ムウ・ラ・フラガ

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ムウ・ラ・フラガ(Mu La Flaga)

機動戦士ガンダムSEED』の本編開始以前から「エンデュミオンの鷹」と渾名された地球連合軍エースメビウス・ゼロを駆り、ザフトモビルスーツジンを5機落とした。ただ、負け戦の中で渾名されたので、本人は謙遜している。ちなみに、この背景には、負け戦を美しく脚色する事でメンツを保とうという上層部の思惑があり、彼の活躍はその為に利用された形である。自称は「不可能を可能にする男」であり、その名に恥じぬ実力と戦績を誇る。

部下の面倒見のいい軍人であり、また明朗快活な常識人で、慕われている。キラの良い兄貴分でもあった。アークエンジェルでの数少ない戦力として活躍し、メビウス・ゼロスカイグラスパーを駆っていた。後にアークエンジェルと共に連合軍を離反し、オーブへ身を寄せた際にナチュラル用OSを搭載して修復されたストライクを受け取り、パイロットとなる。この時、自身はMS乗りとして新米であると謙遜していたが後のオーブ戦においてストライクダガーを数機問題なく落としている。ヤキン・ドゥーエ戦の頃には彼の反応速度に機体性能が追いつけなくなる程にMSパイロットとしての腕を上げていた。この設定はゼクス・マーキストールギスの関係に似通っている。

後にコロニーメンデルにおいてラウ・ル・クルーゼから彼の出生の秘密を知らされる。第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦でクルーゼと対峙するが機体は中破し、ドミニオンからアークエンジェルへと放たれた陽電子砲をその身を挺して防ぎ、MIA(戦闘中行方不明)となった。

この時、死亡したかに見えたが、奇跡の生還を果たし、地球連合軍に救出される(その後の顛末はネオ・ロアノークを参照)。同作の終盤、記憶を取り戻し「ムウ・ラ・フラガ」に戻る。

マリュー・ラミアスには何度もアプローチをかけていたが、突然のキスで彼女の心を射止めた。

コミックボンボンでは、最終決戦でストライクが中破した後、メビウス・ゼロに乗り換え、TV版と異なりキラのフリーダムでも苦戦を強いられていたプロヴィデンスをガンバレルのワイヤーで拘束。キラに自身ごと撃たせ、クルーゼを道連れにして死亡するという壮絶な戦死を遂げた。

ボンボン版のDESTINYでは戦死した設定が活かされている為、作中登場したネオ・ロアノークはムウとは無関係の別人になっている。ネオはフリーダムとの戦いで戦死してしまい、その正体は永遠の謎である。

スパロボシリーズにおいて

SEED・DESTINY双方で仲間になる。平均以上の能力を持つが、ナチュラルでありコーディネイター技能やSEEDを持たないため、SEED系パイロットでは弱い部類に入ってしまう事がしばしば。さらにSEED系機体には専用機が多く、宇宙世紀系のMSパイロット以上に搭乗機体が制限され、強力な機体に搭乗できないのが痛い。そのせいか、安定して強いSEED系にしては普通に運用しても強力(3次α、L)、運用次第では使える(W、Z)、はっきり弱い・使い勝手が悪い(J、K)、と作品間で大幅に強さや使い勝手が変わる。

イベント面では立場上、隊長格ポジションのまとめ役という事が多く、原作の飄々とした面を持ちつつもナタルの人質作戦に憤る面々に対してナタルの行動を擁護したり、銃を持つことに戸惑うキラに注意したりと大人としての側面も描かれている。

登場作品と役柄

αシリーズ

第3次スーパーロボット大戦α
メビウス・ゼロの使い勝手がいいので、ストライクガンダムに乗せるよりもこっちを薦める。そのお陰で彼が歴代で一番強く使い勝手が良いのはこの作品。またアムロの存在故か、少佐には昇進せず大尉止まりであり、互いに実力を認めあっているが立場はアムロの方が上。ローエングリンの主砲を受け止める際のイベントはストライクだろうが、M1アストレイだろうが、メビウス・ゼロだろうが、スカイグラスパーだろうが不可能を可能にしてしまう。原作とは違い、死亡する事は無い。これは発売時期が「SEED DESTINY」の山場を迎えており、その設定を踏まえたことに加え、「せっかく育てたのに後半に抜けてしまう」というのを防ぐためのスタッフの気遣いもある。

Zシリーズ

スーパーロボット大戦Z
当初はネオとして登場。その後、チラムでの戦闘で撃墜され、万丈に回収されてアークエンジェルに届けられ、オーブ戦ではアカツキ(オオワシ装備)に乗ってスポット参戦。終盤、ようやく正式参戦する。その後、イベントが発生して名前が「ムウ・ラ・フラガ」に変更。名前が変わるだけで、特に能力の変更はない。何故か成長タイプがスーパー系なので回避がリアル系で最低数値と致命的な欠点を持つ。ただ乗機アカツキが硬く小隊員としては使い勝手が良い部類で、使い方次第では強力。ちなみに、条件を満たしてステラを生存させていると彼女に「ネオはもういないんだ」と言い、シンに「ネオ・ロアノークの代わりは任せる」と心の中で呟く。

携帯機シリーズ

スーパーロボット大戦J
顔がようやく似てきた。α3とは逆にどうやっても離脱するが、アークエンジェルについていくと強制出撃が多いのが困りもの。コーディネイターSEEDを持たないので、最終的にはマリューとナタルを除くSEED組最下位の能力に。まぁ、SEED込みのカガリに若干劣る程度だが。なお、Jにて子安武人氏が演じたキャラ他のキャラは全員死亡していたりする。
スーパーロボット大戦W
スポット参戦は第一部の序盤からあるが、正式加入はキラ達と同じ後半から。ただし、第一部のスポット参戦で10機撃墜数を稼がないとライトニングストライカーパックが手に入らない。なんの説明もないがドレッドノートガンダムXアストレイ)やガンバレルダガー(2周目以降)に乗り換えが可能。Xアストレイ正パイロットのプレアと違い、前線向きなパイロットなので乗せ換える人も多い。また死亡イベントも発生自体をが潰すため何事もなく生存するなど、システム的には恵まれている。しかしある意味見せ場を奪われたと言えなくもないし、クルーゼとの最終決戦時になぜか台詞が無いしと、イベント的には少し不遇。J同様、最終的なステータスはSEED込みのカガリに若干劣るが、カガリ用だった3人娘召還をムウも行えるようになった。プレアとは能力値が全て同一(性格・精神コマンド特殊技能が違う)。
スーパーロボット大戦K
ルートによってはいきなりこちらの姿で現れることもある。原作同様にカガリからアカツキを譲って貰う。特殊技能による能力の上乗せがないので、例によって最終的なステータスはSEED系ではカガリの次に低く、二軍に回されることもしばしばで、SEED込みのカガリには火力で完全に負ける。しかも、WではXアストレイガンバレルダガー(ついでにメビウス・ゼロ)に乗れるというアドバンテージがあったが、今回はアカツキが誰でも乗れる上にドラグーンも誰でも使えてしまうので、エースを張ることは困難である。大人しくPUのサブに徹しよう。
スーパーロボット大戦L
今回もアカツキは汎用機扱いだが、コーディネイター技能の撤廃で過去作のようにSEED系で能力最弱ということが無くなり、更にデフォルトでガード見切りを習得と相対的にも能力的にも大幅に強化された。そのお陰でキラやアスランには一歩譲るものの、十分に一軍を張ることも可能である。ちなみに、今作ではデストロイの攻撃からオーブを守るアカツキの姿を見て記憶を取り戻している。

Scramble Commanderシリーズ

スーパーロボット大戦Scramble Commander the 2nd
序盤はネオとして敵に、後半は味方になる。このゲームでは改造値と能力値が周回引継ぎなので、使おうと思えば使える。なお、原作にあったスカイグラスパーでの出撃はシステム上難しいせいか、ストライクルージュになっている。

人間関係

マリュー・ラミアス
アークエンジェル艦長。フラグを立てて恋人同士になる。
ラウ・ル・クルーゼ
因縁がある間柄。実は父親のクローンだった。高い空間認識能力でニュータイプの様に互いを感知出来る。搭乗機の性能差などもあり、終始、圧倒されていた。
アル・ダ・フラガ
父親で宿敵クルーゼのオリジナル。ムウが幼い頃クルーゼによって殺害された。ムウ曰く傲慢で横暴で疑り深い人物だったらしい。
キラ・ヤマト
ファーストで言えばアムロとスレッガーの関係に近い。キラの良き兄貴分であり、DESTINYでも共闘することになる。
ディアッカ・エルスマン
クルーゼ隊の所属パイロット。三隻同盟参加後はムウの部下ポジションに就くが、「おっさん!」「おっさんじゃない!」という掛け合いなど、あまり敬意を払われてはいないが、関係は比較的良好。
ステラ・ルーシェ
ネオだった頃の部下。Zでは記憶を取り戻した際に「ネオはもういない」と彼女に告げた。
スティング・オークレー
ネオだった頃の部下。SC2Kではデストロイガンダムに乗った彼と対峙し、心ならずも自ら手にかける事に。
レイ・ザ・バレル
原作ではネオだった頃に僅かに戦った程度だが、Lではムウとして直接対決し、彼から「アル・ダ・フラガの息子」と憎悪される。一方ムウはレイの気持ちや「俺がネオ・ロアノークとして行った罪」を受けとめつつ、「クルーゼのようになるな」と説得する。
シン・アスカ
原作ではその後に会う事があったのかは描写されていないが、スパロボにおいてはムウとしての再会が描かれ、ステラを守れなかったことを謝罪している。

他作品との人間関係

ガンダムシリーズ

アムロ・レイ
第3次αでは彼の事を尊敬しており、共に隊長格ポジションであることもあり良く絡む。アムロもムウの事を認めていた。
ジュドー・アーシタルー・ルカ
第3次αでは一時的に部下になる。
ギム・ギンガナム
Zでは声優ネタで彼とアスハムと中断メッセージにて共演。彼らのテンションの高さに呆れ返る。
グエン・サード・ラインフォード
Zにて彼の指揮するブラックドール軍団を最悪の趣味と酷評した。
バルサム・アーレンド
Wでは軍のプロパガンダに担ぎ上げられてしまっている彼(彼自身は気付いていない)に少し同情してしまう。
モーガン・シュバリエ
Wの戦闘前会話にてガンバレル使い同士で戦わざるを得ない事を嘆いている。
スウェン・カル・バヤン
共に元ファントムペイン所属(但し原作では別部隊)。Kでは元同僚のよしみで部隊に加わった彼の相談役を買って出る。

リアル系

シモーヌ・ルフラン
Jでは協力してアークエンジェルの窮地を救った。
テンカワ・アキト
Wでは命令違反を犯してまでナデシコを助け、彼に連合軍にも善人がいるという事を認識させた。
ホシノ・ルリ
Wではものすごく恥ずかしい場面を彼女に見られてしまう。
アスハム・ブーン
Zでは声優ネタで彼とギンガナムと中断メッセージにて共演。彼らのテンションの高さに呆れ返る。

スーパー系

葛城ミサト
マリューと色々似ている人。第3次αでは彼女の力をあてにする場面も多い。
美剣陽子
Wでは度々彼女と縁がある。
破嵐万丈
Zでは命の恩人。
サコン・シロウ
Kでは彼の言うとおりのリハビリである程度記憶を取り戻した。流石サコン先生、半端じゃない。
ミラ・アッカーマン
Kでは彼女のおかげもあって記憶の回復が早くなる。最初は彼女を看護士と勘違いしていた。

バンプレストオリジナル

ゼオラ・シュバイツァークォヴレー・ゴードン
第3次αにて一時的に部下になる。
カルヴィナ・クーランジュ
Jでは彼女の事を色々と気にかける。
カズマ・アーディガン
Wでは序盤から何度か助ける。

名台詞

「心配すんなって。忘れた?俺は不可能を可能にする男だってこと」
アラスカで転属命令を無視してアークエンジェルに戻ってきて、マリュー達にサイクロプスの存在を伝えた後にスカイグラスパーで出撃しようとした際にマリューに言った台詞。
「俺の親父ってさ…傲慢で横暴で疑り深くてさ。俺がガキの頃死んだけど、そんな印象しかなくてさ。けど信じられるか?こんなの…なんで…こんな…おまけに失敗作? テロメアが短くて老化が早いって…なんだよそりゃ!?」
「奴には過去も未来も、もしかしたら自分すらないんだ」
メンデル内でクルーゼが父親のクローンである事を知った後、マリューに自身の父親について語っていた。
「へへ…やっぱ、俺って不可能を可能に…!!」
原作終盤、ドミニオンのローエングリンからアークエンジェルを守るために盾になった際の台詞。この直後、ローエングリンに耐えられなかったストライクは爆発し、ムウも戦死した。爆散したストライクの残骸の中に彼のヘルメットが漂っている事から戦死は確実かと思われた。しかし、後のSEでは諸々の事情によりなんとヘルメットが消されており、生存説が急浮上した。
「…大丈夫だ!もう、俺はどこへも行かない!!終わらせて帰ろう、マリュー!!」
機動戦士ガンダムSEED DESTINY』の終盤、記憶が戻った時に言った台詞。
余談だが、「どこへも行かない」は小説版『SEED』のムウの最期の台詞でもあった。
「くそぉっ!もういい加減にしろ!!何でこんなモン守って戦うんだぁっ!?」
ムラサメ一個小隊を率いてレクイエム破壊に向かう最中の絶叫。単なる破壊兵器でしかないレクイエムを「議長の命令だから」とかたくなに守備するザフト軍に向け、苛立ちと共に言い捨てる。
ちなみに、小説版ではこの時、ニシザワが捨て石となってムウを先に進ませている。
「クルーゼ!!キサマに引導を渡すのはこの俺様だあっ」
コミックボンボン版「キラとアスランの激闘」下巻より、大破したストライクからメビウスゼロに乗り換えてフリーダムとプロヴィデンスの合間に割って出る時に。

スパロボシリーズでの名台詞

「こういうのを、オールレンジ攻撃って言うんだぜ!」
スパロボシリーズにてガンバレル及びドラグーンを使った際の台詞。
「見ろよ! 俺の言った通り、やっぱりあいつは無事だったろ?」
第3次α第51話にてキラのフリーダムの無事を確認して。ドミニオンの攻撃からアークエンジェルを庇うイベントが発生したにも関わらず平然と出てきたムウに驚かされたプレイヤーも多いはず。
「ケイサル・エフェス!俺達の未来を貴様に決められてたまるか!」
第3次α最終話でのケイサル・エフェスとの特殊戦闘台詞。
「やめろ、プレア。それじゃやっている事はあのクルーゼと同じだ…!」
Wの第51話でキラがクルーゼと共にジェネシスの光に飲み込まれた後、余命いくばくもない自分がやるべき役目だったと後悔していたプレアに対して。
「その勝ち誇ったような高笑い、止めてやる!」
「戦いってのはなぁ、そんな楽しいものじゃないんだよ!」
Zで『∀ガンダム』のギンガナムとの戦闘台詞。
「おいおい、随分とテンション高いな!」
Zにてアスハムと交戦させた際の特殊戦闘セリフ。Kではアスハムへの援護台詞に採用されている。
「地獄帰りの男の力、見せてやるよ!」
Zでの戦闘セリフの一つ。ムウ役の子安氏が一度ほど冥府から呼び戻された天才科学者も演じていることを考えるとついニヤリとさせられる台詞である(もっとも、の場合は比喩などではなく本当に冥府から呼び戻されているのだが)。
ステラ「ネオ…ムウって誰?」
ムウ「俺の本当の名前だ。ステラ…もうネオはいないんだよ」
ステラ「そうなんだ! でも、大丈夫!シンがステラを守ってくれるから!」
ムウ(それを聞けば安心だ。シン…ネオ・ロアノークの代わりはお前に任せるぞ)
Zのifルートにて記憶を取り戻した後のステラとのやり取り。ステラの反応がやけにあっさりしているが、ムウ本人は彼女の言葉に納得したようで、自分の代りをシンに託す。
「サイコとデストロイ…。黒い人形とは最悪の趣味だぜ」
Z第58話でのグエンが指揮するサイコガンダムデストロイガンダムの部隊に対して。
「ああ。サコン先生の指示通りにリハビリをしたら、徐々に昔の記憶が戻ってきてね…」
「完全ってわけじゃないが、少なくとも自分がムウ・ラ・フラガだって事は思い出したよ」
Kで記憶を取り戻した理由。良いのかそんなので。
「ごめんな、スティング…」
Kにて、デストロイに乗ったスティングが撃墜された時の台詞。全てを忘れてしまったかつての部下の死に、沈痛な様子であった。
「ようやく思い出した…。自分が誰なのか…俺が今、なぜここにいるのか!」
「守って見せるさ。なんたって俺は…」
不可能を可能にする男だからな!」
Lの第27話より。エンデュミオンの鷹、完全復活の瞬間である。
「ああ、心配するな。何もかも思い出したよ。俺が誰で、誰を愛してたかって事もな…」
Lの第27話シナリオエンドデモより。
「よせ! そうやって、ひとりで闇を抱えたままじゃクルーゼと同じになっちまうぞ!」
Lの第33話でレイと戦闘した時の台詞。仲間と決別してデュランダルのために戦う事を選んだレイに対して。

余談

  • TV放送版では、ドミニオンからの一撃を防いだ後、ストライクの残骸の中に彼のヘルメットが浮かんでいるシーンがあったが、DVD収録版やスペシャルエディションではこのヘルメットが消されており、突如としてフラガ生存説が持ち上がった。