「ストライクダガー」の版間の差分

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'''ストライクダガー'''は『[[機動戦士ガンダムSEED]]』の[[登場メカ]]。
 
'''ストライクダガー'''は『[[機動戦士ガンダムSEED]]』の[[登場メカ]]。
 
== 概要 ==
 
== 概要 ==
[[地球連合軍]]初の[[量産型]][[モビルスーツ]]である[[105ダガー|ダガー]]の簡易量産型。[[MS]]の頭数を揃える為、本機の生産が優先された。
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[[ストライクガンダム]]を元に、 [[地球連合軍]]初の[[量産型]][[モビルスーツ]]である[[105ダガー|ダガー]]の簡易量産型。
  
本来、ストライクの直接の量産機はダガーだが、制式化時期が逆転した為、本機が「ストライク」の名を冠する事になった。
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[[第1次連合・プラント大戦]]の後半以降、地球連合軍の主力機として猛威を振るう事になった。
  
 
=== 機体概要 ===
 
=== 機体概要 ===
生産コストの低下を目的とした為、[[105ダガー|ダガー]]と比べると、背部ストライカープラグの排除、頭部ブレードアンテナや機関砲の半減、各部構造の単純化等、デチューンが施されている。しかし、背部ストライカープラグの代わりに同規格の簡易アタッチメントが設置され、パラシュートパックなどの簡易装備なら装着・運用が可能。
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[[ザフト]]用の新型兵器として開発されたGAT-Xシリーズの中で唯一ザフトからの強奪を免れたGAT-X105ストライクは、搭乗者である[[キラ・ヤマト]]少尉の多大な戦果もあって膨大な戦闘データを獲得する事になり、それを元にした正式量産機である「ダガー」の開発も決定。しかし、[[ストライクガンダム#ストライカーパック|ストライカーパック]]を始めとする機能を忠実に受け継いだダガーは、生産時間や製造コストがどうしても掛かり、ザフトのモビルスーツに対抗すべく一刻も早くモビルスーツを配備し頭数も増やさねばならなかった地球連合軍は、ダガーに並行する形でその簡易生産型の開発も計画。それによって、本機が開発される事になったのだが、本来のストライクの直接量産機であるダガーと制式化時期が逆転した結果、本機が「ストライク」の名を冠する事になった。
  
また、小型で取り回しの良い[[ビーム兵器]]を標準装備している事が当時のザフトに対する大きなアドバンテージとなっており、[[ザフト]]の[[ジン (SEED)|ジン]][[シグー]]を上回る攻撃力を有しており、ナチュラルとコーディネイターの能力差を考慮しても総合的な戦闘力で勝る。後に投入された[[ゲイツ (SEED)|ゲイツ]]に対してはスペック的に劣勢だが、物量面では連合が有利であるため、戦場では互角に渡り合えている。
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生産時間とコストの低下を目的とした機体の為、ダガーと比べると原型機であるストライク最大の特徴であったストライカーパックシステムの廃止、装甲の単純構造化、頭部ブレードアンテナや機関砲の半減、各部構造の簡略等、かなり大胆とも言えるデチューンが施されている。しかし、背部のストライカーパック用プラグの代わりに同規格の簡易アタッチメントが機体各所に設置され、パラシュートパック等の簡易装備なら装着・運用が可能で、腰部のアタッチメントにビームサーベルを新規にマウントさせる事も出来る。また、簡易生産型といっても、基本性能や武装に関しては[[ジン (SEED)|ジン]]を凌駕しており、操縦面もGAT-X型に比べて大きく改善されて、OSも[[ナチュラル]]が操縦可能な新型を搭載。これによって低錬度のパイロットでも充分に性能が発揮出来るようになっている。ちなみに、このOSは大西洋連邦[[デトロイト]]市のメーカーの独力開発である。
  
操縦面もGAT-X型に比べて大きく改善されており、OSも[[ナチュラル]]が操縦可能な新型を搭載。これによって低錬度のパイロットでも充分に性能が発揮できるようになっている。ちなみに、このOSは大西洋連邦[[デトロイト]]市のメーカーの独力開発である。
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最大の特徴は、[[オーブ軍]][[M1アストレイ]]と同様に小型で取り回しの良い[[ビーム兵器]]を標準装備している点にあり、相手が並のモビルスーツで急所に当てれば一撃で撃破する事が可能で、[[ザフト]]のジンや[[シグー]]を上回る攻撃力を有しているのは、当時のザフトに対する大きなアドバンテージとなっていた。後に戦場に投入された[[ゲイツ (SEED)|ゲイツ]]に対しても、スペック的にこそ劣勢であるが、ビーム兵器の当たり所が良ければ一撃で撃破出来る為、戦場で互角に渡り合えている。何よりも物量面では連合が有利である為、ナチュラルとコーディネイターの能力差を考慮しても、状況次第では総合的な戦闘力で大きく勝る事になった。
  
後にこの機体をベースとした様々な派生機や後継機が開発されている。
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後にこの機体やダガーをベースとした様々な派生機や後継機が開発される事になり、最終的にはストライクと同等の性能を誇る高性能量産機である[[ウィンダム]]の開発にまで繋がっている。また、本機の先行量産型として開発された機体の中には、ストライカーパックシステムに対応したプラグの存在している機体も確認されている。なお、あくまでも戦時中の簡易量産機に過ぎなかった為に、戦後は制式量産機のダガーや次世代機の[[ダガーL]]の配備に伴い、南アメリカ合衆国等の途上国に払い下げとなっている機体が確認されているが、ビーム兵器の標準装備による高い攻撃力が利点となっているのか、ジン等よりも上位の機体となっている。
  
 
=== 劇中での活躍 ===
 
=== 劇中での活躍 ===
パナマ攻防戦にて第13独立部隊所属の機体が実戦投入され、[[ザフト]]のMS部隊を相手に優勢を保っていたが、EMP対策まではされていなかった為にその後のグングニールの攻撃で行動不能に陥った。結果的に全滅してしまったが、グングニール発動前まではザフト軍のモビルスーツ部隊を圧倒。特に[[ジン (SEED)|ジン]]によって撃破された機体は皆無であり、ジンに対して優れたアドバンテージを得られる機体である事を物語る。小説版ではついにザフトのモビルスーツが兵器の頂点から叩き落されたと表現されており、ストライクダガーが優れた性能を持つ機体である事を強調している。
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パナマ攻防戦にて第13独立部隊所属の機体が実戦投入され、[[ザフト]]のMS部隊を相手に優勢を保っていた。しかし、その後のザフトが投入したグングニールのEMP攻撃によって、地球連合軍の施設やリニア・ガンタンクなどの兵器類と同様に電装系が破壊されて行動不能に陥った。結果的に全滅してしまったが、グングニール発動前まではザフト軍のモビルスーツ部隊を圧倒。特に[[ジン (SEED)|ジン]]によって撃破された機体は皆無であり、ジンに対して優れたアドバンテージを得られる機体である事を物語る。小説版では「遂にザフトのモビルスーツが兵器の頂点から叩き落された」と表現されており、ストライクダガーが優れた性能を持つ機体である事を強調している。
  
その後もオーブ解放作戦やビクトリア奪還作戦、ボアズ攻防戦、第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦等でも連合軍の主力機として大量投入され、その標準攻撃力と兵力を力にして戦った。
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その後は[[オーブ解放作戦]]や第三次ビクトリア攻防戦でも活躍。高い攻撃力を備えたビーム兵器の標準装備に加え、兵器簡易量産型であったが故に大量配備出来る利点が最大限に発揮される事になり、オーブ解放作戦では自爆を許した事でマスドライバーを奪取出来ずに終わったものの、オーブ自体の壊滅には成功。第三次ビクトリア攻防戦でも、[[ロンド・ギナ・サハク]]の駆る[[アストレイゴールドフレーム天]]の協力があったとは言え、ザフトのモビルスーツ部隊を圧倒し、最終的にはビクトリア基地の奪還に大きく貢献する事になった。
  
あくまでも戦時中の簡易量産機に過ぎなかった為に、戦後は制式量産機のダガーや次世代機の[[ダガーL]]の配備に伴い、南アメリカ合衆国等の途上国に払い下げとなっている。また、『FINAL PLUS』ではオーブに合流したと思われる機体が何機か確認できる。
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その後は、ビクトリア基地のマスドライバーから宇宙に存在する月のプトレマイオス基地へと大量に打ち上げられる事になり、その後のプラント本国の存在するL5宙域を舞台にしたボアズ攻防戦、第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦等でも連合軍の主力機として大量投入。その標準攻撃力と兵力を力にする形で、性能面では上であるザフトの最新鋭機・[[ゲイツ (SEED)|ゲイツ]]を相手にしても互角に戦える様子を見せている。その際、ストライクダガーを「チャチな人形」と馬鹿にしているジンのパイロットがいたが、その直後にストライクダガーにコックピットを撃ち抜かれて撃墜されている。
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『[[機動戦士ガンダムSEED DESTINY|SEED DESTINY]]』の最終話特別編となる『FINAL PLUS』では、オーブに合流したと思われる機体が何機か確認できる。ジンがザフトで未だ現役なのと同じで地球連合軍でもストライクダガーが現役運用されている模様。ただし、本国防衛部隊等の主力部隊でも運用されているジンと比較して、ストライクダガーの運用は少ない模様であり、地球連合軍の兵器更新は迅速に行われていたと思われる。
  
 
== 登場作品と操縦者 ==
 
== 登場作品と操縦者 ==
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;{{参戦作品 (メカ)|スーパーロボット大戦DD}}
 
;{{参戦作品 (メカ)|スーパーロボット大戦DD}}
 
:2章Part1から登場するエネミーユニット。回避特化タイプ。
 
:2章Part1から登場するエネミーユニット。回避特化タイプ。
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:『SEED』の再現シナリオ自体は同パートで終了するものの、3章Part4では[[ディスコード・ディフューザー]]の戦力として再登場し、連合の量産機としても『[[機動戦士ガンダムSEED DESTINY|DESTINY]]』にシナリオが移行してからも(恐らくダガーLの代役として)本機が使われ続けている。
  
 
== 装備・機能 ==
 
== 装備・機能 ==
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:GAT-Xシリーズに装備された物と同型。生産性重視の為、頭部左側にのみ装備。
 
:GAT-Xシリーズに装備された物と同型。生産性重視の為、頭部左側にのみ装備。
 
;ES01 ビームサーベル
 
;ES01 ビームサーベル
:背部に1基装備された格闘戦用武装。その後のダガー系MSの標準装備としてマイナーチェンジが繰り返された。
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:背部のビームサーベルラックに1基装備された格闘戦用武装。その後のGATシリーズMSの標準装備としてマイナーチェンジが繰り返された。
 
;M703 57mmビームライフル
 
;M703 57mmビームライフル
:本機の主兵装。[[デュエルガンダム|デュエル]]の物を基本に、パーツの一部を52mm機関砲ポッドと共通とする事で生産性を向上させている。戦後も基本構造は変わらずにマイナーチェンジが重ねられた。グレネードランチャーが付属しているとする資料もあるが、劇中では使われていないので、真偽の程は定かではない。
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:本機の主兵装。[[デュエルガンダム|デュエル]]の物を基本として、生産性を向上させている。戦後も基本構造は変わらずにマイナーチェンジが重ねられた。
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:銃身下部にある筒状の部品を付属しているグレネードランチャーとする資料もあるが、劇中では使われていないので、真偽の程は定かではない。
 
:『DD』ではビーム属性の通常攻撃に採用。
 
:『DD』ではビーム属性の通常攻撃に採用。
 
;対ビームシールド
 
;対ビームシールド
 
:対ビームコーティングが施された実体盾。実体兵器も受け止められる。GAT-Xシリーズなどの直線構成のシールドと違い、曲面的なデザインとなっている。高火力のビーム兵器に対する防御性能は皆無に等しく、[[パーフェクトストライクガンダム|パーフェクトストライク]]のシュベルトゲベールとアグニ、[[バスターガンダム|バスター]]の超高インパルス長射程狙撃ライフルに機体ごと真っ二つにされている。
 
:対ビームコーティングが施された実体盾。実体兵器も受け止められる。GAT-Xシリーズなどの直線構成のシールドと違い、曲面的なデザインとなっている。高火力のビーム兵器に対する防御性能は皆無に等しく、[[パーフェクトストライクガンダム|パーフェクトストライク]]のシュベルトゲベールとアグニ、[[バスターガンダム|バスター]]の超高インパルス長射程狙撃ライフルに機体ごと真っ二つにされている。
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:『J』ではグラフィックの指定がおかしいのか、[[カラミティガンダム|カラミティ]]の対ビームシールドの残骸みたいな物を構えている。
  
 
==== オプション装備 ====
 
==== オプション装備 ====
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;ビームサーベルラック
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:背部のオプション装備の1つ。パラシュートパックなどを装備する際には外す必要がある。
 
;パラシュートパック
 
;パラシュートパック
:オーブ解放作戦時に降下部隊が装備していた。背部アタッチメントに装備されるが、ビームサーベルを撤去しないと装備できないという欠点がある。
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:オーブ解放作戦時に降下部隊が装備していた。背部アタッチメントに装備される。ビームサーベルラックとの併用は不可。
 
;ビームライフル
 
;ビームライフル
 
:デュエルの物と同型のもの。一部作品で装備。
 
:デュエルの物と同型のもの。一部作品で装備。
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;バズーカ
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:ストライクの物と同型のもの。一部作品で装備。
  
 
=== [[特殊能力]] ===
 
=== [[特殊能力]] ===
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*コロコロと設定が変わるガンダムシリーズの例に漏れず、本機の設定も当初は「[[デュエルガンダム]]をベースとした量産機(奪取されたデュエルの名前は不適当とされたので、ストライクの名を冠した)」だったはずなのに、[[105ダガー]]の設定が追加されるやいなや、「105ダガーのストライカーパック機能を簡素化した、戦時中の緊急量産機」という設定になっている。
 
*コロコロと設定が変わるガンダムシリーズの例に漏れず、本機の設定も当初は「[[デュエルガンダム]]をベースとした量産機(奪取されたデュエルの名前は不適当とされたので、ストライクの名を冠した)」だったはずなのに、[[105ダガー]]の設定が追加されるやいなや、「105ダガーのストライカーパック機能を簡素化した、戦時中の緊急量産機」という設定になっている。
 
**とはいえデュエルガンダム自体ストライクの原型機にあたる(デュエルの基礎フレームにストライカーパックシステムを付加したのがストライク)ので、どちらの設定であったとしてもデュエルから始まる系譜の上に生まれた機体であることに変わりはない。改変後の設定の場合は「105ダガーからストライカーパックを撤廃した結果、デュエルの量産化のようなコンセプトに先祖返りした」といったところか。
 
**とはいえデュエルガンダム自体ストライクの原型機にあたる(デュエルの基礎フレームにストライカーパックシステムを付加したのがストライク)ので、どちらの設定であったとしてもデュエルから始まる系譜の上に生まれた機体であることに変わりはない。改変後の設定の場合は「105ダガーからストライカーパックを撤廃した結果、デュエルの量産化のようなコンセプトに先祖返りした」といったところか。
*本機を含むダガーシリーズはビームライフルの発射音と足音が他の機体にはみられない独特の音になっているという特徴がある。特に足音は金属音の様な音が使用されているという演出上の特徴があるが、理由は不明。
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*本機を含むダガーシリーズはビームライフルの発射音と足音が他の機体にはみられない独特の音になっているという特徴がある。特に足音は金属音の様な音が使用されているという演出上の特徴があるが、理由は不明。ゲーム『機動戦士ガンダムSEED 連合 VS Z.A.F.T』シリーズでも再現されており、明確に確認可能。
 
**ビームライフルの発射音は『SEED DESTINY』で地球連合軍に協力している間のオーブ軍ムラサメのライフル発射音がダガーシリーズと同じになったことがあるため、地球連合軍側の攻撃と区別を付けるための意図があった可能性がある。ただし、足音が金属音の様な効果音の理由は明らかではない。後継機の[[ダガーL]]<ref>足音は『SEED DESTINY』2話の[[ガーティ・ルー]]の発進カタパルトへ移動するシーンで確認可能。 </ref>や[[ウィンダム]]<ref>足音は『SEED DESTINY』12話のスペングラー級強襲揚陸艦から発艦するために歩行するシーンで確認可能。リマスター版ではコンベアー移動になったため、確認不可。 </ref>も同様に金属音の様な足音になっており、少なくともウィンダムを含むダガー系列の機体はこの足音が採用される。
 
**ビームライフルの発射音は『SEED DESTINY』で地球連合軍に協力している間のオーブ軍ムラサメのライフル発射音がダガーシリーズと同じになったことがあるため、地球連合軍側の攻撃と区別を付けるための意図があった可能性がある。ただし、足音が金属音の様な効果音の理由は明らかではない。後継機の[[ダガーL]]<ref>足音は『SEED DESTINY』2話の[[ガーティ・ルー]]の発進カタパルトへ移動するシーンで確認可能。 </ref>や[[ウィンダム]]<ref>足音は『SEED DESTINY』12話のスペングラー級強襲揚陸艦から発艦するために歩行するシーンで確認可能。リマスター版ではコンベアー移動になったため、確認不可。 </ref>も同様に金属音の様な足音になっており、少なくともウィンダムを含むダガー系列の機体はこの足音が採用される。
  

2024年4月5日 (金) 21:48時点における最新版

ストライクダガー
外国語表記 STRIKE DAGGER[1]
登場作品

ガンダムシリーズ

デザイン 大河原邦男
初登場SRW 第3次スーパーロボット大戦α 終焉の銀河へ
SRWでの分類 機体
テンプレートを表示
スペック
分類 汎用モビルスーツ
生産形態 量産機
型式番号 GAT-01
全高 18.02 m
重量 55.31 t
動力 バッテリー
開発 地球連合軍
所属 地球連合軍
主なパイロット エドワード・ハレルソン
モーガン・シュバリエ
テンプレートを表示

ストライクダガーは『機動戦士ガンダムSEED』の登場メカ

概要[編集 | ソースを編集]

ストライクガンダムを元に、 地球連合軍初の量産型モビルスーツであるダガーの簡易量産型。

第1次連合・プラント大戦の後半以降、地球連合軍の主力機として猛威を振るう事になった。

機体概要[編集 | ソースを編集]

ザフト用の新型兵器として開発されたGAT-Xシリーズの中で唯一ザフトからの強奪を免れたGAT-X105ストライクは、搭乗者であるキラ・ヤマト少尉の多大な戦果もあって膨大な戦闘データを獲得する事になり、それを元にした正式量産機である「ダガー」の開発も決定。しかし、ストライカーパックを始めとする機能を忠実に受け継いだダガーは、生産時間や製造コストがどうしても掛かり、ザフトのモビルスーツに対抗すべく一刻も早くモビルスーツを配備し頭数も増やさねばならなかった地球連合軍は、ダガーに並行する形でその簡易生産型の開発も計画。それによって、本機が開発される事になったのだが、本来のストライクの直接量産機であるダガーと制式化時期が逆転した結果、本機が「ストライク」の名を冠する事になった。

生産時間とコストの低下を目的とした機体の為、ダガーと比べると原型機であるストライク最大の特徴であったストライカーパックシステムの廃止、装甲の単純構造化、頭部ブレードアンテナや機関砲の半減、各部構造の簡略等、かなり大胆とも言えるデチューンが施されている。しかし、背部のストライカーパック用プラグの代わりに同規格の簡易アタッチメントが機体各所に設置され、パラシュートパック等の簡易装備なら装着・運用が可能で、腰部のアタッチメントにビームサーベルを新規にマウントさせる事も出来る。また、簡易生産型といっても、基本性能や武装に関してはジンを凌駕しており、操縦面もGAT-X型に比べて大きく改善されて、OSもナチュラルが操縦可能な新型を搭載。これによって低錬度のパイロットでも充分に性能が発揮出来るようになっている。ちなみに、このOSは大西洋連邦デトロイト市のメーカーの独力開発である。

最大の特徴は、オーブ軍M1アストレイと同様に小型で取り回しの良いビーム兵器を標準装備している点にあり、相手が並のモビルスーツで急所に当てれば一撃で撃破する事が可能で、ザフトのジンやシグーを上回る攻撃力を有しているのは、当時のザフトに対する大きなアドバンテージとなっていた。後に戦場に投入されたゲイツに対しても、スペック的にこそ劣勢であるが、ビーム兵器の当たり所が良ければ一撃で撃破出来る為、戦場で互角に渡り合えている。何よりも物量面では連合が有利である為、ナチュラルとコーディネイターの能力差を考慮しても、状況次第では総合的な戦闘力で大きく勝る事になった。

後にこの機体やダガーをベースとした様々な派生機や後継機が開発される事になり、最終的にはストライクと同等の性能を誇る高性能量産機であるウィンダムの開発にまで繋がっている。また、本機の先行量産型として開発された機体の中には、ストライカーパックシステムに対応したプラグの存在している機体も確認されている。なお、あくまでも戦時中の簡易量産機に過ぎなかった為に、戦後は制式量産機のダガーや次世代機のダガーLの配備に伴い、南アメリカ合衆国等の途上国に払い下げとなっている機体が確認されているが、ビーム兵器の標準装備による高い攻撃力が利点となっているのか、ジン等よりも上位の機体となっている。

劇中での活躍[編集 | ソースを編集]

パナマ攻防戦にて第13独立部隊所属の機体が実戦投入され、ザフトのMS部隊を相手に優勢を保っていた。しかし、その後のザフトが投入したグングニールのEMP攻撃によって、地球連合軍の施設やリニア・ガンタンクなどの兵器類と同様に電装系が破壊されて行動不能に陥った。結果的に全滅してしまったが、グングニール発動前まではザフト軍のモビルスーツ部隊を圧倒。特にジンによって撃破された機体は皆無であり、ジンに対して優れたアドバンテージを得られる機体である事を物語る。小説版では「遂にザフトのモビルスーツが兵器の頂点から叩き落された」と表現されており、ストライクダガーが優れた性能を持つ機体である事を強調している。

その後はオーブ解放作戦や第三次ビクトリア攻防戦でも活躍。高い攻撃力を備えたビーム兵器の標準装備に加え、兵器簡易量産型であったが故に大量配備出来る利点が最大限に発揮される事になり、オーブ解放作戦では自爆を許した事でマスドライバーを奪取出来ずに終わったものの、オーブ自体の壊滅には成功。第三次ビクトリア攻防戦でも、ロンド・ギナ・サハクの駆るアストレイゴールドフレーム天の協力があったとは言え、ザフトのモビルスーツ部隊を圧倒し、最終的にはビクトリア基地の奪還に大きく貢献する事になった。

その後は、ビクトリア基地のマスドライバーから宇宙に存在する月のプトレマイオス基地へと大量に打ち上げられる事になり、その後のプラント本国の存在するL5宙域を舞台にしたボアズ攻防戦、第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦等でも連合軍の主力機として大量投入。その標準攻撃力と兵力を力にする形で、性能面では上であるザフトの最新鋭機・ゲイツを相手にしても互角に戦える様子を見せている。その際、ストライクダガーを「チャチな人形」と馬鹿にしているジンのパイロットがいたが、その直後にストライクダガーにコックピットを撃ち抜かれて撃墜されている。

SEED DESTINY』の最終話特別編となる『FINAL PLUS』では、オーブに合流したと思われる機体が何機か確認できる。ジンがザフトで未だ現役なのと同じで地球連合軍でもストライクダガーが現役運用されている模様。ただし、本国防衛部隊等の主力部隊でも運用されているジンと比較して、ストライクダガーの運用は少ない模様であり、地球連合軍の兵器更新は迅速に行われていたと思われる。

登場作品と操縦者[編集 | ソースを編集]

αシリーズ[編集 | ソースを編集]

第3次スーパーロボット大戦α 終焉の銀河へ
初登場作品。中盤以降、ブルーコスモスに毒された連邦軍の量産機として登場する。基本的にはザコなのだが、HPが高めな為に、一撃で落とすのは難しい。
鳴り物入りの新型機の割に、量産型νガンダムや『第2次α』の量産型ガンダムF91と比較すると見劣りする感がある。もっともこれらは高級量産機なので、比較対象としてはジェガンヘビーガンの方が適切であろう。見方を変えれば木星におけるヘリウム3の採掘が不可能となる事で、それまでのモビルスーツの動力である核融合炉を製造出来なってしまうのを見越した結果、新たにバッテリー駆動型のモビルスーツとして開発された新型機である可能性もある。

携帯機シリーズ[編集 | ソースを編集]

スーパーロボット大戦J
第3次α』よりはマシだが、それでも雑魚であり、むしろ、終盤に一緒に現れる核ミサイル搭載のメビウスの方が厄介。ちなみに、ビームライフルのグラフィックがデュエルガンダムのもの、シールドのグラフィックがカラミティガンダムのものになっている。
スーパーロボット大戦W
ザコ扱い。作中では、サーペントよりも新型で性能が良いようなセリフが存在するが、ゲーム内の性能はどっこいである(もともとサーペントは高性能量産機な上、武装が豊富なので仕方が無いともいえる)。本機以外にも、MSV機体で上位機である105ダガーも登場。また、二周目以降は購入して自軍に加えることが可能…だが、攻撃力の低さもあって、相当の改造をしなければ主力を張るのは難しい、マニア向けの機体。低コストでフル改造出来るのが、唯一の強みか…。ビームライフルのグラフィックはそのまま、シールドのグラフィックはJから修正されている。

単独作品[編集 | ソースを編集]

スーパーロボット大戦DD
2章Part1から登場するエネミーユニット。回避特化タイプ。
『SEED』の再現シナリオ自体は同パートで終了するものの、3章Part4ではディスコード・ディフューザーの戦力として再登場し、連合の量産機としても『DESTINY』にシナリオが移行してからも(恐らくダガーLの代役として)本機が使われ続けている。

装備・機能[編集 | ソースを編集]

武装・必殺武器[編集 | ソースを編集]

武装[編集 | ソースを編集]

75mm対空自動バルカン砲塔システム「イーゲルシュテルン」
GAT-Xシリーズに装備された物と同型。生産性重視の為、頭部左側にのみ装備。
ES01 ビームサーベル
背部のビームサーベルラックに1基装備された格闘戦用武装。その後のGATシリーズMSの標準装備としてマイナーチェンジが繰り返された。
M703 57mmビームライフル
本機の主兵装。デュエルの物を基本として、生産性を向上させている。戦後も基本構造は変わらずにマイナーチェンジが重ねられた。
銃身下部にある筒状の部品を付属しているグレネードランチャーとする資料もあるが、劇中では使われていないので、真偽の程は定かではない。
『DD』ではビーム属性の通常攻撃に採用。
対ビームシールド
対ビームコーティングが施された実体盾。実体兵器も受け止められる。GAT-Xシリーズなどの直線構成のシールドと違い、曲面的なデザインとなっている。高火力のビーム兵器に対する防御性能は皆無に等しく、パーフェクトストライクのシュベルトゲベールとアグニ、バスターの超高インパルス長射程狙撃ライフルに機体ごと真っ二つにされている。
『J』ではグラフィックの指定がおかしいのか、カラミティの対ビームシールドの残骸みたいな物を構えている。

オプション装備[編集 | ソースを編集]

ビームサーベルラック
背部のオプション装備の1つ。パラシュートパックなどを装備する際には外す必要がある。
パラシュートパック
オーブ解放作戦時に降下部隊が装備していた。背部アタッチメントに装備される。ビームサーベルラックとの併用は不可。
ビームライフル
デュエルの物と同型のもの。一部作品で装備。
バズーカ
ストライクの物と同型のもの。一部作品で装備。

特殊能力[編集 | ソースを編集]

剣装備、盾装備、銃装備
切り払いシールド防御撃ち落としを発動。

移動タイプ[編集 | ソースを編集]

サイズ[編集 | ソースを編集]

M

関連機体[編集 | ソースを編集]

105ダガー
本来の仕様。
ダガーL
発展型。
ウィンダム
次世代新型機。
ロングダガー(SRW未登場)
機動戦士ガンダムSEED ASTRAY』に登場。戦闘用コーディネイターであるソキウス用に開発された機体で、ストライクダガーよりも高性能。各部パーツも多くがストライクダガーと共用となっている。
ゲルズゲー
本機の上半身を使用した異形のモビルアーマー

余談[編集 | ソースを編集]

  • 言うなればSEED版ジム。が、ジムや後のウィンダムと比較すると一方的に撃墜される描写は(量産機としては)控え目であり、むしろナチュラルとコーディネイターの能力差を考えても、十分に戦える機体として描写されており、作中でも地球連合軍のウィリアム・サザーランド大佐(SRW未登場)はムルタ・アズラエルに「ストライクダガーは良い出来ですよ」と本機の完成度の高さに言及している。初登場時の抜群のコンビネーションで敵を撃墜したり、ボアズ戦開幕直後にゲイツを撃破するなど演出等からか、格好良いシーンが比較的目立ったので意外にファンは多い。が、ガンプラの定番であるHGシリーズでは2022年にようやく発売が決定した(後にダガーLウィンダムは発売されている)。
  • コロコロと設定が変わるガンダムシリーズの例に漏れず、本機の設定も当初は「デュエルガンダムをベースとした量産機(奪取されたデュエルの名前は不適当とされたので、ストライクの名を冠した)」だったはずなのに、105ダガーの設定が追加されるやいなや、「105ダガーのストライカーパック機能を簡素化した、戦時中の緊急量産機」という設定になっている。
    • とはいえデュエルガンダム自体ストライクの原型機にあたる(デュエルの基礎フレームにストライカーパックシステムを付加したのがストライク)ので、どちらの設定であったとしてもデュエルから始まる系譜の上に生まれた機体であることに変わりはない。改変後の設定の場合は「105ダガーからストライカーパックを撤廃した結果、デュエルの量産化のようなコンセプトに先祖返りした」といったところか。
  • 本機を含むダガーシリーズはビームライフルの発射音と足音が他の機体にはみられない独特の音になっているという特徴がある。特に足音は金属音の様な音が使用されているという演出上の特徴があるが、理由は不明。ゲーム『機動戦士ガンダムSEED 連合 VS Z.A.F.T』シリーズでも再現されており、明確に確認可能。
    • ビームライフルの発射音は『SEED DESTINY』で地球連合軍に協力している間のオーブ軍ムラサメのライフル発射音がダガーシリーズと同じになったことがあるため、地球連合軍側の攻撃と区別を付けるための意図があった可能性がある。ただし、足音が金属音の様な効果音の理由は明らかではない。後継機のダガーL[2]ウィンダム[3]も同様に金属音の様な足音になっており、少なくともウィンダムを含むダガー系列の機体はこの足音が採用される。

脚注[編集 | ソースを編集]

  1. バンダイ 1/144 ストライクダガー、パッケージより。
  2. 足音は『SEED DESTINY』2話のガーティ・ルーの発進カタパルトへ移動するシーンで確認可能。
  3. 足音は『SEED DESTINY』12話のスペングラー級強襲揚陸艦から発艦するために歩行するシーンで確認可能。リマスター版ではコンベアー移動になったため、確認不可。

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