機動戦士ガンダムUC
- 小説:2007年2月~2009年9月連載。単行本全10巻。
- OVA:2010年3月12日発売~2014年6月6日発売。全7巻。
- 最終巻は2014年5月に先行で劇場イベント上映。
- 初参戦スパロボ:第3次スーパーロボット大戦Z時獄篇
概要
『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』から3年後にあたる宇宙世紀0096年を舞台に、謎の最高機密「ラプラスの箱」を巡り連邦軍とジオン残党軍「袖付き」の争いに巻き込まれた少年バナージ・リンクスの「ラプラスの箱」に辿り着くまでの旅と戦いを描く物語。なお物語の根幹には宇宙世紀0001年に発生したラプラス事件が深く関わっている。
2007年2月より雑誌『ガンダムエース』誌上にて福井晴敏氏によって原作小説の連載が開始され、2009年9月号に完結。その後OVAの製作が発表され、2010年3月より公開された。また漫画版である『機動戦士ガンダムUC バンデシネ』がガンダムエース2010年3月号より連載されている。小説・OVA・漫画版共に大筋の展開は共通しているものの、登場人物・機体及び場面等の設定にそれぞれ異なる部分がある。特段注記がない場合は、商品化ゲーム化は基本的にOVA版を基にしており、スパロボもOVA版の参戦となる。
『逆襲のシャア』より3年後の舞台であるため登場人物や機体にもその設定が深く反映されているが、『機動戦士Ζガンダム』や『機動戦士ガンダムΖΖ』の設定も積極的に取り入れられている。特に『ΖΖ』に関しては『劇場版Ζ』との兼ね合いもあったため扱いがどうなるか注目されていたため反響を呼んだ。また時系列的に未来にあたる『機動戦士ガンダムF91』に繋がる設定も見られる。
2016年4月から再構成を施したTVシリーズ『機動戦士ガンダムUC RE:0096』が放送予定。テレビ朝日系列でガンダムが放送されるのは『機動新世紀ガンダムX』以来19年ぶり。
ストーリー
シャアの反乱から3年後の宇宙世紀0096年、工業コロニー「インダストリアル7」においてビスト財団がジオン残党軍「袖付き」に「それが開かれる時には連邦政府が滅びる」とまで言われる最高機密「ラプラスの箱」を譲渡しようとしていた。
一方、コロニー内のアナハイム工専に通う少年バナージ・リンクスは箱の譲渡を阻止しようと単身潜入した謎の少女オードリー・バーンと出会い、次第に彼女に惹かれていく。
だがそこに取引を察知した連邦政府とアナハイム・エレクトロニクス社が軍を介入させ、コロニーは戦火に包まれてしまう。そのような中でオードリーを探していたバナージはビスト財団当主カーディアス・ビストと対面。彼から出生の秘密を聞かされると同時に「箱の鍵」とされるMS「ユニコーンガンダム」を託される。
果たして、「ラプラスの箱」の正体とは、そして、バナージの運命は……
登場人物
民間人
- バナージ・リンクス
- 本作の主人公。ユニコーンガンダムを託される。
- オードリー・バーン
- 「袖付き」の要人であり、コロニーに単身潜入した際にバナージと出会う。その正体は…
- タクヤ・イレイ
- バナージの同級生である友人。原作小説では寮のルームメイトで同じアルバイトを行う仲でもある。
- ミコット・バーチ
- OVAではバナージの同級生。原作小説では別の学校に通っている。
地球連邦軍
ロンド・ベル
- リディ・マーセナス
- 地球連邦軍ロンド・ベル隊のMSパイロット。実質的にもう一人の主人公とも言える存在。
- オットー・ミタス
- ネェル・アーガマ艦長。
- レイアム・ボーリンネア
- ネェル・アーガマの女性副長。
- ミヒロ・オイワッケン
- 地球連邦軍ロンド・ベル隊ネェル・アーガマのオペレーター。あだ名は「チビ戦車(スモールタンク)」。
- ナイジェル・ギャレット
- トライスターの1人。クールな優男といった印象。
- ダリル・マッギネス
- トライスターの1人。
- ワッツ・ステップニー
- トライスターの1人。
- ブライト・ノア
- 言わずと知れた元ホワイトベース艦長。『逆襲のシャア』に引き続きラー・カイラム艦長およびロンド・ベル指揮官を務めている。
- メラン
- 『逆襲のシャア』に引き続きラー・カイラムの副長を務めている。
- ハサン
- 『ΖΖ』までと同様に軍医としてネェル・アーガマに駐在。
エコーズ
ネオ・ジオン残党軍
袖付き
- フル・フロンタル
- 「袖付き」首魁。「シャアの再来」と呼ばれており、仮面や容姿、声まで酷似している謎の仮面の男。戦闘力や交渉術に関しても一流の物をもつ。
- マリーダ・クルス
- アンジェロ・ザウパー
- スベロア・ジンネマン
- フラスト・スコール
- ギルボア・サント
- アレク
ジオン残党軍
ビスト財団
- カーディアス・ビスト
- ビスト財団第2代当主。サイアム・ビストの孫。「袖付き」に「ラプラスの箱」を譲渡しようとするが・・・
- アルベルト・ビスト
- カーディアスの息子。
- マーサ・ビスト・カーバイン
- カーディアスの妹。
- ガエル・チャン
- カーディアスの側近。
- サイアム・ビスト
- ビスト財団創始者。冷凍睡眠により西暦の時代から100歳以上の高齢で生き永らえている。
その他
- ダイナーの老主人
- オードリーが地球で出会った小食堂のマスター。禅問答めいた会話をオードリーと繰り広げる。
登場メカ
OVAでは以下の他にも連邦軍、ジオン残党軍の機体として過去作品から様々な機体が登場する。中にはアニメに初めて登場した機体も多い。
地球連邦軍
- ユニコーンガンダム
- リゼル
- デルタプラス
- ロト
- バイアラン・カスタム
- アンクシャ
- バンシィ
- ジェスタ
-
- ジェスタ・キャノン
- ジェガン (エコーズ仕様)
袖付き
ジオン残党軍
- シャンブロ
- ザクI・スナイパータイプ
- ジュアッグ
- ガルスK
- ズゴック
- ゾゴック
- ドワッジ
- ドム・トローペン
- イフリート・シュナイド
- カプール
戦艦・その他
楽曲
- 劇中BGM
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- 「UNICORN」
- その壮大な曲調とサビ入りの迫力から非常に人気が高く、本作の代表曲といっても過言ではなく、よくTV番組等でも使用される。
- 『第3次Z』『BX』で採用。基本的にスパロボ及びGジェネでは後半3分30秒からのものが使用されており、サビ入り部分はカットされている場合が多いが、BXやガンダム無双などでは少し長めのロング版が採用されている。
- 「MOBILESUIT」
- 『第3次Z』で採用。
- 「RX-0」
- デストロイモード発動後はこちらになる。「UNICORN」と「RX-0」は基本的にユニコーンガンダムを象徴するテーマだが、バナージ自身には「ON YOUR MARK」という、作品が出来上がる遥か以前に作られたというテーマ曲が存在する。
- 『第3次Z』『BX』で採用。
- 「UNICORN GUNDAM」「6thMob.:UNICORN GUNDAM」
- 『第3次Z天獄篇』で採用。
- 『BX』では後者の曲名で採用。『第3次Z』の物と比べて前奏部分が無くなっている。
登場作品と扱われ方
Zシリーズ
- 第3次スーパーロボット大戦Z時獄篇
- 初登場作品。前日譚である『逆襲のシャア』と同時参戦。非戦闘キャラとはいえ、オードリーが声付きで登場(ミネバとしてはスパロボ初の声付きで登場となった)。
- 参戦発表当時は最終章であるep7を残した状態であったため、物語はep4のシャンブロ撃破直後までが展開される(そのためバンシィは未登場)。その一方で『逆襲のシャア』との絡みが描かれ、アムロとフロンタルは元より、シャアとフロンタルの関係性に比重が置かれているなど見所は満載。
- 反面、主役であるバナージとユニコーンの能力が抑え目になっていたり、リディはニュータイプ技能を所持していなかったり(原作再現なので仕方ないのだが)とパイロットステータスや機体性能面での扱いはあまり良くない。前者は本領を発揮するようになるととんでもないことが平然と出来るようになるため、仕方ないといえば仕方ないが。
- 第3次スーパーロボット大戦Z天獄篇
- 前作に引き続いての登場。原作再現の終了は45話と比較的早い。ラプラスの箱に隠された真実が今作の分水嶺となっており、『それでも』という言葉で未来を手にする人類の姿が描かれる。
携帯機シリーズ
- スーパーロボット大戦BX
- 任天堂携帯機シリーズ初参戦。第3次Zと異なり尺の問題なのか、主要イベントは概ね再現されているもののかなり駆け足でストーリーが進む。今回は敵味方とも、主にSDガンダム外伝の面々と絡むことが多い。また自軍に加入するキャラクターが少なく味方MSパイロットとして使用できるのはバナージ、リディ、隠し要素のマリーダのみ。
単独作品
用語
主要スタッフ
- 製作会社
- サンライズ
- 原作
- 矢立肇・富野由悠季
- 監督
- 古橋一浩
- シリーズ構成・脚本
- むとうやすゆき
- キャラクターデザイン
- 安彦良和(オリジナル)、高橋久美子
- メカニックデザイン
- カトキハジメ、佐山善則、石垣純哉、玄馬宣彦
- 音楽
- 澤野弘之
余談
- 原作が文章媒体という事もあるためか登場人物の設定(特にジオン側の人間に顕著)を始め、性的及び残酷要素が多く見受けられる事でも有名。OVA及び漫画版ではこれらは若干マイルドに描かれている。
- また729と920の番号を持つ特殊部隊、正体不明のシーゴーストに撃沈される潜水艦ボーンフィッシュ、圧死するキクマサ等、ところどころに福井晴敏作品のセルフパロディが取り入れられている。
- 映像化にあたり、出番等を削られたり大幅な変更を行われたり登場すらしない人物が出ている。また、それとは別に原作にはないシーンや設定が増えている。
- 原作小説の著者である福井晴敏氏は『∀ガンダム』の小説版も執筆している。今でこそガンダムファンとして知られる福井氏だが、当時は数々の賞を受賞した作家がアニメのノベライズを担当するということで話題になった。
- ちなみにその内容はというと、中盤まではアニメ本編に準ずる形でストーリーが進行していくものの、終盤には敵味方共に多数の死者が発生し、主要人物も次々に命を落としていくといういわゆる『黒富野』を彷彿とさせるものだった。そのため『UC』でも同様の悲劇が繰り広げられるのではないかと戦々恐々としていた読者も多い。
- OVA版の結末は(前情報は貰っていたが)スパロボスタッフ側も実際に確認したのは一般視聴者と同じタイミングで、視聴後即座に「天獄篇でのガンダムUCの再現をどうするのか」という会議が行われた事がうますぎWAVE第402回で寺田プロデューサーの口から明かされた。
商品情報
OVA
資料リンク
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