天使・悪魔

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天使もしくは悪魔とは、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教をはじめとする宗教の聖典や伝承に登場する存在。

概要

天使は「の使い」で、悪魔は「神に敵対する存在」を指している。また、キリスト教によってキリスト教以外の宗教で信仰されている神々が貶められて「悪魔」となった例もある。

天使・悪魔が語源となっている作品

デビルマン (原作漫画版)
作品そのものが悪魔を取り扱っている。ただし神話由来の名称は少ない。デーモンを参照。
新世紀エヴァンゲリオン
使徒の名は天使の名を由来とする。
機動戦士ガンダム00
ソレスタルビーイング(とその系列に繋がる組織)に所属する機動兵器「ガンダム」に天使の名が使われている。
機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ
厄災戦に使われた機動兵器「ガンダム」に悪魔の名が使われている。
一方、厄祭戦勃発の原因である自律型無人機動兵器「モビルアーマー」には天使の名が使われている。
バンプレストオリジナル
御使いは天使、修羅神の名は悪魔がモチーフとなっている。

天使の階級

5-6世紀ごろのキリスト教神学者「偽ディオニュシオス・アレオパギテス」が自身の著作で定めたものとされる。上位ほど神に近く、下位ほど人に近い。

キリスト教の聖典『新約聖書』の一つ『コロサイ人への手紙』1:16の「万物は、天にあるものも地にあるものも、見えるものも見えないものも、位(トロノス)も主権(キュリオテーテス)も、支配(アルケー)も権威(エクスーシア)も、みな御子にあって造られたからである。」という文章と、同じく『エペソ人への手紙』1:21の「彼を、すべての支配(アルケー)、権威(エクスーシア)、権力(デュナミス)、権勢(キュリオテーテス)の上におき、また、この世ばかりでなくきたるべき世においても唱えられる、あらゆる名の上におかれたのである。」という文章から、それぞれ座天使(トロノス)・主天使(キュリオテーテス)・権天使(アルケー)・能天使(エクスーシア)・力天使(デュナミス)と解釈されたと考えられている。そのため宗派によってはこれらを誤訳として存在を認めていない。

新約聖書の原著は、概ねギリシア語で書かれているとされているので、これらの天使の名称もギリシア語由来で、誕生経緯からか英訳した呼び名が用いられることもある。

上位三隊「父」

熾天使(セラフィム:Seraphim)
名は「燃える」あるいは「炎のような」を意味し、人間にの聖愛を伝える存在。人前に現れる時は、三対六枚の翼と四つの顔の姿で現れる。「熾(燃えている)」天使の名の由来は、その体が神へのと情熱によって燃えているからである。単数形は「セラフ」。ケルビムと共にヘブライ語の音写がそのまま使われている。
智天使(ケルビム:Cherubim)
名は「智慧」あるいは「仲裁する者」を意味し、四つの顔と四つの翼を持ち、その翼の下には人の手らしき物がある。その名や智慧を伝える役割から「智」天使と言われている。単数形は「ケルブ」。セラフィムと共にヘブライ語の音写がそのまま使われている。
座天使(スローネズ:Thrones/オファニム:Ofanim/ガルガリン:Galgalim)
名は「玉座」あるいは「車輪」の意で、無数の眼が付いた燃え盛る車輪の姿で描かれる。唯一神たる主を運ぶ神の戦車をとされ、転じて「座」天使の由来となった。
これはユダヤ教の聖典『旧約聖書』の一つ『エゼキエル書』に登場する智天使と行動を共にする輪と同一視されたため。名称が複数あるのも同じ理由である。

中位三隊「子」

主天使(ドミニオンズ:Dominions/キュリオテテス:Κυριοτητες)
名は「統治」「支配」の意で、の威光を世に知らしめる任を背負い、神の主権を広める事から「主」天使と呼ばれている。その一方で、人間への慈愛伝達をしたりもする。
力天使(ヴァーチューズ:Virtues/デュナメイス:Δυναμεις)
名は「高潔」「美徳」の意で、実現像としての奇跡を司り、それをもって英雄に勇気づける役割を持っている。と言われるが原語であるギリシア語を鑑みるに「効力」「武勇」の意だと思われる。「力」天使という表記は、難局に立たされた善人に、勇気づけて、力を引き出す存在から来ている。
能天使(パワーズ:Powers/エクスシーアイ:Εξουσιαι)
名は「権限」の意で、天使の中で最も調和的な存在であり、万物の原理と同一化する性質とされ、これが「能」天使の由来となっている。ギリシア語単数形は「エクスシーア:Εξουσία」。
地獄の悪魔達との戦いにおいて最前線に立つことが多く、それ故に悪魔との接触機会が多いなど、使命も過酷である。堕天使になったのもこの階級の天使が多い。

下位三隊「聖霊」

権天使(プリンシパリティーズ:Principalities/アルケー:Αρχη)
「権」天使の名が示すように、地上の国や大都市及び、その指導者を守る使命を帯びている。
大天使(アーケインジェルズ:Archangels)
「使者の長」「卓越した使者」を意味する。ちなみに、「大」天使の名の由来は、天使の中でも特に偉大な天使への敬称から来ている。
ところが、偽ディオニュシオスは、人に直接啓示を与える大天使を人に近い存在だと考えたのか、下層第二位に組み込んだ。
実は旧約聖書に大天使の記述はなく、新約聖書でも2回しかない。特定の天使が特定の重要性を帯びるようになり独自の個性と役割を発展させ、偉大な天使だと区別された結果である。
天使(エインジェルズ:Angels)
天使の中で兵卒に相当する存在。その原義は「伝令」。

天使の一覧

サキエル(Sachiel)
「水」を司る天使。七大天使の一人で木曜日の守護聖人と言われている。
シャムシェル(Shamsiel)
「昼」を司り、エデンの園を守護する天使。天国の王子ともいわれている。
ラミエル(Ramiel)
「雷」を司り、幻視を支配する天使。神のメッセンジャーでもある。四大天使と合わせて、七大天使の一角として扱われる場合がある。
ガギエル(Gaghiel)
「魚」を司り、第6天「マコン」を守護する天使。
イスラフェル(Israfel)
イスラム教における「音楽」を司り、「最後の審判」の時にラッパを吹く天使。
なお、イスラフェルとは、ユダヤ教およびキリスト教における四大天使の一人として知られる「ラファエル」のことを指す。
マトリエル(Matarael)
「雨」を司る天使。
バラキエル(Barakiel)
「霰」を司る天使。別名は「バルディエル」。七大天使の一角として扱われる場合がある(ラミエルとは別文書)。
ゼルエル(Zeruel)
「力」を司る天使。
アルミサエル(Almisael)
「子宮」を司る天使。
アズラエル(Azrael)
イスラム教における「死」を司り、人間の罪を裁く天使。
ラファエル(Raphael)
旧約外伝『トビト記』に登場する四大天使の一人で、彼らは天使の中でも神の側近の位置にある。その名はヘブライ語で「神は癒される」の意である。
なお、ラファエルのアラビア語名が「イスラーフィール」(イスラフィル、イスラフェルとも)である。
また、聖書においてエデンの中央にある生命の樹(セフィロト)を構成する10の要素「セフィラ」のうち、第8セフィラ「栄光(ホド)」の守護天使でもある。
ガブリエル(Gabriel)
旧約聖書『ダニエル書』に登場する四大天使の一人。
ガブリエルのアラビア語名は「ジブリール」。
ラファエル同様、セフィロトの第9セフィラ「基礎(イェソド)」の守護天使でもある。
ミカエル(Michael)
旧約聖書『ダニエル書』に登場する四大天使の一人。ルシフェルの弟であり、ルシフェル(≒サタン)にとって最大のライバルである。
英語では「マイケル」、フランス語では「ミシェル」、スペイン語では「ミゲル」と呼ばれ、広く人名として使われている。
ラファエル同様、セフィロトの第6セフィラ「美(ティファレト)」の守護天使でもある。なお、同じく四大天使の一人とされるウリエルだけは外典にしか登場しないためか、セフィラの守護天使ではない。
ルシファー(Lucifer)
堕天使の長。その名はラテン語で「明けの明星」「光をもたらす者」を意味する。「ルシフェル」(フランス語他)等とも呼ばれる。
ルシファーは元は高位の天使であったのだが、創造主たるに対して反逆し、堕天使となる。なお、神への反逆の理由は「高位の天使だった故に傲慢な気持ちを抱いた」あるいは「神に対して嫉妬心を抱いた」等の諸説が存在している。
堕天使ルシファーはキリスト教における七つの大罪の一つ「傲慢」を司り、悪魔「サタン」と同一視されることもある。また、ダンテの叙事詩『神曲』やミルトンの叙事詩『失楽園』にも登場し、「地獄の底に突き落とされ、今なお堕天使や悪魔を従え神を憎み続けている」とされる。
元々は旧約聖書『イザヤ書』での「輝く者が天より墜ちた」という比喩表現を後世のキリスト教教父が「輝く者という名前の堕天使が天から追放された」と解釈したものである。
アリオク(Arioch)
名はヘブライ語で「獰猛な獅子」を意味する。元々は人間や悪魔の名前であるが、ミルトンの叙事詩『失楽園』では堕天使として登場する。別名は「アリオーシュ」。
ザバーニーヤ(Zabanya)
天使にして地獄の管理者。イスラームの経典『クルアーン』に登場する。
ハールートとマールート(Harut wa Marut)
古都バビロンに住む二人組の堕天使。イスラームの経典『クルアーン』に登場する。
ザカリエル(Zachariel)
教皇グレゴリウス1世時代のカトリック教会では七大天使の一人として数えられている。
ハシュマル(Hashmal)
旧約聖書『エゼキエル書』に登場する、天使の階級第四位「主天使」を率いる天使長。カスマル(Chasmal)、ハイヤ(Hayyah)とも言う。
メタトロン(Metatron)
神に最も近い存在とされている天使。双子の弟のサンダルフォン(『新世紀エヴァンゲリオン』に登場する第8使徒(SRW未登場)の名前の由来)共々、地球と同じ身長を有するとされる。
黄道十二宮の天使
16世紀ドイツのオカルティスト「ハインリヒ・コルネリウス・アグリッパ」によって黄道十二星座と関連付けられた12の守護天使のことを指す。
また、黄道十二宮の天使達は、元々はそれぞれの宮を守護する立場にいたが、堕天して宮を支配する悪魔と化したと言う説もある。
マルキダエル(Malchidael)
コルネリウス・アグリッパによれば、黄道十二宮の白羊宮に対応する精霊。天の階級は「熾天使」である。
アスモデル(Asmodel)
コルネリウス・アグリッパによれば、黄道十二宮の金牛宮に対応する精霊。天の階級は「智天使」である。
アムブリエル(Ambriel)
コルネリウス・アグリッパによれば、黄道十二宮の双子宮に対応する精霊。天の階級は「座天使」である。
ムリエル(Muriel)
コルネリウス・アグリッパによれば、黄道十二宮の巨蟹宮に対応する精霊。天の階級は「主天使」である。
ウェルキエル(Verchiel)
コルネリウス・アグリッパによれば、黄道十二宮の獅子宮に対応する精霊。天の階級は「能天使」である。
ハマリエル(Hamaliel)
コルネリウス・アグリッパによれば、黄道十二宮の処女宮に対応する精霊。天の階級は「力天使」である。
ズリエル(Zuriel)
コルネリウス・アグリッパによれば、黄道十二宮の天秤宮に対応する精霊。天の階級は「権天使」である。
バルビエル(Barbiel)
コルネリウス・アグリッパによれば、黄道十二宮の天蝎宮に対応する精霊。天の階級は「大天使」である。
アドナキエル(Adnachiel)
コルネリウス・アグリッパによれば、黄道十二宮の人馬宮に対応する精霊。天の階級は「天使」である。
ハナエル(Hanael)
コルネリウス・アグリッパによれば、黄道十二宮の摩羯宮に対応する精霊。天の階級は「罪なき者」である。
ガムビエル(Gambiel)
コルネリウス・アグリッパによれば、黄道十二宮の宝瓶宮に対応する精霊。天の階級は「殉教者」である。
バキエル(Bachiel)
コルネリウス・アグリッパによれば、黄道十二宮の双魚宮に対応する精霊。天の階級は「証聖者」である。

天使と関係がある物

メルカバー(Merkabah)
ユダヤ教の聖典『旧約聖書』の一つ『エゼキエル書』に登場するの戦車。なお、この戦車は現在の「タンク」ではなく、古代の戦車「チャリオット」を意味する言葉である。

ゴエティアの悪魔

地獄における爵位(悪魔の階級)を持ち、大規模な軍団を率いている72体の悪魔。

『旧約聖書』に名を残すイスラエル王国3代目のソロモン王が封印したとされる為、「ソロモン72柱」とも呼ばれている。

王(King)

バエル(Bael)
66の軍団を率いる序列1番の悪魔。「バアル」とも言う。召喚される際には「猫、人間、蛙の頭、蜘蛛の足を合わせ持った姿」で現れる。
人間を透明にする能力や人間を賢くさせる能力を持つ。
実は、オリエント世界で崇拝されていた「バアル」と呼ばれる高位の神であったが、『旧約聖書』では悪魔という扱いになっている。その名は「主人」を意味し、地方によって「バアル・○○」と後ろに地名などが続く。その為「バアル」の名を持ち悪魔に堕とされた神には、ベルゼブブ(元の名前は「バアル・ゼブル(崇高なる主神の意)」。詳細は後述)、ベルフェゴール(元の名前は「バアル・ペオル(ペオル山の主神の意)」。こちらは、キリスト教における七つの大罪の一つ「怠惰」や、クリフォトの第6セフィラ「醜悪(カイツール)」を司る)等、複数存在している。
ベリアル(Beliar)
80の軍団を率いる序列68番の悪魔。その名はヘブライ語で「無価値」を意味する。召喚される際には「炎に包まれた戦車に搭乗した美しい天使」の姿で現れる。
全ての者を欺く弁舌に長けており、召喚者が生贄を捧げないと要求に対して真実を答えようとしないと言う。
元々はルシファーに次いで創造された高位の天使であったが、罪を犯したことによって堕天使となった。『新約聖書』や、ミルトンの叙事詩『失楽園』にも登場する。
一説には、(堕天使ルシファーの代わりに)キリスト教における七つの大罪の一つ「傲慢」を司るとも言われている。

君主(Prince)

ウァサゴ(Vassago)
26の軍団を率いる序列3番の悪魔。召喚される際の姿は不明。過去・現在・未来の出来事に関して詳しく、隠されたものを発見する。

公爵(Duke)

アガレス(Agares)
31の軍団を率いる序列2番の悪魔。召喚される際には「クロコダイルに乗り、手にオオタカをとまらせた老人」の姿で現れる。
逃亡者を戻ってこさせる能力や、地震を起こす能力を持ち、あらゆる言語を教えることができる。
力天使の階級に属していたとされる為、厳密に言えば堕天使というべきか。
ウァレフォル(Valefor)
10の軍団を率いる序列6番の悪魔。召喚される際には「人間またはロバの頭を持ったライオン」の姿で現れる。
人々を盗みに働くように誘惑したり、泥棒と和解させることができる等、盗賊と関連の深い悪魔とされている。
バルバトス (Barbatos)
30の軍団を率いる序列8番の悪魔。召喚される際には「トランペットを持った4人の王を従えた狩人」の姿で現れる。
動物の言葉を理解でき、友情を回復する力を持つと言われる。
グシオン(Gusion)
40の軍団を率いる序列11番の悪魔で大公爵。「グソイン」または「グサイン」とも言う。召喚される際の姿は一定していないが「犬頭」などとされる。
過去・現在・未来の知識を持ち、召喚者の質問に答えると言われる。召喚者に敵対する者の気持ちを逆転して友好的にさせると言う。
エリゴス(Eligos)
60の軍団を率いる序列15番目の悪魔。「エリゴール」または「アビゴル」とも言う。召喚される際には「槍等を持つ端正な騎士」の姿で現れる。
未来を予見する力を持っており、隠された物や戦争について語ると言われる。また、召喚した人間は、王や偉人からの寵愛を受けると言う。
ベリト(Berith)
26の軍団を率いる序列28番の悪魔。「ボフリィ」とも言う。召喚される際には「赤い衣服と王冠を身につけ、赤い馬にまたがった兵士」の姿で現れる。
金属を黄金に変える力を持つ他、召喚した人間に過去と未来の知識と揺るがぬ尊厳を与えることができるが、しばしば嘘をつくことも。
アスタロト(Astaroth)
40の軍団を率いる序列29番の悪魔。召喚される際には「ドラゴンにまたがる右手に毒蛇を持った天使」の姿で現れる。クリフォトの第4セフィラ「無感動(アディシェス)」を司る。
高位の悪魔として有名で、元は座天使(あるいは熾天使)の階級にあった堕天使だという。
実は、オリエント世界で崇拝されていた「アスタルト」=「イシュタル」と呼ばれる豊穣多産の女神であったが、『旧約聖書』では悪魔という扱いになっている。
一説には、(悪魔ベルフェゴールの代わりに)キリスト教における七つの大罪の一つ「怠惰」を司るとも言われている。
なお、表記の違いでアシタロス、アシュタロス、アシュタロト、アスタロス、アステロト等とも言う。
フラウロス(Flauros)
36の軍団を率いる序列64番の悪魔。召喚される際には「恐ろしく力強い豹」の姿か「人間」の姿で現れる。
召喚した人間に過去、現在、未来全ての質問に対して正しく返答するが、魔法陣の三角形の中にいないと嘘の答えを言ってしまう。

侯爵(Marquess)

アモン(Amon/Aamon)
40の軍団を率いる序列7番の悪魔。召喚される際には「梟の頭と狼の胴および前脚と蛇の尾」を持つ姿で現れる。
召喚した人間に対して、過去や未来の知識を与えたり、仲たがいした者との仲裁をする能力を持つ。
義侠心あふれる悪魔で、アモンの盟友である天使ルシファーがに反逆した際には、彼に始終味方し続けたと言う。
フォルネウス(Forneus)
29の軍団を率いる序列30番の悪魔。召喚される際には「に棲む怪物」の姿で現れる。
召喚した人間に対して、言語の知識や立派な命名ができる能力を持つ。また、敵を友人の様に召喚した人間を愛するようにさせる能力も持っている。
フェネクス(Phenex)
20の軍団を率いる序列37番の悪魔。「フェニックス」とも呼ばれる。召喚される際にはのような姿で現れる。
詩作に優れていて話す言葉が詩になる程であるが、人間の姿を取った時には聞き苦しい声でしゃべると言う。
実は、ギリシア神話に登場する不死鳥フェニックスが悪魔として扱われたものである。
ハルファス(Halphas)
26の軍団を率いる序列38番の悪魔。「ハルパス」とも言う。召喚される際には「ヒメモリバト」「コウノトリ」の姿で現れる。
塔や町を建設し、武器弾薬で満たす力を持つ他、軍勢を命じられた場所に送り込める。
サブナック(Sabnac)
50の軍団を率いる序列43番の悪魔。召喚される際には「ライオンの頭を持つ戦士」の姿で現れる。
上記のハルファスと似た能力を持つ他、人を変身させる力を持つ。
アンドラス(Andras)
30の軍団を率いる序列63番の悪魔。召喚される際には「天使の身体に黒い鳥の頭を持った」姿で現れる。
召喚した者を殺害しようとする一面が有る物騒極まりない悪魔である。
キマリス(Kimaris)
20の軍団を率いる序列66番の悪魔。召喚される際には「黒馬に跨った勇猛な戦士」の姿で現れる。
召喚した人間に対して文法・論理学・修士学の知識を与える。また、アフリカ全ての悪霊を統べる悪魔でもある。

総裁(President)

ブエル(Buer)
50の軍団を率いる序列10番の悪魔。召喚される際には「半人半馬の姿」の姿で現れる。
哲学および薬の知識を教え、弱った人(特に、男性)を癒す力を持つという。
グラシャ=ラボラス(Glasya-Labolas)
36の軍団を率いる序列25番の悪魔。召喚される際には「翼を持った犬」の姿で現れる。
過去と未来に関する知識と、人を透明化する力を持つとされる。

悪魔の一覧

サタン(Satan)
キリスト教における「神の敵」にして、ユダヤ教、イスラム教における「人間の敵」である存在。いわゆる、悪魔の事を指す。ヘブライ語で「敵対者」という意味の単語「Satan」に由来する。アラビア語読みでは「シャイターン」と言う。
元々、サタンは上記の存在を指す一般名詞であったが、キリスト教では「に反逆した堕天使ルシファーが、悪魔サタンである」と考えられている。逆にユダヤ教、イスラム教では神に従う者であり、神の許しを得て人間に害を加えているとされる。
サタンは楽園でアダムをそそのかして知恵の実を食べさせた蛇(通称「赤い竜」あるいは「黙示録の獣」)と同一視される。また、生命の樹を反転させた「邪悪の樹(クリフォト)」の第1セフィラ「無神論(バチカル)」を司る存在でもある。
なお、サタンは、キリスト教における七つの大罪の一つ「憤怒」を司る。
リリス(Lilith)
「最初の男性」アダムの最初の妻。男児を害する女性の悪魔であり、アダムと交わって多くの悪魔(リリン)を生んだという。
リリスはアダムの正式に伴侶になる前に、彼に自分を平等に扱うように求めて拒否された結果、逃亡して戻る事も拒絶した。余談だが、リリスと近しい存在はアッカド神話などにも見られる。
余談だが、「最初の女性」といえばイヴが有名であり、「イヴはアダムの肋骨から生まれた」と『旧約聖書』の「創世記」に記述されている。ところが、この記述の前の節に「土から男と女を作った」とあるので、事実が矛盾してしまう。したがって、その矛盾を解消しようとした結果、リリスという存在が生まれたとされる。
なお、リリスはクリフォトの第9セフィラ「不安定(アィーアツブス)」を司る。
リリン(Lilin)
リリスがアダムとの間に儲けた子供達。ヘブライ語のリリス(Lilith)の複数形である。また、「リリム(Lilim)」とも言う。
リリンは新生児を襲ったり、あるいは夢魔として睡眠中の男性を誘惑するという。それ故か、リリンは女性型の夢魔「サキュバス」と関連付けられる場合もある。
  • 『新世紀エヴァンゲリオン』(および『旧劇場版』)におけるリリン(第2使徒リリスから生まれた原始生命の進化の先に位置する現在の人類)の名称由来となっている。
ベヒモス(Behemoth)
『旧約聖書』に登場する陸地に生息する巨大な怪物。その名は、ヘブライ語で「獣」の意味を持つ単語「Behamath」の複数形に由来する。巨大なカバやサイ、もしくは象の様な外見で描かれる事が多い。
また、ベヒモスは大海原に生息する巨大な怪物レヴィアタンと対を成す存在で、悪魔の一種であると見做される場合がある。
なお、表記の違いで「ベヒーモス」「ベヘモス」「ビヒモス」「ビヒーモス」「ベヘモト」「ベヘモット」等とも言う。
バハムート(Bahamūt)
ベヒモスのアラビア語名。イスラム世界では巨大な魚の姿で描かれる事が多い。
余談だが、バハムートはアメリカのTRPG『ダンジョンズ&ドラゴンズ』および日本RPG『ファイナルファンタジーシリーズ』において「の王」としての姿で描かれている。今日ではそれらの影響によって、バハムートの姿は元来の巨大な魚ではなく、「龍の王」として描かれる事が多い。
  • 『フルメタル・パニック!』のASプラン1501 ベヘモスの武装である30mm機関砲『竜の吐息(ドラゴンブレス)』の名称が、「龍の王」としてのバハムートに由来するものと推測される。
  • メガゾーン23』の「バハムート」の名称の由来となっている。
レヴィアタン(Leviathan)
『旧約聖書』に登場する大海原に生息する巨大な怪物。その名は、(一説によると)ヘブライ語で「渦をまいた」を意味する単語「Liwjatan」に由来する。英語読みでは「リヴァイアサン」と言う。巨大なクロコダイルもしくは海蛇(あるいは龍)の様な外見で描かれる事が多い。
また、レヴィアタンは陸地に生息する巨大な怪物ベヒモスと対を成す存在で、悪魔の一種であると見做される場合がある。なお、悪魔としてのレヴィアタンは、キリスト教における七つの大罪の一つ「嫉妬」を司る。
ベルゼブブ(Beelzebub)
「ベルゼバブ」とも表記される。フランス語読みはベルゼビュート。『新約聖書』の一節「マタイによる福音」に登場する悪魔。ヘブライ語でバアル・ゼブブ、「蝿の王」を意味する。名前の通り巨大な蝿として描かれることが多い。キリスト教における七つの大罪の一つ「暴食」や、クリフォトの第2セフィラ「愚鈍(エーイーリー)」を司るという。
ペリシテ人の町であるエクロンの神「バアル・ゼブル(『崇高なる主神』の意)」が悪魔として扱われた姿とされる。

余談 

  • 概要に示す通り、このページで扱う悪魔は基本的にキリスト教に関連する(異教故に貶められた)存在だが、日本で「悪魔(トップクラスの魔)」と言えば古くは「マーラ」を指し示す。神やその部下と争う存在というより、ブッダの修行を様々な手で妨げようとしたエピソードが有名である。様々に習合が進んだ中世には、天皇のような貴種や名高い偉人が魔道・魔界に堕ちて異能に通じた天狗に変じた挙句、現世に災いをもたらす「大魔王」となって非常に畏れられた反面、高位神仏の一側面化して祀られるようにもなっている。
  • 日本神話や民間信仰においては、暴威をふるったり悪事やタタリを働く存在はあるが、根源的な悪や、神々と人々の敵に位置付けられた存在は非常にマイナーで、悪魔に値する存在はいないと言っても差し支えない(強いて言えばケガレや災禍を象徴する「禍津日神」は近いが、厄除けの信仰対象にもなっており、人の良心につながる善神と解釈する学者もいる)。