オードリー・バーン
オードリー・バーン | |
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外国語表記 | Audrey Burne |
登場作品 | |
声優 | 藤村歩 |
本名 | ミネバ・ラオ・ザビ |
種族 | 地球人(スペースノイド) |
性別 | 女 |
生年月日 | 宇宙世紀0079年 |
年齢 | 16歳 |
出身 | サイド3(ジオン公国) |
所属 | ネオ・ジオン軍(袖付き) |
概要
『UC』以前のミネバ・ラオ・ザビとしての詳細は当該項目を参照。
ミネバがバナージ・リンクスと出会った際にとっさに名乗った偽名。その由来は往年の名女優「オードリー・ヘプバーン」から(OVA版第1巻では映画『ローマの休日』のリバイバル上映がされており、この名前を名乗る前に一瞬そのポスターに目を向ける演出がされている)。
父親はドズル・ザビで、母親はゼナ・ザビ。祖父がジオン公国公王だった故デギン・ソド・ザビで、公国崩壊後はオードリー(ミネバ)が事実上唯一のザビ家の後継者である。また、自身がジオン総帥として様々な大罪を犯した伯父ギレン・ザビの姪である事を強く自覚している為か、誰に対しても毅然とした態度を崩さずにいる。しかしそれはあくまでミネバ・ラオ・ザビとして接しなければならない相手や状況の場合であり、親しくなってからのバナージなど、気を遣わなくて良い相手や状況では年頃の女の子らしい面を覗かせる。
解放されれば地球連邦政府が崩壊すると言われるラプラスの箱をビスト財団当主カーディアス・ビストが袖付きに譲渡しようとしていることを知り、それを阻止するため、彼との交渉に工業コロニー「インダストリアル7」に向かった輸送艦ガランシェールに密航する。「インダストリアル7」への到着後、秘かに船を離れることに成功するが、誤ってコロニー内に弾き飛ばされ、落下しているところをバナージ・リンクスに助けられる。
カーディアスとの接触までの下りは原作小説版とOVA版以降で異なり、原作小説版では助けられた後一旦バナージと別れて単独でカーディアス邸に向かっておりマリーダ・クルスとの邂逅で追われている事を知ったバナージに再度助けられて共に向かうことになる。OVA版以降は助けられた後も彼にカーディアス邸に案内されており、後述のホットドッグや上述のポスターを見て偽名を名乗る場面もこの時に追加された物。
登場作品と役柄
Zシリーズ
- 第3次スーパーロボット大戦Z時獄篇
- 非戦闘キャラだが、スパロボ初の声付き登場であり、担当声優の藤村氏は初の版権作品の参戦となる(今作で藤村氏はMIXと兜シローの2人も担当している)。
- 今作ではスパロボであまり活かされなかったミネバの影武者設定が使われ、子供のミネバは偽物だと劇中で仄めかされている(つまり、成長期や時空の歪みによるものではない)。その為、『Z』に出てきたミネバとは別人という事になる。
- 中盤で原作通り正体が自軍に露見して、Z-BLUEから離脱する。離脱するまでは他作品の仲間たちとの交流が描かれることも多く、シナリオ上での扱いも悪くない。
- 第3次スーパーロボット大戦Z天獄篇
- 顔グラフィックが全面的に変えられており、原作終盤の姿になっている…が、原作再現がまだ中盤であるにもかかわらず変えられているため違和感が大きくなっている。
携帯機シリーズ
- スーパーロボット大戦BX
- 今作ではブレラにユニコーンガンダムの元に導かれるためカーディアスの最期に立ち会うことになる。第38話以降は、戦術指揮を担当。
単独作品
- スーパーロボット大戦V
- NPC。ミネバ・ラオ・ザビ名義で、オードリーとしてはキャラクター事典に登録されない(その為、本編登場前にオードリー名義で登場する中断メッセージを見ても登録はされず、事典に飛ぶこともできない)。
- 今回は人質にされるイベントがないので、正体が露見しない。後半、ナナイ・ミゲルの立ち上げた反戦組織ラプラスに所属し、戦争以外で戦いを終わらせる方法を模索する。
- 自分のために戦ったバナージの目の前で、ジュドーにユニコーンに乗ってみないかと聞くという失言をしてしまう(しかもロンド・ベルルート第24話ではこの件が原因でバナージはNT-Dに心を呑まれかけた)。彼女としてはバナージが無理に戦う必要はない、という気遣いのつもりであったが、逆効果であった。
- 色々拗らせたリディに「バナージさえ居なければ俺と一緒にいてくれたはず」とまで言われるが、原作と変わらず彼女の方はリディに全く恋愛感情がない。
- 困難ルートEDではネオ・ジオンをフロンタルやナナイに完全に任せた上でザビ家も捨てることを語り、今後の事をバナージと模索する事になる。
ステータス設定の傾向
戦術指揮
- 精神耐性、精神ポイント20上昇、獲得経験値10%上昇
- 『BX』で採用。同作屈指の強力な効果である「精神ポイント20上昇」の持ち主で、かつ他の2人より早いタイミングでその恩恵に与れるのがアドバンテージとなっている。
人間関係
- バナージ・リンクス
- 工業コロニー「インダストリアル7」にて命を救われる。一度はバナージの願いを拒絶するが、やがて彼と惹かれあっていく。
- なお、バナージはオードリーをけっして本名の「ミネバ」で呼ばず、専ら偽名である「オードリー」の方で呼んでいる。これは君が誰だって構わない(出自や身分は関係ない)というバナージの想いを表している。
- リディ・マーセナス
- オードリーの素性を知らないまま、彼女に一目惚れするが…。
- 基本的にオードリー側はリディの事を異性として意識していないのだが、家柄に縛られたもの同士という一種のシンパシーを感じてはいる。『V』ではバナージさえ居なければミネバは自分と共に歩む道を選ぶことができたというかなり拗らせた発言をされているが、前述の通りどっちにしろ脈はない。
- フル・フロンタル
- 「ラプラスの箱」を狙う彼を危険視している。
- かつてはその姿に縋ったこともあると述懐しているが、彼自身が実の父親の様に慕っていたシャアを演じようとする姿勢に嫌悪を感じており、フロンタルの真意を知った後には「空っぽな人間」と酷評している。
- スベロア・ジンネマン
- 長年逃亡生活を続けるオードリー(ミネバ)を守り、支えてきた。
- マリーダ・クルス
- 部下だが、彼女の場合はあくまでもジンネマンの方針に従っているだけという印象が強い。
- しかし、物語終盤には昏睡状態にあったマリーダがミネバの呼びかけで覚醒したり、最期の瞬間にも戦死によってこれ以上付き従えなくなったことをミネバに謝罪するなど、ただの部下以上の信頼関係を結んでいたことがうかがえる。
- ダイナーの老主人
- 地球に降りたオードリーと対話したダイナー(食堂の一種)の老主人。
- 「(初めは善意から始まったことが後に悪い結果を招く場合もあるが、それでも)善意を否定してしまったら、この世は闇だよ」という彼の言葉は、オードリーのその後の行動に大きな影響を与えた。
- 余談だが、ダイナーの老主人を演じた声優はガルマ・ザビ(オードリーことミネバの叔父)を演じた森功至氏である。
- 『BX』において彼が客のオードリーに対して淹れた「ダイナーのコーヒー」というスキルアイテムが登場する。
他作品との人間関係
- シャア・アズナブル
- 生まれてすぐに死んでしまった実の父親に代わって自らの親代わりとなってくれた存在。
- シャアがネオ・ジオンの総帥として決起し、アクシズ落としの凶行に及んで永遠に消息を絶った後も、その敬愛は全く変わらず、それ故に本物のシャアを冒涜するに等しいフロンタルへの嫌悪感は、非常に強いものとなっている。
- 『第3次Z天獄篇』にて再会した際には、幼い頃から自分を支えてくれた彼に感謝の意を示しており、シャア自身も彼の父親代わりとして責任を果たすと誓っている。
- ハマーン・カーン
- 『V』では彼女を数少ない友人と呼んでいた。
- アムロ・レイ
- 『第3次Z時獄篇』で対面した際には父の仇と言うこともあってか頑なな態度を示しており、流石のアムロも負い目を感じずにはいられなかった様である。しかし、後にあることが切っ掛けで和解した。『V』では戦争で人が死ぬのは兵士の責任ではないという考えで最初から良好な関係になっている。
- フリット・アスノ
- 『BX』では、ヴェイガンへの憎しみと救世主たらんとする意志が強すぎるあまり、アスノ家が銀の盃条約で廃棄された技術の一部、すなわちAGEシステムを密かに受け継いできた真の意義に気づいていない事を指摘、EXA-DBとAGEシステムの真実に関するサイアムの遺言を伝える。
- ブレラ・スターン
- 『BX』では、彼の手引きによりカーディアスとの対面と脱走に成功、世界を見ていく。
- 矢沢永吉郎
- 『BX』では、彼が原作におけるダイナーの老主人の役割を受け持つ。
- アンジュ
- 『V』では、彼女のダグザへの言動に感銘を受ける。
- ベルナデット・ブリエット、モモカ・荻野目
- 『V』では、彼女達からオードリー自身の雰囲気や振る舞い、言動から高貴な身分の人間ではないかと尋ねられる。
名台詞
- 「私、こんな風に食べるの初めて」
- OVA版第1巻より。コロニービルダーへバナージと向かう際、生まれて初めてホットドッグを口にした際の台詞。
- 良家の育ちであるため、「手づかみで食べ物を食べることははしたない事」と教育されていたのか、少し頬を赤らめていた。俗っぽいことを知らずに育ったお嬢様らしさが見られるシーンである。
- 「ジオンの武人は貴公等ほど甘くはないぞ。ジオンの軍人なら、この間にラプラスの箱につながるものは処分することを考える」
「連邦の軍人の矜持、見せてもらおう、ダグザ・マックール中佐。その勇気があるなら、鍵を壊し、私を殺すがいい。さすれば、鍵と私の喪失によって、ネオ・ジオンに打撃を与えることはできる。あるいは、このまま何もせずに全てを奪われるか。もう猶予はないぞ……!」 - OVA版第2巻より。フロンタルが登場するシナンジュの脅威によりネェル・アーガマが撃沈の危機がさらされ、ダグザはオードリーを人質にとって対抗する。
- そこでオードリーは「ミネバ・ザビ」として、ダグザが突き付けた銃にも一切表情を変えず、毅然と振る舞う。
- ちなみに、この会話は回線を通じてフロンタルにも聞かせており、彼の翻意を誘うことも意図していたと思われるが、フロンタルには通用しなかった。
- (バナージ、やめて…!)
- 自らを守るため、素人同然でありながらフロンタル率いる袖付きにユニコーンガンダムで立ち向かおうとするバナージをブリッジのモニターで見ながら、心の中で叫んだ制止の声。
- 自分が人質にされている時にも毅然とした表情のままだったオードリーだが、この時にはモニターに映るユニコーンの背中を、悲痛な表情を浮かべて見つめていた。
- 「私にも、生まれついた家というものがあります。一年戦争の悪名を背負った家です」
「私は、政治と無関係ではいられない。また同じ過ちが繰り返されようとしているなら、命に代えても止める義務と、責任があります」 - 正体を知ったリディから、「なぜ一人で行動を起こしたのか?」と尋ねられた際の回答。
- 「リディ、私とあなたの行く道は違う」
リディ「そんなこと言ってる場合か!」
「私はザビ家の女です」
「この目でラプラスの箱の正体を見極めます。歪んだ秩序でも、戦争よりはマシだと信じてきましたが、それが人を窒息させるだけのものなら……」
リディ「ミネバ……」
「父や祖父のように大罪を犯すことになるのかもしれない……でも私は……」
リディ「一人で世界と戦うつもりか!!」
「!」
リディ「誰も世界が変わるなんて信じちゃいない。みんな自分がいない100年後の世界なんてどうでもいいんだ! そんな奴らのために、そいつらを敵に回して、そうまでして何の意味が……」
「一人ではありません」 - OVA版第5巻より。飛行中のガルダ級から脱出中に爆発に巻き込まれ空に落下しかけたところにリディが助けに現れるが、オードリーはそれを拒絶する。
- 「一人ではありません」とは、言うまでもなく"自分にはバナージがいる"ということであり、リディの彼女に対する想いはこれで完全に破れる。
- 「受け止めなさい、バナージ!」
- リディの助けを拒んで別れを告げ、飛行中のガルダ級から空へダイブした後の台詞。その“声”を聞いたバナージは、ユニコーンを駆ってオードリーを保護した。
- 乗っているものこそMSだが、完全に「お姫様のもとに白馬に乗って駆けつける王子様」という構図である。
- OVA版第5巻のこのシーンでは、自分のところに向かってくるユニコーンを本当に嬉しそうに見つめるミネバの表情が描かれていた。
- 『第3次Z天獄篇』・『BX』ではDVE。
- 「私の知るシャア・アズナブルは、本当に死んだな」
- 「赤い彗星の再来…その力強さにすがった時もあった。連邦に追い詰められた私たちには、他に何もなかった」
「でも、お前はシャアではない。私の知っているシャア・アズナブルは、人の可能性を信じていた」 - OVA版第6巻より。一行目はフロンタルが「サイド共栄圏」構想を披露した際の台詞、二・三行目は交渉決裂後のネェル・アーガマのデッキにて。
- シャアは凶行に走っても、人の革新という普遍的な目標を完全には捨てられなかった(実際の所、シャアの心の奥底にある本当の動機はもっと個人的で身勝手とすらいえるものだったが、あくまでも優先順位の問題という側面が強い)。それに対して、フロンタルはアースノイドを完全に見捨てるという「現実的」な姿勢に終始したため、オードリーを完全に失望させた。
- 『第3次Z天獄篇』ではシャア本人が健在であるため、「シャアはいつでも人の可能性を信じている」と、本人に対して現在進行形で語った。
- 「無理よ」
「独りじゃ、無理……」
「私ひとりじゃ、言葉なんて生まれない。信じて、響きあって……支えてくれるものがなければ、なにも……」
「……約束しなさい。必ず戻る、私を独りにしないって」 - OVA版第7巻より。「ラプラスの箱」の処遇は君に決めて欲しい、とバナージに言われたオードリーは、その重い責任を独りきりでは背負えない、と他の誰にも見せなかった弱音を洩らす。
- バナージは無意識に「ミネバ・ラオ・ザビ」に責任を押し付けようとしていたことに気付き、自省の念と共に彼女を弱音ごと抱きしめ、オードリーと二人で「ラプラスの箱」と向き合うことを決意した。
- 戦いが佳境を向かえ、ミネバとして振舞わざるを得ない彼女にとって、バナージはオードリー…ただの少女として振る舞い、弱音も言える唯一無二の存在になっていた。
- 「私たちはここに残ります」
バナージ「オードリー!?」
「自信があるのでしょう?やってみなさい。そして、必ず帰ってきて。約束を違えることは許しません!」 - OVA版第7巻より。メガラニカがコロニー・レーザーで狙われるにあたり、ユニコーンのサイコ・フィールドでコロニー・レーザーを防ぐことになったとき、バナージからメガラニカから退避することを勧告されたときにこう返す。バナージに対する信頼と、彼を想う心が、その毅然とした口ぶりの中に感じられる。微塵も疑うことなく彼を一途に信じている。サイアムの言うとおり、バナージもいい連れ合いを持ったものである。
迷台詞
- 「お父様!? ご、ご健勝で何より……」
- 『真・ガンダム無双』にて、バナージと一緒にユニコーンガンダムに乗っている状態でドズルと遭遇した時の台詞。突然の再会と気まずさに、動揺を隠せない。
スパロボシリーズの名(迷)台詞
Zシリーズ
- 「何だろう、胸がキュンキュンする…」
- 『第3次Z時獄篇』第17話「善意のトレスパス」/「後の祭りのフェスティバル」より。ボン太くんを見た時のコメント。それ違う人です。
- 「いえ、タコヤキはムンゾに限ります」
「昔、そんな話を読んだんです」 - 『第3次Z時獄篇』第17話「後の祭のフェスティバル」のエンドデモより。
- 元ネタがわからない人もいるだろうが、『ヒーロー戦記』のネタである。一発でわかった人がいたら相当なスパロボフリークであろう。ちなみに、ムンゾとはサイド3の別名。
- 同作のミネバはこの一件でアムロになついていたのだが、こちらでは関係性は真反対でネタだけが拾われているという構図に皮肉が利いている。
- 元の台詞の方はこちらを参照。
- 「そういった遠まわしに他人の心を探る権利があなたにあるのですか? それはロボットも人間も関係ありません。恥ずべき行為であると知りなさい」
- 『第3次Z時獄篇』第23話「次代を担う者」より。隊内で唯一オードリーの正体を知るAGが鎌をかけてきたのに対して、毅然と叱責する。
携帯機シリーズ
- 「その気もない癖に、それらしい振る舞いをする…。この声の主、好きにはなれませんね」
- 『BX』第12話「それぞれの決意」より。ロッドと対峙した際に。ロッドの声があの男と同じである事に由来する声優ネタの一種である。
- さらに言えば、ロッドの本性は粗暴な口調の持ち主なので、彼の本質を見事に衝いた台詞でもある。
- 「ガンダムの姿をした生命体…。そんなモノが存在するなんて…」
- 『BX』第13話「ガリアンの目覚め」より。騎士アレックスを見たときの反応。実はスパロボ内で初めてSDガンダムを初見で「生命体」として見たシーンである。今作でも初見の人物達から「超小型のガンダム」や「中に人が入っているのでは?」と思われているので、オードリーの観察眼の鋭さが分かる一幕。
- 「ホットドッグとタコ焼き…バナージへのお土産をどちらにしようかと…」
- 『BX』のキャンペーンマップ「ハイスピードチェイサー」エンドデモにて、夜店の屋台に関するチャムと地球防衛組のやり取りを見ながらの思案。
- いつかどこかで食べた記憶でもあるのか、タコ焼きに心惹かれるものがあるようだ。
資料リンク
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