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2018年10月21日 (日) 10:47時点における版
ジオン公国(The Principality of Zeon)とは『機動戦士ガンダム』をはじめとする一年戦争を舞台とした宇宙世紀ガンダムシリーズの敵勢力。
概要
地球から見て月の向こう側のポイントであるL2宙域に位置するサイド3に本拠地を持つ。首都はズムシティ。
ジオン共和国
宇宙世紀上では宇宙における初の自治国家。
TV版などの映像媒体では平穏な国家として描かれていたが、漫画『THE ORIGIN』では強制移民という弊害が生んだ富裕層・貧困層・多民族における主義主張が違うサボタージュ、ジェノサイドなどが発生。統治者のジオン・ズム・ダイクン、ザビ家、地球連邦政府すら手が付けられないほど惨状が描かれている。
興亡
ジオン・ズム・ダイクン(シャア・セイラ兄妹の実父)を中心に設立した「ジオン共和国」を、ダイクンの死後デギン・ソド・ザビが反対派を一掃した上で独裁政治体制を敷き、「ジオン公国」として名称変更し、自らを「公王」として君臨した。
その後、デギンの長男ギレンが権力を掌握し、U.C.0079年1月3日に一年戦争と呼ばれる地球連邦政府との戦争を開始した。しかし、初戦では地球連邦軍を圧倒し、宇宙戦力をほぼ瓦解させる程の損害とコロニー落としによって、地球に甚大な被害を与えたが、連邦政府が抗戦の意志を失わなかったため、早期講和に失敗。地球侵攻作戦を実施するも無暗に占領地区を拡大させた結果、攻めきる事が出来ずに世界中で戦線が構築され、膠着状態に陥った。最終的に物量面等で劣るジオン公国軍は地球連邦軍のモビルスーツ戦線投入と戦力回復により、オデッサ、ジャブロー、キャルホルニアベース、ソロモンで敗退し、本土防衛線まで戦線が後退するほどに追い詰められ、U.C.0079年12月31日のア・バオア・クー攻防戦までに支配者ザビ家の主だった人物が死亡し、即座にダルシア・バハロがジオン共和国に国号変更を宣言し、連邦政府に停戦の申し入れを行った。最終的には地球連邦政府に屈することになった。
一年戦争後のジオン
戦後、ジオン公国は再び共和制に移行するも、デラーズ・フリートやネオ・ジオン等、旧公国の再興を掲げる勢力は後を絶たず、地球連邦軍はそれらの掃討に追われることになる。
そしてU.C.0100年、ジオン共和国の自治権は地球連邦政府に返還され、これを以ってジオンは事実上消滅する事となった。
しかし、ジオン残党はまだ残っており、『機動戦士ガンダム F90』と『機動戦士ガンダムF91 フォーミュラー戦記0122』(SRW未参戦)にて、「オールズモビル(火星独立ジオン軍)」を結成。U.C.0120年からU.C.0122年の2年間に地球連邦軍と対立するが、結果的に鎮圧され、ジオンは完全に消滅した。
なお、U.C.0153年にはザンスカール帝国の影響が全く無いため、すっかり片田舎となっている。
U.C.0203年に登場する反地球連邦組織メタトロンはネオ・ジオン残党に系譜を有する「ズィー・ジオン・オーガニゼーション」を母体としている。サイド3が関係していたかは不明。
人物
- デギン・ソド・ザビ
- ジオン公国公王。
- ギレン・ザビ
- ザビ家長男。ジオン公国軍総帥。
- キシリア・ザビ
- ザビ家長女。突撃機動軍司令。
- ドズル・ザビ
- ザビ家三男。宇宙攻撃軍司令。
- ガルマ・ザビ
- ザビ家四男。地球北米方面軍司令。
- ミネバ・ラオ・ザビ(オードリー・バーン)
- ドズル・ザビの娘。ザビ家最後の正統後継者。
関連地名
関連組織
- ジオン公国軍
- ジオン公国の軍隊。「ジオン軍」とも称する。
- ザビ家
- ジオン公国を支配する一族。
- フラナガン機関
- ジオン公国のニュータイプ育成機関。
- ジオニック社
- ジオン軍のモビルスーツを主に開発・生産した企業。一年戦争後にアナハイム・エレクトロニクス社に吸収される。
- 正統ジオン
- SLGゲーム『ギレンの野望シリーズ』に登場するジオン公国から独立したオリジナル勢力。大将はキシリア。
- 『OE』では、ギレンの横暴ぶりにしびれを切らしたキシリアが月のグラナダを拠点に立ち上げ、コネクト・フォースには協力的。その結果ジオン公国、正統ジオン、ネオ・ジオンの三つのジオンが併存する事態となる。
- 新生ジオン
- SLGゲーム『ギレンの野望シリーズ』に登場するジオン公国から独立したオリジナル勢力。大将はガルマで、ドズルもその一員。
登場作品と役柄
基本的に一年戦争時のジオンをある程度忠実に再現したのは『第3次』と『GC』(『XO』)ぐらい。大抵は残党としてネオ・ジオンやデラーズ・フリートなどの後身の組織に人員や機体が所属している。
旧シリーズ
- 第3次スーパーロボット大戦
- ジオン公国の名称は登場しないが、本作ではギレンがDC総帥で、ザビ家がDCの実権を掌握している為、DCが原作におけるジオン公国の役割を担う。
COMPACTシリーズ
- スーパーロボット大戦COMPACT
- 本編前から序盤における敵国。舞台がバイストン・ウェルから地上に移った後で、ネオ・ジオンに再編される。
- 「初代ガンダムにおける一年戦争がメガノイド戦役、Ζにおけるグリプス戦役が一年戦争前半」という世界観であるため、特殊な扱いがなされている。本編前はコロニー国家のひとつとして、地球連邦と手を結びムゲ帝国やメガノイドに対抗した。
- 終戦から一年後、地球連邦と「一年戦争」を勃発させたが、ゲーム本編中にギレン・ザビとキシリア・ザビがシャア・アズナブルに暗殺され、ハマーン・カーンによってネオ・ジオンとして再編される。
- なお、上記の世界観ゆえネオ・ジオンやデラーズ・フリートなどの原作における後身組織の人材・機体が「ジオンの人材・機体」として名を馳せている。
携帯機シリーズ
- スーパーロボット大戦R
- 出雲銀河の父が取材した国として名前のみ登場する(ただしジオン共和国の方)。
単独作品
- 新スーパーロボット大戦
- 直接は登場しないが、ストーリーに「かつてコロニーの1つが『公国』を名乗って戦争を起こした」という記述がある。また、デプレが「かつてのジオン軍でもできなかった事を…」と発言している。
- スーパーロボット大戦GC(XO)
- 一年戦争を前半部の舞台としているため、結構忠実に再現されている。また、今作ではギガノス帝国と同盟を結んでおり、後半では星間連合とも手を組む。
- スーパーロボット大戦Operation Extend
- ホワイトベースのサイド7出航から一年戦争終盤まで断片的に描かれるが、コネクト・フォースの方針で民間人に被害が及ばない限り、連邦とジオンの戦争には不介入のため、連邦組の別行動時のイベントが多い。
- 中盤からはオリジナル展開も多く、キシリア派がコネクト・フォース側に傾いたり、ネオジオン(ΖΖ)と協力したりと、地球連邦とは険悪なりに政治色が押し出され、他のスパロボと比べても穏健な路線を採り始めるのが印象的。
- 本作の敵部隊の中では最多の名有パイロット数で人材だけは豊富。また、他作品からブシドーとゼクスもキシリア派に参加している。基本的に名有キャラクターの死亡率が低い『OE』の恩恵を最も享受する勢力とも言える。
- プレイヤーの立場で見ると、この勢力のおかげでホワイトベース隊・アレックス・第08MS小隊以外出撃出来なかったり、GRを強制解散させられるミッションが多く、特に、元々の得意地形が限られるためにレベリングが遅れやすい08小隊を鍛え直す手間が増やされる意味で厄介な勢力でもある。
補足
ジオン共和国の自治権返還に関して、小説『機動戦士ガンダムUC』ではU.C.0096年時点で既定されていた事項であるのに対し、漫画『機動戦士ガンダム ムーンクライシス』(SRW未参戦)ではU.C.0099年時におけるネオ・ジオンおよびヌーベルエゥーゴ共同軍の武装蜂起事件における責任を取らされる形で施行されたという相違点がある。
余談
- 「ジオン」の英語綴りは当初、ローマ字読みをそのまま当てはめた「ZION」だった。
- しかし、これが実在の「ユダヤ人祖国回復運動(シオニズム Zionism)」と同名同綴りだったため、問題視されるのを恐れたバンダイおよびサンライズの自主規制によって現在の表記に改められている。
- 『機動戦士ガンダム』の企画段階や放映直前に玩具屋向けに配布された資料である『クローバー製品カタログ1979年前期版』において、ジオン公国は「恐るべき宇宙の侵略者」と紹介されている。
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