ジェネシス
ジェネシス(Genesis)
『機動戦士ガンダムSEED』に登場する、ザフトが開発した大量破壊兵器。
「核エネルギーを使用したガンマ線レーザー砲」の英語読み(Gamma Emission by Nuclear Explosion Stimulate Inducing System)の略称「ジェネシス」。
本来は他惑星間用の超大型核パルスエンジンを、一種の要塞砲に改良したもの。エンジンの噴射時に発生するガンマ線を別個に用意した使い捨ての反射ミラーを用いて集束させる事により、高威力のガンマ線レーザーとして使用している。ガンマ線とは極超短波の電磁波の事であり、物質に対する透過率が高い事が特徴で、レントゲンの時に使用されるX線と似たようなものである。
劇中においては、電子レンジと光レーザーを合わせた様な働きをするらしく、照射された生物・機械は破壊・破裂する。すなわち、地球に向けて照射すれば、地球上に存在する全ての生命体や自然を破壊し尽くす事が可能であると言われている。
ジェネシスは透過迷彩「ミラージュコロイド」を有しており、完全に姿を隠す事が可能である。劇中では地球連合軍がプラント本国に迫った際に、この偽装を解除する事で意表をつく等の運用がなされた。しかも、本体の装甲は強力なフェイズシフト装甲で覆われており、陽電子砲ですら破壊する事ができないという鉄壁の防御力を誇っている。
第1射目の発射で侵攻した地球連合軍の艦隊の6割近くを消滅、第2射目では連合軍の増援艦隊と月面のプトレマイオス基地を消滅させた。しかし、第3射目は連合首都のワシントンに狙いを定めたものの、アスラン・ザラが内部でジャスティスガンダムを自爆させる事により、破壊された。
この兵器は戦後ヤキン・ドゥーエ戦役の「ユニウス条約」で使用禁止とされたが、ザフトはこの兵器のテクノロジーを破棄しなかったため、後に宇宙要塞「メサイア」の「ネオ・ジェネシス」、ジャンク屋組合が兵器システムを奪取した「ジェネシスα」などで使用されてしまっている。
登場作品
- 第3次スーパーロボット大戦α
- 原作初参戦と共に登場。第1射でブルーコスモス所属の地球連邦軍艦隊が消滅し、同時に三輪防人が死亡した。第2射目ではジェネシス内部による破壊となるが、ここに登場するラウ・ル・クルーゼのプロヴィデンスガンダムの撃破が熟練度の条件となる。
- なお、パトリック・ザラはこれで宇宙怪獣を殲滅出来ると思っていたらしいが、どう考えても宇宙怪獣を過小評価しすぎである。実際、αナンバーズの方がジェネシスよりも遥かに強力な兵器(ガンバスター、イデオン等)を多数所持していたが、それらを以ってしても宇宙怪獣の殲滅は困難を極めた。ちなみに、いずれの兵器も原作通りの設定ならジェネシスを一撃で粉砕できたりする。
- スーパーロボット大戦J
- 今回も登場。但し破壊条件はなし。イベントで推移する。第3射目でオルファンをも破壊しようとした。
- スーパーロボット大戦W
- アズラエルがレナードの助力を得た事で地球連合軍が「フェルミオンミサイル」を手に入れ、ザフトがジェネシスで対抗するという大量破壊兵器同士の睨み合いからスタート。
- パトリックの死後は、ルリの要請を受けたアスランの手により、ラダム母艦を破壊するために使用されている。これは、原作において憎悪する敵種族を殲滅するために製造された大量破壊兵器ジェネシスが、地球人類全体を救うために使われた「人の英知が生み出したものなら、人を救ってみせろ」を体現した場面と言える。
- なお、このジェネシスにキラ、クルーゼ、Dボゥイ、テッカマンオメガが巻き込まれたが、キラはカナードに、クルーゼはザ・データベースに、Dボゥイは(条件を満たしていると)ミユキにそれぞれ助けられており、アスランが発射したジェネシスによる死者はテッカマンオメガだけであった。
- またこれ以外にもリジェネレイトガンダムがライトクロフト・プロパルジョンでかなり景気よくぶっ放させているが、これは流石に原作どおりジェネシスαの方なのかもしれない。
- スーパーロボット大戦Z
- 今回は「ネオジェネシス」が登場する。ifルートを通った場合、最後の発射先はフロスト兄弟に向けられることとなる。
関連する用語
- ジェネシスα
- ジェネシスのプロトタイプ。ミラージュコロイドで隠蔽されており、アッシュ・グレイが基地及びリジェネレイトの加速器として使用していた。外側だけでなく内部もPS装甲化されている。
- メサイア
- プラントの宇宙要塞。先の大戦で使用された大量破壊兵器ジェネシスの発展型ネオ・ジェネシスおよび陽電子リフレクターを搭載する。
- コズミック・イラ
- 機動戦士ガンダムSEEDの世界で使用されている年号。
- ソーラ・レイ
- ジェネシスの元ネタ。追い詰められたジオン軍が使用して、地球連邦軍艦隊の過半数を殲滅する戦果を上げた。存在が知られなかった点も同じ。
名場面
- 終末の光
- 47話「悪夢は再び」にて。地球連合軍の核ミサイル攻撃に対抗すべく、プラント最終兵器ジェネシスが姿を現す。
- パトリック・ザラの「この一撃が、我らコーディネイターの創世の光とならんことを」という台詞と共に、戦場に圧倒的威力のガンマ線レーザーが迸る。
- 48話アバンにて、ジェネシスのガンマ線レーザーをまともに食らった連合艦隊の様子が描写されるが、艦内の連合兵士達が、35話のサイクロプスの被害にあったザフト兵達のように惨たらしく破裂・蒸発していくシーンは、ただただ恐ろしい。
スパロボシリーズでの名場面
- 人の英知が生み出したものなら
- W51話「燃え尽きる生命」にて。死闘の末、テッカマンオメガを降したノイ・ヴェルターだったが、オメガは最後の力を振り絞り月面のラダム母艦を浮上させ、地球へ向かわせようと足掻く。ノイ・ヴェルターの機動部隊は全火力をもってラダム母艦の撃沈を試みるが、圧倒的なサイズ差の前に完全に破壊する事はできなかった。
- このままではラダム母艦が地球へ降下してしまう…その時、ナデシコCに通信が入る。それはプラントに向かった別働隊からの「ジェネシスの制圧に成功した」という一報だった。これを受けたルリは既に発射状態にあったジェネシスでのラダム母艦の狙撃を決断、アスランにトリガーを預けた。かくして、人の手によって生み出され、「ナチュラルの殲滅」という歪んだ目的で運用されていたジェネシスは、テッカマンオメガごとラダム母艦を破壊する事で、「人を救ってみせた」のだった。
余談
- パトリック・ザラはナチュラルへの憎悪の余りに、大量破壊兵器・ジェネシスを地球に照射しようとした。だが、その地球上にはナチュラルだけでなく、コーディネイターを受け入れている国家(オーブ連合首長国等)に居住するコーディネイターも存在している。さらに、ジェネシスの攻撃目標である地球には、カーペンタリア基地において地球連合軍に徹底抗戦中のザフトの残存部隊が駐留していた。…これらのことをパトリック本人が認識していたか否かは、不明である。
- あまり想像したくないことであるが、もし、地球へのジェネシスの照射が行われたならば、「ナチュラルだけでなく、地球にいる同胞をも巻き添えにして、地球上の全生命は全滅」という大惨事が起きていたであろう。この事を考えると、大量破壊兵器・ジェネシスを破壊し、地球を救ったアスランの功績は、けっして小さいものではないと言える。
|