Vガンダム

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Vガンダム
外国語表記 Victory Gundam
登場作品

ガンダムシリーズ

デザイン カトキハジメ
分類 汎用可変モビルスーツ
生産形態 量産機
型式番号 LM312V04
全高 15.2 m
本体重量 7.6 t
全備重量 17.7 t
動力 熱核融合炉
ジェネレーター出力 4,780 kw
スラスター推力 7,390 kg×6
4,420 kg×8
アポジモーター 34
浮揚機関 ミノフスキーフライト
装甲材質 ガンダリウム合金スーパーセラミック複合材
ハードポイント数 8
開発 リガ・ミリティア
所属 リガ・ミリティア
主なパイロット ウッソ・エヴィン
マーベット・フィンガーハット
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概要

リガ・ミリティアが自らの象徴として開発した量産型可変モビルスーツ。Vは「ヴィクトリー」と読む。V2ガンダム登場後は「V1」の愛称で呼ばれた。

機体概要

トップリム(ハンガー)、ボトムリム(ブーツ)、コアファイターの3つのパーツで構成され、各パーツを分離変形合体させる事でモビルスーツとしてだけでなく戦闘機として運用する事も可能。また、このシステムを採用した事によって機体の一部が破損してもすぐに交換して再出撃できるようになっている。ゲリラ戦も想定して造られている為に整備も非常に簡単。量産型とワンオフ機の両方のメリットを兼ね備えた高級量産機である。

コアファイターにはミノフスキーフライトが内蔵されており、従来のモビルスーツと比較してもかなり高い飛行能力を持つ。

量産を前提にしている為、(コアファイターの製造には高い技術とコストが必要とされるが)ハンガーとブーツは消耗品として多数が生産されている。そのため本来は兵器として使用するものではないが、相手の意表を突く奇襲戦法としてハンガーやブーツを敵機にそのままぶつけるという荒業が可能だった。本機は後に量産され、リガ・ミリティアの主力となった。

ちなみに、機体構造の問題からか、コクピットには全天周囲モニターやリニアシートが採用されておらず、一年戦争時のモビルスーツのような仕様になっている。

モビルスーツ形態での飛行能力の他に、原作では全パーツが合体したまま変形した形態やGジェネシリーズでは変形形態(トップファイター+ブーツに分離)も存在する。これはV2ガンダムも同じ。

構成機体

コアファイター
頭部・胸部になる中核パーツ。コクピット部分を内蔵し、小型戦闘機としても運用できる。
トップリム(ハンガー)
上半身になるパーツ。武装が集中している。コアファイターから遠隔操作が可能。
各ハードポイントに武装を装着できる他、ビームシールドやビームサーベルも内蔵している。
ボトムリム(ブーツ)
下半身になるパーツ。スラスター類が集中している。コアファイターから遠隔操作が可能。
各ハードポイントに武装を装着できる。内蔵武装が無くスピードが出るため、作中では特に質量弾として使われる事が多かった。

各形態

コアファイターとどちらかのパーツ1つが合体した形態。この状態でも不完全ながらMS形態に変形できる。

トップファイター
コアファイターとトップリムが合体した形態。
ボトムファイター
コアファイターとボトムリムが合体した形態。
スラスター類が集中しているため高い機動性を持つ。

劇中での活躍

最初はテストパイロットだったマーベット・フィンガーハットが使用していたが、彼女の負傷により、ウッソ・エヴィンがメインパイロットを務める事になった。物語前半からウッソ機以外の機体も複数登場し、当初はガンイージなどに乗っていたシュラク隊も、後半では続々とVガンダム・Vダッシュガンダムに乗るようになる。だが、そのシュラク隊の全滅に見られるように、それまでのガンダムシリーズにはありえないほど「墜とされたガンダム」ともなってしまう。

物語中盤以降、ウッソ以外のキャラクターはヘキサタイプの機体に搭乗するようになったため、V字アンテナの機体はウッソだけが搭乗していた。このウッソ機はV2ガンダム乗り換え時の戦闘でコアファイターが失われるが、その後マーベットの機体の頭部を換装したことで、再び作中に登場することになった。終盤ではマーベットの妊娠によりホワイトアークに搭載されたままとなり、戦争が終結した後、カサレリアにてV2ガンダムと共に放棄された。作中同一機でないにせよ、地球・宇宙・月を転戦して終戦を無事地球で迎えた演出が為された、初の主役機ガンダムであった。

『Vガンダム』と時系列が同じ『機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴースト』(未参戦)では、リア・シュラク隊のドゥー・ナウガ・フルスとイー・ライチが搭乗する2機が登場するが、こちらではカラーリングが黒になっている。クロスボーン・ガンダムと戦闘の際には、隊長のトレス・マレスが搭乗するヘキサを合わせて、Vガンダムのパーツの交換の特性を用いており、フォント・ボーに「戦力の低下が少ない」と評された。のちにフォントもサイド5潜入の際に一時的にVガンダムに搭乗している。

強化装備形態

Vダッシュガンダム
オーバーハングパック装着状態。

登場作品と操縦者

基本性能は普通のリアル系機体ながら、飛行可能で移動を苦にしない宇宙世紀モビルスーツが少ない作品では、貴重な空中戦力になる。パーツアタックで序盤の瞬間火力を担える場合もある。ザブングルガンダムMk-IIよろしく主人公機ながら複数登場するのも特徴。

旧シリーズ

第2次スーパーロボット大戦G
初登場作品。第1話から使用可能で、原作第1話のVガンダムへのドッキングがイベントで再現された。隠し要素の条件を満たせば2機目を入手できる。途中でメガビームライフルが追加されるが、Vダッシュガンダムにはならない。フル改造するとビーム兵器を無効化するビームバリアジェネレーターがつくので、愛があれば最後まで使える。本作では飛べない上に移動力が低い(何故かゾロアット以下)という欠点があるので、出来れば加速を持ったパイロットを乗せたいところ。
なお、当時発行されていたゲーム情報雑誌『ファミリーコンピュータMagazine(通称ファミマガ)』にてタイトル画面で特定の行動を取るとバンプレフラッシュなるMAP兵器(攻撃範囲がバンプレストのロゴを模したもの)が追加されるというウソ技が掲載されたことがあった。

αシリーズ

スーパーロボット大戦α
α外伝』ではVダッシュガンダムの状態で初登場するので、αシリーズでは実質本作だけ。パーツアタックが初採用されたが、「ボトムアタック」でトップファイターになるだけに留まっておりハンガーは射出できない。分離は2段階。デフォルトで飛行できる点が最大のメリットである。

携帯機シリーズ

スーパーロボット大戦D
地上ルート第1話から使用可能。パーツアタックでコアファイターにまでなれるようになった。ウッソ機とマーベット機の2機が手に入る。その後、宇宙へ行く時にVダッシュガンダム換装可能になる。今回は飛行できないが、適応がSで合体攻撃もある。

単独作品

新スーパーロボット大戦
ウッソの乗機として登場。カミオン護衛マップなどのボスに太刀打ちできるのは本機しかいないので、ビームライフル一発で雑魚を落とせるくらいまで強化しよう。途中でVダッシュガンダムにパワーアップし、更にその後でメガビームライフルなどが追加され、脇を固める機体になれる。
新スーパーロボット大戦 スペシャルディスク
フリーバトルに登場するほか、おまけマップではウッソの乗機として登場する。しかし出撃させなければV2バスターガンダムに乗ったウッソが味方として登場し得る。
スーパーロボット大戦X-Ω
2016年9月開催のイベント「それぞれの痛み」より実装。SSRシューター。

装備・機能

武装・必殺武器

武装

バルカン砲
頭部左右に計2門内蔵。
ビームサーベル
両腕のビームシールドユニット内に2本ずつ計4本装備。柄部分が同じ腕の肘ユニットから手のひらまで射出されて収まるため、予備動作が少ない。また、サーベルは扇状に広げることも可能。
漫画版では七本束ねて使用したこともあり、リーンホースを襲撃してきたMS部隊を巨大なエネルギーで薙ぎ払っている(使用場面では背にした地球を超える長さで描かれていた)。
ビームライフル
本機の主兵装。グリップ部分がビームピストル、エネルギーパックと照準器がビームライフルで構成されている。手に持つだけでなく各部のハードポイントに(複数)装着して使用できる。
ビームピストル
ビームライフルのグリップを外すとビームピストルになる。低威力で射程も短い。
ビームシールド
両腕の肘に内蔵。

オプション装備

八つ手ビームサーベル
かつて開発された試作ビームサーベル。ビームサーベルの特徴を生かして八つ手とVのサーベルを繋ぎ合せて広範囲の立方体シールドを発生させ、シノーペ数隻を落としている。
D』ではVダッシュに換装すると使えなくなる。
ビームスマートガン(メガビームライフル)
開放型メガ粒子発生器を採用した高出力のビームライフル。元々は別の機体用(作中30年前、ちょうどコスモ・バビロニア戦争期に当たる)の試作ビーム砲だったが、使い勝手が良いため、旧式ながら複製・量産された。後のV2アサルトのメガビームライフルの参考にもなった。
基本的にはVダッシュの武装なので持ってないこともある。

戦法

ボトム・アタック
機体のパーツであるボトムリムを敵機に向けて対艦ミサイルのように射出する。ウッソが生み出したこの戦法は他のリガ・ミリティア隊員にも波及した。使用した直後(戦闘中に)トップファイターに変化する。
トップ・アタック
こちらはトップリムを射出してぶつける。
トップ・ボトム・アタック
トップリムとボトムリムの双方を敵機に対艦ミサイルのように射出する。直後、一気にコアファイターに変化する。
ヴィクトリー斬り
漫画版において多用する技。名前通りVの字で斬る。初使用となる2話ではビームライフルを撃ちっぱなしのまま敵に投げ、かく乱させた後に放った。
Vガンダムビームシールドアタック
ビームシールドを展開した後、高速で回転して突撃する。
連結ビームサーベル(仮称)
漫画版5話に登場。ビームサーベルを7本束にしてエネルギーを全放出、地球の直径よりも長い光の剣で敵を薙ぎ払う。通称「ウッソ君の大発明」
V昇鷹拳(ヴィクトリーホークバスター)、ヴィクトリーソルトキック、スピニングヴィクトリーキック
いずれも漫画版第6話「ガンダム拳炸裂!」にてウッソが繰り出した戦法…というか必殺技。元となった技は左から昇竜拳、サマーソルトキック、スピニングバードキック。
ストリートファイターシリーズの各必殺技が元ネタとなっており、当然ながら下記の技共々SRW未登場。
電龍衝撃波(フルバーニアンソニック)
漫画版6話にて繰り出したギンザエフ(SRW未登場)の奥義、内破砕衝撃波(バーニングソニック)をウッソが真似て放ったもの。元ネタはストリートファイターシリーズの波動拳。
曰く、「機体を破壊せずに内部の操縦者にのみダメージを与える技」らしい。このように(相手の名前と外見がほぼ元ネタそのままだった事も含めて)あまりにも露骨なパロディだったせいか、6話は単行本未収録となってしまった。

召喚攻撃

シュラク・アタック
シュラク隊のメンバーを呼び出す召喚攻撃。呼び出せるのはジュンコ・ジェンコオリファー・イノエ。『D』のみ実装。

合体攻撃

ダブル・ビーム・スマートガン
『D』のみの合体攻撃。VガンダムとVガンダムヘキサが隣接しているのが条件。

特殊能力

剣装備、盾装備、銃装備
切り払いシールド防御撃ち落としを発動する。
分離
トップファイターに分離する。
換装
Vダッシュガンダムへと換装する。

移動タイプ

飛行可能。作品によっては不可。

サイズ

M

機体BGM

「STAND UP TO THE VICTORY」
前半OP。

関連機体

Vガンダムヘキサ
頭部が別タイプの機体。
V2ガンダム
二代目主人公機。
セカンドV
小説版に登場。Vガンダムにミノフスキー・ドライブ・ユニットとオプション兵装のメガビーム・キャノン、ミノフスキー・シールド並びにそれらを取り付けるウェポン・プラットホームを装備し、装甲パーツを強化した機体で基本性能はほぼ同じ。外見はV2バスターガンダムに似ている。ゲーム『SDガンダム Gジェネレーションシリーズ』ではV2ガンダムの試作機と設定されている(小説版での説明では本機の説明のページに『next(?)』と書かれている)。間違われやすいが「セカンドVガンダム」ではない。SRW未登場。
クラスターガンダム
ガンダムF90の3号機。コアファイターを搭載しており、クロスボーン・バンガードを退けた報告を聞いた連邦軍大佐は「これからはコアファイターそのものがガンダムと呼ばれるかもしれないな」と言い残した。
『F91』と『V』を繋ぐ技術ミッシングリンクの機体でもある。SRW未登場。
V(ビクトリー)イージー
漫画『機動戦士クロスボーン・ガンダム DUST』(SRW未参戦)に登場した、手足をガンイージのもので補修したVガンダム。
ガンイージ
Vガンダムのテスト機をベースに開発された。

余談

  • ボンボン版コミックでは当時流行していた対戦格闘ゲーム『ストリートファイターII』を意識した技(波動拳やサマーソルトキック)を使用したり、騎士ガンダム風の外部装甲を取り付けられたり、7本のビームサーベルを束ねた大型ビームサーベルを使用したりした。コミック版のウッソのキャラクター性と併せて、破天荒な作風を象徴する要素となっている。
  • その身長はプラモのスケールに合わせた際に子供の手にフィットするように、前後のガンダムと比較して線の少ないシンプルなデザインは子供でも描き易くするため等、徹底的に児童層を意識してデザインされたガンダムである。
    • 放送開始前はSDガンダムシリーズの全盛期で、またΖΖ以来リアルガンダムのテレビ放送がなかったこともあって当時の子供たちの間ではガンダム=SDという印象が強く、そのせいかVガンダムは「放送終了までSD化禁止」という通達がサンライズ直々に出されていたという説がある[1]
  • お台場の実物大ガンダムに先駆けること16年前である放送当時、本機の実物大造形物が富士急ハイランドで公開された。
  • 本放送時、Vガンダム用のビームライフルが、なりきり玩具として発売され、同年・同局・同玩具スポンサーの特撮作品『特捜ロボジャンパーソン』でも用いられた。

脚注

  1. 実際、放送中に展開されたSDガンダムにはVガンダム及び同作品内モチーフのキャラクターが(表向きには)存在しない。

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