ギャン

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ギャン
外国語表記 Gyan[1]
登場作品

ガンダムシリーズ

初登場SRW 第2次スーパーロボット大戦
SRWでの分類 機体
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スペック
分類 モビルスーツ
生産形態 試作機
型式番号 YMS-15
頭頂高 19.9 m
本体重量 52.7 t
全備重量 68.6 t
動力 核融合炉
ジェネレーター出力 1,360 kw
スラスター推力 56,200 kg
最高走行速度 95 km/h
装甲材質 超硬スチール合金(強化スチール合金とする資料もあり)
センサー有効半径 4,400 m
開発 ツィマッド社
所属 ジオン公国軍
パイロット マ・クベ
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ギャンとは『機動戦士ガンダム』の登場メカ

概要[編集 | ソースを編集]

ツィマッド社が開発したジオン公国軍の試作型モビルスーツ

劇中では、実質的にマ・クベ大佐の専用機として運用され、活躍する事になる。

機体概要[編集 | ソースを編集]

一年戦争の後期にジオン公国軍が推進する「第2期主力MS開発計画」に基づいて開発した機体の一つで、西洋の騎士を連想させる優美な見た目をしているのが特徴的となっている。地球連邦軍RX-78ガンダムジムといったモビルスーツの開発・量産を成功させ、戦いがモビルスーツ戦主流となった事を考慮した結果、本機はザクII白兵戦重視に発展させたグフ以上に白兵戦へ特化させた設計となっており、関節部には「流体パルスアクセラレーター」と呼ばれる新技術を導入。脚部の反応速度と駆動力を向上させ、宛らフェンシングの様なステップを可能とし、敵機の攻撃による損傷や稼働限界を超えて自壊した場合は、即時に切り離しも可能となっている。武装面も実体のシールドを難無く貫通させられる程の高出力型ビームサーベルや大型のシールドといった接近戦を意識した物が揃っており、またシールド内には小型のミサイルや機雷等も内蔵され、中距離での射撃戦も可能となっている。なお、当時主流になりつつあったビーム射撃兵器を無力化する「ビーム撹乱膜」を散布しビーム兵器を無力化した上で近接戦を仕掛けるという戦術の元に開発されたともされている。

同時期に開発されたゲルググとコンペティションで争ったが、汎用性に乏しい事から次期主力機にはゲルググが選ばれ、本機は試作機が3機(1機という説も)製造されるに止まった[2]。ただし、決して性能が低いという訳ではなく、モビルスーツとしての運動性はゲルググより上で、対モビルスーツ戦に関しては間違いなく最高クラスの性能を持った機体とされており、バズーカによる射撃戦を基本戦術とするリック・ドムとの連携による運用を想定されていたという説もある(リック・ドムが対艦戦を担当するのに対し、ギャンは対モビルスーツ戦を担当)。一年戦争終盤は対モビルスーツ戦が当たり前となっていた事を踏まえると、乗り手によっては主力として活躍できる可能性も十分に秘めていたと言え、また近接戦重視の機体にはパイロットの技量が問われる点を考慮すると、本機は一般兵よりもエースパイロットに向いたコンセプトの機体だったのだろう。ギャンがコンペティションで負けた要因をゲルググと比較してみると、圧倒的に汎用性と射撃性能が欠けていた事・白兵戦性能がゲルググより上と言っても、「圧倒的に上」というわけではない事(ゲルググ自体も白兵戦性能が高い上、バックパックで近接特化にすればギャンと同じことができる)・近接戦闘等においても高い技量を発揮するエースパイロット向けだが完成当時には既にその多くが戦死していた事が敗因と言ってもいい。

しかし、本機のコンセプト自体は非常に高い評価を得ていた様で、ゲルググと長所を併せ持ったガルバルディの開発に繋がっている。また、第1次ネオ・ジオン抗争の時期には、アクシズ及びネオ・ジオンでもR・ジャジャを始めとする本機の設計思想を純粋に受け継いだモビルスーツが開発され、更には本機のシールドと同じく武装を内蔵したシールドを装備したモビルスーツも多数が開発されている。後に火星におけるジオンの遺志を継ぐ組織である「ジオンマーズ」の後継組織である「オールズモビル」でも、ギャンの後継機の存在が確認されており、パイロットによっては高い評価を得ていた機体であったのは確かである。

劇中での様相[編集 | ソースを編集]

マ・クベの搭乗機[3]としてTV版にのみ登場。ソロモン攻略戦後、シャア・アズナブルに代わってアムロ・レイの搭乗するガンダムを撃破しようと目論むマ・クベが、自らの乗艦であるチベの指揮を副官のウラガンに任せて出撃。部下達の搭乗するリック・ドムの部隊にガンダムを自身の元へと引き寄せ、爆弾の内蔵された隕石でガンダムを吹き飛ばそうとするも、シールドを破壊するだけとなり、テキサスコロニーの内部へと逃げ込む事でガンダムを誘い込む。

コロニー内部での視界の悪さを利用して、仕掛けた爆弾や散布しておいた機雷群で仕留めようとするもこれも失敗。そこへシャアの搭乗する赤いゲルググに横槍を入れられてしまう事になるが、マ・クベは協力を拒否。ガンダムのビームライフルがエネルギー切れを起こしているのを見抜き、ビームサーベルを用いた近接戦で挑み、最後はビームサーベルでの壮絶な斬り合いの末に撃破され、登場していたマ・クベも戦死した。死の間際、マ・クベはウラガンに託した壺が敬愛するキシリア・ザビの元へ届けられる事に、最後まで想いを馳せていた。

劇場版では登場シーンは丸々カットされているが、ギャンのビームサーベルによる突き攻撃を回避するガンダムのカットがゲルググ戦で流用されている。

漫画『機動戦士ガンダム C.D.A. 若き彗星の肖像』ではゼナ・ザビとミネバ・ラオ・ザビア・バオア・クーを脱出する際にマ・クベが二人の護衛をするために本機に搭乗しているが、地球連邦軍のマゼラン級の主砲を受けて撃墜されている。

登場作品と操縦者[編集 | ソースを編集]

PS版の『第2次』『第3次』では素の機体グラフィックから本機の象徴とも言える剣と盾が消えているため微妙に違和感がある。とはいえ当時の作品ではほとんどの機体が「武装(シールド含む)は使う時だけ取り出す」というスタイルだったため仕方がないのだが。また、ゲルググと違って登場作品が旧シリーズとCOMPACTシリーズのみにとどまっており、スパロボでは影の薄い機体となっている(ゲルググは強化・バリエーション機含めてそこそこ出演している)。

旧シリーズ[編集 | ソースを編集]

第2次スーパーロボット大戦
初登場作品。DCの戦力として登場。原作通りマ・クベの乗機。
PS版ではボスユニット扱いということもあってか妙に耐久力が高いが、SFC版『第3次』の数値をベースにしているだけあって資金も妙に高い。レベル的に丁度神隼人幸運が使用可能になる頃なので活用したい所。また、ハイドボンブが威力・射程ともに最も優れた武器(一応格闘武器扱い)となっている上に弾数も非常に多いため中距離からこれをバラ撒くばかりで、代名詞のビームサーベルは滅多に使わない。
第2次スーパーロボット大戦G
DCの戦力として登場。今回は一度のみの登場だが、HPが20000もある。ダメージを与えるとイベントが発生しボロットパンチで撤退してしまうので倒したいなら、あらかじめ四方を囲んでおく必要がある。
登場するマップが分岐ルート中にある上に、こちらのルートでは仲間になるキャラクターがもう一方よりも少ないため、プレイヤーによっては見る機会すらなかったりする。
第3次スーパーロボット大戦
DCの戦力として登場。中ボスという扱いなのでゲルググシリーズより強く、所持資金もMSにしてはかなり高い。
PS版では『第2次』より機体性能は落とされているが、資金は据え置きなのが嬉しい。ただし自軍の戦力も乏しいため手強い相手。攻撃面は『第2次』同様ひたすらハイドボンブをバラ撒く。

COMPACTシリーズ[編集 | ソースを編集]

スーパーロボット大戦COMPACT
久々の参戦。シーン1から登場し、シーン3シナリオ「蒼く輝く炎で」やシーン5シナリオ「吹き荒れる嵐」にも登場。ジオン兵が乗る。HPがザク改に負けているのは悲しいが、序盤のうちはシールドミサイルに注意(特にオーラバトラーにとっては厄介)。
スーパーロボット大戦COMPACT2 第2部:宇宙激震篇
素の能力はザク改とドッコイなのだが、登場時はフル改造されており、攻撃力がかなり高くなっている。
スーパーロボット大戦COMPACT2 第3部:銀河決戦篇
シーン5シナリオ「悲しみの欠片」にてジオン兵が乗ってくる。全ての敵ユニット中最も装甲が薄く、ドローメにも負けているという不遇ぶり。

装備・機能[編集 | ソースを編集]

武装・必殺武器[編集 | ソースを編集]

ビームサーベル
本機の主兵装。貫通力を重視しており、ゲルググのビームナギナタや連邦製のビームサーベルよりも高出力。外見的にもインパクトがあり、おそらくはガンダムやジムといった強固なシールドを持つ機体との戦闘を想定した装備と思われる。
PS版『第2次』『第3次』では立ちグラフィックで持っていないばかりか、サーベル使用時は他のMSと同じピンクのサーベルを使用する[4]という謎の仕様に。
シールド
武装を内蔵した攻防一体の装備……という設定ではあるが、機雷やミサイルといった爆発物を内蔵している事から防御兵装としての在り方についてはしばしば疑問視されている。実際にはシールドの形をしたウェポンコンテナと言った方が正確であろうか。装弾している弾を打ち尽くせば普通に盾として使えるため、格闘戦に入る前に撃ち尽くすといった運用が前提なのかもしれない。
一応作中ではガンダムのビームサーベルに斬り付けられているが爆発はしていない。
なお、この思想は後に開発されるモビルスーツの幾つかにおいても採用されている。ただし、流石に本機のように爆発物を防御面に内蔵している機体は殆ど見受けられず(ビーム砲の場合はいくつか例がある)、裏面にマウントしている機体が殆ど。
PS版『第2次』『第3次』では立ちグラフィックで持っておらず、ハイドボンブの攻撃では盾が表示されない
ハイドボンブ
シールドに25基(12基とする資料もある)内蔵されている浮遊機雷。
作中ではおびただしい量のハイドボンブが浮かんでいたが、事前に撒いていたのだろうか。
SRWでは一部作品にて相手側にマシンガンの如く連射する武器として描写される。そういう使い方をする武器ではないはずなのだが……。
ニードルミサイル
シールドに60基(56基とする資料もある)内蔵されている実弾兵装。射程はあまり長くない。
本編では一斉射を行っているが、機体設定が作画スタッフに伝わっていなかったのか明らかに数百発は撃たれている。

特殊能力[編集 | ソースを編集]

剣装備、盾装備
切り払いシールド防御を発動。

移動タイプ[編集 | ソースを編集]

サイズ[編集 | ソースを編集]

M

対決・名場面[編集 | ソースを編集]

ガンダム
コロニー「テキサス」内にて、罠でガンダムを消耗させたうえで襲い掛かるマ・クベ。
ビームサーベル同士の白兵戦で奮闘するが、最後は胴体を泣き別れにされ爆死する。

関連機体[編集 | ソースを編集]

以下の機体以外にも『Gジェネレーションシリーズ』にて設定されたギャン改や、『ギレンの野望シリーズ』にて設定されたギャンキャノン、ギャンクリーガー、量産型ギャンなどが存在する(いずれもSRW未登場)。

ガルバルディβ
ギャンの発展機であるガルバルディαを連邦軍が改良したMS。
R・ジャジャ
ギャンの思想をベースとしてネオ・ジオンで開発されたMS。ただ、ビームライフルなども持ち合わせているので、極端に格闘戦に特化した機体ではない。騎士を思わせる形状のビームサーベル(鞘付き)を持つ。
ゲルググ
前述のように、コンペティションで負けた機体。
RFギャン(SRW未登場)
機動戦士ガンダムF90』に登場。オールズモビルが開発した機体で、本機と同様に白兵戦を重視している。
ギャンもどき(SRW未登場)
漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』(SRW未参戦)に登場。終戦後も生き延びたウラガン率いるジオン残党が設計図無しで再現した機体。

ガンダムビルドファイターズ登場ガンプラ[編集 | ソースを編集]

ギャンギャギャン(SRW未登場)
サザキ・ススムが使用するギャンの改造ガンプラ。両腕にミサイルシールドを装備している。
ギャンバルカン(SRW未登場)
ギャンギャギャンを更に改造したガンプラ。バックパックに二門のガトリングを装備する。
R・ギャギャ(SRW未登場)
サザキ・カオルコが使用するR・ジャジャをギャン風に改造したガンプラ。
はいぱーギャン子
サザキ・タテオが使用する姉カオルコをモデルとしたガンプラ。ギャン風の武装と外観が特徴。

余談[編集 | ソースを編集]

  • 本機の企画段階での名称は「ハクジ」で、「ギャン」は元々はゲルググの企画段階での名称であった。
  • ギャンは元々「マ・クベ専用モビルスーツ」という設定であり、劇中でもマ・クベがそういった旨の発言をしている。実際、放送当時の資料にもマ・クベ専用機と言う記載がなされていた。現在の「試作型モビルスーツ」「ゲルググと次期量産型の座を争った」という設定は放映終了後の1981年に刊行された書籍『ガンダムセンチュリー』が初出の後付設定であるので留意するべし。
    • 当時は他に「宇宙・大気圏共に飛行可能」という設定もあった。
  • 『機動戦士ガンダム ギレンの野望』シリーズにおいて、ギャンを正式量産機に採用すると量産型ギャン高機動型ギャンギャンキャノンギャンK(クリーガー)ギャンM(マリーネ)といった、ゲルググと対になる派生型が開発される事になる。
    • エースパイロット専用のギャンも開発されるようになるが、当初はマ・クベ専用のギャンは存在せず4コマ漫画でもネタにされた。続編では新規でマ・クベ専用ギャンがデザインされた。
  • ガンダムビルドファイターズ』第1話においてはウイングガンダムを撃破するという金星を挙げ、本放送当時、amazonにおいてHGUCギャンが完売するまでに至った。

脚注[編集 | ソースを編集]

  1. MS、機動戦士ガンダム公式web、サンライズ、2022年1月8日閲覧。
  2. 一方でゲルググはツィマッド社の技術も盛り込まれたジオン系企業の集大成といった性質もあり、コンペ自体が形式的なものだったという解釈もある
  3. 当時、マ・クベ本人は「私用に開発していただいたモビルスーツ」と語っているが、機体の設定や他に同型機があるとの追加設定等からもそれは無く、「マ・クベの搭乗を前提とする形でカスタマイズが行われた」というのが、正確な答えと思われる。
  4. 本機のビームサーベルの色は本来は黄色である。

商品情報[編集 | ソースを編集]

資料リンク[編集 | ソースを編集]