、ジブリールもやはり彼らに利用されている。
バンプレストオリジナル
- セイジュウロウ・ソガ、シュウイチロウ・ユキムラ
- 『SC2』では彼らを支援しているが、実際はユキムラにいい様に利用されたに過ぎず、後に用済みとされて裏切られる。
- エーデル・ベルナル
- 『Z』では当初は彼女を侮っていたが、後に反乱を起こされて逃亡者となる。
- ルド・グロリア
- 『L』における協力者。直接絡む場面は無いが、劇中のジブリールと部下の遣り取りから察するに、立場は彼の方が上だと思われる。彼にも体のいい道具として利用されていただけだけであり、最終的には、結局彼にも用済みとばかりに見捨てられてしまう。
名台詞
- 「この度のことを申しましても私は大変ショックを受けましてね。ユニウスセブンが!? まさかそんな!? 一体なぜ!? ……まず思ったのはそんなことばかりでした」
- ジブリールの初登場の場面にて。ユニウスセブンが地球への軌道を取ったことを理由にロゴスの幹部たちを招集した際の発言。
- 他の幹部からは「前置きはいいよ」と言われるが、ジブリールはここが肝心と強調しており、これから起きる被害よりもコーディネイター殲滅を再び実行するための大義名分が出来たことを喜んでいた模様。
- 「えぃッ!」
- 上記の会合で対プラント宣戦の許可を幹部たちから取り付けたが、屋敷の窓から帰宅する彼らを眺めていたかと思いきやいきなり苛立ってビリヤードの球を壁に投げつけ陶磁器が割れたような音を響かせる。
- アニメ本編ではこの行為の理由に関する説明はなかったが、小説版ではジブリールが他の幹部たちがコーディネイター問題に真剣に取り組んでいないことに関して激しい憤りを持っている事が明かされており、その苛立ちに関する八つ当たりだった模様。
- 「思いもかけぬ最高のカードです。これを許せぬ人間などこの世のどこにもいはしない。そしてこれは、この上なき我らの強き絆とあるでしょう…。今度こそ、奴らのすべてに死を…、です」
「青き正常なる世界のために…ね」 - ファントムペインから送られてきたユニウスセブン落下の原因がコーディネイターのテロ組織がフレアモーターを使って引き起こした人為的な事件だった事を他のロゴス幹部に提示した場面で。
- この後、ジブリールはこの事実を世界中に公表し、地球の反コーディネイター感情を一時的に盛り上げる事に成功。傀儡である大西洋連邦大統領を利用して一気に世界を再び戦争へと導いていく。
- 余談だが、アズラエルも含めて原作で「青き正常なる世界のために」をブルーコスモス盟主が発言するのはここだけ。
- 「世界はね、『システム』なんですよ。だからそれを作り上げる者とそれを管理する者が必要だ。人が管理しなければ庭とて荒れる。誰だって自分の庭には好きな木を植える。芝を張り、綺麗な花を咲かせたがるものでしょう、『雑草』は抜いて。ところかまわず好き放題に草を生えさせ、それを美しいと言いますか? 『これぞ自由だ』と。人は誰だってそういうものが好きなんですよ。きちんと管理された場所、もの…安全なね。今までだって世界をそうしようと人はがんばってきたんじゃないですか。街を造り、道具を作り、ルールを作ってね。そして今、それをかつてない規模でやれる壮大なチャンスを得たんですよ、我々は。だからさっさと奴らを討って、早く次の楽しいステップに進みましょうよ。我々ロゴスのための美しい庭、新たなる世界システムの構築というね」
- 第9話「驕れる牙」より。この一連の台詞とともにまるで前祝をするかのようにグラスを掲げる。彼の台詞を端的に言えば、「雑草」つまりコーディネイターを排除し、自身にとって都合のいい世界を作るのが目的なのだろう。尤も、通話相手のジョセフ・コープランドはこの台詞に後に深いため息をついており、彼はジブリールの考えには賛同していないことが窺える。
- 「ふざけた事をおっしゃいますなッ! この戦争、益々勝たねばならなくなったというのに。我らの核を一瞬で消滅させたあの兵器、あんな物を持つバケモノが宇宙にいて一体どうして安心していられるというのですッ! 戦いは続けますよ、以前のプランに戻してッ! いや、それよりもっと強化してねッ! 今度こそ奴らを叩きのめし、その力を完全に奪い去るまでッ!」
- プラントへの核攻撃はニュートロン・スタンピーダーで防がれてしまい、その事をロゴスの幹部たちから「何だねこの醜態は?」「君の書いたシナリオはコメディなのかね?」「世界中の物笑い」「誰にどういう手を打つべきか…ジブリール、君にかね?」とボロクソにこき下ろされたジブリールの反論。
- ジブリールの失態であることは間違いないのだが、ただ高みの見物をしている他の幹部たちにここまで言われてキレてしまうのも仕方がない。しかし、「以前のプランに戻して」と言っている当たり当初の計画が完全に瓦解している事も意味しており、物語が4分の1にも達していないにも関わらず彼の小物っぷりが際立っている。
- 「私はそんな話が聞きたいのではないッ!私はそんな現状に対して、あなた方がどんな手を打ってらっしゃるのかを聞いているのです。コーディネイターを倒せッ! 滅ぼせッ!やっつけろッ!あれだけ盛り上げて差し上げたのにその火を消してしまうおつもりですかッ!!」
- 戦局が思い通りに進まない中、大西洋連邦大統領ジョセフ・コープランドとの会話中に「ごり押しで結んだ同盟がほころび始めるのも無理はない」と言われた際に。
- 相手の発言を自分への非難と受け取ったのか、突然激昂。しかし、この後の言い争うではコープランドからファントムペインの失態も言及され、反論に詰まったジブリールはオーブに派兵を要求する事を提案する。
- 「ふふふふはははははは!どうです?圧倒的じゃないですか、デストロイは」
ロゴス幹部「確かにのう。全て焦土と化して何も残らんわ」
ロゴス幹部「どこまで焼き払うつもりなんだこれで」
「そこにザフトがいる限り、どこまでもですよ。変に馴れ合う連中にもう一度はっきりと教えてやりませんとね。我等ナチュラルとコーディネイターは違うのだということを。それを裏切るような真似をすれば地獄に堕ちるのだということをね」 - デストロイがベルリン市内を火の海に陥れている戦況をモニターで眺めながら、他のロゴス幹部にご満喫な場面。対照的に他のロゴス幹部はかなりうんざりした様子であり、ジブリールの裏切り者のナチュラルを殺戮するという思考と行動が他の幹部と比べて異質な思考であることを物語っている。
- 勝利のワインを傾けているジブリールだが、その日の内にデストロイはフリーダムに撃破されてしまう事になる。
- 「やめろッ!! やめさせるんだッ!! 何故できないッ!!」
- デュランダルにロゴスの存在を暴露される直前、モニタールームで狼狽する。この辺りから片目だけ見開くなど一気に顔が崩れ始める。
- 「こ、こんな……こんなバカなことが……ええいッ!」
「…デュランダルめッ!」 - デュランダルの暴露により世界中でロゴスの関係者が地球市民のナチュラルたちに襲撃されている状態に驚愕しながら。この時、彼の邸宅にも武装した暴徒がなだれ込んでおり、彼はモニタールームから間一髪で脱出する。
- 本編ではこのシーンの直前にデュランダルの演説が入っているが、小説版ではジブリールもこれを聞いており、彼の視点だからこそデュランダルの演説内容と行動の欺瞞振りが感じられる内容となっている。
- 「フッ…通告して回答を待つと。デュランダルはさぞや今、気分の良いことでしょうよ」
「守る?ハッ、何をおっしゃっているんですか。我々は攻めるのですよ。奴を、今日ここから」
「我々を討てば戦争は終わり、世界は平和になる?ハッ、そんな言葉にやすやすと騙されるほどに愚かです。確かに民衆は。だが、だからこそ我々が、なんとしても奴を討たなければならない!」
「本当に取り返しのつかないことになる前に。この世界が、奴とコーディネイター共の物になる前にです!」
「準備ができ次第、始めます。議長殿が調子にのっていられるのも、もうここまでだ。格好つけてノコノコと前線にまで出てきたこと、奴にタップリと後悔させてやりましょう」
「あの世でね…!」 - ヘブンズベースにて。事実この時点では、物量はあり、多数の決戦兵器まで用意あり、直後に先制攻撃を行ったこともあって、勝機はあるかに見えたが…。
- 「フフフハハハハハ…糾弾もよい。理想もよい。が、全ては勝たねば意味はない。いにしえから、全ては勝者の物と決まっているのですからね…」
- ヘブンズベース戦が有利に進んでいるのを見届けて。この時はまさか自分が敗者になるとは思ってもいなかっただろう。むしろデストロイやニーベルングで多大な戦果を挙げながら最終的になぜ逃げ出す羽目に陥ったのやら。
- 「どういう事なのだこれは!ええい!」
- ミネルバ隊の介入でデストロイ部隊がほぼ全滅した直後、どさくさに紛れて逃げ出そうとしながら。むしろ視聴者が聞きたい。
- 「ちょっとは物のわかった人間ならね、すぐに見抜くはずだ。あんなデュランダルの欺瞞は」
「奴の支配する世界になどなったら、あなた方も居場所はない」
「…が、心配せずとも我らはすぐに反撃に出る。奴が宇宙に戻り、私が宇宙に上がりレクイエムが流れれば、全て終わるのだ」
「その時勝ち残っていたければ、今どうすべきかは、聡明なあなたにはよくお分かりだろうなぁ…ウナト・エマ」 - オーブに逃げ込み、セイラン家の屋敷でくつろぐジブリールがウナト・エマ・セイランに言い放った一連の台詞。ジブリールとは対照的に窮屈そうな感じに憔悴しているウナトの姿が印象的でもある。
- この一連の発言でウナトは地球連合軍にはまだ奥の手があると確信し、自らが選んだ道は間違いではなかったと思い込んだ……が、小説版ではジブリールを匿うこと自体がウナトにとって不本意だったことが語られており[2]、結果的に彼がジブリールを匿ったのは連合軍部を支配する彼の権威に屈したからでしかない。
- 「私は大統領の様な臆病者でも、デュランダルの様な夢想家でもない。撃つべき時には撃つさ、守るために」
- 第44話、ダイダロス基地司令部で基地司令官との会話中に。彼の主観ではあくまでコーディネイターの魔の手から「青き清浄なる世界」を守るために戦っているという主観なのだろう。
- 「さあ奏でてやろうデュランダル。お前達の為のレクイエムを!」
- レクイエム発射トリガー装置のセキュリティを解除し、その発射ボタンを押す際の台詞。
- スペシャルエディション版では「今度こそ、お前達を弔う…」と台詞が追加されている。生き返って再チャレンジでもしている心地だったのだろうか……?
- 「ダメならそれでも良いッ! フォーレの奴等だけでもッ!」
基地司令「それでは終わりです。次のチャージまではとても…」
「いいから撃てッ! その隙に脱出する。私が生きてさえいればまだいくらでも道はある。基地を降伏させ同時に撃つ! 言い訳はいくらでもつく。君は良くやってくれた。共にアルザッヘルにでも逃げれば、また……」 - ダイダロス基地にミネルバがレクイエム破壊の為に侵入し、ウィンダム、ユークリッド、ザムザザー、ゲルズゲー、デストロイといった最新兵器でも止められず、劣勢に陥る。レクイエムのチャージを待たずに発射シークエンスに移行させようとしたが、直後にビーム偏光ステーション「フォーレ」の推進システムに異常が発生し、プラント攻撃が不可能となる。
- すると彼はレクイエムでフォーレ付近に展開しているザフト軍を薙ぎ払う様に命じた後、自身はアルザッヘルへの逃亡を図るのであった。
- 自宅 → ヘブンズベース → オーブ → 月面ダイダロス基地 → 月面アルザッヘル基地と10話に跨いで逃亡ばかり繰り返していたため、「またかよ」と思った視聴者も多いであろう。
- 小説版では地球とナチュラルの未来の為に自分は生き残らなければならないという考え方をしている反面で、ダイダロス基地司令官が保身を考えている事を察してうんざりするというかなり独善的な思考が描写がなされている。
- 「ええい! ……ぁ? なッ!? うわぁぁぁッッ!!」
- 最期のシーン。上記のやり取りの後、ガーティ・ルーで逃亡を図ったが、レクイエムは発射前に管制室と司令部を潰されたため不発に終わり、その直後にレイのレジェンドにガーティ・ルーのブリッジを破壊されて戦死した。
- その際にジブリールの顔面がビームの本流に飲まれて消滅するというシーンがどアップで放映される過激な描写がなされており、たまたま番組を付けた人がいたらビビッたであろう。HDリマスターではなぜかこの場面を新規シーンで描くという徹底ぶりであった。
迷台詞
- 「ふっはっはっは、これはよい、すぐにオーブの彼女と連絡を取れッ! ……ッ!?」
- 第44話冒頭にて。ミーア・キャンベルのオーブ非難声明が世界中に発せられている中で、本物のラクスが突如として放送に割り込み、デュランダルの真意を人々に投げかける声明を月面ダイダロス基地司令室で聞きながらの発言。
- 彼女の発言が捉えようによっては「デュランダルの言う何もかもロゴスが元凶というのは間違い」と聞こえるため、ラクスと手を組むつもりでこの命令を出したと思われるが、話している最中にラクスに「無論、ジブリール氏を庇うつもりはない」と発言されてしまい、そのまま絶句してしまうという作中屈指の勘違いシーンである。
- というか、相手はコーディネイターなのに、それでいいのか盟主……。もっともそれぐらい追い詰められていたことも事実であるが……。
スパロボシリーズの名台詞
Scramble Commanderシリーズ
- 「ユ、ユキムラ…! ソガ…!! 裏切りおったのか、こ、この私を…!このロード・ジブリールを! 覚えておれ…。貴様らには、生まれてきた事を後悔するほどの苦痛を味わわせてやる…!」
- SC2より、ユキムラとソガ教授の裏切りを知って激怒しての台詞。殺意を露わに報復を誓ってはいるが、ユキムラに何一つ一矢報いる事すら叶わず、彼は後々レクイエムにて惨めな最期を迎える事になる。
Zシリーズ
- 「新たな大統領がブラッドマンとはな…! よりによって、あのような小物を立てるとは舐めた真似をしてくれる!」
- 『Z』ランド編第37話「粛清の嵐」より。連邦から半ば放逐状態になってバスクと行動を共にしていた際に言った台詞。ジブリールから見ても、ブラッドマンは無能以外の何物でもなかったらしく、自分やジャミトフに代わって彼が指導者となった事には、かなりプライドを傷付けられた模様。
- 「くっ! 切り札のデストロイ部隊がやられアーサー達までさらわれるとは! こうなれば最後の手段だ! プラント攻撃用の核を使うぞ!!」
- 『Z』第45話「遺産の継承者」より。ZEUTHにアーサー達を奪還された上にデストロイガンダムとサイコガンダムの部隊がやられた際のセリフ、最後の手段とばかりにヘブンズベースに配備されているICBMを使おうとするが…。
- 「何だと!?」
- 上のセリフの続きで最後の手段としてICBMを使おうとするも、コントロールをジロンに奪われたのをジャマイカンに聞かされた時のセリフ。シチュエーションもさることながら、ジブリール本人の表情も凄い事になっている。
- 「まだだ!デュランダルを、ZEUTHを、シロッコを倒すまで死ぬわけには…」
「死ぬわけにはいかんのだああああっ!!」 - 断末魔。最後まで再起する機会を窺っていたジブリールだったが、結局その機会も無いままシロッコの露払いとして戦死するのであった。
携帯機シリーズ
- 「できそこないのパイロットめ!死ぬまで暴れるがいい!ザフトどもを焼き尽くせ!」
- 『K』第14話ベルリンルート「離別の光・後編」より。ネオを撃墜されて暴走したステラを一人戦場に残したときの台詞。自分達でそうさせておきながら、何とも酷い言い草である。尚、今作での彼の出番はここで終了である。
- 「忘れてなどいない。だから核を撃ったのだ!」
「死んでいったナチュラルの無念を晴らすために…コーディネイターを宇宙から消しさるために!」 - 『L』第7話(命令に従い、この場を離れるルート)「驕れる牙に吹く風」より。プラントへの核攻撃が失敗した後の場面。その行為に憤りを見せたリリーナからヤキン戦役で多くの命が失われた事実を指摘されるが、彼は自身の愚行を認めようとしなかった。
- ナチュラルの無念を晴らすためと言えば聞こえはいいが、当のジブリールを含むブルーコスモスは、ナチュラルの子供を薬物や人体実験でエクステンデッドに改造して戦闘兵士に仕立て上げたり、ベルリンでは罪も無い民間人を巻き添えで虐殺したりと、同じナチュラルに対しても非道な所業を行っていた。
- 「心配はいりませんよ。こちらには切り札があります!」
「奴らは人類のためとほざきながら、陰では異世界の者達とまで手を組んでいるのです。それはあなたもご承知のはず…」
「その事実を世界に公表すれば、逆に追い詰められるのは奴らです!」 - 『L』第18話「奪還への想い」シナリオエンドデモより。ロゴスの悪行がデュランダルによって明るみにされ、「どう責任をとるつもりかね?」とロゴスメンバーに問われた際の反応。知らぬこととは言え、異世界の者と手を組んでいながら得意げに言うジブリールであるが、その行動は既にデュランダルに読まれており…。
- 「!? デュランダル…まさか!?」
「バ、バカな…! これではまるで我々が…!」
「お、おのれデュランダル! おのれえええぇぇぇッ!」 - 上記のセリフの後デュランダルにフロンティア船団が異世界からの訪問者であることと、自分達が彼らを自らの利益のためだけに滅ぼそうとしていることを公表されて。結局、原作同様に逃げ回る結果となった。
- 「なっ!? ま、まさかこの私が切り捨てられたというのか…?」
- 『L』第32話「奏でられた曲は」より。レクイエム戦にて、自身が「あの方」に見捨てられたと知り、愕然とする。本作でも結局、他者に踊らされ続けていただけの道化に過ぎなかったジブリール。その道化ぶりをリリーナにも半ば哀れまれる。
- 「わ、私はこの世界の盟主になるべき男なのだ…! それが、こんな…ぐおぉぉぉぉぉぉ…!」
- 同上。イベント戦闘にて、デスティニーに討ち取られての断末魔。戦争を利用して全てを掴もうとしていた男は、戦争によって全てを奪われた少年に引導を渡されることとなった。
単独作品
- 「世界を動かす始祖連合国の当主の一人…。ですが、あの御方の前では、そのような肩書きは何の意味も成しません」
「事実、始祖連合国とは言っても、ミスルギ以外の国家には、もはや発言の機会も与えられていないではありませんか」
「そして、ミスルギに権利が与えられたのは暁ノ御柱の管理者であるからに過ぎないのをお忘れなく」 - 『V』第31話 「永遠の自由」シナリオデモより。自身の失態を棚に上げ、皇帝という立場を振りかざすジュリオへ浴びせた慇懃かつ痛烈な皮肉。
- 尤も、立場的には完全に同じ穴の貉である為、彼からは「使いっ走りの残党」呼ばわりされてしまうのだが。
- 「それには同意します。宇宙の化け物共を根絶やしにするためにも、世界は一度破壊されるべきでしょう」
- 同上。ジュリオに追従して『世界を創り直す』というエンブリヲの提案に賛同する。だが、ジュリオ同様自身も排除される側である事に全く気付いていないのは言うまでもない。
- これらの遣り取りからして、『V』でのジブリールはローゼンブルム王国国王(SRW未登場)ら国家元首達の代役も担っていると思われる。
- 「兵達よ!エンブリヲ様に歯向かう愚か者共に今こそ、罰を与えるのだ!」
- 『V』第38話 「歪む世界」より。ジュリオ亡き後ミスルギでの指揮を任されたらしく、意気揚々と檄を飛ばすが…。
- 「何だと!?私はエンブリヲ様から、この戦いの指揮を任されたのだぞ!」
- 直後、クリスに「ウザい」と切り捨てられてしまい、『Z』以来の顔芸を晒す羽目に。なおこの戦いにはアマルガムの幹部達も参戦していたのだが、恐らくは彼らも彼女と同意見であったろう。
- 「エンブリヲ様!愚か者共に罰を!」
「そして、この世界を…!青き清浄なる世界へと生まれ変わらせてください!」 - 同じく『V』第38話 より。アンジュ及びかなめを奪還されてしまい、エンブリヲに縋るが…。ちなみにさりげなくブルーコスモスのスローガンを掲げていたりする。
- 「な、何を!?」
「そ、そんな馬鹿なぁぁぁぁっ!!」 - 同上、『V』での断末魔。自分の言葉通り「無能な愚か者」として粛清され、奇しくもジュリオと全く同じ末路を辿ってしまうのであった。合掌。
- その最期はラクスに「最後まで自分が操り人形である事に気付けなかった」と哀れまれた。
- …原作で彼を葬った人物とエンブリヲの声が同じなのは、一体何の因果であろうか。
余談
- 他人を見捨てて逃げ回ったが、唯一ペットのシャム猫だけは見捨てずに最後まで連れている為、アンソロジーなどで散々ネタにされた。
- HDリマスター版第45話「変革の序曲」では、ジブリールの今際の際に前後して「港らしき場所に佇む黒猫」という新規カットが出てくる。この猫がジブリールの猫だと明言はされないものの、もし彼の猫だとしたらオーブを脱出して宇宙に上がる際に見捨てた(あるいは猫が主人に見切りをつけた)とも受け取れる。
- 実はムウを救助(と言うか回収)したのは彼の一派であり、ファントムペインによるセカンドステージシリーズMS強奪事件が物語の発端だったことを考えると、デュランダルと共にDESTINYの黒幕になれる要素はあった筈である。
- ただ、彼の死後デュランダルがその本性を顕し、それが元で最終的に結局ナチュラルとコーディネーター間の争いの本質が「根本を同じくするもの同士の闘い」へと回帰し、結局お互いが相手を完全に滅ぼさない限り決して解決しない類の、泥沼の関係へと突入してしまった点においては、ある意味、前述の彼のコーディネーターに対する純粋な恐怖とそれを大本とする嫌悪の感情柄、あの世においてしてやったりとほくそ笑んでいるのかもしれない。
- 無論、スパロボシリーズではナチュラルとコーディネーター感が根本を同じくするもの同士の戦いに回帰したことはなく、むしろナチュラルとコーディネーターのの完全な講和が実現するというジブリールにとっては悪夢と言える展開になることが多い。
- ただ、彼の死後デュランダルがその本性を顕し、それが元で最終的に結局ナチュラルとコーディネーター間の争いの本質が「根本を同じくするもの同士の闘い」へと回帰し、結局お互いが相手を完全に滅ぼさない限り決して解決しない類の、泥沼の関係へと突入してしまった点においては、ある意味、前述の彼のコーディネーターに対する純粋な恐怖とそれを大本とする嫌悪の感情柄、あの世においてしてやったりとほくそ笑んでいるのかもしれない。
脚注
資料リンク
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