ユニコーンガンダム

提供: スーパーロボット大戦Wiki
2015年10月9日 (金) 19:58時点における天世 (トーク | 投稿記録)による版 (→‎携帯機シリーズ)
ナビゲーションに移動 検索に移動

RX-0 ユニコーンガンダム(Unicorn Gundam)

連邦宇宙軍再編計画「UC計画」の最終段階として開発された実験機。アナハイム・エレクトロニクス社のグラナダ工場にて試作機2機が開発された。

最大の特徴が骨格にサイコフレームを採用した「フルサイコフレーム」機という特性で、実験的にサイコフレームを使用していたνガンダムサザビーと比較してかなりの機体追従性を獲得した。これには、サイコフレームの限界値をテストした実験機であるシナンジュのデータが生かされている。

通常は一本角にフェイスガードで覆われたゴーグルアイである「ユニコーンモード」で運用されるが、一定の条件下になると装甲が展開してシルエットが一回り大きくなると同時に露出されたサイコフレームが発光、角がV字型のアンテナに割れてガンダムフェイスが現れるという「デストロイモード」へと「変身」し、凄まじい能力を発揮する。ちなみにこの「変身」には相手を威圧する効果もあるとされる。

本機の正式名称は「RX-0 ユニコーン」であり「ユニコーンガンダム」は愛称に過ぎない。しかし、ガンダムタイプとして開発された理由は、ジオン根絶の絶対的象徴としてガンダム以外に考えられないというプロパガンダ的な意味が込められていた。

バナージが乗る機体は1号機であり、同型機として2号機のバンシィと、2機とは別ルートで作られた3号機のフェネクス(GFT上映の外伝映像、ゲーム作品のみの登場)が存在する。ただし、1号機は極めて特別な存在で、「箱の鍵」としてカーディアスにより独自の「La+(ラプラス)プログラム」が組み込まれており、その上で「袖付き」に譲渡される予定だった。しかし、偶然の出来事によりバナージに託されることとなる。

モチーフとなっているのは、15世紀末に製作されたフランスの連作タペストリー『貴婦人と一角獣』で貴婦人に寄り添う神獣・ユニコーン。劇中でも連作の中の一枚である「私のたった一つの望み」が登場し、重要な役割を果たす。

数奇な偶然からバナージの機体となったユニコーンガンダムであるが、この機体の本来の役割は「ニュータイプの乗る機体をパイロットごと破壊する」ことにある。想定されていた戦闘スタイルは、まず随伴機であるジェスタが取り巻きを片付け、デストロイモードを発動したユニコーンが敵ニュータイプを一騎打ちで片付ける、というもの。解除後のクールタイムもジェスタがカバーすることが前提となっている。

デストロイモード・アンチェインド

設計段階で想定されていた「真のユニコーン」。デストロイモードの状態でパイロットの感応波が一定レベルを超過し、NT-Dが制御限界を超えた場合の緊急モードで、パイロットの意志とは無関係に発動する。

この状態になると装甲がデストロイモードからさらに展開され、内部のフル・サイコフレームがむき出しとなる。 しかし、実際にはこの形態は発動せず、優れたニュータイプであるバナージの意識に影響された結果、全く別の形態へと変化した。

真・ユニコーンガンダム

ユニコーンがバナージの意識の影響を受け、アンチェインドに代わって発動させた新たなる形態。公式ではユニコーンガンダム(覚醒)とされる事も。 サイコフレームの発光色が優しげな緑色へと変化し、ニュータイプの感応能力を極限以上まで発揮するための姿であり、サイコ・フィールドの展開と操作による戦闘を行う。

サイコミュの能力を限界以上に引き出すための触媒として機体各部に結晶体「サイコシャード」が発生しているのが特徴。これは試験運用中に偶然から発現したことがあり、ネオ・ジオングにはこれを人為的に発生させるための装置が組み込まれている。

これはバナージのニュータイプ能力が極限を超えたレベルで発揮された結果、その精神がサイコ・フレームと完全に融合、複合生命体《ユニコーンガンダム》として新生した状態である。いわば、バナージが常から口にしていた「可能性という名の神」そのものと言える。 サイコ・フィールドとサイコシャードの併用により、手をかざすだけでモビルスーツの大部隊を停止させ、ミサイルを自爆させるという「権能」を発揮するもバナージの意識がリディの呼びかけによって個を取り戻し、オードリーのことを思い出したことで融合が解除。もとのユニコーンヘと戻り、この力は永遠に失われることとなった。

なお、ファンの間ではこの形態は「神コーン」の俗称で通っており、「真」の呼称は福井監督が便宜上使用したもの。

小説版では、外伝「不死鳥狩り」でフェネクスとパイロットのリタ・ベルナルが同様の状態となっていたが、バナージと異なり肉体ごと融合しており、さらに意識が複合精神体となっていたユニコーンと異なり「フェネクスの機体にリタの意識」という状態だった。

登場作品と操縦者

Zシリーズ

第3次スーパーロボット大戦Z時獄篇
初登場作品であり、パッケージイラストにはユニコーンモードで登場。序盤の宇宙ルートで参戦。バナージ専用機体で他のパイロットは搭乗できず、バナージも他の機体に乗せ換える事は出来ない。
機体性能自体は高く、ビーム・マグナムがΖガンダムのハイパー・メガ・ランチャー並の威力の全体攻撃であり、火力自体も申し分ないが、如何せんバナージの能力が追いつかないのが難点。本領は第25話でデストロイモードが解禁されてからとなる。最強武装のNT-D連続攻撃は格闘武器なのでバナージの養成に注意。
やはり性能が性能なのか「アムロカミーユを乗せたかった」と言う声もあるとか。(設定上乗せるのは不可能であるが)
とりあえず今作では原作ストーリーがOVA版第4巻までの再現にとどまるためにまだ本領を発揮していないと言える。
第3次スーパーロボット大戦Z天獄篇
プロローグから早速使用可能。パッケージイラストには緑発光のデストロイモードで登場。
最初からNT-D限定時にビーム・マグナム連続攻撃が追加され、遠距離の相手に対する決定打も持てるようになったが5ターンの制限はやはり厳しいか。代わりにバナージのNTレベルの伸びが良くなったので命中・回避に関してはかなりフォローが効くようになった。それでも今回は当ててくる相手が多い為油断は出来ない。
ネオ・ジオンルート第40話「赤い彗星の未来」でNT-Dのターン制限が消滅・完全覚醒状態に変化する。銃も盾も装備していないグラフィック通り完全覚醒状態はシールド防御不可能である事に注意したい。シールド・ファンネルでシールド防御しても良い気はするが…。
さらに第44話でフルアーマーが装備され、こちらがデフォルト形態になる。必殺武器の火力こそこちらが上だが継戦+不意の撃墜防止のためボス戦まではフルアーマーで立ち回る等上手く使い分けたい。
今回は「火の文明」を体現するマシンとして描かれており、バナージによって力を引き出され、引き出された力がバナージの力を引き出す、という高めあいのループを起こしていることが語られている。

携帯機シリーズ

スーパーロボット大戦BX
参戦はELS移送ルート第19話と、主人公機としては遅め。
本作ではビームガトリングガンがシールドに二丁懸架しているグラフィックに変更されている。覚醒版は常時シールド・ファンネルを展開したものとなっている。
今回は覚醒前からNT-Dにターン制限が無く、剣・盾・銃・特殊回避・Iフィールドと特殊防御・耐久に関する特殊能力が目白押しであり、さらにフルサイコ・フレームで機体性能を後押しすると言う凄まじいスペックを誇る。但しバナージの能力は特別高いわけではなく、本人のスキルが寂しい為ある程度の補強は必須。
弾数制の武装の燃費が第3次Zと比べて悪化しており、ハイパー・バズーカ、ビーム・マグナムがそれぞれ5ずつしか無いためBセーブを付けないと遠距離から狙われるとあっという間に無くなってしまう。
さらに第38話と遅めのタイミングで覚醒可能になる。デストロイモードを介さずユニコーンモードから直接覚醒を使用した場合、発動時のムービーに角が開くモーションが追加される。覚醒後は宇宙Sに加えてHP回復が付く。但し基本性能はそこまで大きく変化しないので注意。フルサイコ・フレームの効果を最大限に活かしたい。また覚醒状態は移動後攻撃がかなり極端であり(バルカン・サーベルと覚醒攻撃)、戦闘を長射程のファンネル任せにするとボス戦に参加しづらくなる為、進撃中は同時期に解禁され移動後攻撃に長けたフルアーマーで立ち回る等考慮したい。
余談だが線の多いデザイン故か、旧3DSでは処理が間に合わずフリーズする事がある為注意。

装備・機能

武装・必殺武器

武装

BXではバルカン砲以外の武装に『・(中黒)』が入る。

頭部60mmバルカン砲
連邦軍MSの共通装備。5発に1発の割合で曳光弾が仕込まれており、発砲中の射線修正が可能。ユニコーンは武装の関係上使い勝手の良い遠距離武器がビームマグナム程度しかないせいか、劇中では他飛び道具の武装があっても他シリーズに比べ使用頻度が高い。
OVA版ではサイコシャードを使われる前に全弾撃ち尽くしているためバンシィ・ノルンと違い頭部の発射口は破壊されていない。
ビームサーベル
両腕に2基、バックパックに2基、計4基装備されている。バックパックの物はデストロイモード時に展開され、その装備状態と引き抜く様は初代ガンダムのそれを髣髴とさせる。
『天獄篇』の完全覚醒形態ではモーションが変わり、切り抜けた直後にシールドが飛来、爆風を防ぐ。
ビームトンファー
両腕のビームサーベルは腕に接続したままビームトンファーとして使う事が出来る。デストロイモード時限定の能力だが、初期案ではユニコーンモードでも展開することが出来た。
スパロボではビーム刃の出力が大幅に上がる演出がされているが原作小説版での最終決戦時のシナンジュに行なった物の再現であり、発生器その物が融解する程の限界を超えた出力を出している
『第3次Z』ではNT-D連続攻撃とシールド・ファンネルのトドメで使う。『BX』ではNT-D連続攻撃、NT-D覚醒攻撃で使うが通常演出で使用し、連続攻撃ではトドメ演出で出力の増大した物も使用する。
ハイパーバズーカ
実体弾を撃ちだす火器。通常弾頭の他、ベアリング弾を撒き散らす特殊(クラスター)弾頭も撃てる。非使用時は砲身を短縮した状態でバックパック中央部に固定される。更に下部にオプションパーツを装備するためのレールも設置されているという、拡張性の高い武装となっている。
完全覚醒形態になると使用できなくなり、ユニコーンモード専用武装となる。BXも同様。
原作ではネェル・アーガマに搭載されていた武装だが、『時獄篇』ではインダストリアル7からビームガトリングガンと共に回収されている設定になっている。また、『BX』では最初から装備している。
ビームマグナム
本機の主兵装。「マグナム弾」と呼ばれる専用Eパックを最大5基連結し、1射で1基分のエネルギー全てを使い切る代わりに通常のビームライフルの4倍の威力で、メガ・バズーカ・ランチャーと同等の威力を持つビームを発射する。その威力は並のMSであれば、掠めただけで撃破してしまうほど。また、その威力故に大型機に対しても有効でありネオ・ジオングクラスの装甲ですら破壊可能。
しかし、高すぎる威力故に使い勝手は悪く、装備できる弾も多くはないので長期戦には不向き。さらに、トリガーを引いてから発射まで一瞬タイムラグがあるため、シナンジュには発射タイミングと射線を見切られて最小の動作で全弾回避されている。一応、通常のMSでも使用可能だが、その威力故に発射の反動に耐えることができずに腕部が機能不全に陥ることになる。
『第3次Z』では6発の弾数全体攻撃で、ユニコーンモードでのみ機体のカットインが入る。デストロイモードでは2発の連射になる。
完全覚醒形態になると使用できなくなり、ユニコーンモード専用武装となる。
『BX』ではマグナム弾の換装を行うカットインが入る。
ビームマグナム連続射撃
『天獄篇』のみ。文字通りビームマグナムを連射する。トドメ演出では敵に穴が開く。デストロイモードになると追加されるが、Prologueでは未搭載。
完全覚醒前は通常の「ビーム・マグナム」との差別化の為か単体攻撃、完全覚醒形態になると全体攻撃になる。
シールド
専用のシールド。枚の花弁状のサイコフレームパーツがX字型に展開し、中心部に対ビーム用のIフィールド発生装置が露出する。基本的にデストロイモード時に展開するが、ユニコーンモードのままでもIフィールドバリアとして機能する。
ちなみにこのシールド、正面からのビームはおろか、バンシィにビームサーベルを押し当てられても、ネオ・ジオングの主砲やミサイルを受けても傷ひとつ付いておらず、果てはサイコシャードによる武装解除の影響で、裏面に装備していたビームガトリングガン×2が爆発しても一切機能に支障が出ていない
Iフィールド
シールドの中心から展開されるフィールド。パイロット側から操作しなくても自動で展開され、サイコフレーム内蔵のシールドは非常に強固な防御機能をもつ。
シールド・ファンネル
インテンション・オートマチックとの連動により、シールドのサイコフレームが共振、独自に推進力を得ることで、ファンネルよろしく自立起動して攻撃を防ぐ。アニメではビームガトリングガンをマウントしたまま、まさにファンネルの如く攻守に応用されていた。
『天獄篇』ではビームガトリングガンで牽制しつつビームトンファーで連携攻撃を仕掛けるものになっている。なおフルアーマー形態では使用不可能。最後の一撃はトンファーの出力が大幅に上がっているが、これは小説版でシナンジュを撃破した一撃の再現。完全覚醒形態になると追加されるが、バルカン以外どの武器を使っても出て来る。
『BX』では他のファンネルやビットと同様の武装に変更され、射程も3~9と大幅に伸びた(バナージのNTレベルで更に伸びる)代わりにビームトンファーを使わないためビーム・マグナムより弱くなった。
ビームガトリングガン
元はクシャトリヤの装備だが、同じアナハイム製であるためかユニコーンでも使用可能でありパラオにて1挺装備された。ただし、OVA版の初回使用時はデバイスドライバのインストールが終わるまで使用できなかった。ビームマグナムより威力は劣るが、その分使い勝手さでは勝る。後にガランシェールにてシールドの裏側に2挺装備された。
『第3次Z』では参入後すぐに追加されるが、時獄篇では手持ちでしか使わない。完全覚醒形態ではシールドにマウントした状態で使用する。
『BX』では最初からハイパー・バズーカと共に装備している他、この時点でシールドに2挺装備している。但し覚醒するとシールド・ファンネルと置き換わって武装から消える。

オプション装備

アームド・アーマーDE
漫画『機動戦士ガンダムUC バンデシネ』において装備したシールド用の増加ユニット。推進装置とビームキャノンを内蔵している。シールドブースターとしての機能を持つが、過去の機体にはなかった推力の調整を行う機能が追加されている。また、ビームキャノンはマグナムの補助武装としての意味合いが強い。
OVA版ではバンシィ・ノルンの武器として登場。打突武器としても高い効果を持つ。また、フェネクスの武器及び推進器としても採用されている。スパロボではOVA版準拠なのでバンシィが装備している。

必殺技

NT-D連続攻撃
デストロイモードでのみ使用可能な兵装。使用するにはニュータイプLV3が必要。
バルカン→ビームマグナム→ビームサーベルによる波状攻撃をかける。トドメ演出でリアルカットイン+ビームトンファーによる追撃が入る。
流れを原作に合わせると、OVA版第2巻でのシナンジュ戦におけるバルカンでの攻撃(カットインから射線と敵の回避動作を含めて)→ビームマグナム連射→OVA版第3巻でNT-Dに飲まれた状態でクシャトリヤを半壊させたビームサーベル乱舞+突き刺し。
トドメ演出はラプラス残骸付近でアンジェロ専用ギラ・ズールの四肢をぶった斬ったビームトンファーでの斬り下ろし。デストロイモード自体はイベントで何度か起動するが、この技はコマンドが追加されてから解禁される。ただし、完全な覚醒形態になると使用できなくなる。
BXではビームマグナム→バルカン→ビームサーベル→蹴り飛ばし→ビームトンファーに変更され、トドメ演出はビームトンファー最大出力になった。
NT-D覚醒攻撃
ネオ・ジオング戦を再現した、シールド・ファンネルと徒手空拳による連続攻撃。フル・サイコフレームの特性を生かした素手による乱撃。トドメ演出では敵の装甲を貫手で抉り貫いた後にリアルカットインが入る。
まさかの素手で格闘戦をするという展開と、カーディアスがOVA版第1巻で見せた白兵戦の強さから、漫画『北斗の拳』に登場する拳法である「北斗神拳」に引っ掛けて「ビスト神拳」という俗称が付いている。
「正拳」⇒「手刀」⇒「貫手」と様々な手の型で攻撃するのは、古橋監督によると、作中での理由は手のパーツの関節保護のためだが、アニメの演出上としての理由は、決め技の「掌」(下記の「ソフトチェストタッチ」)へ到るコントラストのためとのこと。
ちなみに、「ビスト神拳」の俗称やスパロボの演出により一撃必殺のイメージが強いが、OVAではネオ・ジオングを追い詰めるも、大型アームユニットに捕らえられてしまいフロンタル共々そのまま刻を形象として垣間見ることとなり、ネオ・ジオングは倒せておらず、下記の「ソフトチェストタッチ」によってトドメを刺す。
ソフトチェストタッチ
「それでも」と足掻き続けたバナージの到達点。一切の攻撃をせず、ユニコーンが掌から発する“暖かな光”を、対象に接触して直接注ぎ込む不戦の技。これを受けたネオ・ジオングは、搭乗していたフロンタルの中の「残留思念」が浄化され、それに連動してネオ・ジオングも浄化されるように崩壊し灰塵となった。
関連書籍類での解説によると、これはバナージが自身の想いを言葉ではなく“熱”によってフロンタルに伝えようとして取った行動が、結果バナージの想いと、その想いを受け容れたフロンタルの心境の変化が、ネオ・ジオングの全身のサイコフレームに作用して、その機体を崩壊に到らしめる結果となった、ということらしい。
他のゲームでは再現されることもあるが、『スパロボZ天獄編』では、歴代ガンダムパイロットの“熱意”によってフロンタルとネオ・ジオングが浄化される、独自の展開に変更されているため、この「ソフトチェストタッチ」は再現されていない。
なお、この「ソフトチェストタッチ」という名称は古橋一浩監督が命名したものである。

特筆機能

NT-Dシステム
デストロイモード時に発動する特殊システム。表向きは「ニュータイプ・ドライブ」とされているが、真の意味は「ニュータイプ・デストロイヤー・システム」で、ニュータイプを抹殺するシステム。これは、ニュータイプの抹殺=ジオンが提唱した新人類の根絶=ジオンの根絶という意図で組み込まれたとされる。ニュータイプあるいは強化人間の思念を感知すると起動し、機体をデストロイモードに移行させるが、最悪の場合フィードバックにより、インテンション・オートマチックを介してパイロットの意思を飲み込んでしまう。これはバンシィにも搭載されているが、ユニコーンのこれにはラプラス・プログラムが仕込まれており、その関係で強化人間が乗った場合は起動できないようロックがかけられている。BXではスパロボにおいてはニュータイプと同義の存在とされているイノベイターにも反応していた。
ラプラス・プログラムとの連動による隠し機能として、一定値を超えた思念波を拾って起動した場合は、サイコフレームが色に関わらず翠緑の燐光を発し、機体全体をオーラのように覆う。さらにコクピットのモニター部分が変形し、発光色もグリーンに変化。稼動限界のカウンターが正常に作動しなくなり、デストロイモードの強制解除がなくなる。
擬似NT-D
「バンデシネ」でデストロイモードの起動試験を行った際に使われたシステム。シルヴァ・バレトとの交戦中に暴走を起こし、パイロットが死亡するという事態になった。
サイコ・モニター
パラオにおいてサイコミュに取り付けられた感応波傍受装置。NT-Dの発動と同時に起動し、機体のデータを細大漏らさず送信する盗聴装置でサイコミュが発信する感応波を搬送波に用いているため、送信範囲に限界はあるもののミノフスキー粒子に通信を阻害される心配がない。
後述のLa+システムで掲示された情報を入手するために袖付きにより取り付けられ、終盤ネェル・アーガマの追跡にも用いられることになった。
インテンション・オートマチック・システム
パイロットの脳内操縦イメージを思考波として機体内部のサイコフレームに感受させ、機体の挙動へ直接反映させる思考操縦システム。簡単に言えば「自分の思考だけで機体を操縦できるシステム」であり、シナンジュから継承されたシステム。
これと同様のシステムとしては『機動戦士ガンダムF91』のラフレシアに搭載された「ネオ・サイコミュシステム」、漫画『機動戦士ガンダム サンダーボルト』(SRW未参戦)に登場するサイコ・ザクに組み込まれた「リユース・サイコ・デバイス」等が挙げられる。
La+(ラプラス)システム
1号機のみに搭載された「ラプラスの箱」の所在地を明らかにする「鍵」となるシステム。指定された座標でNT-Dを起動すると、「ラプラスの箱」の手がかりとなるデータが開示される。
なお、このシステムにバナージのバイオメトリクスが登録されているため、彼以外の人間が操縦することはできない。未登録の状態であれば誰でも操縦が出来る。
NT-Dと連動する形で組み込まれており、搭乗者がニュータイプか否かを識別する機能がある。バナージはこれを利用し、自らの思念を拾わせることで任意にデストロイモードを起動させることに成功している。
サイコミュ・ジャック
デストロイモード時のみの機能。敵ニュータイプ機のサイコミュを乗っ取る。BXではデストロイモード時に敵のサイコミュ武器使用不能という形で再現。
サイコ・フィールド
「神」となった後のこれがサイコシャードと同様の力を持ち、ミサイルを手をかざしただけで爆破させた。

合体攻撃

ツイン・ビーム・マグナム
リディ・マーセナスの乗るバンシィ・ノルンとの合体攻撃。フルアーマーでは使えない。
二機で波状攻撃を仕掛けた後、ビーム・マグナムで撃ち抜く。OVA版でのネオ・ジオングに対して行なった連携攻撃の再現。ただ、ユニコーン側から見ると見せ技でしかないのが問題。

特殊能力

剣装備
切り払いを発動する。
盾装備
シールド防御を発動する。NT-Dのターン制限撤廃と同時にデストロイモードから削除されるので、ダメージに注意。
銃装備
『BX』で所持。撃ち落としを発動する。
NT-Dシステム
第3次Z時獄篇では固有の特殊能力となり、気力130以上で1マップにつき1度だけ任意に発動、5ターン経過すると解除されるという仕組みになっている。
これはNT-Dシステム発動時の極めて高い機動性能から来る肉体的負荷と、下記のインテンション・オートマチック・システムを制御するサイコミュシステムによる精神的な負荷から、専用のパイロットスーツ着用でもシステム稼動時間が5分程度で限界を迎えるという設定から来ているものと思われる。天獄篇の中盤で発動に必要な気力こそ変わらないものの、ターン制限がなくなる。『BX』では最初からターン制限なしで敵のサイコミュ兵器を使用不能にする能力も追加。
覚醒
『BX』で登場。気力150以上で覚醒状態のデストロイモードに変形出来る。ユニコーンモードから使用した場合、デモに角が割れる演出が追加される。
勘違いされがちだが、これを使用する際デストロイモードである必要は無い。
フル・サイコフレーム
『BX』で所持。気力130・ニュータイプL5以上の時に、全ての能力が上昇する。
Iフィールド
シールドに搭載している発生装置からIフィールドを発生させる。
サイコ・フィールド
『天獄篇』でのターン制限撤廃後のデストロイモード時に、Iフィールドと入れ代わりに追加。全属性ダメージを2000まで無効化。
シールド・ファンネル
『BX』で覚醒状態のデストロイモード時にIフィールドと入れ替わりに追加。射撃属性ダメージを2000軽減。
高速回避
『BX』で所持。原作での高い機動性能の再現。
HP回復L1
『BX』で覚醒状態のデストロイモード時に追加される。

移動タイプ

宇宙世紀ガンダムのお約束で空は飛べない。アサルトブースターかフライトユニットが欲しいところ。

サイズ

M
天獄篇では巨大な敵が多いので、できるだけ回避に特化してダメージを抑えたい。

カスタムボーナス

移動力+1、運動性+15、最大EN+80
第3次Z。ユニコーンモード時はENを消費する物がビームサーベルとIフィールドだけなので、デストロイモードになって意味が生まれる。
同型機のバンシィ・ノルンも同じカスタムボーナスである。

機体BGM

「UNICORN」
挿入曲。ユニコーンモードの時は基本的にこれ。
「RX-0」
デストロイモード時はこちらに切り替わる。
「UNICORN GUNDAM」
緑ユニコーンのイベント時などに流れる

対決・名場面

ユニコーンの日
OVA版第1巻より。オードリーについてビスト家の屋敷を訪れたバナージ。オードリーと対面した屋敷の主・カーディアスは関わらないよう言い置いて去る。一度はその場を後にしたバナージだったが、その直後に轟音が響く。オードリーの身を案じて屋敷内を駆け回るうち、バナージは地下格納庫に迷い込む。そこで目にしたのは、一角獣の如きブレードアンテナと白亜の装甲に身を包んだモビルスーツ。そして、傷つき瀕死のカーディアスだった。
カーディアスはバナージにここまで来たことの意味を伝え、その覚悟を問い、その意志を確かめると彼の生体データを白いモビルスーツに登録、その主とする。その背を押すようにして言葉をかけながら力尽きるカーディアスを、バナージは「父さん」と呼んだ。そして知った。いや、思い出した。幼い頃に聞いた言葉を。
主となった若きニュータイプの意志を形にするかのように、モビルスーツの目に光が灯り、輝く。炎上する格納庫の中、白亜の一角獣は足を踏み出し、そして宇宙空間へとその身を投げ込んだ。
そしてクシャトリヤとの初戦の最中、全身のフルサイコフレームが起動し、デストロイモードへと変身。新たなるガンダム―――その名はユニコーン。可能性の獣。
OVA版第1巻では変形開始と共に荘厳なBGMが流れ始めるため、その出だしで覚えているファンも。
貴婦人と一角獣
OVA版ep5より。ブライトの協力を得てオードリー奪還に向かうも、ユニコーンの前に立ち塞がるのはビスト財団によって再調整され「プルトゥエルブ」に戻ってしまったマリーダが駆るバンシィ
彼女と対峙する最中、バナージは一つの思念を感じ取る。「受け止めなさい、バナージ」。バナージは即座にバンシィを振り切って自分の守りたい人、ユニコーンに乗る決意をさせた理由であるジオンの姫の元へと向かう。
そして向かった先にいたのは、自分が来る事を信じて飛行中のガルダ級から自ら身を投げ出したオードリーの姿が。オードリーの願い通り一角獣は貴婦人を受け止め、同時にバナージとオードリーの想いが通じ合った瞬間でもあった。
覚醒
同じくep5より。ジンネマン達と共同戦線を張る事となり合流する為、ネェル・アーガマのテザー・ケーブルでガランシェールを引き上げる方法を取る事になる。射出されたケーブルを「NT-D」システムを起動させたユニコーンが掴み取り、直接ガランシシェールにケーブルを接続しようと試みるもギリギリであり、結果ガランシェールとネェル・アーガマの双方に引っ張られる形となってユニコーンに多大な負荷がかかり、今にも機体が裂けんとする事態に陥る。
システムによって肉体にもダメージが加わり、苦しむバナージ。しかし気づけば彼の両手には双方の船に縁のある宇宙に散った男達の魂が。彼らの想いも受け取った瞬間、ユニコーンのサイコフレームの色が威圧感のある赤から全てを包み込む緑へと変化。そしてその光はガランシェールとネェル・アーガマを包み込む。
「ニュータイプ・デストロイヤー」が「ニュータイプ・ドライブ」へ変貌し、バナージもニュータイプへと完全覚醒を果たした。この光景を眺めていたブライトの胸中にあったのは、ニュータイプの可能性が今も繋がっている事への安堵か、それともかつて似たような現象を体現し、そして帰ってこなかった戦友への寂寞の想いか。
ラストシューティング
原作小説版第10巻より。シナンジュとの最終決戦の最中、もう片割れの黒き獅子と共闘を行う。ガンダムとなった両機は徐々にシナンジュを追い詰め、リディの差し向けたビームマグナムに合わせてバナージも自機のビームマグナムを合わせ、共に最後の一射を放つ。その閃光は融合し、巨大なエネルギーの奔流となりシナンジュの両足を吹き飛ばすものの、シナンジュは闇を纏い追いすがる。
消えていった者達の声に押され、ユニコーンはビーム・トンファーを突き刺し、バナージは呪詛を吐き惑わす亡霊に同意しかけた本能を振り払い叫ぶ。「亡霊は、暗黒に帰れぇっ!」その刹那膨れ上がる光の奔流、グリップを溶解させつつ切っ先を伸ばした光は亡霊を吹き飛ばした。
虹の彼方に
OVA版ep7より。ネオ・ジオングとの最終決戦において、バンシィ・ノルンに乗るリディと共に協力してフロンタルに立ち向かうバナージ
しかしネオ・ジオング最強の切り札であるサイコ・シャードによってすべての武装を破壊される。だがそれでも二人は諦めず徒手空拳で戦闘を続行する。
2機共絶妙のコンビネーションで挑むも、バナージはネオ・ジオングのアーム・ユニットに拘束され、リディは一時戦闘不能に。しかし覚醒したユニコーンの格闘攻撃によってアームユニットの一部を破壊され、戦いは五分五分に持ち込まれる。そのとき2機のサイコフレームが共鳴、過去に起きた出来事…アクシズ・ショック、一年戦争、ラプラス事件…。人の争いの軌跡を、“刻”を形象として垣間見る両者。
最後に辿り着いた場所…何もない虚無の世界にてフロンタルはバナージに自身の諦念の理由を語りかける。例えラプラスの箱を開放しても、時が経てば全ての努力が無になると。だがバナージはそれに抗うかのように叫ぶ。「それでも…それでも!」。その叫びに呼応するかのようにユニコーンが発する“暖かな光”が、「ソフトチェストタッチ」によってネオ・ジオングへと与えられる。
その“暖かな光”を受け入れようとしないフロンタルだったが、不意に現れた2つの光に諭され、“暖かな光”によって己の中にあるシャアの残留思念を浄化される。一年戦争の英雄の魂一年戦争に命を落とした愛する女性の魂に導かれ、刻の彼方へ帰っていく3つの光。
それに呼応するようにネオ・ジオング、そしてシナンジュはバナージの目の前で浄化されるように灰燼となって崩れ去った。バナージの意識に、フロンタルの声が響く。「君に…託す…。為すべきと思ったことを…
可能性という光
両版の最終話より。メガラニカを狙うコロニーレーザーから可能性を守るべく、バナージはバンシィ(・ノルン)に乗るリディの助けも借り、宙域全体を覆うサイコ・フィールドを展開する。その刹那、意識に映る時間が逆行する。
バナージは過去を見た。消える命の見る走馬灯。それは全体の中で共有され、抱いた感情と共に失われることはない。
バナージは未来を見た。新たなニュータイプと共に、ガンダム達が地球を、月を、火星を、木星を駆ける。それでもなお、人は変わらない。やがてニュータイプの言葉すらも忘却の彼方に消える。可能性は可能性でしかないのか? 
それは違う。まだ見ぬニュータイプと、その戦い……それは過去の繰り返しではない。善く在ろうと願い、理不尽を払いのけようとするその意志のままに、少しずつ未来へと進んでいく。一縷の善意に導かれ、可能性という名の光は時の螺旋を駆け上がっていく。
遥か未来まで続いていく命の煌きと、その終わりなき連鎖―――バナージ・リンクスは、世界を見た。
On Your Mark
守られた可能性を見届け、一度ネェル・アーガマへ帰還すべく、リディの乗るバンシィがユニコーンを連れに行く。しかし、それをバナージは―――否、ユニコーンガンダムは断る。その目を見たリディは愕然となった。ユニコーンのツインアイ・センサー……そこには命ある者の光が宿されていた。信じるという想いに育てられ、使命を果たして存在を必要としなくなった可能性の一角獣。その名を冠するガンダムは、己の肉体たるサイコ・フレームに無数の人の意志という血を通わせ、乗り手にして導き手たるバナージをも一部とした複合生命体となった。過去と現在と未来、全ての意志が混ざり合い融け合い、一つになった巨大な精神。単細胞生物から見た人と同じ、人から見た存在―――それは、可能性という名の、神だった。
だが、そこにバナージがいる。ミネバ、ミコット、タクヤ、オットー、コンロイ、ナイジェル……帰りを待つ多くの人を振り切って、真理を抱いて宇宙の果てへ飛び出そうとしている。リディは叫ぶ。それでお前はいいのか、と。
ユニコーンは動揺する。しかし、わかってもいた。脆く、鈍く、真理に到達しえぬ、そんな肉体の中でしか現れぬ光があるのだと。個に戻るのも問題ではない。それは、肉体を持ち、その温もりを知る存在でなければ至り得ないのだから。
精神が解け、意志が個に戻る。可能性の体現たる神から、モビルスーツという機械とそれに乗る人間という存在に戻ったユニコーンとバナージは、メガラニカへ向かう。彼の帰りを待っている、彼女のもとへ。

関連機体

強化型・バリエーション機

フルアーマー・ユニコーンガンダム
バナージの友人タクヤ・イレイが考案した武装プラン。武装を重点的に強化した最終決戦装備。
バンシィ
ユニコーンガンダム2号機で黒い機体。ユニコーンとは対照的に「獅子(ライオン)」の様な雰囲気を持つ。
フェネクス
ユニコーンガンダム3号機で金色の機体。1号機のユニコーンは「ユニコーン」、2号機のバンシィは「獅子(ライオン)」、そして3号機の本機は「鳳凰(フェニックス)」がモチーフである。
「UC計画」にビスト財団が関わることを良しとしなかった連邦軍高官がユニコーンとバンシィのデータを基に独自に開発した機体。派生作品『機動戦士ガンダムUC One of Seventy Two』に登場する。SRW未登場。

関連機

シナンジュ
ユニコーン開発のための試作機を改修した、兄弟機とも言える機体。この機体から得られた機動性や追従性等のデータは、本機に大きく貢献した。
ジェスタ
ジェガンの改修機。継戦能力に優れていないユニコーンガンダムの護衛機として開発された。

余談

  • この機体を特徴付けている「変身」という要素は、『ガンダムUC』原作者の福井晴敏氏がこれまでになかったアイディアとしてメカデザイナーのカトキハジメ氏に提案したもの。カトキ氏は商品化に際してハードルになると懸念を示したが、一部商品では変身に至るまで完全に再現できるものもある。福井氏曰く「このためにユニコーンを書いた」と言わしめるものまである。
  • ユニコーンはアムロのパーソナルマークとしても用いられている(νガンダムのシールドに付けられているマークがそれに当たる)が、福井氏はインタビューでその事実を知らなかったとコメントしている。尤も、パーソナルマークの設定自体が後年の後付けである。
  • ユニコーンガンダムのインテンションオートマチックは、あのイデオンから引用されたもの。NT-Dの発動音はイデの初期発動からとられている。これはユニコーンガンダムの構造材とイデオンにはちょっとした共通点があるためである。OVA最終巻でのとあるシーンはイデの発現と共に、あのイデオンソードを模した光が横切っている。

商品情報

  • プラモデル

  • フィギュア

資料リンク