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モビルドールはその特性を最大限に活かし人体が耐え得る以上の高G機動とが可能であり、更に人間を遥かに超える反応速度と正確無比な戦闘能力を持つが、その一方で「プログラム制御故に設定されたパターン以上の行動が出来ない等、融通の利かない」という、機械ならではの弱点も存在した。故に、並外れた技量を持つガンダムパイロットである[[ヒイロ・ユイ|ヒイロ]]達と[[ミリアルド・ピースクラフト|ミリアルド]]には、文字通り「人形(ドール)」扱いをされている<ref>事実、機械的な機動パターン故に動きを容易く読まれたり、[[ヒイロ・ユイ|ヒイロ]]の計略によってモビルドール機の認識プログラムを欺き味方を攻撃の対象にしてしまったり、[[ガンダムタイプ|ガンダム]]を開発した[[ドクターJ|5人]][[プロフェッサーG|の]][[ドクトルS|科学]][[H教授|者]][[老師O|達]]によってプログラムに細工が施された事で、[[リーオー|性能面で劣る有人機]]とすらまともに戦えなくされてしまったこともあった。</ref>。 | モビルドールはその特性を最大限に活かし人体が耐え得る以上の高G機動とが可能であり、更に人間を遥かに超える反応速度と正確無比な戦闘能力を持つが、その一方で「プログラム制御故に設定されたパターン以上の行動が出来ない等、融通の利かない」という、機械ならではの弱点も存在した。故に、並外れた技量を持つガンダムパイロットである[[ヒイロ・ユイ|ヒイロ]]達と[[ミリアルド・ピースクラフト|ミリアルド]]には、文字通り「人形(ドール)」扱いをされている<ref>事実、機械的な機動パターン故に動きを容易く読まれたり、[[ヒイロ・ユイ|ヒイロ]]の計略によってモビルドール機の認識プログラムを欺き味方を攻撃の対象にしてしまったり、[[ガンダムタイプ|ガンダム]]を開発した[[ドクターJ|5人]][[プロフェッサーG|の]][[ドクトルS|科学]][[H教授|者]][[老師O|達]]によってプログラムに細工が施された事で、[[リーオー|性能面で劣る有人機]]とすらまともに戦えなくされてしまったこともあった。</ref>。 | ||
− | また、採用された機体の武装傾向や作中の描写からも分かる通り、モビルドールは遠距離の射撃戦を得意とする傾向があり、逆に細かい判断要素が多くそれらを瞬時に処理することが要求される近接白兵・格闘戦はやや不得手である。そのため劇中でも一般兵に接近戦に持ち込まれて撃破される場面が度々見られた。後に[[ヴァイエイト]]と[[メリクリウス]]に、ガンダムのパイロットのデータを組み込んだMDとして運用されてもいるが、こちらも同様で、同等の実力である[[デュオ・マックスウェル|デュオ]]の[[ガンダムデスサイズヘル]] | + | また、採用された機体の武装傾向や作中の描写からも分かる通り、モビルドールは遠距離の射撃戦を得意とする傾向があり、逆に細かい判断要素が多くそれらを瞬時に処理することが要求される近接白兵・格闘戦はやや不得手である。そのため劇中でも一般兵に接近戦に持ち込まれて撃破される場面が度々見られた。後に[[ヴァイエイト]]と[[メリクリウス]]に、ガンダムのパイロットのデータを組み込んだMDとして運用されてもいるが、こちらも同様で、同等の実力である[[デュオ・マックスウェル|デュオ]]の[[ガンダムデスサイズヘル]]によって、あっけなく撃墜されている(この時も「アクティブクロークを開く動作で相手を弾き飛ばす」「背後に迫ったMDヴァイエイトに対して後ろを振り向かないままツインビームサイズで迎撃」「展開されたプラネイトディフェンサー(PD)による防御に対しPD自体を直接薙ぎ払って突破」など想定外の用法・近接戦闘の乱戦に弱い点が描かれている)。 |
モビルドールへの過度なまでの期待は、[[デルマイユ|デルマイユ派]]のOZやホワイトファングに対して戦略的な失敗を促してしまうに至る。後の[[新機動戦記ガンダムW Endless Waltz|A.C.196年]]におけるモビルドール採用機体は、拠点防衛システムの代用品的な扱いになっており、主力機動兵器の座は、[[サーペント (ガンダムW)|サーペント]]を始めとする有人型のモビルスーツへと戻っている。 | モビルドールへの過度なまでの期待は、[[デルマイユ|デルマイユ派]]のOZやホワイトファングに対して戦略的な失敗を促してしまうに至る。後の[[新機動戦記ガンダムW Endless Waltz|A.C.196年]]におけるモビルドール採用機体は、拠点防衛システムの代用品的な扱いになっており、主力機動兵器の座は、[[サーペント (ガンダムW)|サーペント]]を始めとする有人型のモビルスーツへと戻っている。 | ||
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== 登場作品 == | == 登場作品 == | ||
自動操縦システムの一種なので、大抵の作品では操縦者は「モビルドール」名義となっている。初期作品ではAIが代役を務めていた。 | 自動操縦システムの一種なので、大抵の作品では操縦者は「モビルドール」名義となっている。初期作品ではAIが代役を務めていた。 |
2020年1月21日 (火) 08:40時点における版
モビルドール(Mobile DOLL)は、『新機動戦記ガンダムW』に登場するモビルスーツの無人操縦システムを指す用語。
「MOBILE Direct Operational Leaded Labor(直接指揮及び作戦用機動作業機)」の略称。さらに略して「MD」とも呼ばれる。
概要
モビルスーツにパイロットとなる兵士を搭乗させるのではなく、最初から兵士の戦闘処理能力等を持つ演算回路で代用するシステムで[1]、ツバロフらロームフェラ財団の技術陣とOZによって開発された。
モビルドールは「導入する事によって兵士の徴収・育成を省けて効率的である」と思われたが、トレーズが「戦争がゲーム感覚になる」と否定している。最終的には、ホワイトファングによって運用された。
モビルドールはその特性を最大限に活かし人体が耐え得る以上の高G機動とが可能であり、更に人間を遥かに超える反応速度と正確無比な戦闘能力を持つが、その一方で「プログラム制御故に設定されたパターン以上の行動が出来ない等、融通の利かない」という、機械ならではの弱点も存在した。故に、並外れた技量を持つガンダムパイロットであるヒイロ達とミリアルドには、文字通り「人形(ドール)」扱いをされている[2]。
また、採用された機体の武装傾向や作中の描写からも分かる通り、モビルドールは遠距離の射撃戦を得意とする傾向があり、逆に細かい判断要素が多くそれらを瞬時に処理することが要求される近接白兵・格闘戦はやや不得手である。そのため劇中でも一般兵に接近戦に持ち込まれて撃破される場面が度々見られた。後にヴァイエイトとメリクリウスに、ガンダムのパイロットのデータを組み込んだMDとして運用されてもいるが、こちらも同様で、同等の実力であるデュオのガンダムデスサイズヘルによって、あっけなく撃墜されている(この時も「アクティブクロークを開く動作で相手を弾き飛ばす」「背後に迫ったMDヴァイエイトに対して後ろを振り向かないままツインビームサイズで迎撃」「展開されたプラネイトディフェンサー(PD)による防御に対しPD自体を直接薙ぎ払って突破」など想定外の用法・近接戦闘の乱戦に弱い点が描かれている)。
モビルドールへの過度なまでの期待は、デルマイユ派のOZやホワイトファングに対して戦略的な失敗を促してしまうに至る。後のA.C.196年におけるモビルドール採用機体は、拠点防衛システムの代用品的な扱いになっており、主力機動兵器の座は、サーペントを始めとする有人型のモビルスーツへと戻っている。
登場作品
自動操縦システムの一種なので、大抵の作品では操縦者は「モビルドール」名義となっている。初期作品ではAIが代役を務めていた。
性質的に主義や善悪は無いシステムなので、クロスオーバー的に原作以外の勢力が運用する事も多い。大概は「悪役のメカ」扱いを出ないのだが、稀にNPCとして例外的な立ち位置を得る事もある。
旧シリーズ
- スーパーロボット大戦F完結編
- 初参戦作品。パイロットは人工知能改。
- 旧シリーズの人口知能は基本的に機械獣などのスーパー系雑魚ユニットのパイロットとして設定されているため、リアル系に属するビルゴIIなどとはいまいち能力が噛み合っておらず、はっきり言って大したことはない。
- ただしMDとして登場するヴァイエイト・メリクリウスには原作通りそれぞれトロワとヒイロと同じ能力の人工知能が乗せられており、他のMDより少しだけ強い。……本作のガンダムW系パイロット自体そんなに強いわけではないので、飽くまで少しだけだが。
αシリーズ
- スーパーロボット大戦α
- 中盤以降、ティターンズ側のガンダムMk-IIが量産され、モビルドールとして運用される。
- スーパーロボット大戦α外伝
- 現代ではティターンズとマリーメイア軍がモビルドールのトーラスを、未来世界ではイノセントが発掘した機体をモビルドール化して利用する。
- 第3次スーパーロボット大戦α 終焉の銀河へ
- 第23話地上部隊ルート「エモーション・ハイ」でザフトの戦力として登場。また、第31話地球部隊ルート「青き清浄なる世界のために」にて連邦軍のモビルドールが第三軍として登場する。
Zシリーズ
- 第2次スーパーロボット大戦Z再世篇
- 序盤の終わり頃から雑魚として登場する(後述の通り、能力的はザコと侮れないが)。原作通りトーラスやビルゴに搭載されている他、アイムがUCWの機体のデータをリボンズに渡したことで、バイアランやゲルズゲー、ユークリッド、はてはデストロイガンダムまで搭載されて出てくる。
- AIに毛が生えた程度の能力値だった過去のシリーズとは異なり、本作におけるモビルドールは全体的に高い水準の能力値(中でも命中は、そこらの並のネームドキャラよりも高い)と、見切り、援護攻撃&援護防御、サイズ差補正無視、戦意高揚といった特殊技能を豊富に所持しており、その上たいてい一度にウジャウジャ出てくるため、雑魚と侮ると痛い目を見る。おそらく、SRWシリーズ最強のモビルドールであろう。
- 今作ではスメラギが大学時代に戦術理論を提唱したという設定になっている。
携帯機シリーズ
- スーパーロボット大戦A
- 中盤でマリーメイア軍の部隊の一部としてモビルドール操縦のトーラスが登場する。パイロット能力としてはマリーメイア兵と同一。
- スーパーロボット大戦L
- 序盤のユニウスセブン落下を阻止する作戦において、落下を目論んだテロリストの部隊の一部としてモビルドール操縦のトーラスが登場する。パイロット能力としては一般兵と大差ないが、乗っている機体のトーラスの火力が高めなので注意したい。
- 『L』の世界観では第二次ヤキン・ドゥーエ戦の際にブルーコスモスがモビルドールを運用していたという設定になっており、その関係でザフト関係者に知られている。無人機つながりでルカが分析し、旧式と一刀両断の上、S.M.Sらをアンノウンと認識しているため動きが鈍っていると指摘される。
- なお、これ以降も「人工知能」の類がパイロットになっている無人兵器は度々登場するが、モビルドールになっているのはこの一度きりである。
VXT三部作
- スーパーロボット大戦X
- レコンギスタ軍ルート45話でカロッゾ・ロナが繰り出したモビルドール仕様のサーペントが登場する。久方ぶりにパイロットがAI名義で、同話のピレスロイドと同じもの。そのせいでヒイロが「モビルドールと似たようなものだ」という対AI用の戦闘台詞を言ってしまう。
主な機種
- リーオー
- 実験機として外部から有線制御されていた。
- トーラス
- 有人・無人のどちらでも運用可能。
- ビルゴ、ビルゴII
- 当初から無人機として設計されており、コクピットが存在しない。
- メリクリウス、ヴァイエイト
- ホワイトファングにより、前者はヒイロ、後者はトロワのデータが組み込まれた。
SRWでのモビルドール
- ザメル
- α外伝
- ガンダムMk-II
- α
- バイアラン
- 第2次Z再世篇
- ドーベン・ウルフ
- 第3次α
- ジェガン
- 第3次α
- ギラ・ドーガ
- 第3次α
- サーペント
- X
- ゲルズゲー
- 第2次Z再世篇
- ユークリッド
- 第2次Z再世篇
- デストロイガンダム
- 第2次Z再世篇
類似するもの
関連人物
- ツバロフ
- モビルドールの開発者。
- トレーズ・クシュリナーダ
- 既述した通り、自身の戦争に対する価値観からモビルドールを否定する。
他作品の関連人物
- マージ・グルドア
- 『第3次α』ではシャロンにコーディネイターの手で改良されたMDシステムを組み込んだ。
- スメラギ・李・ノリエガ
- 『第2次Z再世篇』では、かつて彼女が大学の卒業論文として構築した理論を基にAEUで研究されていたものを連邦軍が完成させている。
- AEU士官時代に実験中だったモビルドールの暴走によって恋人エミリオを失った過去を持つ故に、スメラギはモビルドールを否定する。
- ミスター・ブシドー、イプシロン
- 『第2次Z再世篇』ではモビルドールを共に「戦士の誇りを汚すもの」として否定しており、イプシロンに至っては「誇りも何も無いマシン」「醜悪な機械」と憎悪の念を隠していない。
- カロッゾ・ロナ
- 『X』ではラフレシア・プロジェクト遂行のために利用する。
脚注
資料リンク
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