「サテライトシステム」の版間の差分
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[[月|月面]]の[[マイクロウェーブ送信施設]]から送信されるスーパーマイクロウェーブを、背中のリフレクターで受信し、機体や火器の稼働エネルギーとするシステムで、このマイクロウェーブのエネルギーを、直接ビームに変換する事により戦略級兵器「サテライトキャノン」の使用が可能となる。 | [[月|月面]]の[[マイクロウェーブ送信施設]]から送信されるスーパーマイクロウェーブを、背中のリフレクターで受信し、機体や火器の稼働エネルギーとするシステムで、このマイクロウェーブのエネルギーを、直接ビームに変換する事により戦略級兵器「サテライトキャノン」の使用が可能となる。 | ||
− | + | 各機体のリフレクターにはエネルギー貯蓄機能があり、受光部からエネルギーを放出する事で推進力としても利用できる他、バックパックを介して各武装にエネルギーを供給する事が可能でサテライトシステム搭載機のビームソード等はこのエネルギーを流用しているため通常より高い出力を持つ。 | |
− | + | 大戦中は多数の中継衛星を経由する事により場所、時間を問わずマイクロウェーブを受信できた為、このシステムを搭載した[[ガンダムエックス]]は実質無限の動力を持ち、サテライトキャノンとフラッシュシステムを用いた12機のビット型子機MS「[[Gビット]]」によって大戦中最強のMSであった。それを当時連邦のエースパイロットだった[[ジャミル・ニート]]が搭乗し決戦兵器として投入され多大な戦果を挙げた。 | |
− | + | これらが全て失われた戦後では、月面施設から一直線に射線が通っている、つまり「機体側から月が目視できる範囲内でないと受信は不可能」となった。また、システム起動からスーパーマイクロウェーブが機体に到達するまでにレーザー回線の成立などのプロセスを経る関係上数秒の時間差がある<ref>月と地球の距離はおよそ38万5千kmであり、光の速さ≒秒速30万kmでも1秒ちょっとかかり、それを数回往復する手順となる</ref>ため、受信中は身動きがとれない。正確には移動すると送信座標から外れてしまい誤送信で受信されていない状態となるため無防備の移動不可状態を余儀なくされる(尤も、サテライトキャノンは戦略用途の超長距離砲の為、本来は敵機から攻撃を受ける様な距離で使用する物ではないが)という欠点なのだが、それを応用して自機体に送信される筈のマイクロウェーブを回避し湖にわざと当てて水蒸気爆発を起こすという使い方もなされた。また、通常のモビルスーツではマイクロウェーブの照射範囲内にいるだけでも非常に危険なため、劇中では革命軍と新連邦の大軍をマイクロウェーブの照射範囲から退避させる事でフリーデンチームの進路を確保するという使い方をされたこともある。兵器システムとして見ると合理的ではない部分が散見されるが、これは元々中継衛星を含めた月面太陽光発電システム自体が民間への電力供給用に建造された物でありあくまでサテライトシステム自体は軍事用に転用されたものである事が理由である。 | |
− | + | 前述の通り、本システムは本来は機体への大規模エネルギー供給システムでありサテライトキャノンはリフレクターに貯蓄されたエネルギー使用法の内の一つに過ぎず、本来はガンダムエックスや[[ガンダムダブルエックス]]はマイクロウェーブが受信可能な状態であれば無限にエネルギーを得られるのだが、SRWでは完全にサテライトキャノンを使える機体である事を示すだけのシステムとして存在している。もっとも原作でもサテライトキャノンを使うシーン位でしか起動されていない(そもそもサテライトキャノン以外には地球圏規模の生活圏を賄うクラスの大出力を必要とする装備も無い)ので仕方がないが。 | |
− | 初回起動時は[[ニュータイプ_(X)|ニュータイプ]] | + | 初回起動時は[[ニュータイプ_(X)|ニュータイプ]]のフラッシュシステムによるD.O.M.E.への機体登録が必要。 |
− | + | ゲーム等では「月が出ていないと撃てない」と言う設定の一部を反映し夜しか撃てないという制約があるが、実際は月というものは昼間でも見える事は多々あり、原作でも28話「撃つしかないのか!」のように昼間に撃つ事を検討したシーンがある。 | |
== スパロボシリーズにおいて == | == スパロボシリーズにおいて == | ||
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== サテライトシステム搭載機 == | == サテライトシステム搭載機 == | ||
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;[[ガンダムヴァサーゴチェストブレイク]] | ;[[ガンダムヴァサーゴチェストブレイク]] | ||
:リフレクターが本機に搭載され、砲身は[[ガンダムアシュタロンハーミットクラブ]]に装備されており連携することでサテライトランチャーを発射可能。システム上の扱いは[[合体攻撃]]。 | :リフレクターが本機に搭載され、砲身は[[ガンダムアシュタロンハーミットクラブ]]に装備されており連携することでサテライトランチャーを発射可能。システム上の扱いは[[合体攻撃]]。 | ||
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+ | *マイクロウェーブ(マイクロ波)を用いた無線電力伝送の技術は実在する。ただし効率が悪く、実用化に向けての研究が今も続いている。 | ||
+ | **なお「マイクロ波」そのものは単に波長が短い電磁波というだけで、携帯電話の電波や電子レンジの電磁波など様々なものが存在する。なので電力供給用であっても電波としての性質はそれらと似る部分が大きいため、劇中で見られた「マイクロウェーブが湖面に衝突して水蒸気爆発」と言うような現象も、実際に起こる可能性があることである。 | ||
+ | *『機動新世紀ガンダムX』の翌年に発売されたTVゲーム『テイルズ オブ デスティニー』に登場する召喚アイテム「ルナ」はサテライトキャノンの演出を意識した物になっている(使用するとルナが現れ直ぐに視点が上空の月に移動→月からルナに緑色の光線が照射→ルナが光線を受信して直様極太の光線を真横に発射する)。 | ||
+ | *外部から無線による給電できるモビルスーツという点は、後発の[[インパルスガンダム]]も同様である。特に天獄篇のサテライトシステムは艦から給電されるのでより似ている。 | ||
+ | *[[小説]]『[[エヴァンゲリオン ANIMA]]』に登場する[[EVA弐号機II式]]も、マイクロウェーブによる無線電力伝送を行って給電する機体になっている。この電力の元になっているのは、[[第5使徒ラミエル]]の[[S2機関]]を復元した物が用いられている。 | ||
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2023年8月13日 (日) 12:23時点における最新版
サテライトシステムとは、『機動新世紀ガンダムX』に登場する兵器システム。
概要[編集 | ソースを編集]
ガンダムエックス等に搭載された大容量エネルギー供給システム。
月面のマイクロウェーブ送信施設から送信されるスーパーマイクロウェーブを、背中のリフレクターで受信し、機体や火器の稼働エネルギーとするシステムで、このマイクロウェーブのエネルギーを、直接ビームに変換する事により戦略級兵器「サテライトキャノン」の使用が可能となる。
各機体のリフレクターにはエネルギー貯蓄機能があり、受光部からエネルギーを放出する事で推進力としても利用できる他、バックパックを介して各武装にエネルギーを供給する事が可能でサテライトシステム搭載機のビームソード等はこのエネルギーを流用しているため通常より高い出力を持つ。
大戦中は多数の中継衛星を経由する事により場所、時間を問わずマイクロウェーブを受信できた為、このシステムを搭載したガンダムエックスは実質無限の動力を持ち、サテライトキャノンとフラッシュシステムを用いた12機のビット型子機MS「Gビット」によって大戦中最強のMSであった。それを当時連邦のエースパイロットだったジャミル・ニートが搭乗し決戦兵器として投入され多大な戦果を挙げた。
これらが全て失われた戦後では、月面施設から一直線に射線が通っている、つまり「機体側から月が目視できる範囲内でないと受信は不可能」となった。また、システム起動からスーパーマイクロウェーブが機体に到達するまでにレーザー回線の成立などのプロセスを経る関係上数秒の時間差がある[1]ため、受信中は身動きがとれない。正確には移動すると送信座標から外れてしまい誤送信で受信されていない状態となるため無防備の移動不可状態を余儀なくされる(尤も、サテライトキャノンは戦略用途の超長距離砲の為、本来は敵機から攻撃を受ける様な距離で使用する物ではないが)という欠点なのだが、それを応用して自機体に送信される筈のマイクロウェーブを回避し湖にわざと当てて水蒸気爆発を起こすという使い方もなされた。また、通常のモビルスーツではマイクロウェーブの照射範囲内にいるだけでも非常に危険なため、劇中では革命軍と新連邦の大軍をマイクロウェーブの照射範囲から退避させる事でフリーデンチームの進路を確保するという使い方をされたこともある。兵器システムとして見ると合理的ではない部分が散見されるが、これは元々中継衛星を含めた月面太陽光発電システム自体が民間への電力供給用に建造された物でありあくまでサテライトシステム自体は軍事用に転用されたものである事が理由である。
前述の通り、本システムは本来は機体への大規模エネルギー供給システムでありサテライトキャノンはリフレクターに貯蓄されたエネルギー使用法の内の一つに過ぎず、本来はガンダムエックスやガンダムダブルエックスはマイクロウェーブが受信可能な状態であれば無限にエネルギーを得られるのだが、SRWでは完全にサテライトキャノンを使える機体である事を示すだけのシステムとして存在している。もっとも原作でもサテライトキャノンを使うシーン位でしか起動されていない(そもそもサテライトキャノン以外には地球圏規模の生活圏を賄うクラスの大出力を必要とする装備も無い)ので仕方がないが。
初回起動時はニュータイプのフラッシュシステムによるD.O.M.E.への機体登録が必要。
ゲーム等では「月が出ていないと撃てない」と言う設定の一部を反映し夜しか撃てないという制約があるが、実際は月というものは昼間でも見える事は多々あり、原作でも28話「撃つしかないのか!」のように昼間に撃つ事を検討したシーンがある。
スパロボシリーズにおいて[編集 | ソースを編集]
ゲームバランスの都合なのかサテライトキャノンは単機攻撃力が非常に高い代わりに撃つまでにチャージが要り、撃ったらチャージし直し・ストックは1~2発・EN消費(Zシリーズのみ)と、原作とは異なる点が多い半スパロボオリジナル仕様となっている。
- スーパーロボット大戦α外伝
- サテライトキャノン用としてターン制のチャージ式というシステムで使われている。
- スーパーロボット大戦R
- 本作では時間制限以外ではどんなマップでもサテライトキャノンが撃てる。
- スーパーロボット大戦Z / スーパーロボット大戦Z スペシャルディスク
- 本作からサテライトキャノンの発射時にENを消費するようになった。
- 第2次スーパーロボット大戦Z破界篇
- カスタムボーナスでチャージ時のストックが2発になるため再攻撃でツインサテライトキャノンが2連射する事が可能だった(そのため再世篇では「EN+100」に変更されている)。
- 第2次スーパーロボット大戦Z再世篇
- 長らく特殊能力欄に表示されない特殊システム扱いであったが、『第2次Z再世篇』において初めて「サテライトシステム」の名称で特殊能力欄に記載され、本来のカテゴリでの特殊能力として扱われる事となった。
- 第3次スーパーロボット大戦Z天獄篇
- 仕様が大幅に変更され、開幕からチャージ済みになり再チャージまでのターンも1ターンと大幅に短縮されている。また、中継衛星が多数設置されている設定となっており、月の出ていないステージでもサテライトキャノンを撃てるようになった(但しこの場合チャージは2ターン必要)。更に、中盤にはどんなステージでもチャージが1ターンになると、大幅にパワーアップした。ちなみに、序盤辺りで月からのマイクロウェーブなど届き様の無い銀河中心部に飛ばされてしまうが、マクロス・クォーターからエネルギー供給を受けることで解決している(宇宙空間だが昼間扱い)。また、終盤は銀河殴り込み艦隊の各艦にマイクロウェーブ送信施設が常備されていることが説明されている。
サテライトシステム搭載機[編集 | ソースを編集]
- ガンダムエックス
- 「サテライトキャノン」搭載型モビルスーツ。多数の専用Gビットにも搭載されている。
- ガンダムダブルエックス
- 改良型の「サテライトシステムMk-II」を搭載。基本部分のアップグレードの他、リフレクターの増加により集光率・冷却性能・エネルギー容量が大幅に強化されガンダムエックスでは不可能だったサテライトキャノンの連射及びストックが可能になった。
- ガンダムヴァサーゴチェストブレイク
- リフレクターが本機に搭載され、砲身はガンダムアシュタロンハーミットクラブに装備されており連携することでサテライトランチャーを発射可能。システム上の扱いは合体攻撃。
関連用語[編集 | ソースを編集]
- 太陽光エネルギー
- サテライトシステムの根幹を成している光エネルギー。これを元に太陽光発電基地で発電し、マイクロウェーブ送信施設でスーパーマイクロウェーブに変換・送信する。
余談[編集 | ソースを編集]
- マイクロウェーブ(マイクロ波)を用いた無線電力伝送の技術は実在する。ただし効率が悪く、実用化に向けての研究が今も続いている。
- なお「マイクロ波」そのものは単に波長が短い電磁波というだけで、携帯電話の電波や電子レンジの電磁波など様々なものが存在する。なので電力供給用であっても電波としての性質はそれらと似る部分が大きいため、劇中で見られた「マイクロウェーブが湖面に衝突して水蒸気爆発」と言うような現象も、実際に起こる可能性があることである。
- 『機動新世紀ガンダムX』の翌年に発売されたTVゲーム『テイルズ オブ デスティニー』に登場する召喚アイテム「ルナ」はサテライトキャノンの演出を意識した物になっている(使用するとルナが現れ直ぐに視点が上空の月に移動→月からルナに緑色の光線が照射→ルナが光線を受信して直様極太の光線を真横に発射する)。
- 外部から無線による給電できるモビルスーツという点は、後発のインパルスガンダムも同様である。特に天獄篇のサテライトシステムは艦から給電されるのでより似ている。
- 小説『エヴァンゲリオン ANIMA』に登場するEVA弐号機II式も、マイクロウェーブによる無線電力伝送を行って給電する機体になっている。この電力の元になっているのは、第5使徒ラミエルのS2機関を復元した物が用いられている。
脚注[編集 | ソースを編集]
- ↑ 月と地球の距離はおよそ38万5千kmであり、光の速さ≒秒速30万kmでも1秒ちょっとかかり、それを数回往復する手順となる
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