ウイングガンダム

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ここでは『新機動戦記ガンダムW』に登場したウイングガンダムについて説明する。
新機動戦記ガンダムW Endless Waltz』版については「ウイングガンダム (EW版)」を参照。

XXXG-01W ウイングガンダム(Wing Gundam)

  • 登場作品新機動戦記ガンダムW
  • 分類:特殊作戦用モビルスーツ
  • 型式番号:XXXG-01W
  • 全高:16.3m
  • 重量:7.1t
  • 装甲材質:ガンダニュウム合金
  • 開発者:ドクターJ
  • 主なパイロット:ヒイロ・ユイ
  • メカニックデザイナー:大河原邦男(TV版オリジナルデザイン)、カトキハジメ(アーリータイプリファイン)
  • アビリティレベル(※リーオーをオールレベル100として換算)
    • ファイティングアビリティ:レベル130
    • ウエポンズアビリティ:レベル140
    • スピードアビリティ:レベル150
    • パワーアビリティ:レベル120
    • アーマードアビリティ:レベル130

オペレーション・メテオによって地球に降下した5機のガンダムの1機。OZ側のコードネームは「ガンダム01」。パイロットはヒイロ・ユイ
L1コロニーのドクターJの手によって開発させたバランスのとれた機体で、母体となったウイングガンダムゼロの特徴を一番受け継いでいる。ゼロシステムの排除、(ツイン)バスターライフルの性能をセーブなど、ウイングゼロと比べて能力を大幅に制限された機体となっているが、これはドクターJとってオペレーション・メテオの目的は「指導者ヒイロ・ユイ暗殺の復讐」であり、地球人類の虐殺を良しとせず、そのためにはウイングゼロの過剰な高性能を必要としなかったためである。

5機の中では唯一飛行形態「バード形態」への変形機能が搭載されており、強襲・離脱能力に優れている。背部に装備されたウイングスラスターは失速から極超音速までの制御を行え、トールギス並の機動性・運動性を持つ。
バード形態時には更に高機動になり、主翼(スラスターユニット4基を組み合わせたもの)が可変翼としての機能を果たす様になっておいる。「バード形態」時には大抵機首にバスターライフルが付けられているが、バスターライフル無しでも変形可能。OZの策略によりノベンタ元帥を殺めてしまったときなどに見受けられる。

また本機体構成材質にはガンダニュウム合金が使用され、バズーカやビームサーベルでもなければ傷一つ着かない程の高い防御力を有している。宇宙空間から地上を狙撃し島を消滅させるリーブラの主砲が本機に直撃したが、上半身が原形を留めていたほどである。

OZコロニーを盾にとられ、一度はヒイロの手で(ガンダム主人公機史上初の)自爆したものの、彼との再戦を望むゼクスらの手で修復された。が、この時ヒイロは『施しが過ぎて戦意が鈍る』と本機には乗らずトロワと機体を交換する形で決闘に臨んだ(ボンボン版では乗っている)。
なお、修復の際、OZの技師が“バスターライフルを片腕で自在に操るパワーを出しつつビームサーベルを鋭敏に操るシステムの再現には新しいMSを開発するのと同じくらいの期間が必要であり修理しきるには時間が足りない”という旨の発言をしており、装甲や武装に限らないスペックでガンダムがOZの現行MSに対してどれほど優位であったかが伺い知れる。また、この件から修復された本機は開発当初と比べて性能を落としてしまったと考えられるが、これ以降の戦闘描写でその点を明確に示した部分は無い。

ヒイロが一度宇宙へと上がった際は、宇宙では使えない(宙間戦用に改修が必要・OZに対して目立ちすぎる)と深海に放棄されていたが、サリィが発見・回収し、ノインが譲り受け内密にサンクキングダムで保管していた。
ヒイロが地球へと戻り、サンクキングダムに迎えられてからは再び本機に搭乗した。しかし、間もなく単身でルクセンブルク基地でのOZトレーズ派と財団派の戦闘に参加。財団派の大隊規模のビルゴの圧倒的物量の前に(それでも半数を破壊した)大破こそしなかったものの膝にビームキャノンの直撃をくらい損傷し、その後すぐにトレーズからガンダムエピオンに受領した為、この時に放棄されてしまった。
しばらく乗り手がいないままOZの基地で空間戦用に改修され保管されていた。最終的に本機はMO-IIに打ち上げられ、EVE WARSにおいて昏睡から目覚めたレディ・アンリーブラの主砲からトレーズをかばって大破した(ガンダニュウム製の装甲のおかげでパイロットは無事だった)。

タイトルにもなっている主人公機なのだが、主人公のヒイロが乗っていた時期は極端に短く搭乗した話数は全49話中20話にも満たない。それどころか何度も捨てられ、果ては2度(1度目は前述のとおりヒイロ、2度目はゼクスが修復中にロームフェラ財団を欺く為のダミー機)も自爆させられるなど最も主人公に愛されなかった不遇の主人公機としても有名(ただしヒイロの担当声優の緑川光氏には愛されている)。これはヒイロがガンダムも消耗品と考えている為であるのだが、その一方でヒイロは義父が開発したリーオーに愛着を持っているのは皮肉としか言いようがない。

登場作品と操縦者

テレビアニメの主人公機だが参戦機会は多くない。ただでさえ『ガンダムW』がTV版で参戦することが少ないうえ、ヒイロの搭乗機にウイングガンダムゼロが起用されがちだからである。
はじめは敵として登場。しばらくして自軍に参加(シリーズによってはヒイロを説得しなければならない)するが、ヒイロの加入・離脱が激しかったり、すぐにウイングゼロに交換・改造が引き継がれたりしてしまい本機を自軍で使用できる期間はかなり短い。そういった意味では、歴代主人公ガンダムの中では最も不遇な機体。
第2次αでは久々に登場し、しかも初のEW版で登場。最後まで一線を張れる能力を持っている。第2次Zでは初めて序盤から無条件で自軍の機体として使用できる。

旧シリーズ

スーパーロボット大戦F
敵として登場する。本作と完結編ではバスターライフルではなくバスタービームライフル名義だった。バスタービームライフル(バスターライフル)はマップ兵器版が弾数3発となり、通常兵器版はEN消費タイプの武器となった。
こちらの戦力が乏しいゲーム序盤から登場。長射程と高装甲を兼ね備えた強敵。装甲が高いため、リアル系の攻撃では効果的なダメージは与えられず、被害が出てしまう。ただし、HPまで高いわけではないので、スーパー系熱血をかけた必殺技でさっさと退場してもらうのがベスト。
スーパーロボット大戦F完結編
自爆イベントがある。その後しばらくしてヒイロとともに一時的に加入。ちなみにこの頃、バスターライフルはバスタービームライフルと表記されている。しかし、使用できる頃のリアル系にしては、いくら5段階改造されていても初期運動性が低く、さらに敵はオーラバトラーが多いため、当てるのに苦労する。ただし、装甲は高く性能はスーパー系に近い。
ヒイロを仲間にした場合、シナリオ「トレーズの救出」で強制出撃となる。同シナリオでは限られたユニットで敵の侵入を阻止しなければならず、フォウを仲間にするには早解きが必須となるため、飛行可能で攻撃力が高い本機が主力となる。

αシリーズ

スーパーロボット大戦α
序盤から中盤にかけて第三軍として参戦するヒイロが搭乗。仮にも原作主人公機なのだが、初っ端から自軍入りするデュオ・マックスウェルと対照的にヒイロが戦場に姿を現す機会が少なく、自軍入りする頃にはウイングゼロに乗り換えているため印象が薄くなりがち。しかし、ウイングゼロは展開次第でヒイロに乗ってもらえないままフェードアウトしてしまうのでそう考えるとまだマシかもしれない。
カミーユ・ビダンアムロ・レイニナ・パープルトンと共にΖガンダムの設計データの最終調整をする際、ウイングガンダムの変形機構をΖガンダムの変形コンセプトに取り入れた。
スーパーロボット大戦α for Dreamcast
能力に変更が見られ、HP装甲が強化されている。しかし、ウイングガンダムゼロウイングガンダムゼロカスタムとパワーアップする度に攻撃力や運動性などは上昇していくが、HP装甲が低下していくという謎の仕様。
第2次スーパーロボット大戦α
隠しユニットとしてEW版が登場。ヒイロがかつて使っていたウイングガンダムを改造したという設定。張五飛曰く、ヒイロは愛着があるのだろうとの事。機体性能、武装はウイングゼロカスタムとほぼ同等であり、MS形態でも強力なビームサーベル(突撃)が追加されており、接近戦もこなせる。小隊長機として十分な能力を持つが、実はバード形態のバスターライフルは小隊攻撃としてトップクラスの威力を誇る。
第3次αには何故か登場しなかった。双葉社から発行されている「第2次スーパーロボット大戦αディープファイル」では、なぜかこの機体のみシルエットで掲載されている事から、何らかの版権的な問題があったものと思われる。

Zシリーズ

第2次スーパーロボット大戦Z破界篇
久々のTV版参戦。初めて序盤から自軍ユニットとして使用可能。射程、攻撃力とも優秀で序盤から主力となれる。ちなみにヒイロ役の緑川光氏は使用可能になったらすぐにフル改造したとのこと。今作ではMS形態で飛行できない代わりに海適正がある。
第2次スーパーロボット大戦Z再世篇
プロローグで自爆し、序盤にゼクスが修復。TV本編と異なり(或いは漫画版の再現で)本機でのトールギスとの決闘が行われる。そこそこの期間で使えるが、中盤手前のヒイロの離脱に伴い永久離脱。機体が大破したなどという展開ではないため、後々で復帰してもよかったのでは……

携帯機シリーズ

スーパーロボット大戦D
すでに終盤に差し掛かっているため、ヒイロはゼロに乗り換えていてユニットとしては登場しない。しかし終盤、レディ・アンが修復してトレーズ・クシュリナーダと共に出撃したと語られている。

単独作品

新スーパーロボット大戦
初登場作品。基本的にイベントのみの登場だが、宇宙編でスポット参戦し、更に条件を満たせば味方に。設定を忠実にしたのかバスターライフルが弾数3発こっきりで連発が難しい。8段階改造でMAP兵器版も追加されるが、こちらは弾数1。
新スーパーロボット大戦 スペシャルディスク
フリーバトルに登場。
スーパーロボット大戦64
比較的序盤に自軍に参入するが、割と早く離脱してしまう。ウイングガンダムゼロには改造が引き継がないの注意。終盤ではレディ・アンが修復したものに搭乗している。

関連作品

スーパーヒーロー作戦
ヒイロが乗り、中ボス・スポット参戦の味方として登場。最後は自爆させられる。またデビルガンダム細胞によって作られた偽物も中ボスとして登場する。

装備・機能

武装・必殺武器(MS形態)

バルカン
頭部に二門内蔵された近距離戦用の機関砲。
マシンキャノン
両肩部に装備された機関砲。遠距離武器がこれとバスターライフル3発しかないのは頼りなく見えるが、ガンダニュウム合金製のMSでない限りこれだけで撃破できるだけの威力がある。
ビームサーベル
シールドに収められている。バスターライフルを放棄した後に良く使われた。ガンダニュウム合金素材の使用に出力が桁外れであるため、水中でも減衰せず使用が可能。
が、スパロボでは海適応は無い。
バスターライフル
本機の主武装。ウイングガンダムゼロのツイン・バスターライフルを基に開発されたビームライフル。強力過ぎたウイングゼロの反省から、カートリッジ式にし最大出力で発射した場合弾数は3発という弾数制限を設け、さらに威力も50%以下に抑えられている。カートリッジ式のため他機も使用できる(劇中ではエアリーズで発射している)。
威力を抑えられているはいるものの、ビーム軸上から半径150mに激烈なプラズマ渦流と超々高熱が数十kmに及ぶ程の桁外れの威力を持ち、プラネイトディフェンサーを展開したビルゴの大軍を一撃で消滅させている。またこのビームは2層でできており、中心部は高速で貫通性の高いビームで、その周りは低速で破壊力の高いビームで構成されている。本機のトールギス級の機動性をもってすれば戦略兵器としても運用が可能。
原作設定とは違いゲーム上ではEN消費性の武装で、燃費が良く高威力の武器。
バスターライフル(MAP兵器版)
MAP兵器版は一直線上の射程で、原作設定を踏まえてか弾数3である事が多い。
バスターライフル最大出力
第2次Zにて追加された最強武装。EN消費はかなり激しく、初期ENでは設定通りに3発しか撃てない。だが射程・攻撃力とも優秀で強敵相手には重宝する。
シールド
ガンダニュウム合金製のシールド。サーベルを内蔵し、バード形態時には機首部分となって連結する。
その鋭い先端は打突武器にもなるが、スパロボではオミットされている。

武装・必殺武器(バード形態)

ウイングバルカン
シールドの白いカバーを開き、バルカン砲を露出させて発射する。原作の設定にはなく、αより前の作品で実装されていた。
バスターライフル
機首に装着されており、主砲として使用可能。α以降のシリーズでは本形態では武装はバスターライフルのみである。
クロー
前腕部に装備されている。スパロボでは未実装。
ビームウイング
旧1/100プラモデルのオリジナル要素が元ネタの武装。飛行しながら突撃することで翼に緑色のビーム刃を発生させて切り裂く。にのみ実装。

特殊能力

剣装備、盾装備
切り払いシールド防御を発動する。
変形
MS形態⇔バード形態へと変形可能。

移動タイプ

MS形態

バード形態

飛行可能。

サイズ

M

機体BGM

「JUST COMMUNICATION」
前期OPテーマ。

対決・名場面

リーオー
大気圏突入時、ゼクス・マーキス駆るリーオーと対決。しかし、リーオーでは歯が立たないと悟ったのか、リーオーをウイングガンダムと羽交い絞めにして海へ叩き付けた。
…リーオー大好きなヒイロとしてはある意味大満足の結果だったのかもしれない。
トールギス
ガンダムに対抗するため、ゼクスが持ち出して使用を決断。既にトールギスを使いこなしているぜクスは絶対の自信で対決するが、その結末は「ガンダムは渡さない」という理由による自爆であった。真の意味での決着は持ち越しとなる。
ガンダムは渡せない
OZに追い詰められたヒイロは、何の戸惑いもなく自爆を決行する。主人公機が序盤に自爆するという衝撃的なシーンだった。

関連機体

ガンダムデスサイズガンダムヘビーアームズガンダムサンドロックシェンロンガンダム
兄弟機。
ウイングガンダムゼロ
全ての「ガンダム」の母体となった機体。本機はウイングゼロの血を最も濃く受け継いでいる。

余談

  • トレーズ(前述のリーブラの主砲からかばわれた際の1回)と次回予告を除いて誰からもウイングガンダムと呼ばれることはなかった。後継機のウイングゼロに搭乗していたミリアルドからもガンダム01と呼ばれる始末である。
  • 前番組である『機動武闘伝Gガンダム』にも、スタッフのお遊びかガンダム連合の一員としてカラーリングは違えど一瞬登場しているが直ぐに撃墜されてしまう。偶然であるが後の悲惨な扱いを予見しているようでもある・・・。デザイナーの大河原氏によれば、この機体の成り立ちはゴッドガンダムの設定案でボツになった「変形して突撃する」と言うアイディアなど、複数のデザイン案から再構成したものであるという。
  • 『ガンダムビルドファイターズ』(SRW未参戦)では、予定調和の如く第1話でギャンに落とされた。なお、これは制作側が意図的にウイングガンダムを選出している。…つまり、1話て落とされても良いガンダム扱いである。このように冒頭から酷い目に遭った(しかもこれでAGACウイングガンダムの催促扱いである)ウイングガンダムだが、この後、本来のパイロットの中の人並にウイングガンダムを愛する人物が操る改造機が大活躍する事になる。

商品情報

  • プラモデル

  • フィギュア

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