一年戦争
一年戦争(One Year War)
『機動戦士ガンダム』作中に起きている戦争。
名称は、宇宙世紀0079年1月3日にジオン公国が地球連邦政府に宣戦布告し、宇宙世紀0080年1月1日に終戦協定を結ぶまでの期間がちょうど1年間であることに由来する。
当初こそモビルスーツを主体としたジオン公国軍が優勢であったが、元々国力で勝る地球連邦軍は「V作戦」を経て高性能MSの開発・生産に成功。徐々に形勢が逆転し、最終的にはジオン公国における指導者層であったザビ家の一族がことごとく死亡したために地球連邦軍の勝利に終わった。[1][2]
SRWでは主に過去の出来事として扱われていることが多く、いわゆる旧式扱いとして主人公メカも含め散々なステータス設定をされることが多かった。 しかし、『スーパーロボット大戦GC』以降は一年戦争の展開をメインに扱う作品も出てきており、一年戦争関係機体のステータスも見直しが掛かった。また、主役メカ三機(ガンダム、NT-1アレックス、ガンダムEz-8)に関しては高威力の必殺技が実装されるなど十分最後まで使っていける性能になっている。
関連人物
地球連邦軍
- レビル将軍
- 一年戦争における地球連邦軍の最高司令官。モビルスーツ開発計画「V作戦」の推進者でもある。
- ホワイトベース隊
- 新型強襲揚陸艦「ホワイトベース」を旗艦とし、「ガンダム」をはじめ数機の最新鋭のモビルスーツを保有する地球連邦軍の別働部隊。指揮官はブライト・ノア。
- 第08MS小隊
- 地球連邦軍のアジア方面軍コジマ大隊所属のモビルスーツ部隊。隊長はシロー・アマダ。
ジオン公国軍
- ザビ家
- ジオン公国公王デギン・ソド・ザビを長とする一族。彼の長男であるギレン総帥が、ジオン公国軍の最高司令官として一年戦争を主導した。
- サイクロプス隊
- 新型ガンダムの調査・破壊を任務とするジオン公国軍の潜入工作部隊。隊長はシュタイナー・ハーディ。
関連用語
- 一週間戦争
- U.C.0079年1月3日からU.C.0079年1月10日までの開戦から一週間までの間に起きた戦役。
- ジオン公国が地球連邦政府に宣戦布告。サイド1(ザーン)、サイド2(ハッテ)、サイド4(ムーア)を強襲。同時に月面都市グラナダを同時攻撃し、制圧。
- ジオンの攻撃を受けたサイドはNBC兵器による無差別攻撃を受けたため、殆どの住民が殺戮される。この時点で犠牲者は全人口110億人中、28億人にも及んだ。
- ブリティッシュ作戦
- ジオン公国軍が挙行した宇宙世紀史上初となるコロニー落とし。
- サイド2(ハッテ)の8バンチコロニー「アイランド・イフィッシュ」に核パルスエンジンを取付けて、地球の連邦軍最高司令部ジャブローへ降下される。
- しかし、連邦宇宙軍艦隊の必死の抵抗や地上軍の核ミサイル攻撃により、大気圏突入後にアラビア半島上空でコロニーが空中分解したため、ジャブローは直撃を逃れる。
しかし、コロニーの破片は地球上に降り注ぎ、コロニー前方のベイ部分はオーストラリアのシドニーが消滅し、他にも大型破片がロシアのバイカル湖と北米大陸に落下。細かい破片はアメリカ大陸、ユーラシア大陸に降り注ぐ等、多くの人類が犠牲になった。
- ルウム戦役
- サイド5(ルウム)周辺で起きた艦隊戦。ジオン公国は再度のコロニー落としを画策し、サイド5へ侵攻。この動きを察知した連邦ルナツーで動員可能な宇宙艦艇をかき集めて、決戦に及んだが、3倍の戦力を有していた連邦軍がジオンのモビルスーツの威力を前に惨敗し、レビル将軍を捕虜にする等、ジオン公国軍の大勝利に終わった。
- 「赤い彗星」の異名で知られるジオン公国軍のエースパイロットであるシャア・アズナブルのデビュー戦としても有名。
- 南極条約
- 当初はジオン側に有利な休戦条約になるはずであったが、ジオン公国軍からの脱走に成功したレビル将軍の「ジオンに兵なし演説」によって連邦政府が継戦を決意したため、戦時条約へと変更となり、ジオンの短期決戦プランは瓦解する。
- 地球降下作戦
- ジオン公国軍による地球占領作戦。オデッサ、キャルホルニアベース、ペキン、キリマンジャロ等の重要拠点を制圧。しかし、地球上ではMSは単なる陸戦兵器に留まり、連邦軍相手に有利な戦闘を繰り広げても物量の問題もあり圧倒までは至らず、また地球環境は環境整備されたコロニー市民には過酷であったため、攻めきる事が出来ずに各地が戦線化して膠着した。
- サイド7遭遇戦
- U.C.0079年9月18日に起きた宇宙世紀史上初となるガンダムとザクIIによるモビルスーツ同士の戦闘。これ以降、地球連邦軍の反攻が始まる。
- 後に、地球連邦軍のエースパイロットとなるアムロ・レイの初陣としても有名。
- ニューヤーク遭遇戦
- 地球連邦軍の別働部隊「ホワイトベース隊」とジオン公国軍との戦闘。ジオン公国軍の将であるガルマ・ザビが戦死。
- オデッサ作戦
- 地球連邦軍による大反攻作戦。レビル将軍の指揮の元、地球連邦軍の勝利に終わる。
- ジャブロー侵入
- 地球連邦軍の本拠地「ジャブロー」にシャア率いるジオン公国軍の特殊部隊「マッドアングラー隊」が侵入するも、撃退する事に成功する。
- チェンバロ作戦
- 地球連邦軍艦隊がジオン公国軍の宇宙要塞「ソロモン」へ侵攻。ソーラ・システムを初使用する。ソロモンの守将であるドズル・ザビが戦死。
- ソーラ・レイ照射
- ジオン公国軍が宇宙世紀史上初となるコロニーレーザー「ソーラ・レイ」を使用する。
- これによって、レビル将軍を含めた地球連邦軍の将兵およびジオン公国の公王であるデギン・ソド・ザビが死亡した。
- 星一号作戦
- U.C.0079年12月31日。地球連邦軍は残存艦艇を再編し、ジオン公国軍の最終防衛ラインである宇宙要塞「ア・バオア・クー」を攻略した。
- なお、その戦闘中にジオン公国軍の指導者層であるギレン・ザビおよびキシリア・ザビが内輪揉めで死亡しており、ジオン公国軍の敗北が確定。
- U.C.0080年1月1日に地球連邦政府とジオン共和国との間に終戦協定が結ばれた。
関連作品
現在のところ、一年戦争の開戦から終戦までの経緯を一続きで描写している映像作品は存在していない(余談の欄も参照)。
- 機動戦士ガンダム
- サイド7遭遇戦からア・バオア・クー攻略戦までを描いている。
- 機動戦士ガンダム 0080 ポケットの中の戦争
- 一年戦争最末期にサイド6「リボーコロニー」で起きた新型ガンダムを巡る戦闘を描いている。
- 機動戦士ガンダム 第08MS小隊
- ニューヤーク遭遇戦以降に地球上で展開された連邦・ジオン間の戦役を描いている。
『スーパーロボット大戦COMPACT』における一年戦争
本作は「宇宙世紀00XX年における一年戦争後半」の出来事として扱われている。本作の「一年戦争」もまた地球連邦とジオン公国の独立戦争であることに変わりなく、ジャブロー侵入から物語が始まる。
ただし、本作では『機動戦士ガンダム』に相当する出来事は、本編の2・3年前における「Dr.ヘルの蜂起」や「メガノイド戦役」に置き換えられている。そのため、ホワイトベース隊をはじめとする地球連邦軍はジオン軍と協力し、Dr.ヘル一派、メガノイド、ムゲ帝国を打倒したことになっている。
ゆえに、本作の「一年戦争」は、前半が『Ζガンダム』のグリプス戦役、後半が『ΖΖ』の「第1次ネオ・ジオン抗争」に相当する出来事として扱われている。
前半(本編前)
前半はロンド・ベルやティターンズを擁する地球連邦と、シャア・アズナブルやハマーン・カーン(『Ζ』時点)を軍高官に据えたジオン公国との戦争が展開された。
後半(本編)
後半ではジオン軍のジャブロー侵入時にロンド・ベルとシャアの部隊がバイストン・ウェルに召喚され、膠着状態に陥る。二部隊が地上に帰還した後、ギレン・ザビとキシリア・ザビが何者かに暗殺され、ジオン公国がネオ・ジオンに再編される。
この政変に前後して、
- バーム星人との開戦
- Dr.ヘル一派の再蜂起
- 地底勢力(妖魔帝国、ミケーネ帝国、百鬼帝国)の地上進攻
- 反地球連邦勢力(ティターンズ、マリーメイア軍、クロスボーン・バンガード)の反乱
- ムゲ帝国の地球再侵略
が相次ぐ。更には
が重なり、メガノイド戦役以上の混沌とした戦争になった。
余談
- 既述したとおり、一年戦争を題材にしたガンダムシリーズ作品は多数存在しているが、一年戦争の開戦から終戦までの経緯を一続きで描いた映像作品は現在のところ存在していない。
脚注
資料リンク
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