ザクレロは『機動戦士ガンダム』の登場メカ。
MIP社が開発したジオン公国軍の試作型モビルアーマー。
巨大な目と口を持つその外見が特徴である。主に高い機動性を活かした一撃離脱戦を主眼に置いて開発されているが、運動性に難があり、途中で開発の放棄が決定。地上で拡散メガ粒子砲のテストに使われた後、宇宙での廃棄が予定されていた。
劇中では、本機のテストパイロットであったデミトリーが上官のトクワンの仇討ちのために独断で出撃。ハヤト・コバヤシのガンタンクと交戦して追い詰めたが、その後、アムロ・レイのガンダム(MAモード)によって撃破された。
TV版のみに登場しており、劇場版では登場しない。また『機動戦士Ζガンダム』では、メッサーラ登場の際の機体識別の際コンピューターに一瞬ザクレロっぽい姿が映っている。
長谷川裕一の短編漫画「バカがボオルでやってくる!」(『機動戦士クロスボーン・ガンダム スカルハート』に収録)では、デミトリーの友人であるディックが、死に際に本機の特徴であるその外見が戦闘で有効であると再評価するシーンがあった。
- 第2次スーパーロボット大戦
- 初登場作品。地上で登場。敵としては珍しく修理装置を持つ。『第2次G』では登場しない。
- PSリメイク版では修理装置が没収されてしまい、単なる雑魚と化した……にも拘わらず、ソロモンなどにわざわざ増援でやって来る。攻略本では「(そのマップのボスである)ヤザンも困ったろう[2]」と敵に同情していた。
- 第3次スーパーロボット大戦
- 原作通り中盤にデミトリーが搭乗するが、中盤の敵としてはかなり弱い。射程も1しかなく、MAにしてはHPや装甲も低い。
- スーパーロボット大戦A
- なんとルー・ルカがこれに乗って加入する(木星開拓船団の自衛戦力としてジュピトリスIIに搭載されていたらしい)。改造可能段階が非常に高いため、資金を潤沢に投入すれば無双状態まで持っていくことも可能。格闘武装が最強装備であるので、仲間にいるのならノリス・パッカードを乗せるのが得策。
- 難点は加入が非常に遅い事で、ルート次第ではたったの4話しか使うことができない。現時点で自軍で使用できるのは本作とリメイク版のPORTABLEのみ。
- スーパーロボット大戦A PORTABLE
- 連続ターゲット補正が導入されたので無双し続けるのはやや難しくなったが、相変わらず改造可能段階が高く、フル改造すると十分な働きをしてくれる。
- スーパーロボット大戦Operation Extend
- 直接登場はしないが、ケロロ軍曹が「ガンタンクとザクレロが戦う姿を見たかったが、時期的に望み薄」と無念の言葉を漏らす。
- ヒーロー戦記 プロジェクトオリュンポス
- ザコ敵。ザクレロ改という上位種も登場する。
- リアルロボット戦線
- デミトリー専用機。完全な敵。拡散メガ粒子砲はマップ兵器扱い。地上にも登場する。
- ビグロともども、画集『MS ERA 0001〜0080 ガンダム戦場写真集』でのアレンジされた姿で出演しており、カラーリングは白一色である。
- ヒートナタ
- 両腕に装備されている接近戦用の武装。ヒートホークの技術を応用している。一応ガンダムにかすり傷を与えることはできた。
- 名称はナタ(鉈)となっているが、形状的にはむしろ「鎌」であるため、一部ゲーム作品では実際に鎌と呼ばれているものもある。
- 拡散ビーム砲
- 口吻部に1門内蔵。通常のメガ粒子砲に比べて収束率を抑え、威力や射程の代わりに命中率や速射性を優先したビームで、連射も可能。「拡散メガ粒子砲」とも。
- SRWでは名称から来るイメージか、サイコガンダムなどの拡散メガ粒子砲と同様の細いビームを乱射するエフェクトが描かれるが、本編ではやや幅の広い単発のビームだった。
- 4連装ミサイルランチャー
- 両側面に1基ずつ装備。
- 剣装備
- 切り払いを発動。
- 修理装置
- FC版『第2次』のみ搭載。
- 宇
- M
- 移動タイプ「空」を得る、機体の地形適応「空」をAにする
- 『A PORTABLE』で採用。ミノフスキークラフトを装備せずとも地上マップでも出撃可能になる…が、参戦タイミングの都合上活用できるのは小バームとアクシズのそれぞれ内部マップに限定される。
- GBA版では小バーム、アクシズの空中は宇宙扱いだったのでそのまま使用できた。仕様変更の影響をもろに受けている。
- 対ガンダム(MAモード)
- 第32話より。偵察に出たガンタンクを翻弄し[3]、応援に現れたガンダムと対決。アムロがこの形態に不慣れだったこともあり、擦れ違い様にヒートナタで2度ほど傷をつけるが、直後に背中へビームサーベルの一撃を受け倒された。
- 戦闘後にはアムロに「こちらのコンピューターで簡単に動きが読めた」と評されており、機動性に難がある事が強調されている。
- ブラレロ(SRW未登場)
- ザクレロをベースに開発されたサイコミュ搭載機体。
- レロ・ズール
- ギラ・ズールの下半身にザクレロがくっついたという外見。アンジェロ・ザウパー専用機として扱われた。元々はエイプリルフールで公式Twitterが呟いた嘘ネタ。
- ビルケナウ(SRW未登場)
- ザンスカール帝国のモビルアーマー。ザクレロをベースに開発されたという記録がある。
- ガブレロ(SRW未登場)
- 漫画『機動戦士クロスボーン・ガンダム DUST』(SRW未参戦)にて登場した機体。MS形態がガブスレイ、MA形態がザクレロに変形する。
- 闇の皇帝ジークジオン
- 『SDガンダム外伝』に登場したザクレロをモチーフとしたキャラクターその1。
- まさかのラスボスとしての抜擢だが、某怪獣王のイメージも混ぜられているため、パッと見ではザクレロと気付かない。
- ザクレロキャット
- 『SDガンダム外伝』に登場したザクレロをモチーフとしたキャラクターその2。
- 絶滅寸前の弱小モンスターで、他者に虐げられた憎しみをジークジオンに利用され憑依される。
- 本機体の作品世界観からいささか逸脱したようなデザインは『機動戦士ガンダム』という作品における、『ガンダム』以前のロボットアニメの路線の残滓を象徴するものとされる。
- ただし、水陸両用モビルスーツが登場するあたりの時期に名古屋テレビ放送(後のメ~テレ)のプロデューサーに「このロボットアニメの視聴率が伸びないのは敵の新メカが毎週、登場しないからだ」と発言された事で、テコ入れの一環として「毎週、新しいヤラレメカが登場する形式に方針転換した」とメカニックデザインの大河原氏が証言している。なお富野氏が書いた小説版ガンダムではジオンのモビルスーツ、モビルアーマーはザク、ドム、エルメス、ビグ・ザム程度しか登場しない。
- その見た目からスパロボプレイヤーに機械獣と呼ばれる事も多々あり[4]、マニア人気もそれなりに高い。SDガンダムシリーズではハロと並びマスコット的な扱いも多く、当機をモチーフにした主役級ガンダムやラスボスも存在する。
- 近年ではこの2体を合体させた「ザクレロハロ」なるプラモまで発売された。
- ギャグ漫画『トニーたけざきのガンダム漫画』では、当機を見たシャア・アズナブルが設計者を馬鹿にする発言をしたため、設計者の指示によりシャア専用機も登場している(パイロットはなぜかデミトリー)。さらにセイラ・マスは本機を「ジオンのびっくりどっきりメカ」と評した。
- ゲーム『SDガンダム Gジェネレーション』シリーズではより兵器らしいデザインにリファインされた本機が登場することがあるが、これはこれで非常に凶悪な面構えである。
- 漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』ではビグロの代わりに量産され、ソロモンに大量配備されている姿が描かれている。またオデッサ作戦にてマ・クベの命を受けて出撃した、2発の核を搭載した爆撃機のデザインがザクレロに酷似している。
- また漫画『機動戦士ガンダム サンダーボルト』(SRW未参戦)においてもア・バオア・クー攻防戦で大量に出撃した。
- 左肩に矢が刺さったハートマークが描かれているが、実はデミトリーのパーソナルマークらしく、事実ならファーストで登場した唯一のパーソナルマークとなる。
- ↑ MS、機動戦士ガンダム公式Web、2022年1月22日閲覧。
- ↑ ソフトバンク パブリッシング『スーパーロボット大戦コンプリートボックス パーフェクトガイド』361頁。
- ↑ なお、ほとんどダメージは受けていないもののガンタンクにぶん殴られるという珍しいシーンがある。
- ↑ 『マジンガーZ (TV)』第39話に登場した水中用機械獣ザリガンG8(SRW未実装)は本機を通常の腕にして赤いトサカと尻尾をつけたような姿をしている。