アルベオ・ピピニーデンは『機動戦士Vガンダム』の登場人物。
概要
ザンスカール帝国の士官で、クロノクル・アシャーの士官学校時代の先輩にあたる。
地球に降下してからは、トムリアット部隊を率いて、「ピピニーデン・サーカス」と呼ばれるコンビネーション攻撃でリガ・ミリティアを苦しめた。
後の地球浄化作戦では、クロノクルの副官となり、部下のゴズ・バールにウッソ・エヴィンの母ミューラ・ミゲルを人質にとる作戦を指示させたが、その卑劣さからクロノクルに愛想を尽かされる。
最終決戦目前で前衛を任されるが、タシロ・ヴァゴの策略にはまって孤立状態となってしまう。自分が戦線に出ることで士気を上げようと、MAビルケナウに乗り込むが、ウッソに敗れ被弾したルペ・シノのブルッケングに取り付かれ、道連れにされる形で爆死した。
登場作品と役柄
- スーパーロボット大戦α
- ジュピトリアンに所属。インターミッション用の顔グラフィックなし。搭乗機はコンティオ、リカール、アドラステア。本人の能力は大したことはないがHPの高いユニットに乗っていることが多く倒すには時間がかかる。最後はアドラステア艦隊を率いてゴラオンに突撃してくる。
- スーパーロボット大戦α for Dreamcast
- ステータスは平均以上で十分強いのだが、PS版同様運動性の低いMAや戦艦に乗っている割合が多いため真価を発揮できず。
携帯機シリーズ
- スーパーロボット大戦D
- 序盤からザンスカール帝国の敵として登場。地球クリーン作戦時にはジェイソン・ベックをゴズと共にクロノクルへ送った。
- 決着マップでは「椅子を尻で磨くだけの男で、終わるものかよ!」という発言に因んでか、椅子ことリニアシートを落とす。
単独作品
- 新スーパーロボット大戦
- 初登場作品。今作以降、担当声優の北島淳司氏の新録はされておらず、最新作まで一貫して本作で収録されたボイスが使用されている。
- 宇宙編の敵として登場。トムリアット、アマルテアに乗る。クロノクルと仲間割れをするイベントがあるが、隠しシナリオでは彼と同様にゾンビ兵にされてしまう。この時の乗機トムリアットもかなりの改造値の為、攻撃を許すと危険。
- 新スーパーロボット大戦 スペシャルディスク
- フリーバトルに登場。
- スーパーロボット大戦30
- 最速登場は宇宙ルート「混戦」。コンティオやアドラステアに乗るが、アドラステア搭乗時も何故かパイロットスーツ姿の場合がある(艦内ミッション「宇宙の敵軍団」で確認)。
- 今作ではゴズ・バールが登場しないため、中盤の地球クリーン作戦では、ミューラをブリッジの前に吊り下げて降伏を勧告するなど、原作以上に卑劣な存在として暗躍するが、人質作戦はヴァンにミューラを奪還されるかたちで失敗し、クロノクルから面と向かって愛想を尽かされる格好となった。
- その後はミッション「恐るべき罠」にてマケドニアコロニーで研究されていた「天使の輪」の試作機を用いてドライクロイツ打倒を目論むも、フェネクスの介入により失敗、ドライクロイツとの戦いに敗れ(もしくはルペ・シノに道連れにされるかたちで)戦死する。
- 「恐るべき罠」を通らなかった場合はエンジェル・ハイロゥ攻防戦にて戦死する。
パイロットステータス
- α
- 自爆、ひらめき、隠れ身、熱血、脱力、覚醒
- 「自爆」「脱力」というのがいかにも彼らしいというか、何というか……。
- 30
- 閃き、必中、加速、信頼、気合、突撃
- α
- シールド防御L3、切り払いL3
- D
- 底力L5、援護攻撃L2、指揮L2、コンボL3
- 新
- 切り払いL4、シールド防御L4
- 30
- 底力L6、見切りL2、EセーブL1、サイズ差補正無視L1、地形利用
- HP50%以下で被ダメージ0.7倍、最終回避率+20%
- 『30』で採用。
人間関係
- クロノクル・アシャー
- 士官学校時代の後輩。クロノクルがモトラッド艦隊の司令になってからは、彼の参謀につく。階級の上下関係が逆転しても彼からは変わらず「先輩」と呼ばれ慕われていたが、ゴズ・バールの一件での卑劣な謀略から見限られてしまう。ただし、彼としてはあくまでも甘ちゃんのクロノクルの作戦を成功させるために良かれと思ってやったことであり、自らが汚名を被る覚悟もあった模様。
- ルペ・シノ
- 部下。半ば愛人のような関係になるなど信頼していたが、逆に彼女から利用されていたことには最期まで気付かなかった。
- ゴズ・バール
- 部下。彼を唆し、ミューラ・ミゲルを人質にしてウッソを確実に仕留めようとする卑劣な作戦を指示する。
他作品との人間関係
- デルマイユ
- 『D』ではOZでの実権を失い、立つ瀬が無い状態の彼をシャトルごと撃墜、殺害した。
- ジェイソン・ベック
- 『D』では彼に取り入られ、彼をゴズと共にクロノクルのところに送る。ピピニーデンは彼を内心「クズ」と侮蔑していたが、ベックもまたピピニーデンを「おかしな名前」などと内心侮蔑していた。
- ギャブレット・ギャブレー
- 『30』では彼から陰で「浅ましい男」呼ばわりされ嫌悪されていた。
- ミツバ・グレイヴァレー
- 『30』では、人質作戦を主導したことで彼女に「なんて破廉恥な真似を!」と罵声を浴びせられる。
- ヴァン
- 『30』では、人質として利用しようとしたミューラを彼に奪われる。
名台詞
- 「ようこそ、クロノクル司令。ビッグキャノンの攻撃を身を持って制してくれた手柄によってモトラッド宇宙艦隊の司令に昇進した。私は作戦参謀を務めさせてもらうよ」
- クロノクル「恐縮であります。先輩」
- 「もう、そういう言葉使いも禁物なんだよ」
- 第28話「大脱走」より。クロノクルがモトラッド艦隊司令に昇進した際に。後輩との上下関係が逆転してしまったが、一切妬んでおらず、そのまま作戦参謀を務めるなど彼の公人としての人格を窺わせる。
- クロノクルの今まで通りの口調を軽い感じで戒めており、これ以降はクロノクルに対して基本的に敬語で接している。
- 「了解しました。司令も板についてきたな」
クロノクル「先輩の指導が良いからであります」
「そう思っているのなら、私の頼みを聞いてくれないか? ゴズ・バールという男をそちらにやる。彼の独断的な行動を黙って見ていてくれ」
クロノクル「独断的行動?」
「悪いようにはせん。停戦協定が発効する前に白い奴とリーンホースJr.だけは黙らせておきたいのだ」
クロノクル「連邦と停戦するという噂はあるが、白い奴を仕留めるまでは停戦など!」
「認めたくないだろう?」
クロノクル「当たり前だ。やってくれ」
「了解した……。成長したなクロノクルも」
- 第36話「母よ大地に帰れ」より。地球連邦政府と停戦するという噂もあり、ピピニーデンはゴズにミューラ・ミゲルを人質にしてウッソのV2と戦うように指示を出し、その作戦内容をクロノクルに伝えることなく了承を得る。
- 人質作戦の内容をクロノクルに知られると「見下げ果てた先輩」と嫌悪感を持たれてしまい、挙句戦果を上げることなくミューラが悲惨な死を迎えると「もうあの男を先輩とは思わん」を一方的に関係を断絶され、これ以降は一切絡むことは無かった。
- 「椅子を尻で磨くだけの男で、終わるものかよ!」
- エンジェル・ハイロゥでの最終決戦時に自らMAビルケナウで出撃しようとした時の台詞。行動できないことを「椅子を尻で磨く」と個性的な言い回しで表現した、ピピニーデンの代名詞的な台詞である。
- 「モビルアーマー・ビルケナウ出るぞ!メカニックは離れてくれ!」
- 兵士「司令! 混戦中です! ヘルメットは付けて下さい!」
- 「パイロットスーツでさえ邪魔なのだ、怪我をするつもりはない。出るぞ……ん? ルペ・シノのブルッケング? ……!!避けろッ!!……ッ!!」
- ビルケナウ発進の際の台詞。直後にメカニックからヘルメットを被っていないことを咎められるが、気にせずに自信満々な発言をして出撃しようとする……が、被弾してコントロールを失っていたルペのブルッケングがビルケナウのコクピットに突っ込んでしまい、死亡。そのままブルッケングの爆発によりビルケナウ諸共、アドラステア級汎用戦艦「ラステオ」も吹き飛ばされてしまい、ラステオ艦隊は全滅した。
- コックピットに乗り込んだところで出撃すらできずに死ぬ=最期の瞬間まで椅子を尻で磨くだけだったというその死に様から、ピピニーデンはガンダムシリーズ屈指のネタキャラとして今なお語り継がれている。本人にとっては嬉しくないだろうが。
スパロボシリーズの名台詞
- 「イスを暖めるだけの男で、終わるものかよ」
- 『D』ではこうアレンジされていた。分かりやすさを優先させたのだろうが、ちょっと残念である。
搭乗機体
- トムリアット
- 初登場時に搭乗。
- アドラステア級汎用戦艦ラステオ
- 艦長。
- ビルケナウ(SRW未登場)
- 出撃しようとしたところでルペのブルッケングの自爆に巻き込まれて戦うことなく退場してしまった。
SRWでの搭乗機体
- メッメドーザ、アビゴル
- 『D』で搭乗。
- リカール
- 『α』で搭乗。
- コンティオ
- 『α』『30』で搭乗。
- アマルテア
- 『新』で搭乗。
余談
- 戦わずに出番を終えてしまった彼の搭乗機である指揮官用重攻撃MAビルケナウであるが、漫画『機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴースト』(SRW未参戦)では、キゾ中将の搭乗機(金色の塗装を施した空中戦用の試作機)として猛威を振るったため、もしルペの自爆がなければV2ガンダムに一矢報いることができた可能性もゼロではない(ただし同作中第1巻では同型機を中心としたモブ兵の1個小隊が、一騎当千機とはいえたった1機によって全滅しているので、クセの強い特異な武装であることも含めてピピニーデンの技量では出撃できたところで同様の運命を辿っていた可能性が非常に高いことも追記しておく)。
- ちなみに、TVシリーズが出典のメカでありながら本編で戦闘シーンが無く漫画独自の解釈も強いためなのか、コミックスにてメカニック解説文が書かれている。
- 小説版では、ファラ・グリフォンの後任としてラゲーン基地の司令官に着任する場面でのみ登場し、以降の出番は無かった。
脚注