ザク

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MS-06F ザクII(Zaku II)

※本稿では最も多く登場した「F型」について記述する。

ジオニック社が開発したジオン公国軍の量産型モビルスーツ。正式名称は「ザクII(ツー)」であり、主に「ザク」と呼ばれる機体は本機の事を指す。MS-05BザクIを改良した機体であり、動力パイプを機体外へ露出させる事で運動性を向上させ、同時に稼働時間の延長なども図られている。また、オプション装備も実に多彩である。本機は、初期量産型であるC型の改良型で、南極条約にて使用が禁止された耐核兵器用の装備を外し、軽量化が図られている。

なお、機動戦士ガンダムの劇中において、宇宙空間や地上を問わず活躍を見せているが、実はザクは「F型」と「J型」の二種類に分かれており、F型は宇宙空間戦闘、J型は地上戦闘に特化した調整が行われている。その為、一見外見は全く同じに見えても、中身の一部構造はまったく異なる物となっていると言っても良い。一応、F型でも重力下の運用は可能ではあるが、性能が環境によって左右されやすくなってしまっている。この為、ザクは汎用性が高いものの、万能型のMSとは言い難く、その点に関しては、ガンダムジムに一歩劣る機体である。

劇中ではジオン軍の主力として多数が登場しており、一年戦争時に連邦・ジオン双方で開発されたモビルスーツの中では最大級の生産数を誇った。また、ザクIIは様々な環境に適応するために多数のバリエーション機体が開発されており、特にF型は全てのバリエーションの基となっている。具体的なバリエーションはMS-06A、C、D、E、E-3、F、FS、F-2、FZ、G、J、JC、K、M、RP、R-1、R-1A、R-2P、R-2、RD-4、S、V、W、Zなど。一年戦争終結後もジオン軍の残党や連邦軍などによって運用されているものも多い。

実はその装甲は60mmバルカン砲でも余裕で貫通されてしまうほど貧弱なのだが、ゲームの影響もあってあまり知られていない(ゲームの都合上、どうしても被弾が避けられない仕様になる為、ジオン軍MSは強めに設定される事が多い。第2次大戦のドイツは強かった的な)。だが、逆にそんな能力しかもたない上に本来、空間戦用兵器であったMSで、物量でも劣っているというのに空挺・対空・砲撃・白兵までこなしてしまったジオン兵達の力とはいったいどれほどのものだったのか…想像を絶するものであった事だけは間違いないだろう。それのエースともなれば、色を塗って角も付けたくなるというものである。

そもそもにして、MSとはジオン公国が正面からの近代的物量戦争では地球連邦軍に勝てない事を悟り、造り出した兵器である。その思想の根幹は「優良種たる我々ならば、技術で持ってこれを克服できる」であり、この「物量で負けている分は技量で補えばいい」的思想は後の時代のジオン系MSにも連綿と受け継がれていく事になるのである。 「ザク」という機体は後のジオン系組織にとっては象徴的存在であるが、特に残党組織の傾向として見られる「過去の栄光」としてしがみつく対象であったり、ネオ・ジオンのザクIIIやギラ・ドーガのコンセプトである「汎用的な高性能兵器」という意味合いなど、組織の懐具合や勢いに応じて様々な思いの込められている機体として語り継がれている。

∀ガンダム』では、本機のレプリカであるMS-06 ボルジャーノンが登場しており、『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』では本機をリファインしたZGMF-1000 ザクウォーリアが登場している。

登場作品と操縦者

ザク改が登場することが多いので、一般兵仕様のザクIIの参戦はそこまで多くない。

旧シリーズ

スーパーロボット大戦
第1話などに登場。これといって特徴のない、ただのザコキャラ。
第2次スーパーロボット大戦
DC所属の兵器として登場する。
第2次スーパーロボット大戦G
ザコの役目を微妙にゾロ辺りに獲られている。珍しくクラッカーを標準装備。
第3次スーパーロボット大戦
DCの戦力として登場する。バーニィ説得することで入手もできるが、終盤なので戦力にはならない。
スーパーロボット大戦EX
バーニィが乗る。第4次以降はザク改に出番を奪われるため、しばらく登場しなくなる。
第4次スーパーロボット大戦
第4次スーパーロボット大戦S
スーパーロボット大戦F
スーパーロボット大戦F完結編
上記の通り、登場していない……が、ザク改のマップ上のアイコンはどう見てもザクIIである。

携帯機シリーズ

スーパーロボット大戦A
毎度のやられ役、かと思いきや、独特のシールドシステム(HP方式)のおかげでかなり耐える。後のリメイク時にスタッフから「肩にもう一機ザクが付いてる」と評される程。

単独作品

スーパーロボット大戦64
スペシャルズゲリラ兵が搭乗。ザクII表記だが、F/F完結編のデータを流用しているのか、武装がザク改のものになっている。
スーパーロボット大戦GCXO
ザクII表記。一年戦争(含『08小隊』『0080』)メインのシナリオのおかげでザクII改との競演が実現。また捕獲システムの説明イベントでアムロに達磨にされる悲惨な出番も。非常食に変換できるのが何気においしい。

Scramble Commanderシリーズ

スーパーロボット大戦Scramble Commander
マシンガン携行タイプとバズーカ携行タイプの2種類が登場。

装備・機能

武装は各機種によって異なる。

武装・必殺武器

120mmマシンガン
通称「ザク・マシンガン」。上部にドラムマガジンを装備し、そこから給弾する。本機の主兵装。実は口径だけならガンタンクの主砲と同スケールという、機関砲系武装としては破格の大口径砲だったりする。しかしガンダムの装甲の前にはかすり傷一つ負わす事ができない。
ヒートホーク
接近戦用の斧。刃の部分から高温を発し、敵機の装甲を焼き切る。対モビルスーツ戦を意識して、キシリア・ザビが提案した事がきっかけで装備される事となった。
280mmバズーカ
通称「ザク・バズーカ」。元々は核弾頭発射用に開発されていた。南極条約締結後は通常の弾頭が使用されている。
クラッカー
炸裂弾式の手榴弾。腰部にマウントしており、マニピュレーターで投げて使う。主に陸戦で使用される。
3連装ミサイルポッド
両脚に装着して使用する。こちらも主に陸戦に使用されるが、宇宙でも使用可能。また、グフなどに装備される事もある。
マゼラトップ砲
マゼラトップの主砲を取り外し、モビルスーツ用の携行兵装に改良したもの。
シュツルムファウスト
MS用のロケットランチャー。命中精度は低いが無反動で撃てて、かつ広範囲に爆風を起こす牽制用の武装。
シールド
右肩に装備されている実体盾。

特殊能力

剣装備、盾装備
切り払いシールド防御を発動。

移動タイプ

対決

ガンダム
初のモビルスーツ同士の戦闘になった。

関連機体

参戦済み

ザクI
旧型のザク。史上初のMS。
シャア専用ザク
S型のシャア専用。
グフ
対モビルスーツ戦を意識した陸戦用。
高機動型ザク
エースパイロット用に開発した機体だが、スパロボでは単なる強化型。
宇宙用高機動試験型ザク
リック・ドムの脚部を取り付けた機体。
ザク改
旧シリーズでは登場するのはこちら。大戦後期型。
ザクIIF2型
第2次αに登場するのはこっち。大戦後期型。
ハイザック
連邦軍が開発したザク系列。「連邦の物は連邦の物。ジオンの物も俺の物」という発想から作られた。
ザクIII
連邦のザクであるハイザックに憤ったネオジオンによって開発されたザク。重MS的フォルムながら高い汎用性を持つ。
ギラ・ドーガ
第二次ネオ・ジオンの主力機。"ザク"の直系ではないがその思想を受け継いでいる。
ボルジャーノン
レプリカだと考えられる。推進剤が存在しないため、移動は徒歩。
ザクウォーリア
C.E.世界のザクだが、高性能量産機である。パイロットの腕次第では大気圏突入も可能(飛べないけど)。
ザクファントム
指揮官機。

未参戦

ザクIIJ型
F型の重力下仕様。空間戦用の装備が外され、軽量化している。特に言及はされていないが、『機動戦士ガンダム』にて地上戦で登場するザクの大半は本機であると思われる。
ザクIIJC型
機動戦士ガンダム 第08MS小隊』にて登場。外見がJ型と少し異なっているが、性能的な違いについては不明。
ディザート・ザク
機動戦士ガンダムΖΖ』『機動戦士ガンダムUC』(SRW未登場)にて登場。J型のバリエーションであるザク・デザートタイプを連邦軍基地から強奪した資材でさらに改修した機体。ビーム兵器も使用可能。
ザクキャノン
機動戦士ガンダム 第08MS小隊』、『機動戦士Ζガンダム』『機動戦士ガンダムUC』(SRW未登場)などで登場。背部にキャノン砲を装備した支援機。グリプス戦役時には連邦軍が地上用だけでなく、宇宙用に改修し配備した。
ザクタンク
機動戦士ガンダム 第08MS小隊』、『機動戦士Ζガンダム』にて登場。大破したザクの上半身とマゼラベースを接合している作業用の機体。グリプス戦役時にもジャブローにて運用されているのが確認されている。
ザク強行偵察型(ザクフリッパー)
機動戦士Ζガンダム』にて登場。ザクを偵察用に改修した機体で、各部にカメラが設置されている。戦闘力はほぼ皆無。ミノフスキー粒子下でも非常に高性能で、ガブスレイやギャプランのカメラアイはこの機体の物を参考にしている。
RFザク
機動戦士ガンダム F90』、『機動戦士クロスボーン・ガンダム』にて登場。オールズモビルが開発しており、見た目こそザクIIを模しているが時代早々の高性能を誇る。宇宙世紀0133時にも木星帝国軍と交戦したコロニー軍の機体の中に本機の姿が確認されている。
アクトザク
ペズン計画で開発されたモビルスーツ。形式番号はMS-11。間接部にマグネットコーティングを施されさらにビーム兵器の運用が可能になっており元のザクとは比べ物にならないほどに強化されている。しかし、試作段階で終戦を迎えてしまったため一年戦争には投入されることはなかった。(一部ゲーム作品では唯一実戦に投入された一機が存在するが…。)戦後、生産施設を連邦が接収し少数が生産され研究用やテスト用に使用された。実は『機動戦士Ζガンダム』にてロザミアギャプランに随伴する形で登場している。
ザクII(MS-06A)
『MSV-R ジョニー・ライデンの帰還』で登場した、初期生産タイプ。マシンガンもバズーカも初期型で、マシンガンは特に変わってないがバズーカは先端から詰め込む仕様になっている。外見の違いはほとんどないが、肩にスパイクが無いのが相違点。

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