アロウズ
アロウズ(A-laws)とは、『機動戦士ガンダム00』2ndシーズンに登場する組織。
概要
「恒久和平実現」を目的として創設された地球連邦政府直轄の独立治安維持部隊。
アヘッドを始め正規軍に配備されていない最新兵器を数多く保有しており、権限も正規軍より上であるなど、強大である事がうかがえる。MSを使う通常の軍隊以外にも連邦保安局等をその傘下に置いており、全体の構成人数は4000万人規模とされる。一般には公にされていないが、圧倒的な武力と「治安維持」の名目の下、反連邦組織や連邦非加盟国などに対し弾圧や虐殺を行なっている。
「武力による戦争の根絶」という意味では、皮肉にもテロリストと見なされているソレスタルビーイングと行動が似ている。しかも、ソレスタルビーイングよりも破壊の規模が大きく、なおかつ自らが犯した悪行が情報統制によって隠蔽および正当化されるので、彼等よりタチが悪い。特にメメントモリによる虐殺行為はかなり悪質で一号機の第一射で反連邦の立場を取る中東の大国「スイール王国」の首都を消滅させる(小説版によると犠牲者は200万以上)、第二射ではリチエラ王国の軍事基地ごと100万人規模の難民キャンプを巻き添えにする。二号機に至ってはアロウズの虐殺を知った6万人の連邦市民すら反連邦勢力と見做して軌道エレベータ「アフリカタワー(旧ラ・トゥール」ごと破壊して殺戮するという暴挙に出ている。
劇中終盤では正規軍を指揮下に置いて(事実上の吸収)さらに強大な組織と化すが、イノベイター打倒され、ヴェータを失うと今までの虐殺行為全てが公にされ、最終的に解体に追いやられる。司令官であるホーマー・カタギリは自宅で割腹自殺した。 小説版ではこの際に連邦市民から大バッシングに晒され、アロウズを利用してきた地球連邦政府初代閣僚全員がリコールされるという前代未聞の事態に発展。ヴェーダと庇護者を失ったアロウズは一気に解体へと持ち込まれた。
なお、結成の原因は外伝漫画『機動戦士ガンダム00F』2ndシーズン終盤でフォン・スパーク(SRW未登場)が起こしたある大事件。詳しくは、先述の外伝漫画か本WIKI「ヴェーダ」の頁を参照。
登場作品
Zシリーズ
- 第2次スーパーロボット大戦Z再世篇
- 初登場作品。一言で言ってしまえば「ZEXISとはとことんそりの合わない敵組織」と言った位置づけである。ついでに、一般兵の名前も“アロウズ”名義である。
- 「何かしらの非道を行う(あるいは画策している)アロウズをZEXISが監査の名目で阻止する」「言いがかりをつけてZEXISに攻撃してきたアロウズを自衛のために迎撃する」という構図のステージが少なくない。
- 一方、新たなる脅威であるインサラウムの侵略に対しては静観を決め込んでおり、地球の危機そっちのけで弾圧に勤しむ姿を自軍の面々から半ば呆れられるシーンもちらほら。
- 似たような性質のOZとは同じ地球連邦軍内の組織でありながら、互いに功を争う間柄であり、犬猿の仲となっている。
- 最終的な末路は原作同様だが、弾圧や虐殺などアロウズの悪行はワイズマンにより公にされてしまった(リボンズはこれをアロウズは誰にも逆らえないことで見逃している)上に、ムゲ・ゾルバドスなどの外部から繰り返し介入を受けた事でヴェーダのネットワークは滅茶苦茶にされてしまい、結果としてリボンズは支配権を放棄。後ろ盾を失った事で崩壊していく事となる。なお、ルートによってはリボンズ一派よりも先に壊滅する。
携帯機シリーズ
- スーパーロボット大戦UX
- 劇場版設定の為、既に壊滅しており名前のみの登場。原作同様の虐殺行為を繰り返していた事が語られている。地球連邦政府内では「失敗例」として挙げられており、後にこれを反省し、人類の敵への対策部隊としての名目で人類軍が結成される。
- しかし、人類軍が結成されるまでの経緯や構成されている主要陣や外部協力者が、殲滅主義者と売国奴、マッドサイエンティスト等の過激派や私的な目的で動く人間達ばかりで固められていて印象が悪く、元カタロンのメンバー達からは「アロウズの再来」と見なされている。
- スーパーロボット大戦BX
- 劇場版設定の為、既に壊滅後しており名前のみ登場。地球連邦軍を腐敗させた組織としてティターンズと共にその名を挙げられており、原作通りソレスタルビーイングやカタロンと激突を繰り返し、アルグレアス達良識派と対立関係であった事が語られている。
単独作品
- スーパーロボット大戦Card Chronicle
- アロウズの台頭にはロゴスが背後で関わっていたことがプラントのデュランダル議長によって暴露される。その後、ロゴスのジブリール代表の戦死およびロゴスの求心力の低下によって、アロウズは解体に追いやられた。
- 「偽りの世界」では、ドレイク軍やブリタニア帝国と協力関係にあったが、シュナイゼルがアロウズの悪行の証拠をカガリにリークしたため、その後行われたカガリの演説によって崩壊していく事となる。
- スーパーロボット大戦V
- 劇場版設定の為、すでに壊滅後。かつては連邦の内乱状態やザフトなどの戦争でガイゾックへの対応が遅れてしまったり、そのガイゾックと戦う神ファミリーを情報操作でガイゾックの地球侵略の原因を押し付けていたことが語られている。
人物
- ホーマー・カタギリ
- アロウズの最高司令官。
- アーサー・グッドマン
- 准将。実質的な指揮官。カタギリ司令ら上層部の命令に忠実な軍人ではあるが、メメントモリという圧倒的な力による大量破壊に愉悦を覚えていた。
- リー・ジェジャン
- 中佐。グッドマンの副官。
- アーバ・リント
- 少佐。残忍非道で傲慢卑劣、おまけに狭量。
- バラック・ジニン
- 大尉。ルイスの上官。
- アンドレイ・スミルノフ
- 少尉。後に、中尉に昇進。
- ルイス・ハレヴィ
- 准尉。アロウズのスポンサーでもある。
- ソーマ・ピーリス
- 中尉。アレルヤとの戦いでの相討ち後、「マリー・パーファシー」としての人格を取り戻し、CBに保護された。
- カティ・マネキン
- 大佐。やむを得ずアロウズの作戦に参加してはいるが、組織のやり方には懐疑的。ブレイク・ピラー事件でその疑心に確信を持ち離脱し、賛同者達を率いてカタロンに合流した。
- パトリック・コーラサワー
- 少尉(対CB戦で戦果を挙げたはずだが…)。カティを追いかける形でアロウズへ所属した。後に、ブレイク・ピラー事件でカティが離脱すると、彼もついて行く形で離脱。
- リヴァイヴ・リバイバル 、ヒリング・ケア、ブリング・スタビティ、デヴァイン・ノヴァ
- ライセンサー。彼等はリボンズ・アルマークが派遣したイノベイター(イノベイド)である。
- ミスター・ブシドー
- 人間でありながら、ライセンサーの資格が与えられている謎の仮面の男。どこかで聞いたような言い回しをする点が特徴的。
- ビリー・カタギリ
- アロウズの最高司令官であるホーマーの甥。とある事情が切っ掛けでアロウズに加入し、盟友であるミスター・ブシドーの為に新型モビルスーツの開発を行う。
- アロウズ (一般兵)
- アロウズにおける一般兵。アロウズは精鋭部隊でもあるので、技量に優れたパイロットが多い。
- フォン・スパーク
- アロウズ結成の原因を作った人物。詳しくは、外伝漫画『機動戦士ガンダム00F』2ndシーズンを参照されたし。
運用兵器
アロウズへ派遣されたイノベイド達が搭乗した機体は、「イノベイド」の頁を参照。
- GN-X III
- アロウズの主力量産機。なお、正規軍に配備されているものと比較して性能は上に設定されている模様。
- アヘッド
- アロウズの指揮官クラスが搭乗する機体。ソレスタルビーイングの第3世代ガンダムを凌駕する性能を持つ。
- アヘッド・スマルトロン
- 脳量子波を使用可能な超兵が搭乗する事を想定したアヘッドのカスタム機。実質的にソーマ・ピーリスの専用機だが、後にルイス・ハレヴィが受領した。
- アヘッド・サキガケ
- 近接戦闘に特化したアヘッドのカスタム機。戦国時代の鎧武者の様な外見が特徴的なミスター・ブシドーの専用機。
- マスラオ/スサノオ
- ミスター・ブシドーの依頼で、彼の盟友であるビリー・カタギリが開発したモビルスーツ。擬似太陽炉搭載機でありながら、ソレスタルビーイングのガンダム以外に(擬似的な)トランザムを可能としている初の機体。
- トリロバイト
- アロウズの最新型水中戦用モビルアーマー。なお、この機体の開発は、とある人物の資金援助によってなされた模様。SRW未登場。
関連組織
- イノベイター(リボンズ一派)
- アロウズおよび2ndシーズンにおける地球連邦政府は、実質的にリボンズ・アルマーク率いるイノベイターの傀儡組織である。
他作品の関連人物・組織
- ジャン・ポール・ロッチナ
- 原作ではギルガメス(後にバララント)の将校。『第2次Z再世篇』ではギルガメス軍およびバララント軍が傭兵組織になった関係か、ギルガメス軍からアロウズの情報将校となって登場している。
- アロン・シュミッテル
- 『第2次Z再世篇』ではアロウズに内通していた。
- ロゴス
- 『CC』においてアロウズの台頭に関わっていた。
- ドレイク軍
- 『CC』における「偽りの世界」では協力関係。
- 神聖ブリタニア帝国
- 『CC』における「偽りの世界」では協力関係だったが、裏切られる。
余談
- アロウズという組織を分かりやすく言うならば、「『00』版ティターンズ」である。苛烈な弾圧や虐殺行為および非道な作戦を平気で行ったり、所属する士官に傲慢な人物(グッドマン准将とリント少佐が当てはまる)が見られる点がティターンズと似ている。
- ただし、ティターンズと差別化するためか、劇中においてエリート部隊であることを笠に着て傲然と振る舞う人物は、上記の二名のみに止まっている。
資料リンク
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