鉄華団

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鉄華団(てっかだん)とは、『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』にて登場する組織。

概要[編集 | ソースを編集]

火星の民間軍事会社「クリュセ・ガード・セキュリティ」(以下「CGS」)を前身とする民兵組織。名付け親は団長であるオルガ・イツカであり、「決して散らない鉄のとして命名した。

CGSの非正規部隊である年少者を中心に構成された「参番組」を母体としており、実質的には「参番組がCGSを乗っ取った」と言える。その為にメンバーも参番組出身の少年兵(年齢によって「年長組」「年少組」「幼年組」の三者に区分される)が大半を占めているが、元CGSの社員やテイワズから派遣された者等、多少ながらも大人のメンバーも所属する。

設備や保有戦力等は、基地の動力源として利用されていたガンダム・フレームのモビルスーツであるガンダム・バルバトスの他に、CGSで使用されていた兵器をそのまま転用しており、強襲装甲艦「イサリビ」等も有している。また、後にテイワズからの後ろ盾を得る形で新型機を受領し、更には戦利品として鹵獲したガンダム・グシオンや発掘したガンダム・フラウロスといった新たなガンダム・フレームも入手する事で、着々と戦力の底上げを行っている。

一方、「あくまでも団員達の暮らしを豊かにする事」が最上位目的となっている組織の為、利益に繋がるのであれば団員たちの犠牲が出てしまう可能性の高いリスキーな方針も厭わない部分もある。組織の結成前における経緯からか慢性的な人員、資材、資金不足で組織の維持が非常に困難な状況でありながらも「大人や自分達と境遇の異なる外部の人間は信用出来ない」という固定観念[1]に少年兵たちのほぼ全員が縛られがちになっているという組織としては致命的な弱点を抱えている。さらに組織に所属している大人たちは子供たちに好意的である反面、過去(CGS時代)に守ってやれなかった負い目も加わってか裏から支えるのみに留めたり、内情を余り知らず強く意見を言えなかった等から精神的に決して成熟しているとは言えない少年兵達が常に主導権を握っている状態にあった。この結果、組織というよりは「寄り合い所帯」的な体裁の強いこともあって、団員たちは組織(正確には少年兵たち)の頭であるオルガ1人に意思決定を丸投げしてしまう場面が多々ある。

他にも自分たちが生き残るためとはいえ、渡る先々で周囲の被害をあまり考慮しないモビルスーツ戦を展開してしまったり、知らず知らずとはいえ、デモ活動を行う民間人に軍事用モビルワーカーを提供してしまった事でギャラルホルンによる軍事介入の大義名分を与えてしまう等、世間一般に与えている影響には負の側面も抱えている。第2期開始時点ではヒューマンデブリも所属する民間組織に過ぎない鉄華団のメンバーの活躍が世間に知れ渡った結果、ヒューマンデブリの有用性を印象付けていまい、治安を悪化させてしまう事態に繋がる皮肉も見られた。

劇中の様相 [編集 | ソースを編集]

CGS時代、後に鉄華団を結成する事になる「参番組」の少年兵たちは大人たちで構成された「壱番組」から使い捨ての駒同然の扱いを受け、憂さ晴らしに暴力を受けてしまう事さえもある等、極めて劣悪な環境で過ごす日々を送っていた。

そんな中、治安維持組織であるギャラルホルンとの戦闘に突入するのだが、壱番組は参番組を見捨てて我先にと逃亡。残された参番組の面々は、オルガの指示の下、打開すべく基地の動力源として利用されていたガンダム・バルバトスを起動させ、ギャラルホルンの撃退に成功する。しかし、ほとぼりが冷めた頃になってノコノコと戻ってきた壱番組の横柄さに堪忍袋の緒が切れた参番組の少年兵達は反逆を決意。見せしめとして隊長とそれに追従する腰巾着の男が射殺され、残された壱番組の面々は死ぬか出ていくかの二択を迫られた末、多くの者が組織を出ていく事になる[2]。その後、残された参番組は「鉄華団」へと組織を再編。再出発を開始する事になるのだった。

鉄華団最初の任務として、CGSが引き受けていたクーデリア・藍那・バーンスタインからの地球までの護衛依頼を引き継ぎ、タービンズとの戦闘を経てテイワズの傘下に入る形で人脈やコネを作っていき、ギャラルホルンや宇宙海賊と敵対しつつも着々と戦力や評判を上げていき、同盟を結んだタービンズから出向してきたエースパイロットたちからの指導を受ける形で作戦の支援や技術指導を受け、テイワズ銀行部門からのメリビット出向により運営面も改善していく。

しかし、オルガが唯一方針を話し合える存在だった参謀役のビスケット・グリフォンが道中で戦死。オルガは塞ぎこんでしまい、鉄華団自体が崩壊しかけたものの三日月・オーガスに一喝されたことで立ち直り、多くの犠牲を出しつつもクーデリアから受けた依頼を達成させる事に成功。第2期開始時はハーフメタル利権を手土産にテイワズの直系組織へと格を上げる事になる。

所属人物[編集 | ソースを編集]

三日月・オーガス
主人公。鉄華団の斬り込み隊長。
アトラ・ミクスタ
三日月の幼馴染。炊事係として入団。
オルガ・イツカ
鉄華団の団長。団員達を導く。
ビスケット・グリフォン
オルガの参謀。鉄華団の頭脳役。
ユージン・セブンスターク
鉄華団のサブリーダー。
昭弘・アルトランド
ヒューマンデブリ組のリーダー。
ノルバ・シノ
流星号と名付けた機体のパイロット。
タカキ・ウノ
年少組のリーダー。
ライド・マッスヤマギ・ギルマトン
年少組のメンバーたち。
チャド・チャダーン、ダンテ・モグロ
ヒューマンデブリ組のメンバーたち。
アストン・アルトランド、デルマ・アルトランド
元ブルワーズのヒューマンデブリで昭弘の義弟となる。
ハッシュ・ミディザック・ロウデイン・ウハイ
第2期からの新団員たち。
デクスター・キュラスター
元CGSの経理係。
ナディ・雪之丞・カッサパ
元CGSの整備士。
トド・ミルコネン
元CGS参番組の教育係。オルクス商会への密告を働いた為、裏切り者として放逐される。
メリビット・ステープルトン
テイワズからのアドバイザー。
ラディーチェ・リロト
テイワズからの監査役。

運用兵器 [編集 | ソースを編集]

MS・MW[編集 | ソースを編集]

ギャラルホルンやブルワーズなど敵対組織から武装や機体を鹵獲して使用している事が多い。

ガンダム・バルバトス
三日月の愛機であるガンダム・フレームMS。
ガンダム・バルバトスルプス
第2期から登場。バルバトスをオーバーホールした機体。
ガンダム・バルバトスルプスレクス
ルプスをさらに改修した機体。
ガンダム・グシオンリベイク
鹵獲したガンダム・グシオンを汎用仕様へと改修した機体。
ガンダム・グシオンリベイクフルシティ
第2期から登場。グシオンリベイクをオーバーホールした機体。
ガンダム・フラウロス(四代目流星号)
第2期から登場。新たに掘り起こされたガンダム・フレームである砲撃戦用の機体。
グレイズ改
鹵獲したグレイズを改修した機体。元々は転売予定だった。
グレイズ改二(二代目流星号)
グレイズ改をさらに改修した機体。カラーリングはパイロットであるシノの趣味によりマゼンタ一色となっている。
獅電
第2期から登場。テイワズから購入している量産型MS。
獅電改(三代目流星号)
ノルバ・シノ用に獅電をカスタマイズした機体。
雷電号
流星号をライド・マッス用にさらに改装した機体。
獅電オルガ機
鉄華団の象徴として改装した機体。通称「王様の椅子」。
ランドマン・ロディ
鹵獲したマン・ロディを地上戦用に改修した機体。ヒューマンデブリ出身者が主に使用。
鉄華団モビルワーカー
元CGSモビルワーカー。CGS時代に使われていた旧式機をそのまま鉄華団で使用している。装備は貧弱だが、第1期終盤では武器を60mm砲へと換装した白一色の機体(後述)も登場。
鉄華団モビルワーカー(指揮官機)
元CGSモビルワーカーの指揮官仕様。主にオルガが搭乗する。
鉄華団モビルワーカー(宇宙型)
元CGSモビルワーカーの宇宙仕様。
鉄華団モビルワーカー(新型)
第1期終盤に登場した新型機。阿頼耶識は未対応だが「丸腰よりはマシ」とオルガの判断で導入される。
鉄華団新モビルワーカー
第2期にて新入団員用に導入されたモビルワーカー。
クタン参型
テイワズ製の輸送機。

艦船 [編集 | ソースを編集]

イサリビ
旗艦である強襲装甲艦。元はCGSの艦船「ウィル・オー・ザ・ウィスプ」。
ホタルビ
第2期から登場。貨物船を改造した武装輸送船。

登場作品[編集 | ソースを編集]

単独作品[編集 | ソースを編集]

スーパーロボット大戦DD
初登場作品。ワールド4にて当初はCGS参番組として登場し、原作同様の経緯で結成される。1章では合流した他の部隊に対して警戒心を解かないなど、組織の負の一面も描写されている。
クーデリアの護衛という本来の任務の都合もあって、団自体は第5世界に残留するものの、ディバイン・ドゥアーズとは協力体制を築いている。
グラドス軍の火星侵攻の際は、オルガ達は地球支部に居た上に本部のDDコミュニケーターが壊れていたため火星との連絡が途絶していたことが3章Part8で明らかになっており、対グラドス軍の現地勢力として奮闘する。
スーパーロボット大戦30
DLC2の購入によって追加参戦。時間軸は原作2期の終盤。大半のメンバーは元の世界に残っているが主要人物とMSに加えクーデリアとアトラ、マクギリスが転移してくる。
自軍に同行するもなかなか警戒心を解かなかったが、のちに打ち解けた。DLCシナリオの報酬として強化パーツ「鉄華団の旗」が存在する。

関連組織[編集 | ソースを編集]

モンターク商会
仮面の男「モンターク」が経営する商会。第1期にて、利害の一致により鉄華団を支援していた。
その正体はマクギリス・ファリドが独自行動をする際の隠れ蓑。
テイワズ
木星圏に本拠を構える巨大複合企業体。下部組織の一つであるタービンズと交戦した事が切欠で迎え入れられる。資金源として鹵獲した機体を売り払っており、外伝『月鋼』では実際にテイワズへ転売されたグレイズを買い取り改造した機体が登場している。

協力者[編集 | ソースを編集]

クーデリア・藍那・バーンスタイン
アーブラウとの交渉のため、自身の護衛任務を依頼したお嬢様。彼女を地球に送り届ける事が、鉄華団の最初の仕事だった。その後も親交は続いている。
マクマード・バリストン
テイワズの代表。鉄華団がテイワズの傘下に入ることを認める。とはいえ、組織の長という立場から完全な味方という訳でもない。
名瀬・タービン
タービンズのリーダー。鉄華団がテイワズ傘下となってからは、オルガや団員達を支援し、世話を焼くようになる。
ラフタ・フランクランドアジー・グルミンエーコ・タービン
タービンズのメンバー。鉄華団がテイワズ傘下となってからは、自分達の身分を隠しつつ、彼らに同行・共闘する。
蒔苗東護ノ介
アーブラウの元代表。自身が再び代表になるためにエドモントンへの護送を依頼した件から鉄華団と繋がりを持つ。
マクギリス・ファリド
当初は敵対していたが、彼が身分を隠し「モンターク」として接触してからは、密かに支援者となる。

スパロボでの協力者[編集 | ソースを編集]

ディド
序章でワールド4を選択した場合、転移先の火星で人間体の状態で保護された様子でCGS入りしていた。その後そのまま鉄華団に入る事となる。
大門恵留神足麻依子
ワールド4に転移した彼女達とはディドの存在もあって協力し合う。
新生ジオール
ワールド4にて補給に立ち寄ったモジュール77で起きた咲森学園の独立宣言を受けて、クライアントであるクーデリアがしばらく滞在する事を決め、その間は護衛を引き受ける事になる。当初はあまり乗り気ではなくクーデリアを説得するつもりだったが、後に互いにテイワズの庇護下に入る。
「特定の組織に属していた子供達による(大人は少数かつ主導権を持たない)主役組織」という大きな共通点を持つが、片や平和で豊かな暮らしを送っていた学生、片や劣悪な環境に生きる少年兵と、その生い立ちは対照的。
コズミック・カルチャー・クラブ
地球行きに同行したクーデリアの友人達。鉄華団らと行動を共にして地球の危機を見過ごすわけにはいかなくなったという理由で地球に降りても家へ戻らず同行。後にメンバーが鉄華団に出向し鍛錬を重ねていたことが明らかになり、火星にグラドス軍が侵攻してきた際は共に現地のレジスタンスとして戦う。
新生ジオールと同じく、大人は少数という共通点を持つが生い立ちは対照的。
アルバトロ・ナル・エイジ・アスカキリコ・キュービィー
協力者とその護衛。暫くの間同行するもグラドスの転移に巻き込まれて行方不明になっていたが、グラドス軍火星侵攻の際に生存が確認でき、共にグラドス軍と戦う。

関連用語 [編集 | ソースを編集]

阿頼耶識
多くの少年兵達に施された、旧式の非人道的な有機デバイスシステム。
地球支部
第2期において、アーブラウに設立された鉄華団地球支部。アーブラウ防衛軍の軍事顧問も担う。
しかし、火星本部で手一杯ゆえに地球支部への物資には遅れが見られ、その代替え案もなく、メンバーの大半がCGS参番隊以上に大人に酷使されていたブルワーズ組で構成されている為、内外問わず、大人と衝突し続けているとお世辞にも支部と呼べるものではない。それにより、愛想を尽かした監査役のラディーチェ・リロトがラスタル・エリオン配下の傭兵であるガラン・モッサと結託し、彼らの引き起こした無音の戦争に利用され、地球支部は崩壊。終戦後は解体され、装備や人員は本隊に合流した。

余談 [編集 | ソースを編集]

  • 名前が鉄火丼やテッカマンに似ている事でしばしばネタにされる。
  • 組織モチーフは新撰組である。

脚注[編集 | ソースを編集]

  1. 例として、鉄華団の方針にメリビットが異議を唱えたこともあったが鉄華団に好意的だった彼女ですら相手にされなかった。
  2. 遺恨を残さない為の最低限の配慮として退職金は支払われている。

資料リンク[編集 | ソースを編集]