「ブレックス・フォーラ」の版間の差分
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== 概要 == | == 概要 == | ||
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+ | 基本的には温和な人物で、[[アースノイド]]とスペースノイドの双方に偏見を持つ事無く、融和の道を模索しようとする人格者であり、スペースノイドであるカミーユに対しても、彼がティターンズ戦う意思を見せた事で快く歓迎している。一方で、同時に自らが創設したエゥーゴの理念や存続の重大さも理解している為、[[バスク・オム]]がカミーユの母であるヒルダを人質にして脅迫してきた際は、断固屈しない道を取る等、エゥーゴとしての理念を優先する鉄の信念の持ち主でもある。しかし、指導者でありながらも自らの危険も顧みずに前線で指揮を執る姿勢等からも、組織の構成員達からの信頼は非常に厚く、クワトロや[[ヘンケン・ベッケナー]]からも信頼の出来る人物として敬意を表されている。また、クワトロがシャアである事も知っているが、その上で彼をエゥーゴに迎え入れ、絶大な信頼を寄せている。 | ||
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+ | かつてのアースノイドとスペースノイドの熾烈な戦争である[[一年戦争]]を経験し、その戦いによって家族の全てを失ってしまった過去を持つ。その後、[[デラーズ・フリート]]のコロニー落としを機に[[ジャミトフ・ハイマン]]によってティターンズが創設され、[[30バンチ事件]]を始めとしたスペースノイドに苛烈な弾圧を行う彼等を「アースノイドとスペースノイドの溝を広げる存在」と見なしたブレックスは、これに対抗すべく、連邦政府内でも少数派となってしまった改革派の軍人達を纏め上げ、地道に財界人への根回し等も行う。そうして、[[アナハイム・エレクトロニクス]]や[[月|月面都市]]、[[スペースコロニー]]の支持を受け、更にはアースノイドやスペースノイドだけでなく、旧ジオンの人脈も取り入れる柔軟な思考と理念も伴ってエゥーゴの創設に至っている。 | ||
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+ | === 劇中の様相 === | ||
+ | [[グリプス戦役]]の初期である宇宙世紀0087年3月、「[[アーガマ]]」に乗船し、「[[グリーンノア]]」で運用試験の行われていた[[ガンダムMk-II]]の奪取作戦の指揮を自ら執る。その際、個人的私怨からMk-IIの奪取に協力した民間人の少年であったカミーユを「[[アムロ・レイ]]の再来」と称し、彼が[[ニュータイプ]]として成長していく事を期待している。また、後にシャトル「テンプテーション」の船長を務めていた[[ブライト・ノア]]をアーガマの艦長として新任したのも、ブレックスの権限による物と思われる。 | ||
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+ | しかし、後に[[ダカール]]の地球連邦議会にて、ティターンズの暴挙の数々を暴露する演説を行う予定であったのだが、滞在中のホテルでバスクの放ったティターンズの刺客により[[暗殺]]されてしまい、その最期を看取ったクワトロに「シャア・アズナブル」として後を託し、志半ばで倒れる事となってしまった。なお、エゥーゴでは彼の暗殺はジャミトフによるものと信じられていた様で、キリマンジャロ基地でジャミトフと遭遇した際のカミーユのモノローグでもその事が窺える。 | ||
− | [[ | + | === キャラクターの総評 === |
+ | 新たなエゥーゴの指導者となったクワトロが行った「[[ダカール演説]]」によってエゥーゴとティターンズの対立構造はエゥーゴの方が優勢となった為、ブレックスの判断に間違いは無かったと言える。 | ||
− | + | しかし、かつてのジオンのエースであったシャアがエゥーゴの代表となった事に、エゥーゴの元連邦軍人の中には反感を抱いていた者が少なからずいたらしく、徐々にエゥーゴと言う組織自体に陰りをもたらしていく事にもなっている。グリプス戦役で多大な戦力喪失となり、更にクワトロがエゥーゴを見限って行方不明になった結果、徐々にその腐敗は悪化の兆しを見せていく事になり、[[第1次ネオ・ジオン抗争]]の終盤では[[ネェル・アーガマ]]を旗艦とする[[ガンダム・チーム]]を除く戦力が参戦しないまま戦争が終結してしまう大失態を演じている。 | |
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+ | 更にその後は、エゥーゴ出身者の人間達が連邦軍高官としての確固たる地位を約束された途端、掌返しでスペースノイドの独立を認めない姿勢に出るどころか、ブレックスが期待していたニュータイプ達の事も危険視する等、殆ど連邦政府の保守派と変わらない有様になってしまっており<ref>漫画『機動戦士ガンダムUC 虹に乗れなかった男』で、連邦軍査問会議にかけられたブライトによってその旨が語られている</ref>、エゥーゴに見切りをつけてシャア率いる[[ネオ・ジオン]]に合流してしまった者を出したり、[[第2次ネオ・ジオン抗争]]でシャアが地球潰しに乗り出す要因を生み出している。 | ||
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+ | 極めつけは別ゲームになってしまうが、PS2とPSPのSLGゲーム「ギレンの野望 アクシズの脅威」の本編シナリオ(地球連邦 ジオン ティターンズ エゥーゴ アクシズ)では最後にシャアが逆襲し、最後の敵陣営として登場するのだが、ブレックス率いるエゥーゴのみ、'''厳しい条件を満たせばティターンズ完全討伐後、シャアが復帰し、シャアが逆襲せずにエンディングを迎えることができる。''' | ||
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+ | これらからも、本来の指導者であったブレックスの存在が、「エゥーゴのあるべき理念の体現者」として、また、Zガンダム以降のクワトロにとってどれだけ重要な人物であったのかが伺われる。 | ||
== 登場作品と役柄 == | == 登場作品と役柄 == | ||
=== [[旧シリーズ]] === | === [[旧シリーズ]] === | ||
− | ; | + | ;{{参戦作品 (人物)|第4次スーパーロボット大戦}}({{参戦作品 (人物)|第4次スーパーロボット大戦S|S}}) |
− | : | + | :初登場作品。選択肢によって生死が決まる。死亡条件は『主人公が護衛を引き受け、かつノーヒントの方向選択を誤った場合』と言うもので、主人公が護衛しなければ代わりに[[ショウ・ザマ|ショウ]]が護衛する事で確実に生き残る。主人公の立場は……。 |
− | + | :生存した場合、原作とは異なりブレックスが[[ダカール演説]]を行うが、原作通りに死亡してしまうと、彼の後を継ぐために[[クワトロ・バジーナ|クワトロ]]がプレイヤー部隊から離脱してしまう。 | |
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:序盤のみ登場。本作では[[暗殺]]されなかったが、以降のシリーズには未登場。 | :序盤のみ登場。本作では[[暗殺]]されなかったが、以降のシリーズには未登場。 | ||
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:[[ザフト]]と協力関係を結ぶが、何者かに暗殺され謎の死を遂げる。'''犯人は不明だが、タイミングから考えてザフトの可能性が高い'''。なお、原作では[[ジャミトフ・ハイマン|ジャミトフ]]より先に死亡するが、こちらではジャミトフの方が先にクーデターで死亡している。また、原作と違いクワトロはブレックスの最期を看取ることができず、悲報は[[カイ・シデン|カイ]]を通じて届けられることとなった。 | :[[ザフト]]と協力関係を結ぶが、何者かに暗殺され謎の死を遂げる。'''犯人は不明だが、タイミングから考えてザフトの可能性が高い'''。なお、原作では[[ジャミトフ・ハイマン|ジャミトフ]]より先に死亡するが、こちらではジャミトフの方が先にクーデターで死亡している。また、原作と違いクワトロはブレックスの最期を看取ることができず、悲報は[[カイ・シデン|カイ]]を通じて届けられることとなった。 | ||
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:本人は登場せずクワトロの台詞中などに名前が出るのみだが、ジャミトフが[[スペースコロニー|コロニー]]住民を虐殺しようとしている事を察知し、クワトロら特務隊に阻止させて彼を失脚させている。 | :本人は登場せずクワトロの台詞中などに名前が出るのみだが、ジャミトフが[[スペースコロニー|コロニー]]住民を虐殺しようとしている事を察知し、クワトロら特務隊に阻止させて彼を失脚させている。 | ||
:その後も特務隊(原作と違って反連邦ではないため、[[エゥーゴ]]ではなくこのような呼称なのだと思われる)は活動を続け、[[コネクト・フォース]]との共同作戦を機にクワトロとカミーユを合流させている。 | :その後も特務隊(原作と違って反連邦ではないため、[[エゥーゴ]]ではなくこのような呼称なのだと思われる)は活動を続け、[[コネクト・フォース]]との共同作戦を機にクワトロとカミーユを合流させている。 | ||
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:原作の[[宇宙世紀]]における関係は不明であるが、SRWでは反ティターンズ側の人物として関わる。 | :原作の[[宇宙世紀]]における関係は不明であるが、SRWでは反ティターンズ側の人物として関わる。 | ||
;[[ショウ・ザマ]]、[[チャム・ファウ]] | ;[[ショウ・ザマ]]、[[チャム・ファウ]] | ||
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:[[旧シリーズ]]では部下。 | :[[旧シリーズ]]では部下。 | ||
== 名台詞 == | == 名台詞 == | ||
− | ; | + | ;「私の期待しすぎかな。彼を[[ニュータイプ]]だと思いたいが…」 |
− | : | + | :第3話より、成り行きで[[ガンダムMk-II]]強奪作戦に加担し、[[クワトロ・バジーナ|クワトロ]]たちに連れられて自分たちのもとへと来た[[カミーユ・ビダン|カミーユ]]に対して。この時点で、ブレックスの洞察力が彼をニュータイプだと確信し、戦力としても使えると期待したのだろうか…。 |
− | :その命令書の内容は「[[カミーユ・ビダン|カミーユ]] | + | ;「なんと破廉恥な! 中尉はこの手紙の内容を知っているのか!?」<br />エマ「いえ」<br />「だからそんな涼しい顔をしていられる!」 |
+ | :当時[[ティターンズ]]所属であった[[エマ・シーン|エマ]]が[[エゥーゴ]]にもたらした命令書を見ての怒りの一言。この時のブレックスはエマには穏当に対応していたが、命令書を見ると驚愕。手が激しく震えるほどの怒りに襲われている。 | ||
+ | :その命令書の内容は「[[カミーユ・ビダン|カミーユ]]の母親を人質にして、Mk-IIの奪回とカミーユの投降を誘う(要約するとガンダムMk-IIを返却しなければヒルダ・ビダンを殺害する)」という軍人とは思えない、もはやテロリストの手口とも言うべき卑劣なものであったので、ブレックスが怒るのも無理もない。 | ||
;「地球でのほほんとしている連中は、宇宙で何が起きても全く他人事だッ!」 | ;「地球でのほほんとしている連中は、宇宙で何が起きても全く他人事だッ!」 | ||
:第24話より、ダカールの地球連邦議会に出席し、宿泊しているホテルに戻った際にぶちまけた不満。 | :第24話より、ダカールの地球連邦議会に出席し、宿泊しているホテルに戻った際にぶちまけた不満。 | ||
:地球連邦政府が連邦軍の指揮権をティターンズに明け渡す方に傾いている事に関する不満だが、この台詞によりティターンズが連邦議会で支持されているのは政治家の宇宙に対する'''無関心'''から起因している事が窺える。 | :地球連邦政府が連邦軍の指揮権をティターンズに明け渡す方に傾いている事に関する不満だが、この台詞によりティターンズが連邦議会で支持されているのは政治家の宇宙に対する'''無関心'''から起因している事が窺える。 | ||
+ | :ちなみに[[ジュドー・アーシタ|次回作の主人公]]もブレックスと似たような台詞で地球連邦の政治家に対する不満をぶちまけていた。 | ||
+ | ;「宇宙酔いが怖いのだとさ」 | ||
+ | :第24話より、クワトロの「政治家達を宇宙に上げる方法は無いものでしょうか?」という問いに対して。 | ||
+ | :事実なのかは不明だが、連邦政府が宇宙への移転を本気で考えていないことを窺わせる。駄目元で翌日の議会では緊急動議で政治家の宇宙移民を提案する旨を話しているが、結局は通らなかったと思われる。 | ||
+ | :ちなみに宇宙酔いは乗り物酔いの様な症状が数日間続くという中々に過酷な物であり、乗り物酔いの薬も効果はなく、乗り物酔いになりやすいかも関係が無い。原因は不明で一説は無重力状態で内耳の三半規管がバランス感覚を取れなくなるためだとされる。動物やカエルの実験でも確認できるため、宇宙世紀でもあまり克服できていないのかも知れない。 | ||
;「君が…君がエゥーゴの指揮を取れ…[[シャア・アズナブル]]…。ジオン・ダイクンの息子ならそれができる……」 | ;「君が…君がエゥーゴの指揮を取れ…[[シャア・アズナブル]]…。ジオン・ダイクンの息子ならそれができる……」 | ||
− | : | + | :第24話より、自身の死の前にクワトロ(シャア)に対して、時代を生きる一人として後継者とした。 |
:もっとも[[機動戦士ガンダム 逆襲のシャア|後年]]、彼が正真正銘の「人類の敵」に堕ちてしまった事は皮肉としか言いようが無い。 | :もっとも[[機動戦士ガンダム 逆襲のシャア|後年]]、彼が正真正銘の「人類の敵」に堕ちてしまった事は皮肉としか言いようが無い。 | ||
2022年6月3日 (金) 11:06時点における最新版
ブレックス・フォーラ | |
---|---|
登場作品 | |
声優 |
藤堂貴也(TV版) 石井康嗣(劇場版) |
デザイン | 安彦良和 |
初登場SRW | 第4次スーパーロボット大戦 |
SRWでの分類 | サポートユニット |
プロフィール | |
---|---|
種族 | 地球人 |
性別 | 男 |
生年 | 宇宙世紀0029年 |
年齢 | 58歳 |
没年月日 | 宇宙世紀0087年8月17日 |
所属 |
地球連邦軍 エゥーゴ |
軍階級 | 准将 |
ブレックス・フォーラは『機動戦士Ζガンダム』の登場人物。
概要[編集 | ソースを編集]
エゥーゴの指導者。スペースノイドを苛烈な手段をもって弾圧するティターンズの活動に異を唱え、賛同者を集めてエゥーゴを結成するに至ったが、志半ばで倒れる事となり、シャア・アズナブルとしての正体を知った上で、クワトロ・バジーナに自らの後を託す。
人物 [編集 | ソースを編集]
エゥーゴを創設し、その初代・指導者となっていた人物。地球連邦軍の准将であり、地球連邦政府議会員の資格を持っている。
基本的には温和な人物で、アースノイドとスペースノイドの双方に偏見を持つ事無く、融和の道を模索しようとする人格者であり、スペースノイドであるカミーユに対しても、彼がティターンズ戦う意思を見せた事で快く歓迎している。一方で、同時に自らが創設したエゥーゴの理念や存続の重大さも理解している為、バスク・オムがカミーユの母であるヒルダを人質にして脅迫してきた際は、断固屈しない道を取る等、エゥーゴとしての理念を優先する鉄の信念の持ち主でもある。しかし、指導者でありながらも自らの危険も顧みずに前線で指揮を執る姿勢等からも、組織の構成員達からの信頼は非常に厚く、クワトロやヘンケン・ベッケナーからも信頼の出来る人物として敬意を表されている。また、クワトロがシャアである事も知っているが、その上で彼をエゥーゴに迎え入れ、絶大な信頼を寄せている。
かつてのアースノイドとスペースノイドの熾烈な戦争である一年戦争を経験し、その戦いによって家族の全てを失ってしまった過去を持つ。その後、デラーズ・フリートのコロニー落としを機にジャミトフ・ハイマンによってティターンズが創設され、30バンチ事件を始めとしたスペースノイドに苛烈な弾圧を行う彼等を「アースノイドとスペースノイドの溝を広げる存在」と見なしたブレックスは、これに対抗すべく、連邦政府内でも少数派となってしまった改革派の軍人達を纏め上げ、地道に財界人への根回し等も行う。そうして、アナハイム・エレクトロニクスや月面都市、スペースコロニーの支持を受け、更にはアースノイドやスペースノイドだけでなく、旧ジオンの人脈も取り入れる柔軟な思考と理念も伴ってエゥーゴの創設に至っている。
劇中の様相 [編集 | ソースを編集]
グリプス戦役の初期である宇宙世紀0087年3月、「アーガマ」に乗船し、「グリーンノア」で運用試験の行われていたガンダムMk-IIの奪取作戦の指揮を自ら執る。その際、個人的私怨からMk-IIの奪取に協力した民間人の少年であったカミーユを「アムロ・レイの再来」と称し、彼がニュータイプとして成長していく事を期待している。また、後にシャトル「テンプテーション」の船長を務めていたブライト・ノアをアーガマの艦長として新任したのも、ブレックスの権限による物と思われる。
しかし、後にダカールの地球連邦議会にて、ティターンズの暴挙の数々を暴露する演説を行う予定であったのだが、滞在中のホテルでバスクの放ったティターンズの刺客により暗殺されてしまい、その最期を看取ったクワトロに「シャア・アズナブル」として後を託し、志半ばで倒れる事となってしまった。なお、エゥーゴでは彼の暗殺はジャミトフによるものと信じられていた様で、キリマンジャロ基地でジャミトフと遭遇した際のカミーユのモノローグでもその事が窺える。
キャラクターの総評 [編集 | ソースを編集]
新たなエゥーゴの指導者となったクワトロが行った「ダカール演説」によってエゥーゴとティターンズの対立構造はエゥーゴの方が優勢となった為、ブレックスの判断に間違いは無かったと言える。
しかし、かつてのジオンのエースであったシャアがエゥーゴの代表となった事に、エゥーゴの元連邦軍人の中には反感を抱いていた者が少なからずいたらしく、徐々にエゥーゴと言う組織自体に陰りをもたらしていく事にもなっている。グリプス戦役で多大な戦力喪失となり、更にクワトロがエゥーゴを見限って行方不明になった結果、徐々にその腐敗は悪化の兆しを見せていく事になり、第1次ネオ・ジオン抗争の終盤ではネェル・アーガマを旗艦とするガンダム・チームを除く戦力が参戦しないまま戦争が終結してしまう大失態を演じている。
更にその後は、エゥーゴ出身者の人間達が連邦軍高官としての確固たる地位を約束された途端、掌返しでスペースノイドの独立を認めない姿勢に出るどころか、ブレックスが期待していたニュータイプ達の事も危険視する等、殆ど連邦政府の保守派と変わらない有様になってしまっており[1]、エゥーゴに見切りをつけてシャア率いるネオ・ジオンに合流してしまった者を出したり、第2次ネオ・ジオン抗争でシャアが地球潰しに乗り出す要因を生み出している。
極めつけは別ゲームになってしまうが、PS2とPSPのSLGゲーム「ギレンの野望 アクシズの脅威」の本編シナリオ(地球連邦 ジオン ティターンズ エゥーゴ アクシズ)では最後にシャアが逆襲し、最後の敵陣営として登場するのだが、ブレックス率いるエゥーゴのみ、厳しい条件を満たせばティターンズ完全討伐後、シャアが復帰し、シャアが逆襲せずにエンディングを迎えることができる。
これらからも、本来の指導者であったブレックスの存在が、「エゥーゴのあるべき理念の体現者」として、また、Zガンダム以降のクワトロにとってどれだけ重要な人物であったのかが伺われる。
登場作品と役柄[編集 | ソースを編集]
旧シリーズ[編集 | ソースを編集]
- 第4次スーパーロボット大戦(S)
- 初登場作品。選択肢によって生死が決まる。死亡条件は『主人公が護衛を引き受け、かつノーヒントの方向選択を誤った場合』と言うもので、主人公が護衛しなければ代わりにショウが護衛する事で確実に生き残る。主人公の立場は……。
- 生存した場合、原作とは異なりブレックスがダカール演説を行うが、原作通りに死亡してしまうと、彼の後を継ぐためにクワトロがプレイヤー部隊から離脱してしまう。
- また、サザビーも手に入らないが、代わりにガンダム試作2号機&ガトー、ビギナ・ギナ&セシリーが加入する。アトミック・バズーカはリアル系限定の隠し要素なので、リアル系では殺してスーパー系では生き残らせた方が得か。
- スーパーロボット大戦F
- スーパーロボット大戦F完結編
αシリーズ[編集 | ソースを編集]
- スーパーロボット大戦α
- 序盤のみ登場。本作では暗殺されなかったが、以降のシリーズには未登場。
Zシリーズ[編集 | ソースを編集]
- スーパーロボット大戦Z
- ザフトと協力関係を結ぶが、何者かに暗殺され謎の死を遂げる。犯人は不明だが、タイミングから考えてザフトの可能性が高い。なお、原作ではジャミトフより先に死亡するが、こちらではジャミトフの方が先にクーデターで死亡している。また、原作と違いクワトロはブレックスの最期を看取ることができず、悲報はカイを通じて届けられることとなった。
単独作品[編集 | ソースを編集]
- スーパーロボット大戦Operation Extend
- 本人は登場せずクワトロの台詞中などに名前が出るのみだが、ジャミトフがコロニー住民を虐殺しようとしている事を察知し、クワトロら特務隊に阻止させて彼を失脚させている。
- その後も特務隊(原作と違って反連邦ではないため、エゥーゴではなくこのような呼称なのだと思われる)は活動を続け、コネクト・フォースとの共同作戦を機にクワトロとカミーユを合流させている。
- スーパーロボット大戦X-Ω
- SRサポートユニット。
ステータス[編集 | ソースを編集]
サポートアビリティ[編集 | ソースを編集]
- 地球連邦軍准将
- SR。戦艦搭載中、味方全体の攻撃力アップ。
人間関係[編集 | ソースを編集]
エゥーゴ[編集 | ソースを編集]
- シャア・アズナブル(クワトロ・バジーナ)
- 彼の素性に気付いており、死の間際、彼にエゥーゴを託すことになる。
- カミーユ・ビダン
- TV版では「アムロ・レイの再来」と評したが、劇場版では逆の事を言っている。
- ヘンケン・ベッケナー
- 部下。
- エマ・シーン
- 第3話で、中身を知らずに彼女が持ってきた親書に目を通して、その内容に後述の台詞で激怒した。
- その後、正義の違いから彼女がティターンズを裏切りビダン父子を連れて、ガンダムMk-II3機を手土産に自分達の下に身を投じたため彼女を仲間に迎えた。
ティターンズ[編集 | ソースを編集]
- ジャミトフ・ハイマン
- 政敵。
- バスク・オム
- ジャミトフ同様に互いに敵視し、その残虐なやり口を激しく嫌った。
- パプテマス・シロッコ
- 原作では絡みはない。
- 『機動戦士ΖガンダムDefine』では、輸送艦の臨検を受ける際に応対する。シロッコの才能に「彼が我々の敵に回らない事を祈るばかり」とさえ評した。
他作品との人間関係[編集 | ソースを編集]
- ジョン・コーウェン
- 原作の宇宙世紀における関係は不明であるが、SRWでは反ティターンズ側の人物として関わる。
- ショウ・ザマ、チャム・ファウ
- 第4次(S)ではダカールにおける連邦議会での演説の際、選択次第ではティターンズ兵に射殺されそうになったところを、同行した二人の息の合ったコンビネーションで命拾いする事に。
- ギリアム・イェーガー
- 旧シリーズでは部下。
名台詞[編集 | ソースを編集]
- 「私の期待しすぎかな。彼をニュータイプだと思いたいが…」
- 第3話より、成り行きでガンダムMk-II強奪作戦に加担し、クワトロたちに連れられて自分たちのもとへと来たカミーユに対して。この時点で、ブレックスの洞察力が彼をニュータイプだと確信し、戦力としても使えると期待したのだろうか…。
- 「なんと破廉恥な! 中尉はこの手紙の内容を知っているのか!?」
エマ「いえ」
「だからそんな涼しい顔をしていられる!」 - 当時ティターンズ所属であったエマがエゥーゴにもたらした命令書を見ての怒りの一言。この時のブレックスはエマには穏当に対応していたが、命令書を見ると驚愕。手が激しく震えるほどの怒りに襲われている。
- その命令書の内容は「カミーユの母親を人質にして、Mk-IIの奪回とカミーユの投降を誘う(要約するとガンダムMk-IIを返却しなければヒルダ・ビダンを殺害する)」という軍人とは思えない、もはやテロリストの手口とも言うべき卑劣なものであったので、ブレックスが怒るのも無理もない。
- 「地球でのほほんとしている連中は、宇宙で何が起きても全く他人事だッ!」
- 第24話より、ダカールの地球連邦議会に出席し、宿泊しているホテルに戻った際にぶちまけた不満。
- 地球連邦政府が連邦軍の指揮権をティターンズに明け渡す方に傾いている事に関する不満だが、この台詞によりティターンズが連邦議会で支持されているのは政治家の宇宙に対する無関心から起因している事が窺える。
- ちなみに次回作の主人公もブレックスと似たような台詞で地球連邦の政治家に対する不満をぶちまけていた。
- 「宇宙酔いが怖いのだとさ」
- 第24話より、クワトロの「政治家達を宇宙に上げる方法は無いものでしょうか?」という問いに対して。
- 事実なのかは不明だが、連邦政府が宇宙への移転を本気で考えていないことを窺わせる。駄目元で翌日の議会では緊急動議で政治家の宇宙移民を提案する旨を話しているが、結局は通らなかったと思われる。
- ちなみに宇宙酔いは乗り物酔いの様な症状が数日間続くという中々に過酷な物であり、乗り物酔いの薬も効果はなく、乗り物酔いになりやすいかも関係が無い。原因は不明で一説は無重力状態で内耳の三半規管がバランス感覚を取れなくなるためだとされる。動物やカエルの実験でも確認できるため、宇宙世紀でもあまり克服できていないのかも知れない。
- 「君が…君がエゥーゴの指揮を取れ…シャア・アズナブル…。ジオン・ダイクンの息子ならそれができる……」
- 第24話より、自身の死の前にクワトロ(シャア)に対して、時代を生きる一人として後継者とした。
- もっとも後年、彼が正真正銘の「人類の敵」に堕ちてしまった事は皮肉としか言いようが無い。
資料リンク[編集 | ソースを編集]
|
- ↑ 漫画『機動戦士ガンダムUC 虹に乗れなかった男』で、連邦軍査問会議にかけられたブライトによってその旨が語られている