「キオ・アスノ」の版間の差分

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;「…ねえ、じいちゃん」<br />「なんかさ…。今、すごく嬉しいんだ。前に戦った時よりも、ずっと…」
 
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:同じく第9話にて、ヴェイガンと[[ジャーク帝国]]を撃退し、街を守り切って。「救世主」への第一歩を踏み出した瞬間。
 
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;「[[ジオン公国|ジオン]]もヴェイガンと同じなんだ。自分達の目的の為には手段を選ばない連中なんですよ!」<br />「でもジオンの人達はコロニーや[[アクシズ]]を落とすとか、ひどい事をいっぱいやってきたんですよ」<br />「そんなのを信念だとか考えられませんよ」
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:『BX』第20話「ロストロウランに散る」より、[[ジオン残党軍]]がヴェイガンに協力している事で彼らを非難する。
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:[[ディーン・アノン|まだ]][[ルウ・アノン|敵側の]][[ロニ・ガーベイ|事情]]を知らないとはいえ、[[ティターンズ]]の地球至上主義や[[アロウズ]]の弾圧政策にも通ずるキオの危うい一面である。
 
;「…バナージさんは知ってるんです」<br />「あそこには、自分と同じように守る為に戦った人達がいるってことを…」
 
;「…バナージさんは知ってるんです」<br />「あそこには、自分と同じように守る為に戦った人達がいるってことを…」
 
:『BX』第25話「虹を見た日」より。相転移誘導弾から逃れるため[[宇宙]]に上がろうとするも、エンジントラブルで[[出力|推力]]が上がらない[[ガランシェール]]。
 
:『BX』第25話「虹を見た日」より。相転移誘導弾から逃れるため[[宇宙]]に上がろうとするも、エンジントラブルで[[出力|推力]]が上がらない[[ガランシェール]]。

2024年1月20日 (土) 05:39時点における版

キオ・アスノ
登場作品

ガンダムシリーズ

声優 山本和臣
樋口智透(壮年期)
デザイン 長野拓造(原案)
千葉道徳(アニメ版)
初登場SRW スーパーロボット大戦BX
SRWでの分類 パイロット
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プロフィール
種族 地球人Xラウンダー
性別
年齢 13歳
出身 北米
所属 民間人ディーヴァアビス隊
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キオ・アスノは『機動戦士ガンダムAGE』の主人公の一人。

概要

キオ編・三世代編の主人公[1]

素直で天真爛漫で心優しく正義感も強いという良い子を体現したような人物だが、その一方、世間知らずさや頑固な面もある。地球圏の都市「オリバーノーツ」にて家族と共に暮らしていたが、ヴェイガンの地球侵略が切っ掛けとなり、祖父フリット・アスノからガンダムAGE-3を託され、ヴェイガンとの戦いに身を投じていく。

幼い頃、MSシミュレーターをフリットからゲームとしてプレゼントされており、知らずのうちにパイロットとしての教育をされていた[2]。そのためか、祖父をはるかに凌駕するXラウンダー能力と父親譲りの高いMS操縦技術を有しているものの、戦争をゲーム感覚で捉えるなど倫理観が危うい節もあった。

誕生直後に父アセムが生死不明となった影響もあり祖父フリットを一家の中で特に慕い、当初は彼に言われるがままに戦っていたが、徐々に自分なりに戦う事への意義を探していく。

ヴェイガンの本拠地の惨状をその目で見たことをきっかけとし、地球とヴェイガン双方を救い戦いを終わらせるという信念を持つようになった。しかし、当初は信念を現実的に実現することができなかったためか、戦場でパイロットを殺さずモビルスーツを戦闘不能にする[3][4]ぐらいしかできず、敵にも味方にも最終盤になるまでその不殺主義を全否定され続け、幼馴染のウェンディ・ハーツと父アセム以外に理解者が誰一人いないという状況にまで陥ってしまった。しかし、それでも誰も殺さず戦争を終らせようとする意志を貫いたことで、最終的にその想いはヴェイガンの代表であるフェザール・イゼルカントを救い、祖父フリットを真の英雄に目覚めさせるまでに至った。

なお、公式外伝『UNKNOWN SOLDIERS』によると祖父や父とは異なりラ・グラミス戦後も地球連邦軍には入隊しておらず、民間の協力者という立場でAGE-FXの専属パイロットを務めている。

登場作品と役柄

携帯機シリーズ

スーパーロボット大戦BX
初登場作品。担当声優の山本和臣氏は本作でシリーズ初出演。また、キオが初登場時に所持していた携帯ゲーム機がスキルアイテムとして登場。
地球防衛組など同年代~年下が多い関係で、原作よりも人間関係が充実している。
ゲームで戦い方を学んだ為に当初は戦いに現実味を見出だせず、市街地や仲間の被害や相手の事情等を鑑みない行動が目立っていたが、達との交流で変わっていく。
能力的には同作品内にキオ以上の描写をされているキャラクターが多い関係で、キオの能力は「準エース以上エース未満」といったところで、昔のアキトコウに近い扱いである。とはいえ、Xラウンダー能力がある分、そこそこ戦える。
上述の通り主人公としては能力的に一歩足りないのでスキルアイテムで強化を計りたいが、乗機の武装が射撃一辺倒なガンダムAGE-3から一転、後継機のガンダムAGE-FXでは格闘武器が上位に来る為、それを見越した育成をしていきたい。また、どちらの機体も実用的なP武器の追加が遅いのでヒット&アウェイは優先して付けてやりたい。
戦闘前会話についてはキオがメインの主人公格として扱われ、それにフリットとアッシュが加わる三人一組の形になっている[5]
なお、初登場マップではイベント戦闘でギラーガ撃墜と華々しくデビュー戦をしているにも拘らず、その後は撃墜数0で加入という奇妙な事態になっている。

パイロットステータス

能力値

他のエースクラスに比べると一歩劣り、ゼハートイゼルカントと正面から戦えるほどではなくスキルアイテムによるテコ入れは必須だが、Xラウンダー補正のおかげでそこそこ戦える。AGE-3は射撃特化だが、中盤で乗り換えるAGE-FXは格闘向きなので養成が難しい。

精神コマンド

BX
直感集中てかげん順応熱血
「順応」のおかげで状況を問わず戦えるのが大きい。反面火力の方は「魂」と「覚醒」を持つフリットには及ばないので、ボスキラーよりは前線での削り役が最適。

特殊スキル

BX
XラウンダーL9、援護攻撃L1、援護防御L1、全体攻撃L1、見切り
序盤から参入するパイロットだけにスキルは最低限。とりあえずヒット&アウェイ、可能ならばAGE-3とFXの両方で役立つ強襲が欲しい。

人間関係

家族・友人・地球連邦軍

フリット・アスノ
祖父。前述のとおり、おじいちゃんっ子なので一家の中で特に慕っている。だが、三世代編ではキオの変化したスタンスが原因で対立することに。思想上で言えば、ある意味最後に立ちはだかる難敵。
アセム・アスノ / キャプテン・アッシュ
父。当初はアセムが生死不明であったため、家族の中で唯一面識が無かった[6]。再会後の三世代編では、キオの信念を最初から汲んでくれる僅かな味方になってくれる。
ロマリー・アスノ
母。髪色は彼女譲り。
ユノア・アスノ
叔母。キオとの仲は良好。衛生班長としてディーヴァに乗り込んでおり、キオのカウンセリングもたびたび行っていた。
エミリー・アスノ
祖母。劇中ではキオ誕生時と最終話エピローグでのアスノ家の肖像画でしか一緒にいる場面が描かれなかった。一方、小説版ではガンダムAGE-FXの開発に携わる。
ハロ
AGEシステムのサポートメカ。普段は一緒に行動しているが、ディーヴァに乗ってからはウェンディが主に面倒を見ていた。
なお、ブルーレイ最終巻の特典イラストでは、共に(年頃の少年らしく)エッチな本を読んでいた
ウェンディ・ハーツ
友人で、共にディーヴァに乗り込む。終盤ではキオの戦争終結への決意に共感しており、アセムと並んで当初からキオに味方する数少ない人物であった。小説版ではゲーム仲間でもある。
レブルス・ラモンド、ケイン・ロイス、ロジー・ミリウ
友人たち。休日を利用してみんなでMSエキシビジョンを観に行く途中、事件は起こった。
ウットビット・ガンヘイル
当初はアスノ家の名の下でちやほや(ウットビットにはそう映っていた)されるキオが気に入らず、きつく当たっていたが、共に戦った事がきっかけとなりキオを認め親友となる。艦内では共に行動している事が多い。
4年後を描いた公式外伝ではウェンディを巡る恋のライバルとなっている。
セリック・アビス
兄貴分。キオがAGE-FXに乗り換えて不殺戦法を取るようになった際は心配し、キオを諌めた。
シャナルア・マレン
キオの教育係となり、キオも慕っていたが、スパイ発覚の末に最期はキオを庇って死亡する。
キオにとっての最初の知人の死で、その影響は大きかった。漫画『機動戦士ガンダムAGE クライマックスヒーロー』においては特に彼女の影響が顕著で、「戦争にトドメを刺す」という意思は彼女がきっかけで目覚めた。

ヴェイガン

フェザール・イゼルカント
キオがヴェイガンの捕虜になった際には「この子は特別だ」と収容所送りにせず、国賓級の待遇を与え、ヴェイガンの世界を見るよう促した。理由は亡き息子ロミの生き写しとしか思えないほどに似ており、内面も通じるものがあった事である。要するにイゼルカントはキオを「地球で生まれ変わりたいと遺言を残したロミの願いが叶い、地球で生まれ変わった存在」と信じていた。
しかし、後にイゼルカントの目論見を知った際は、彼の目的と思想を明確に否定した。そして実際にキオが誰一人自らの手で人を殺さず全てを救った際には、病死寸前にキオに未来を託した。
ゼハート・ガレット
オリバーノーツを焼き払った件もあり、キオにとっては宿敵のような存在
漫画『クライマックスヒーロー』では、本編と異なり彼が最後の敵となり、彼の遺言をヴェイガンに伝える役目を受け持った。
ルウ・アノン
捕虜となった時に知り合い、親交を深める。彼女とディーンとの交流がヴェイガンへの認識を改める切っ掛けとなった。
ディーン・アノン
彼とも親友になる。後にディーンは軍に志願、戦場で再会する事となる。そして、彼にすらキオの信念は否定されている
ザナルド・ベイハート
彼に一度鹵獲されてしまう。
最終決戦ではディーンの死因。フレンドリーファイアを通り越しキオを巻き込む形で意図的にディーンを撃ち殺した上で、死んだディーンをさらに蔑んだ彼にキオは激怒した。AGE-FXに乗り換えてからのキオが、一時でも唯一憎悪し殺しかけたという意味で希少な相手。
ロミ・イゼルカント
フェザール・イゼルカントと妻ドレーネ・イゼルカントの息子で、作中ではすでに故人。髪の毛の色以外はキオと瓜二つ。
フラム・ナラ
彼女に停戦を呼びかけたが、全く響かないどころか彼女からは激烈に全否定される[7]
ジラード・スプリガン
彼女に対しても停戦を呼びかけたが、訴え自体は何一つ届かなかった。しかし、彼女の嘘偽らざる本心を吐露させてはいる。
ゼラ・ギンス
最後の戦闘の末に救出した。
Xラウンダー能力者で、年長者によってMSパイロットになるように育成されてきたという共通点が有る。その意味において、ゼラはキオが歩むかもしれなかった、もう一つの道だったとも言える。

その他

ダイキ・リュウザキ
外伝漫画『機動戦士ガンダムAGE トレジャースター』(SRW未参戦)の主人公。フリット編の時代からタイムマシンで未来世界に跳んだ彼と地球近海で出会い、窮地を救った。彼の話はフリットから聞いていたらしい。

他作品との人間関係

地球防衛組
BX』での弟分・妹分達で、彼等と臨んだジャーク帝国との戦いで救世主に必要なものの一つを学ぶ。
特に、からは「キオ兄ちゃん」と呼ばれて慕われている。
天海護
『BX』エンディングでは、宇宙へ旅立つ彼を護のクラスメイトらと共に見送った。
刹那・F・セイエイバナージ・リンクス
『BX』における兄貴分であり、共にガンダムに乗る者たち。
騎士ガンダム
『BX』では、刹那やバナージと共にガンダムに乗る「勇者」として関わっていく。
フル・フロンタル
『BX』では、セカンドムーンでヴェイガンの境遇を知り、そこから「敵にも戦う理由がある」と知った事で、彼ら袖付きが何のために戦うのかを知るため、ネェル・アーガマを占拠したフロンタルの元に乗り込む。
アンジェロ・ザウパー
『BX』では、アスノ家の名は軍関係をはじめあまねく知れ渡っており、キオがアスノ家の人間である事を知っている。オードリーに会おうと乗り込んだ際には、「アスノ家の子息だろうと無理だ」と言い断った。

名台詞

キオ編

(今日は勇気の日。長い戦争が始まった日…。もし、この戦争が無かったら僕は父さんに会えたのかな? 天国の父さん。戦争はまだ終わってません…)
第29話「じいちゃんのガンダム」での独白。今はいない父に想いを馳せていたが、皮肉にも戦争の渦中で親子は引き合わされることになる…。
「よろしくね…ガンダム!」
第29話ラストにて、ガンダムAGE-3へ向かって。

三世代編

(僕がやろうとしている事は、無謀で、無茶で、上手くいく可能性なんて無いのかもしれない。でも、は付き合ってくれるよね?)
第40話「キオの決意 ガンダムと共に」より。新型機ガンダムAGE-FXの武装「Cファンネル」によってヴェイガンのパイロットを殺さないように機体頭部だけを破壊した際のキオの独白。
「(敵である)ヴェイガンもまた自分と同じ人間だと感じた」キオは、戦争を終わらせる為に「孤独な戦い」をする決意を固めた。新たなるガンダムと共に…。
「もう、やめようよ」
ヴェイガンに囚われてその地の民の暮らしを実際に見て、地球連邦とヴェイガンとの間の戦争終結を願うようになった後のキオの信念を代表する台詞。
もっとも、このキオの言葉は、上官の命令に従って戦闘を行わなければならない軍人であるディーンフラムには(当然だが)、届かなかった。
しかしながら、そんなキオの言動は彼の身近な人物の心を最終的に動かしていく事になる。
「…もうやめよう? 僕達には分かり合える道があるはずなんだ。こんな事、もうやめようよ…」
第41話「華麗なフラム」より。ルナベース攻防戦において、フラムへの攻撃を止めた直後、彼女を説得する。
しかし、フラムにとってその発言は、「子供の戯言」[7]に過ぎなかった。
「じいちゃんは憎しみに駆られてるだけじゃないか! そんなの救世主じゃない! そんなの絶対に違う!!」
第44話「別れゆく道」より。「ヴェイガンの捕虜など処刑してしまえばいい」と発言したフリットに対して、彼を批判。劇中において明確にフリットに対して反抗した場面となった。
「僕は…」
「僕は…誰にも死んで欲しくないんだ…みんなに生きていて欲しいんだ…」
「僕を、嫌っても構わない…僕を憎んでも構わない…」
「それでもディーンに生きていてほしいんだ!!」
第47話「青い星 散りゆく命」より。よりによってディーンと戦場で再会し殺し合う羽目になり、ディーンからもその思想を否定されて。ディーンを戦闘不能にはしたものの、結局キオの思想は誰にも聞き入れられないままで、それでも涙ながらにヴェイガンで出来た友が生きるのを願う。たとえそれを貫くことで、どれだけ自分が嫌われ蔑まれようとも…。この純粋な願いに、遂にディーンも心を開き、自らの夢を語るが…。
「許さない…!」
「お前は絶対に許さないッ!!」
同話より。心を開いてくれたディーンを同胞にも関わらず直後に殺し、悪びれもしないザナルド・ベイハートに対して怒りを剥き出しにする。使わないと決めていたガンダムAGE-FXのFXバーストモードすら使用し、ザムドラーグを圧倒するが、トドメの瞬間にザナルドの死のイメージをXラウンダーの力で受け取ってしまい、自ら立てた不殺主義を自ら否定する事態は寸でのところで避けられた。
「…ぼ、僕は…今…」
その後、冷静になって自身の行為を自覚しての台詞。理解できない相手に、自分の近しい人を惨殺されて怒りに震える…奇しくも祖父フリットと類似した経験となったキオは、自らのこの怒りも込みで、己の理想が絵空事だと改めて思い知らされることになってしまい、キオは愕然としてしまう。
「今だって人は人です! 地球圏の人達も、火星圏の人達も、精一杯生きてるんだ!」
最終話「長き旅の終わり」より。Xラウンダーの精神空間で、「人が人らしく生きるために選別を行い、賢き者たちを導く」という思想を持つイゼルカントに対する反論。
キオにとっては、「懸命に生きる事こそが人らしい生き方」と感じていた。
キオ「これが、じいちゃんがなろうとした救世主なの?」
フリット「私は…! 私が守れなかった者達のためにやってきたのだ!」
キオ「違う! 絶対に違う! その人達だって、そんなこと望んでない!」
ヴェイガンギア・シドによりヴェイガン軍が混乱しているスキに乗じて、ヴェイガンのコロニー「セカンドムーン」に向けて大量破壊兵器「プラズマダイバーミサイル」を放たんとしたフリットは、「多くの地球人類の命を奪ったヴェイガンへを殲滅して救世主になる」という(間違った)正義に囚われていた。
そんなフリットの姿を見たキオは、涙ながらにXラウンダーの力を発動。それはフリットを精神世界へと誘い、彼が守れなかった者達と巡り合わせるのであった。これまで戦いにしか使われなかったXラウンダーの力が、本当に平和のために使われた唯一のシーン。
「じいちゃんはなれたんだね。みんなを救える、本当の救世主に!」
過去への妄執と敵への憎しみを乗り越えて、人々を守るための救世主となった祖父フリットを目にして。これまでのキオの信念が初めて実を結んだ一歩でもあり、キオもまた救世主フリットを救ったもう一人の救世主になった。
アセム「なかなか男前だな」
キオ「…フ。そうだね、父さん。フリットじいちゃん…。僕達の地球は、元気になったよ」
最終話エピローグより。ラ・グラミスの戦いの終結後、フリットはマーズ・レイを無効化させる技術の開発等をして、地球および火星の平和の為に残りの人生を捧げた。
そして、ラ・グラミスの戦いの終結から37年後および「天使の落日」から100年後になるA.G.201年、アセム(78歳)&キオ(50歳)父子は、地球連邦政府の首都「ブルーシア」に建てられたガンダム記念館の前に設置された今は亡きフリットの銅像の前で、彼に感謝と報告をするのであった。
このキオの台詞を最後に、アスノ家三代100年にわたる『機動戦士ガンダムAGE』の物語は、幕を閉じた。

小説版 

「ガンダムAGE-3は、キオ・アスノとウェンディ・ハーツで行きます!」
小説版第4巻より。ウェンディを乗せたGセプターと合体したガンダムAGE-3 ノーマルを駆る際に発言。
元ネタはシーブック・アノーの台詞。『BX』でも、一連の流れが再現された。
「あなたみたいな愚かな人は、ゲームの中にだって出てこないッ! ゲームの中のボスキャラだって、もっとマジメに世界の事を、人類の事を考えてる!」
イゼルカントとの対峙の際に、真意を語るイゼルカントをこう言い放ち明確に否定した。小説版のイゼルカントはアニメ版より愚かに描かれており、どことなく邪推に聞こえてしまうのは勘ぐり過ぎか。
……もっとも、スパロボではイゼルカントより愚かどころか、そもそも世界の事を考えてすらいない、酷いのになると全ての破滅をさえ願っている奴の方が圧倒的に多いのだが。
「子供だから言えるんだ! 子供だから言えるんだよ、じいちゃん! 何度でも言う! あなたイゼルカントも間違っている!」
「あなたたちは、同じコインの裏表だ! 過去にとらわれ、過去を言い訳にして、憎悪と哀しみだけを広げている存在だ!」
小説版第5巻より。コロニー「セカンドムーン」に大量破壊兵器「プラズマダイバーミサイル」を放ってヴェイガンを根絶やしにせんとした祖父フリットへの痛烈かつ的確な批判。
そして、キオはTV版と同じくXラウンダー能力で「FXバーストモード」を発動させてフリットを精神世界へと誘い、彼が守り切ろうとした大切な人達、さらに「フリットの中の英雄」と再び巡り合せたのであった。

漫画版

「ボクとガンダムが、戦争にトドメを刺す!!」
漫画『クライマックスヒーロー』で頻繁に用いられる決め台詞。『BX』でも「僕とガンダムがこの戦争にトドメを指す!」という形で戦闘台詞として採用された。
「シャナルアさんが、願っていたように。もうだれも死ななくていいように。ボクたちが戦争を終わらせるんだ」
『クライマックスヒーロー』第1話。世話になっていたシャナルアに庇われ、彼女を看取った後、決意を新たに「戦争にトドメを刺す」と作中初めて口にした後の台詞。同作におけるキオの戦う原動力であり、実際同作のキオはTV版以上に多くの人々を救うことになる。
「ボクとガンダムで、みんなの涙を止めてみせる!!」
『クライマックスヒーロー』第2話、イゼルカントガンダムレギルスに押されながら切る啖呵。TV版同様、この時点でヴェイガンの実情を見ていたが、「もうだれも死ななくていいように」という決意に変わりはなかった。こちらも『BX』にて戦闘台詞で採用されている。
「自爆なんかしない! だれも死なせない! ボクも生きる!!」
同話。乗っているガンダムAGE-3自身をビームサーベルで貫き、背後に迫っていたレギルスを攻撃した後の台詞。機体が爆散する中、キオ自身はコアファイターで脱出し、シャナルアとの約束を果たそうとする。
悲しみや憎しみはすぐには消えないかもしれない。でも、きっとだいじょうぶだよ。
だって元はと言えば、みんな、同じ地球で生まれた仲間なんだから。
『クライマックスヒーロー』最終話。涙ながらに討ったゼハートの遺志を全域に伝え、フリットが停戦を呼び掛けたのを見届けた後、地球に向き直ってのモノローグであり、同作のラストシーン。

迷台詞

「ガ、ガンダムにキズが~!」
「ごめんよ、ガンダム~っ!!」
漫画『クライマックスヒーロー』第1話。乱暴な戦い方のせいかガンダムAGE-3の脚部に傷がついていたことで取り乱し、AGE-3に包帯を巻いて。掲載雑誌の影響か、キオのキャラクターが大きく砕けているのを象徴するシーンの1つ。

スパロボシリーズの名台詞

「がはっ……!」
BX』第9話オリバーノーツルート「守れ!子供達の戦い」にてエキゾーストの攻撃からライジンオーを庇って。
一見何気もない発言だが、UX』の「ごふっ」と同様に劇中でキオ以外にも多くのキャラが発言しているため印象に残りやすい[8]
余談だが、父アセムが漫画『追憶のシド』で「がはあ!!」と似た悲鳴を上げているが、特に関連性はない偶然と思われる。
「じいちゃん…。僕、ひとつだけ分かったよ。ただ敵を倒すだけじゃ…ダメなんだ。本当の救世主になるには…ガンダムに必要なのは…人を守れる強さなんだ!」
ライジンオーを庇った際、フリットに「教えてないはずなのになぜそのような事をした」と問われて。これまでゲームの延長上で戦いをしていた面があったキオは、地球防衛組の戦いを見て、「救世主」とは何たるかを知る。
「たっぷりお返ししてやるぜ! 絶対無敵の…」
キオ「救世主の力を…!」
直後、AGE-3フォートレス換装し、ライジンオーとの連携攻撃でエキゾーストを撃破して。この台詞と共に、彼らは反撃を開始する。
「…ねえ、じいちゃん」
「なんかさ…。今、すごく嬉しいんだ。前に戦った時よりも、ずっと…」
同じく第9話にて、ヴェイガンとジャーク帝国を撃退し、街を守り切って。「救世主」への第一歩を踏み出した瞬間。
ジオンもヴェイガンと同じなんだ。自分達の目的の為には手段を選ばない連中なんですよ!」
「でもジオンの人達はコロニーやアクシズを落とすとか、ひどい事をいっぱいやってきたんですよ」
「そんなのを信念だとか考えられませんよ」
『BX』第20話「ロストロウランに散る」より、ジオン残党軍がヴェイガンに協力している事で彼らを非難する。
まだ敵側の事情を知らないとはいえ、ティターンズの地球至上主義やアロウズの弾圧政策にも通ずるキオの危うい一面である。
「…バナージさんは知ってるんです」
「あそこには、自分と同じように守る為に戦った人達がいるってことを…」
『BX』第25話「虹を見た日」より。相転移誘導弾から逃れるため宇宙に上がろうとするも、エンジントラブルで推力が上がらないガランシェール
それを助けるためバナージユニコーンガンダムで出撃したのを見て、ジラードはあのままではバナージも助からないと判断、「オードリーと言う子だけ連れて行けば助かるのに」と言ったのに対して。
かつて、敵を倒すためだけに戦っていた自分に対して、街を守る為に戦った自分より年下の少年達がいた。彼らに感化されたキオには、バナージの意思が良く分かったのだ。
「じいちゃんがガンダムは、世界を救う救世主だって言ってました」
「それは願いみたいなモノなんだと思う。この世界でも…あなたの世界でも…」
『BX』第26話「三つの星が集う時」にて、危機に陥った状況でも三種の神器を呼び出せない事から自分は勇者としてふさわしくないのではないかと悩む騎士ガンダムに対し、キオはこう返す。「ガンダム」と言う名に込められた願いを知る者として。
「けど、その一瞬にみんな生きてる! なんでもない当たり前の時間を、精一杯生きようとしているんだ!」
『BX』第38話「たったひとつの望み」より。虚無の空間内におけるフル・フロンタルとの対話の中での一言。必死に生きる命達を踏みにじる行為をキオは許さない。

スパロボシリーズの迷台詞

どうして悪い会社で働くの!?
GAIL兵士に対する特殊戦闘台詞。真っ直ぐなキオらしい台詞だが、ブラック企業などが社会問題になっている昨今の情勢だけに、この発言にはある意味社会人プレイヤーの方が大ダメージを負ってしまった。
悠宇「? そういえば、騎士ガンダムの姿が見えないな…」
「それなら僕とウェンディが探してくるよ」
『BX』第26話「三つの星が集う時」より。
何でもないような台詞だが、この後、悠宇が指摘しているようにウェンディはこの時、ユキに強引に誘われてハリケーン達の服を着せられたままの状態で大いに恥ずかしい気持ちだったので、ある意味デリカシーに欠けた発言といえる。

搭乗機体

ガンダムAGE-3
キオ編での搭乗機で実質専用機。
ガンダムAGE-FX
三世代編での搭乗機。

余談

  • 三世代編でガンダムAGE-FXに搭乗するようになってからのキオは、ガンダムシリーズでも特に目立つ不殺主義者の代表格である。実際、AGE-FXに乗り換えてからは直接的に人間を殺したことは一度もない。唯一、ディーンが殺された時のザナルド・ベイハート相手の時だけ殺しかけていたが、ギリギリで踏みとどまっている。
    • 実際に不殺が行われた描写も特異な戦法で、AGE-FXのCファンネルを用いて、ヴェイガンのモビルスーツのコクピットをピンポイントで切り離すという形で描写されている。視覚上はモビルスーツの頭部が切り取られていくというインパクトの強いものであったため、漫画『ドリフターズ』で読者がとある人物を指す呼び名を借りて「妖怪首おいてけ」などと揶揄されることも。
    • 先述の通り、不殺主義は敵味方から全否定され続け、作中長らく不遇の立場だった。しかし彼がいなければ地球もヴェイガンも救われなかったため、作中彼の不殺主義は非常に重要な意味を有していた。
  • 漫画『クライマックスヒーロー』では、対象年齢の低い幼年漫画雑誌「月刊コロコロコミック」に連載されているためか、キオはアニメ本編以上に明朗快活な性格となっており、本編では見られないようなコメディ描写も多数存在する。
    • 上述の不殺主義もクローズアップされているが、セリック・アビスが内心でキオの不殺主義を誉めるなど、アニメ本編と比べてかなり肯定的に扱われている。同作でキオが手にかけたのは、立場上退くに退けず涙ながらに倒してしまったゼハート・ガレットと、普通に敵対して倒したザナルド

脚注

  1. 一方、スペシャルエディションOVA『機動戦士ガンダムAGE MEMORY OF EDEN』ではアセム・アスノおよびゼハート・ガレット主人公として扱われるので、キオの登場シーンはTV版よりも少なめである。
  2. 祖父フリットとしては、老い衰えた自分の代わりにガンダムでヴェイガンを滅ぼす人材の育成と、孫キオがヴェイガンとの戦争が続く世界で生き抜くための力をつけさせるという二つの目的がある。
  3. これはXラウンダーの能力が高まりすぎて、死に怯える敵パイロットの姿や声を知覚してしまうことも起因している。とはいえこの現象が、キオですら憎悪していたザナルド・ベイハートへの殺害をギリギリで回避するきっかけにもなった。
  4. ただし、戦闘不能になった機体がさらに攻撃された際はそれを庇うなど、不殺主義は徹底的に貫いている。
  5. UX』におけるシン戦闘前会話でのキラアスランの関係に近い。
  6. 本編では生死不明の裏でアセムが暗躍していた件への追及はないが、展開が大きく異なる小説版ではアセムを強く非難しており、心中でクズとまで断じていた
  7. 7.0 7.1 PSP版では「布教活動」とまで発言する等、より直接的に否定している。
  8. 実際、『BX』第8話オリバーノーツルート「じいちゃんのガンダム」において、ハリケーンゼハートギラーガにやられた際に発言している。

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