「第1次連合・プラント大戦」の版間の差分
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− | * | + | *上述の通り、この名称はHDリマスター発表後に付けられたものであり、作中本編では使用されていないこともあって、あまり知られていない。本wikiも各種ファンサイトと同様に、「'''ヤキン・ドゥーエ戦役'''」という名称が使用されていた。まだその頃の名残があるかもしれない。 |
**SRWでも『L』で[[リリーナ・ドーリアン|リリーナ]]が「ヤキン戦役」という言葉を使用する場面があるほか、『SC2』では[[藤村静流]]が「ヤキン・ドゥーエ戦」という大戦全体を指しているのか第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦を指しているのか不明瞭な言葉を使用している。 | **SRWでも『L』で[[リリーナ・ドーリアン|リリーナ]]が「ヤキン戦役」という言葉を使用する場面があるほか、『SC2』では[[藤村静流]]が「ヤキン・ドゥーエ戦」という大戦全体を指しているのか第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦を指しているのか不明瞭な言葉を使用している。 | ||
2021年9月14日 (火) 19:16時点における版
第1次連合・プラント大戦とは、『機動戦士ガンダムSEED』の舞台となった戦争。
概要
コズミック・イラ70年に起きた戦争。
この名称はHDリマスター発表後に付けられたものであり、作中本編では使用されていない。続編の『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』では「先の大戦」と呼ばれている。
ナチュラル中心の地球連合軍とコーディネイター中心のプラントの国軍ザフトによる戦争で、コズミック・イラ70年2月11日、地球連合がプラントに宣戦布告。月面プトレマイオス基地から地球連合軍の宇宙艦隊出撃(この際モビルアーマー母艦「ルーズベルト」に、とある将校の独断で極秘に1発の核ミサイルが持ち込まれており、直後の核攻撃へと繋がる)。
地球連合軍がコズミック・イラ70年2月14日に核ミサイルによってプラント所属の農業コロニーであるユニウスセブンを破壊して多数の死者を出した血のバレンタインを契機に戦闘が地球圏全域へと拡大する。
当初はニュートロンジャマーの投下とモビルスーツ(MS)を主体としたザフトに侵攻され、地球連合軍が押されていた形であったが、オペレーション・スピットブレイク以降は、地球連合軍が盛り返し、最終的にはザフトの宇宙要塞ヤキン・ドゥーエを舞台に地球連合軍とザフト、そしてラクス・クライン率いる三隻同盟によって激戦が繰り広げられ(第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦)、地球連合軍側は連合軍の中心であるブルーコスモス派を指導していたムルタ・アズラエル、ザフト側はプラント議長であるパトリック・ザラを失い、停戦協定が結ばれることになった。
スーパーロボット大戦シリーズでは機動戦士ガンダムSEEDが初参戦した『第3次スーパーロボット大戦α』『スーパーロボット大戦J』『スーパーロボット大戦W』で切り口を変えながら血のバレンタイン事件やアラスカ基地の攻防、ヤキン・ドゥーエの最終決戦などが再現されている。
背景
当初TV本編では「血のバレンタイン」の奇襲が戦争の引き金のように描写されていたが、後に発表された公式年表ではその3日前に正式な宣戦布告がなされていることになった。つまり、核攻撃は人道的な問題はあるものの普通の戦争行為だったことになる。
本編では憎悪の連鎖による絶滅戦争と言う面がクローズアップされているが、この戦争を政治的に見れば「プラントがコロニーの自治権を得るために地球連合に仕掛けた独立戦争」である。 よって、最終的に大西洋連邦がコーディネイターの自治権を承認するという目的を達成したザフト及びプラントに軍配が上がったとも言えなくはない。 ただし、ユニウス条約での国力に応じた兵器保有制限を定めたリンデマン・プラン(連合の方が国力は圧倒的に勝る)、独立以前の一方的な格差ではないにしろ「連合各国の関税優遇権」、カーペンタリアとジブラルタル以外のザフトの地球占領地無条件放棄、プラント近隣の軍事基地の一つを地球連合軍に提供等の条項が確認できるため、プラント自治権獲得後も基本的には地球連合有利の体制は維持されている。不平等条約が多数残されたため、完全独立を果たしたとは言い難い実状は残されたままとなった。 そもそも、第1次連合・プラント大戦における停戦は、月面プトレマイオス基地の消滅により宇宙戦力の大部分を喪失した連合と、カーペンタリア以外の大規模拠点を失い、そのカーペンタリアも八・八作戦で劣勢に陥り、既に地球各戦線での敗北が確定的になってしまったザフトの事情を考慮した上での合意であり、両国の戦犯追訴に関しての国際法廷開設を行わずに自国裁判のみで済ませている。そのためユニウス条約はプラントの政治的な独立を容認しつつも、連合有利の支配体制をある程度継続させるという実質的な「引き分け・痛み分け」に近い結果と言える。
ユニウス条約は明らかな連合有利の条約だったが、代償としてプラントはユニウスセブンで条約調印を行うことを連合に認めさせた。しかし、それでもプラント最高評議会では内容が問題視され、カナーバ臨時最高評議会議長は総辞職している。
関連人物
地球連合
- ムルタ・アズラエル
- 反コーディネイター団体であるブルーコスモスの盟主。地球連合軍のブルーコスモス派に強い影響力を持ち、プラントへの核攻撃を推進してプラント攻撃に同行したが、アークエンジェルの砲撃で死亡した。
- ウィリアム・サザーランド
- 地球連合軍士官。連合軍内部のブルーコスモス派の筆頭で、プラントへの核攻撃を謀ったが、ザフトの攻撃で死亡した。SRW未登場。
- デュエイン・ハルバートン
- 地球連合軍第8艦隊司令官。連合軍内部では早くからモビルスーツ開発を主張したG兵器の開発計画の責任者だったが、アークエンジェルが地球に降下する際、ザフトの攻撃で死亡した。ブルーコスモス派ではない。SRW未登場。
プラント
- シーゲル・クライン
- 当初のプラント最高評議会議長。穏健派であったが、失脚。娘のラクス・クラインのフリーダム強奪と時を同じくして、クルーゼに唆されたザラ派によって暗殺された。
- パトリック・ザラ
- 当初はプラント評議会の国防委員長。途中でプラント最高評議会議長に就任し、強硬派としてナチュラルとの戦争を推進する。
- 大戦末期、自軍艦隊を巻き込んでもジェネシスの発射も厭わなかったが、そのあまりに非道な行動に不信感を持たれて部下であるレイ・ユウキ(SRW未登場)に射殺された。
- アイリーン・カナーバ
- プラント評議会議員。クライン派であった故にシーゲル・クラインの死後失脚したが、終戦時に臨時最高評議会議長として復帰、地球連合と停戦条約を結んだ。
- ラウ・ル・クルーゼ
- ザフトの軍人。裏で様々な暗躍をする。
三隻同盟
- ラクス・クライン
- シーゲル・クラインの娘。プラントの歌姫として人気があったが、地球連合とザフトの戦争を終結させるためにフリーダム強奪事件を起こす。
- その後、クライン派を中心としたエターナルを基幹にクサナギ、アークエンジェルを加えて三隻同盟を形成、停戦に大きく貢献することとなる。
- カガリ・ユラ・アスハ
- 元オーブ連合首長国代表であるウズミ・ナラ・アスハの娘。父ウズミの意志を継いで三隻同盟に参加。
- アスラン・ザラ
- パトリック・ザラの息子。ザフトのエースで、ラクス・クラインとは許婚であったが、後半ザフトを離反して三隻同盟に参加。
- キラ・ヤマト
- カガリ・ユラ・アスハの実弟。地球連合軍に参加していたが、友人であったアスランに撃墜された後、ラクスの支援を受けてフリーダムガンダムを強奪。属していたアークエンジェルと共に三隻同盟に参加。
登場作品
αシリーズ
Zシリーズ
- スーパーロボット大戦Z
- 今作を構成する多元世界の一つ、コズミック・イラ世界において2年前に勃発している。
携帯機シリーズ
- スーパーロボット大戦J
- スーパーロボット大戦W
- 第1部最終話で開戦し、そのまま血のバレンタインが起きる。その為シナリオ再現は第2部から。
VXT三部作
- スーパーロボット大戦V
- 西暦世界では本編の3年前にソレスタルビーイングの武力介入や蜥蜴戦争、メガノイドの反乱と同時に行われている。
単独作品
- スーパーロボット大戦Card Chronicle
- 『W』以来のシナリオ再現が行われる。
- スーパーロボット大戦X-Ω
- スーパーロボット大戦DD
- 序章ワールド3の時点で既に開戦しており、2章Part1において停戦となる。なおメンデルを「第1次連合・プラント開戦前に閉鎖したコロニー」と説明しているので、第2次大戦が起きていないのに現在の戦争を第1次大戦と呼んでいることになる。
主な戦い
- 血のバレンタイン
- コズミック・イラ70年2月14日に起きた連合側によるプラントへの核攻撃。結果的にプラントの農業コロニーであるユニウスセブンが崩壊して多くの犠牲者を出し、戦争拡大の原因となった。
- この際にアスランの母親レノア、つまりパトリックの妻も死亡しており、一部私情が絡む戦争となる。
- 世界樹攻防戦
- コズミック・イラ70年2月22日L1宙域に存在する地球連合軍の地球~月間の橋頭保である宇宙ステーション「世界樹」にザフトが侵攻。地球連合軍側も第一~第三機動艦隊の大兵力を展開し、ザフト側も初めてニューロンジャマーを投入するなど激戦となったが、双方の戦力は拮抗。両軍に多大な被害が発生したが、最終的には「世界樹」が崩壊して戦闘は終結。ラウ・ル・クルーゼはMA37機・戦艦6隻を撃破するという大戦果を挙げており、ネビュラ勲章を授与。トップパイロットとしての地位を不動のものとしている。
- エイプリル・フール・クライシス
- コズミック・イラ70年4月1日にザフトが発動した作戦。静止軌道上よりニュートロンジャマーの地球への大量投下により、地上における核分裂装置の使用を不可能にさせてエネルギー不足に陥らせた。当時の地球はエネルギー生産の大部分を原子力発電所で補っていたとされており、更に副産物として地球全域に強力な電波妨害は発生する事態も発生。その影響は地球連合、中立国を問わず地球は大混乱に陥った。
- 結果的にザフトの地上侵攻を優位にしたが、エネルギー不足と情報インフラの大規模障害の影響で大量の死者(一説には地球総人口の一割であり、大半が餓死と凍死者)を出し、反コーディネイター感情がかつてない程に強まった。
- 流石に敵味方問わずに地球の全国家に対して深刻な経済的な打撃と、エネルギー危機と食糧不足による膨大な死者を出す懸念から評議会でもディアッカの父「ダット・エルスマン」も強硬派寄りでありながら反対意見を述べていたが、他の評議員に押し切られている。
- グリマルディ戦線
- 月の主導権を巡る地球連合軍とザフトのグリマルディ・クレーターを境界に月を二分した戦線。エンデュミオン・クレーターの資源採掘基地を巡る戦闘では、連合軍側のサイクロプスの暴走によりザフト軍は月面戦力の大部分を喪失し、ローレンツ・クレーターの月面基地から撤退して月戦線を放棄。戦局的には地球連合軍が敗退気味だったが、ザフトの制圧目標である月面プトレマイオス基地の制圧に失敗。地球連合軍が月の防衛に成功した。
- オペレーション・スピットブレイク
- ザフトが発動した大規模な作戦。宇宙から大規模な軍を地球に降下させ、各地の軍事拠点を急襲する作戦であるが、当初の目的はパナマ基地であると目されたものの、実は地球連合軍最高司令部があったアラスカ基地を目標としていた。
- しかし、ラウ・ル・クルーゼがその情報を地球連合側にリークしたことにより、連合軍はサイクロプスを発動させ、作戦に参加したザフト軍モビルスーツの八割を喪失するという大損害に終わった。結果的に地上におけるザフトの優位を失った。
- フリーダム強奪事件
- オペレーション・スピットブレイクの直後にザフトの最新MSであったフリーダムガンダムが強奪された事件。戦後はラクス達の責任は問われず、全てクルーゼの責任にされた。
- パナマ攻防戦
- アラスカ基地の敗退で、ザフトが各地球戦線から戦力を強引に抽出してC.E.71年5月25日に実施した作戦。当初はザフト優勢に推移したが、地球連合軍がストライクダガーを初投入すると一時的に地球連合軍が戦闘の主導権を握った。しかし、ザフトが高出力EMP兵器グングニールを起動すると地球軍の兵器は全て行動不能となり、マスドライバーも破壊されて陥落。
- 陥落直後にザフト兵は投降した連合兵に対する組織的な虐殺行為を実行し、生身の兵士にモビルスーツの機関銃を乱射する場面も見られるなど凄惨な光景が広がった。ただし、この行為は後述する第三次ビクトリア攻防戦で捕虜条約の黙殺を招き、しっぺ返しとして自軍に降りかかることになる。
- 第三次ビクトリア攻防戦
- パナマ基地陥落後に連合軍が行ったビクトリア宇宙港の奪還作戦。C.E.71年6月18日~25日の一週間戦闘が続き、本格的にモビルスーツの大規模展開を行った地球連合軍がザフトを圧倒し、ザフトはマスドライバーの自爆を図ったが、それも阻止されて失敗した。
- この戦闘で地上における地球連合軍の優位は決定的なものとなり、続く地上戦でも第二次カサブランカ沖海戦でジブラルタル方面のザフト軍は全面敗北し、八・八作戦でのカーペンタリア方面でも劣勢を覆せなかった。
- ボアズ攻防戦
- C.E.71年9月23日に行われた地球連合軍によるボアズへの攻撃。ニュートロンジャマーキャンセラーを手に入れた連合軍は、核ミサイルを装備したピースメイカー隊を投入して1日で殲滅する。
- 第2次ヤキン・ドゥーエ攻防戦
- C.E.71年9月26~27日にヤキン・ドゥーエ宙域で行われた、この戦争の最終決戦。地球連合軍はプラント本国を攻めるつもりだったが、ザフトの大量破壊兵器ジェネシスにより主力の四割が撃滅されたため、地球連合軍残存勢力は攻撃目標をヤキン・ドゥーエに変更。
- パトリック、アズラエルの双方が味方の損害を顧みずに相手を滅ぼすことにこだわったことで部下の反発を買って死亡。両軍共に総力を使い果たして戦闘の続行が困難となり引き分けという形で終わり、和平への道を歩むこととなった。
- 第2次連合・プラント大戦
- 『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』の舞台となるC.E.73年に起きた戦争。
余談
- 上述の通り、この名称はHDリマスター発表後に付けられたものであり、作中本編では使用されていないこともあって、あまり知られていない。本wikiも各種ファンサイトと同様に、「ヤキン・ドゥーエ戦役」という名称が使用されていた。まだその頃の名残があるかもしれない。
資料リンク
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