「三日月・オーガス」の版間の差分

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2023年4月9日 (日) 17:25時点における版

三日月・オーガス
読み みかづき オーガス
漢字表記 三日月 王我主
外国語表記 Mikazuki Augus[1]
登場作品

ガンダムシリーズ

声優 河西健吾
初登場SRW スーパーロボット大戦DD
SRWでの分類 パイロット
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プロフィール
異名 鉄華団の悪魔
種族 火星人
性別
出身 火星圏
血液型 A型
所属 CGS→鉄華団
役職 斬り込み隊長→遊撃隊長
好きな食べ物 火星ヤシ
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三日月・オーガスは『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』の主人公

概要

CGS参番組に所属する非正規少年兵の一人であったが、幼馴染みであり参番組リーダーのオルガ・イツカがクーデターを起こして新たに鉄華団を立ち上げてからは、ガンダム・バルバトスのパイロットとして猛威を振るい、やがて「鉄華団の悪魔」という異名と共に恐れられる存在となる。

人物 

感情が無いかの様に見える程非常に寡黙で細かい事を気にしない性格。一見すると年少組と変わらないほど身長が低いが、耐え難い激痛と身体不随や死のリスクが有る阿頼耶識の手術を3度受けて生き残ってきた強者であり、類稀無い戦闘センスの高さに加え、阿頼耶識の手術を度重なる形で受けた事による機体操縦における反応速度の高さによってメンバーの中でもモビルワーカー・モビルスーツ戦共において鉄華団でもトップクラスの実力を備えている。事実、モビルワーカーで戦っていた時期は白の専用カラーで塗装されており、その頃より既に名実共にエースパイロットとなっていた事が伺われる。また、体格こそ小柄なものの、日々の自己鍛錬を欠かしていない事から生身の戦闘力に関しても常人離れする形で非常に強い。しかし、それ以上に特筆すべきと言えるのは、「戦いや敵に対する一切の躊躇の無さ」であると言え、「敵」と判断した物に対しては即座に殺意を向け、眉一つ動かす事無く銃の引き金を引いて射殺したり、モビルスーツ戦においてもコックピットを容赦無く潰し、時にはモビルスーツから降りていて戦う意志のない相手に対しモビルスーツによる攻撃で殺害する事も厭わない等、苛烈さを垣間見せる事さえもあり、そして阿頼耶識のシステムを最大にまで発揮させる為ならば、自分自身の身体を犠牲にする事も厭わない。これらは敵対者となるギャラルホルン等からは「鉄華団の悪魔」と忌み嫌われ、味方からも恐れられる事に繋がっており、実の兄弟以上の信頼関係で結ばれているオルガにさえ精神的な重圧を与えてしまう事がある。

しかし、これらが三日月という人物の全てを表す訳では無く、自らの危険も厭わない彼の凄まじいまでの苛烈さは、「オルガを始めとする『家族』であり『仲間達』でもある鉄華団のメンバーを何が何でも、どんな事をしてでも守り抜く」という悲壮なまでの一途さから来る物であり、同時にそれこそが三日月の「強さ」の源となっている為、決して戦いの事しか頭に無い戦闘狂で無ければ人間味の無い人物などでは無い。そもそも、鉄華団の戦う動機の一つが「仲間達を守る為」であり、オルガの意志を尊重しようとする三日月がそれを完全に無視する様な行動に出る事は、余程の事が無い限りは「まず無い」と言ってさえも良く、戦闘中止の命令が出た際にも素直に従っている。劇中においても、仲間を失った事に深く落ち込んだクーデリア・藍那・バーンスタインノルバ・シノ、オルガ等を不器用ながら自分なりのやり方で励ます場面も多く見られ、またブルワーズとの戦いでは身内のいる昭弘・アルトランドを気遣い、彼の弟である昌弘・アルトランドを始めとする敵側に所属しても保護対象となる人物には攻撃を加えようとはせず、かつて戦場において敵対しても鉄華団と和解した人物に対しては「仲間」として接する等、大らかさも見せている。

作中の火星では珍しくないが、オルガと共に孤児として育ち、過去には生きる為に彼と共に路上強盗をして糊口を凌いでおり、そういった荒んだ人生が戦いにおけるシビアな思考を持つに至った要因と思われる。当然ながら、まともな修学はおろか教育も受けられなかった為、当初は文字の読み書きが出来ず日本語を絵として認識する場面もあり、後にクーデリアから勉学を教わる形で克服しようと努力している。一方、恋愛に関しても参考になる人物が全くいなかった為か[2]、気になっていたクーデリアに対してロクなプロセスも無しにいきなりキスをしてしまう等、ぶっ飛んだ倫理観を見せている。鉄華団の仲間の中でも、ビスケット・グリフォンとは彼の祖母である桜や双子の妹達であるクッキー・クラッカとも家族ぐるみでの付き合いがあり、非番の際には畑仕事の手伝いまでしている等、オルガに引けを取らない気を許せる「親友」の間柄となっていて、「将来のは自分の農場を持ちたい」というごく普通の少年らしい平凡な「」を心に秘める切っ掛けにもなっている。それ故に、普段仲間の死を目の当たりにしても何処か達観していたのに対し、ビスケットの死を目の当たりにした際は動揺を隠せない表情をしながら呆然とするという普段見せる事の無い様子も見せており、その後は彼を殺した仇となるカルタ・イシューやその部下達を、オルガの制止さえ無視する形で容赦無く叩き潰し、カルタもガエリオ・ボードウィンに回収されながらも、最終的に死に至らしめている。

なお、三日月が「前線に積極的に出る」「あまり多くのキャラクターと関わりを持たない」「半ば思考を放棄している」のに対し、もう一人の主人公格であるオルガの方は「前線にあまり出ない」「多くのキャラクター達と会話し関わる」「大いに悩みつつも決断し進んでいく」と対照的な面がある[3]

劇中の様相 

生い立ち 

火星で技師をしていた夫婦の子供として生まれた三日月であったが、両親はまだ5歳の頃に死別。その後は養護施設に預けられていたが、施設の環境が酷過ぎたのか、直ぐに出ざるを得ない状況に追い込まれていた[4]。その後は貧民層の中で一人生きていた所で「竹馬の友」と言えるオルガと出会う事になり、生きていく為に彼と共に路上強盗を行い、その中でオルガが自身を庇って傷を負った結果、「自分の命はオルガにもらったものだから、オルガのために使い切らないといけない」という行動原理を持つ事になった。

その後、強盗だけではやっていけなくなったのか、10歳の時にはオルガと共にCGSに入隊しており、過酷となる阿頼耶識システムの施術を3度も受けて生き延びた結果、オルガがリーダー格となる参番隊のエースパイロットとしてモビルワーカーを駆り、戦場へ身を投じる日々を送っていた。

本編 

過酷な戦場で戦い続ける日々を送る中、ギャラルホルンの襲撃を受け大人達が逃げ出したのに乗じる形で、CGS本部施設地下に電源設備として流用されていたガンダム・バルバトスを起動させるようオルガに言われた結果、それに搭乗して起動。その力を持ってギャラルホルンを撃退する事に成功する。その後、戻って来て図々しい態度を取る大人達に我慢の限界を迎えたオルガがクーデターを起こす事になるが、三日月は一軍の大人の中でも自分達に散々な扱いをした隊長のハエダとその腰巾着であったササイの二人を射殺する。更には再度現れたギャラルホルンのクランク・ゼントの言葉にも一切耳を貸す事無く、モビルスーツ戦で戦い死に追いやっている。結果的に、この事が原因でクランクを慕っていたアイン・ダルトンから激しい憎悪を買う事になり、因縁が生まれる事になる。

その後、オルガがクリュセ代表首相の一人娘で火星独立運動の中心人物となるクーデリアからの依頼を受けた事から、共にイサリビで地球へ向かう事になり、引き続きバルバトスのパイロットとして障害となったギャラルホルンや宇宙海賊のブルワーズを退けていく。しかし、鉄華団がタービンズの傘下となり地球へ向かう途中でコロニー「ドルト2」を立ち寄った後、そこで起きた事件が原因でオルガとビスケットの二人が衝突してしまう事態となり、ひとまず保留という形でその場は治まったのだが、その後の地球降下後の戦いにて、追撃してきた地球外縁軌道統制統合艦隊の司令官であるカルタによりビスケットが戦死してしまう事態となり、仲間の死に達観した考えをしていた三日月も、家族ぐるみで付き合いのあった彼の死には、動揺を隠せない表情で呆然としていた。しかし、このままではいけないと悟ったのか、自分以上に塞ぎ込んでいたオルガに発破をかける形で半ば強引に立ち直らせ、カルタが一騎打ちを求めて再び現れた際は、問答無用とも言える形で彼女の部下達をバルバトスで殺害。カルタにも重傷を負わせ、ガエリオに回収されてしまう形で逃げられてしまうも、彼女も最終的には死に至らしめている。

激闘を潜り抜け続け、蒔苗東護ノ介の護送任務でエドモントンに到着後は、自身への復讐心のみで動く「化物」と化したアインの駆るグレイズ・アインと交戦。その猛攻の前に追い詰められていく事になるが、自身の負担も顧みない形で阿頼耶識の力を解放。最終的にグレイズ・アインを撃破する事に成功し、クーデリアから受けた依頼を完遂させる事に成功した。

第2期では鉄華団の拡大に伴い正式に「遊撃隊長」に就任。だが、遊撃隊に他の隊員はいない上に、グレイズ・アインとの決戦で阿頼耶識を使いすぎた代償として、阿頼耶識を通じてバルバトスと直結させていないと身体の一部が動かせなくなってしまっている。その上、そのバルバトスもオーバーホールの為にテイワズに預けていた事から第2期開始時点では大した仕事も出来ない状態となっており、事情を知らない一部の新米団員達からは陰で「産廃」呼ばわりされる等、完全に舐められていたのだが、改修されたバルバトスが戻って来た後は再び「鉄華団の悪魔」として敵味方から恐れられる猛威を振るう事となる。

登場作品と役柄

単独作品

スーパーロボット大戦DD
初登場作品。ガンダム・バルバトスに搭乗。担当声優の河西健吾氏は当作品でSRW初参加。
参戦は序章ワールド4ステージ1「鉄と血と」から。第2章Part6からは原作通り片目の視力と片腕の感覚を失くしており、立ち絵でも反映されている。
三日月らしいと言うべきか、増援として出た味方機体を見るなり殲滅対象として確認する場面が多く見られる。一方で、原作でも描写されている「仲間」として認めた者には気遣いを見せる場面もまた存在している。
スーパーロボット大戦30
シーズンパス「DLC2」として追加参戦。ルプスレクスに搭乗。家庭用スパロボ、並びに第2期設定で初参戦のため、音声の新規収録が行われている。
地上ルートで開始、かつDLCを適応した場合、ミッション選択の順番次第では最初に自軍に加入するリアル系パイロットとなる可能性もある。エースパイロット認定時の獲得スキルプログラムは「格闘アップ」。

パイロットステータス

能力

作品の傾向もあり、ガンダム系としてはドモン・カッシュに続く格闘特化型。素の能力値が全体的に高い上に阿頼耶識システムで更に補正がかかるため、総合値はかなりの物になる。

精神コマンド

DD
直撃加速突撃捨て身
敵に接近して殴り倒すことしか考えていない、三日月のスタンスを表したかのような過激なラインナップ。
……のように見えて、ただ一つ輝く「絆」が彼の人間性を示している。運用面では攻撃力こそ凄まじい反面、防御に関わる物が何も無い(「絆」も自身の回復はできない)のがネック。
30
加速不屈直感気迫
攻撃一辺倒だった「DD」と異なり、攻防共にバランスの良いラインナップ。「絆」も健在。
消費はかさむが不屈+直感(ひらめき)が自力でできるのも心強い。またリミッター解除の発動と効果終了後のリカバーに「気迫」も活かせる。

特殊スキル

DD
阿頼耶識(三日月)
攻撃力・照準値に補正がかかる。
鉄華団(三日月)
必殺技威力に補正がかかる。気力130以上の時、ステージ中一度だけ「奮起」(LV20で「熱血」に強化される)がかかる。
闘争心(三日月)
与ダメージに補正がかかる。自分のアクション開始時に気力が1上昇する(LV20で「気力が2上昇する」に変更される)。
強靭(三日月)
HPに補正がかかる。気力130以上の時、ステージ中一度だけ「強靭」がかかる(LV20で「不屈」もかかる)。
アタッカー(三日月)
気力が10上昇する毎に、攻撃力・防御力に補正がかかる。
30
阿頼耶識システム底力L8、闘争心L2、気力限界突破L2
底力に加えて気力に関わる技能2種のどちらも高レベルで持参している。

エースボーナス

特殊能力「リミッター解除」発動時に精神コマンド「覚醒」がかかる。
30』で採用。リミッター解除は初期状態では持っておらず、機体強化を待つ必要がある。
従来の覚醒を付与するボーナスと異なり個別コマンドと同期しているため任意タイミングで発動させられ、ターン制限のあるリミッター解除との相性も良く使いやすい。

人間関係

鉄華団

オルガ・イツカ
幼馴染。彼が言った「自分達の居場所」に辿り着くため彼に付いていく。彼からは「ミカ」と呼ばれている。全幅の信頼を置いており、彼の命令は文字通り命がけで遂行しようとする。
アトラ・ミクスタ
幼馴染の少女。雑貨屋に紹介して以来、慕われている。仲は良いが彼女に頭が上がらないところも見られる。
ビスケット・グリフォン
休日には彼の家の畑を手伝っており、後述する彼の家族とも親交がある等、仕事仲間というよりも家族ぐるみで付き合いのある友人同士という関係であった。それ故か、独特の死生観を持っていた三日月でさえ、彼の死には愕然としてしまっていた…。
昭弘・アルトランド
「筋トレ仲間」で、ライバル視されている。
タカキ・ウノ
彼から尊敬されている。
ライド・マッス
彼からも尊敬されている。
ナディ・雪之丞・カッサパ
愛機バルバトスの修理換装で世話になる。
ハッシュ・ミディ
後輩。遊撃隊に配属されてからは直属の部下となる。ファーストコンタクトは最悪だったが遊撃隊配属以降の関係は割と良好であり、三日月も彼を頼りにする発言をしたりしている。

CGS

ハエダ・グンネル、ササイ・ヤンカス
参番組を虐げていた一軍の大人達。三日月の拳銃で容赦無く粛清された。

クリュセ独立自治区

クーデリア・藍那・バーンスタイン
理想家である彼女に最初は辛く当たるが、それが彼女の成長の一つに繋がり、三日月もクーデリアを信頼するようになる。
クッキー・グリフォン、クラッカ・グリフォン
ビスケットの双子の妹。彼女達とも仲が良い。
桜・プレッツェル
グリフォン兄妹の祖母。三日月は「桜ちゃん」と呼んでおり、彼女に頭が上がらないところもある。

ギャラルホルン

マクギリス・ファリド
素面で対面してからは、チョコレートの人と認識する[5]。基本的に敵に関心を示さない三日月だが、マクギリスの腕前に一目置いている。
ガエリオ・ボードウィン
「グリフォン姉妹をひき殺した」と勘違いして、彼の首を絞めて殺そうとした上、誤解が解けた後もロクに謝罪をしなかった(謝り慣れていない事もあるが)為、強く恨まれる事に。
その上、名前をなかなか覚えず、チョコの隣の人だのガリガリと呼んでいた。
カルタ・イシュー
彼女の形式ぶった作法や言動を何度か不意打ちでブチ壊しにする。
アイン・ダルトン
第1話においてCGSを襲撃したところから因縁が生まれ、さらに尊敬するクランクを「一方的に」殺害したことで復讐の対象にされる。
クランク・ゼント
CGS襲撃の際、相手が少年兵だという事を知って彼等を救おうとするが、その独善ぶりは、三日月を不快にさせただけだった。
一連の出来事が三日月の心中に影響を与えることは全く無いが、彼の存在自体は意外とちゃんと覚えていたことが後に判明する。
ジュリエッタ・ジュリス
アリアンロッド艦隊のMSパイロット。似た者同士なように思えるが、似て非なる者である。彼女からは「悪魔」と呼ばれており、以後、三日月の異名として定着した。

他作品との人間関係

大空あかり
2016年度のサンライズ公式年賀イラストにおいて、彼女と餅つきを行っている。
アルバトロ・ナル・エイジ・アスカ
『DD』にて、グラドス軍との戦いに消極的な態度を度々諫めている。第2章Part4「願いの重力」では、大気圏内に落ちるところを彼に救われ、後述の「ド外道サーフィン」に踏み切らずに済んでいる。
ゴステロ
『DD』ではあまりに下劣で喧しい性分に怒るどころか呆れていた。
ディド
『DD』ワールド4の序章ストーリーでは転移後に記憶喪失状態で火星で発見され、CGSに入っていた。初めて彼がディーダリオンに変身した際には倒していいかオルガに確認する。
式波・アスカ・ラングレー
『DD』1章にて、何かと噛み付く彼女をいなしたり、文句を言うと煽ってやる気を出させたりしていることから、葛城ミサト『アスカを乗せるのが上手いわね」とコメントしている。
戦部ワタル遥大地
『DD』2章にて、これからの戦いに対して不安を感じている彼らを気遣っている。因みにこの行動について不動明「意外な対応だ」とコメントしている。
エッジ・セインクラウスアズ・セインクラウス
『30』にて。二人とも、三日月とオルガの関係は自分とミツバに近いと親近感を抱かれてる。
エッジは打ち解けようとしたものの会話が進まなかったが、アズは逆にたどたどしくも世間話が成立している。

名台詞

第1期

「ねぇ、次はどうすればいい、オルガ?」
第1話。オルガ達の危機を救った後で尋ねる。オルガへの信頼も表している。
しかし、オルガにとっては「三日月の期待に応えなければいけない」という気持ちを強くさせる呪いの言葉でもある。
「でも、それってつまり…『俺らは対等じゃない』って事ですよね?」
同話よりクーデリアから「貴方と対等な立場になりたくて」と握手を求められた際、手が汚れているからと断った後にこう言い放つ。真剣に親睦を深めるつもりだった彼女もショックを受けた。
三日月からしてみればクーデリアの言葉もまた自分たちを人間扱いしていないCGSの大人達と同じだと感じ取ったのだろう。PD世界における孤児達の過酷な現実を表す台詞でもある。
「……どの口が言ってんだ」
第2話にてギャラルホルンのモビルワーカー隊を盾にし、その事をアインに非難された際の返し。
三日月からしたらいきなり現れて自分の仲間を殺した奴がブーメラン発言をしているとしか思えず、アインをただ軽蔑した。
「マジでやめて」
「たかがあんた一人のせいであいつらが死んだなんて。俺の仲間を馬鹿にしないで」
第2話。「ギャラルホルンが自身を狙っていた事で大勢の少年兵を巻き込んだ」と責任を感じるクーデリアに向けて。
キツい物言いではあるが、遠回しながら彼女を気遣っているようにも見える。
「大丈夫、これが守ってくれるから」
アトラに戦闘中の安否を心配された際、彼女からもらったミサンガを見せての台詞。アトラの事を特に大切に思っている事が感じられる。
「……俺が楽しんでいる?」
「まぁいいか。こいつは死んでいいヤツだから
第13話冒頭。クダル・カデルの乗るガンダム・グシオンを追い詰めた際に彼から「人殺しを楽しんでいる」と指摘を受けるが、気にする事も無くトドメを刺した。
良くも悪くも敵対者には一切容赦しない三日月の苛烈な一面[6]を象徴する台詞である(余談も参照)。
『DD』では直前にゴステロと戦闘していたこともあり、「さっきのグラドスの男みたいに?」という台詞が追加されている。
『30』では「徹底的にやる、あいつは死んでいい奴だから」とアレンジされて対Dr.ヘル特殊戦闘台詞に用いられている。
「それ、ここの連中に?」
アトラ「う、うん……」
物語中盤となる第15話、アトラが敵組織に拉致され暴行を受けた際にアトラが重傷を負っていたのを見ての確認。相当憤ったのか一瞬で凶悪な表情になっており、彼のアトラへの強い思いが感じられるシーンである。
「もう、フミタンじゃない」
第16話。クーデリアの侍女フミタンが敵の襲撃により戦死し、クーデリアが悲しみに呆けている際の台詞。
「死体はあくまで死体であってその人ではない」という三日月の死生観がよく表れた場面であり、この後クーデリアを米俵の如く抱えてその場を退却した。
「凄いなあいつ…」
「俺たちが必死になって一匹一匹ぷちぷち潰してきたヤツらを声だけで…止めた」
第18話、ドルトコロニーで行われているギャラルホルンの蛮行への弾劾演説を行うクーデリアへの賞賛。
しかし、「一匹一匹ぷちぷち」とまるで羽虫を叩き落としているかの表現に彼らしさが溢れ出ている。
「うん、おやっさんたちが中身を確認してるとこ…っていうか、なんでチョコの人がいんの?」
同話、鉄華団の前に現れたモンタークを前にして、正体がマクギリス・ファリドである事を即座に見破った。
もっとも、視聴者からしてみれば(主に声のおかげで)バレバレではあったので仮面キャラに対するアンチテーゼとも取れる場面ではある。
「でも、アトラも泣いてる」
同話、悲しみを押し殺していたクーデリアと、それに共感し涙を流すアトラを抱きかかえた際の台詞。
死生観がドライな三日月だが仲間に対する情は厚い部分がよく表れたシーンであり、今まで自分を殺して踏ん張っていたクーデリア達もそれに耐えられず三日月の胸で泣き崩れてしまった。
「そうだ…俺はその場所が見たい。お前はどうだ!? バルバトス!」
第19話「願いの重力」より。限界点を超え、機体が燃え尽きるのを覚悟で格闘戦を挑んできたグレイズリッターを沈めたものの、仲間とはぐれてしまいバルバトス単機で大気圏突入した際のバルバトスへの呼びかけ。
その叫びに白き悪魔は期待に応え、さっき沈めたグレイズリッターを盾にして大気圏突入に成功した。このあまりに非人道的な突破方法が視聴者に受け、「ド外道サーフィン」と揶揄されている。
『DD』ではこの台詞までは登場したが、直後レイズナーが盾になってくれたため、非人道的な突破方法に踏み切らずとも事なきを得ている。
「ダメだよオルガ。俺はまだ止まれない」
「教えてくれオルガ」
「ここが俺たちの場所なの? そこに着くまで俺は止まらない、止まれない。決めたんだ、あの日に……決まったんだ」
「ねぇ、何人殺せばいい? あと何人殺したらそこに着ける? 教えてくれ、オルガ。オルガ・イツカ。連れて行ってくれるんだろ、俺は次、どうすればいいんだ……」
「ああそうだよ、連れてってくれ。次は誰を殺せばいい? 何を壊せばいい? オルガが目指す場所へ行けるんだったら、何だってやってやるよ」
第22話。ビスケットの戦死に意気消沈するオルガに向けて鬼気迫る表情で発破をかける。
Endless Waltz』におけるヒイロの台詞を彷彿とさせるが、あちらは「無関係の人間を巻き込んでしまった事を悔いている」台詞だったのに対し、こちらは「散っていった仲間達の為にも、今ここで立ち止まるわけにはいかない」と、意味合いは全く異なっているのが興味深い。
「あんたが誰だってどうだっていい。あんたが敵だって事に変わりないんだろ?」
「逃がすわけないだろ」
殺さないとあんたはまた俺たちを邪魔しに来るんだろ? だから…いや、そうでなくても…!」
第23話。カルタ・イシューから決闘を申し込まれるも、向こうの事情など知った事では無い三日月が取った行動は勧告無視の先制攻撃で、あっという間に部下を惨殺、カルタを追い詰める。当初その情け容赦の無さは流石に仲間からもドン引きされるも、次第に団員たちは彼の戦いぶりを見届けるようになる。
前のカルタ隊との戦闘で家族ぐるみの付き合いがあったビスケットを殺された三日月からしてみれば、カルタの物言いは「何様」以外の何者でも無かったと言え、『仲間を殺しておいて今更決闘を申し込む』としか見えない独善とも言える申し開きぶりには、あるいはに対して以上に憤りを感じていたのかもしれない。
また、三日月自身は敵討ちとは言っていないものの、『ここで仕留めておかないとまた仲間が殺される』と仲間を守る為に必死であったとも言え、この時に雪が溶けた水がバルバトスの顔に付着し、まるで涙を流しているかの様に見えるのが印象的である。
「あのおっさんは、自分で死にたがってたよ」
第25話(第1期最終回)より。クランクの仇討ちに燃え、恨み節をぶつけ続けてくるアインに対してこう返す。
言い方には棘があるが的を射た表現であり、三日月の方がクランクの心中を真っ当に理解しているのは皮肉である。
「罪? 救う?」
「それを決めるのはお前じゃないんだよ」
「おい、バルバトス。いいから寄越せ……お前の全部……!」
「まだだ……もっと……もっと寄越せ、バルバトス!」
同じく第1期最終回、襲い来るグレイズ・アインに苦戦を強いられ、アインの押し付けがましい正義感にキレた際の怒号。この三日月の意思に応えバルバトスは最大出力となり、その力で見事グレイズ・アインを撃墜する。
だが、「悪魔との契約には供物がある」のが定番。この強大な力の代償として三日月は右目の視力と右腕の感覚を失ってしまう
余談ながら4行目のセリフは2期放映中に別のゲームのバルバトスを狩る際に引用され[7]三日月の中の人にすら誤解されてしまったという逸話がある。
グレイズ・アイン「クランク二尉!ボードウィン特務三佐!!私は、私の正し―――」
「五月蠅いなぁ……オルガの声が聞こえないだろう……」
同上、グレイズ・アインにトドメを刺した際の発言。三日月の「敵に如何なる理由があろうと敵である限り倒す」事と「オルガとの」が表れている。

第2期 

「何これ?」
「これは…何?」
アトラに対してやや暴力的な絡みをしたハッシュに対して、彼の腕を取りあらぬ方向にひん曲げながらの威圧。アトラへの想いが感じられるシーンだがいくらなんでもやりすぎである。

その他

「アンタらと対話する気はないし、分かり合う必要もない」
アーケードゲーム『機動戦士ガンダム EXTREME VS. MAXI BOOST』において、劇場版ソレスタルビーイング所属のキャラクターを撃墜して勝利した際の特殊台詞。三日月達鉄華団の団員たちは戦うことでその日の命を繋いできた者ばかりであるため、対話による平和を目指すCBの思想は理想論であり、決して相容れないと思われる。なおスパロボでは『DD』で『00』と『鉄血』が共演しているが、現在のところ目立ったクロスオーバーは無い。

迷台詞

第1期

「可愛いと思ったから。……ごめん。嫌だった?」
鉄華団がタービンズと同盟を組んだ後、名瀬に男女の価値観を教えてもらった後にクーデリアとなんとなくいい雰囲気になった際に無理矢理彼女の唇を奪った際の台詞。
男女の価値観をあまり理解していない三日月ならではの行動だが、普通に考えればセクハラ以外の何物でもない。
「その声……そういうあんたはチョコレートの隣の人」
第5話。戦場にて相対したガエリオを指して。
「この声……あんたチョコの隣……」
ガエリオ「ガエリオ・ボードウィンだ!」
「……ガリガリ?」
ガエリオ「貴様、ワザとかッ!?」
「まぁ何でもいいや。どうせ、すぐに消える名前だ」
第17話。ガエリオと再会した際の会話。
上記の迷台詞と合わせて、良くも悪くも戦場で敵として立ちはだかる者に対しては無関心な三日月のスタンスが見て取れる。
昭弘「……撃って、良いんだよな?」
「当たり前じゃん」
カルタ・イシューの部隊が大々的に名乗りを上げた際、無視して不意打ちをした昭弘に対する返答。
確かにヒーローものではないので、隙だらけに名乗っている方が悪いのだが。
「ようやくが食える」
物語終盤、激化するギャラルホルンの攻撃を退けた後の台詞。同じく戦っていたシノはげっそりして食欲が失せていたので、見事に対照的になっている。
「誰そいつ?」
最終回、アインからクランクの恨み節をぶつけられた際の回答。当然ながらアインは激高、三日月節ここに極まれり。もっとも、戦闘中にいきなり「クランク二尉」と名前を出されたため咄嗟に思い出せなかった(あるいは名前を覚えていなかった)だけだったようで、そこから続く恨み節を聞いているうちに誰のことか理解し、クランクの心情を彼なりに察した発言(前述)もしている。しかしこの時のアインは半ば狂乱状態だったので、まともに会話は成り立たなかった。

第2期

「チッ…はぁ…邪魔」
19話にて。戦闘中、敵に追い込まれたハッシュの獅電を確認し、戦闘の邪魔だと判断し獅電をバルバトスで蹴り飛ばした際の台詞。この時ハッシュは初めての実戦で撃墜寸前にまで追い込まれており、一応部下の窮地を救った形にはなるのだが、相変わらず容赦ない。

その他 

「俺の仲間を、馬鹿にしないでくれ!」
アーケードゲーム『ガンダムトライエイジ evol boost』にTV版初放送開始より1か月早く登場した際の台詞。TV本編のミカのイメージとは全く違う感情が籠った熱い主人公のような台詞である。TV本編では上記のように「俺の仲間を馬鹿にしないで」になっている。
製作が先行していた分キャラ設定が細部まで決まっていなかったのか、それとも対象年齢層に合わせて言葉を柔らかくしたのかは不明。
「爆熱。………ゴッド、フィンガァ―――。」
「オルガ………さっきの必要なの?」
ゲーム『SDガンダム Gジェネレーション クロスレイズ』にて、ゴッドガンダムに乗せて爆熱ゴッドフィンガーを発動した際の台詞。スーパーロボットなノリとは真反対のキャラクターであるためか、Gジェネレーションシリーズの定例としてフィンガー系武装使用時各々好き勝手に弾ける中で、三日月は恐ろしくローテンションで棒読みする変わり種の弾け方をする。

スパロボシリーズの名台詞

アスカ「ちょっと生意気じゃない? 年下のくせに!」
三日月「俺が何歳か知らないでしょ」
『DD』で式波・アスカ・ラングレーと口論になった際の台詞。見た目で断定されたのであろうが、実際のところ三日月には年齢の設定がなく、孤児なのでそもそも自分でも年齢を知らない可能性がある。
「別に普通じゃないの」
「あんた、その異世界に残してきた仲間が気になるんでしょ? おかしくないと思うけど」
『DD』第27話「漂流者たち」より。元の世界(ワールド1)に戻ってこれたショウだったが、バイストン・ウェルに残してきてしまった仲間達を思い出し、「ここは自分の世界だが、別の世界の事ばかり気にしてしまう」と落ち込み、つい弱音をこぼしてしまう。
それを見た三日月は当たり前の事とフォローに回るのだった。仲間とのを重んじる三日月らしい台詞と言える。
「…出なくていいよ。俺達でやるから」
『DD』第2章Part1「悪魔の所業」にて。第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦を目前に、遥大地戦部ワタルといった自らより幼い子供達が戦おうとするのを言葉短く止める。この言葉に不動明は後に「意外な対応」と評しているが、素っ気ないように見えて仲間には優しい三日月の一面が出ている台詞。
「それって、あの赤い奴を倒すなってこと?」
昭弘「ああ…あの姉弟はまだ話が出来る。俺や昌弘と違ってな」
「そっか。じゃあ、邪魔する奴を片付けなきゃね」
『DD』第2章Part3「赤は復讐の色」より。と戦場で再会し、狼狽しながらも生き残ることをエイジが決めた際の昭弘とのやり取り。仲間想いであり、仲間の意向は可能な限り汲む、そしてそれはそれとして倒していい敵には一切容赦しない三日月らしさが凝縮された台詞。
三日月「あれ、美味しいのかな?」
オルガ「試してみたら、どうだ?」
三日月「嫌だよ」
『30』キーミッション「浄化される大地」にて、ヴァンの食事を見ながら。彼から見ても、大量の調味料を使う食事は異常だと思われている。

搭乗機体

ガンダム・バルバトス→ガンダム・バルバトスルプス→ガンダム・バルバトスルプスレクス
鉄華団の主力MS。第1話で搭乗して以降、愛機となる。物語が進むたびに改修され、システム面等でも三日月に合わせた調整が施されていくため、実質的な三日月専用機となる。
「ルプス」及び「ルプスレクス」は第2期以降に改修された形態。改修されるたびに名前が長くなるため「ルプスレクス」になった際は「また長くなった」とぼやいていた。
CGSモビルワーカー
CGSの小型戦闘車両。白い専用機に乗っていた。

余談

  • ガンダムシリーズにおいて強化人間主人公の敵側の人物として登場するケースが多いが、三日月に施術された阿頼耶識システムは身体改造と言えるので「(TVで放送された)ガンダムシリーズにおいて初の、明確に強化人間である主人公キャラクター」であると言える。
  • 三日月・オーガスはヒイロ・ユイ刹那・F・セイエイ等と同様に少年兵出身の主人公なのだが、劇中では彼等以上に感情を押し殺した言動や悩みの無い描写が多く、劇中での敵対者における容赦の無い戦いぶりetc.多くの鮮烈的な活躍から視聴者から「ミカニキ[8]」という愛称が付けられている。
    • ヒイロや刹那が工作員としての訓練も受けた、ある種のエリートであるのに対し、三日月は読み書きさえおぼつかない事もまた対照的である。
    • ガンダム40周年」の一環として、戦いに明け暮れる三日月の前に、ELSとの対話を果たした刹那が、を差し出すイラストが描かれた。
  • 一方で、三日月が表面的には悩みを見せず、ギャラルホルンの兵士達ともほとんど関わろうとせず、良くも悪くも淡々と敵を殺していくキャラクター性から「人間味があまりに欠け過ぎている」として、彼を苦手とする視聴者も少なくない。

脚注

  1. Character、機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ、サンライズ、2022年1月9日閲覧。
  2. オルガを始め、仲間の誰もが恋人らしい人物が一切おらず、実質的にハーレムを囲っているタービンズの名瀬に関してはもはや論外である。
  3. 「三日月とオルガの性格・行動面を合わせると丁度良い」という形でキャラクター性を二分されていたのかもしれない。
  4. 作品の監督である長井龍雪氏の発言から。
  5. 彼が車でグリフォン姉妹を轢きそうになったお詫びにチョコレートを渡していた事から。
  6. 敵対者には容赦しない反面、相手がヒューマンデブリであろうと仲間に対して思い遣りを忘れない三日月と、部下であるヒューマンデブリに対して虐待を加えるクダルとでは「紙一重以上の差が有る」とも言える。
  7. 全プレイヤーで一定数のボスを倒すいわゆるレイドイベントにおいて、対象のうちバルバトスが特に需要の高いアイテムを持っていたので、多くのプレイヤーがバルバトスに殺到。年末までの予定だったが、僅か12時間で全滅してしまった。なお、そのイベントでは「殺したかっただけで、死んで欲しくはなかった」という大迷言が生まれている。
  8. 「三日月兄貴」の略。

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