シュラク隊

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シュラク隊(Shrikes)とは、『機動戦士Vガンダム』に登場する部隊。

概要[編集 | ソースを編集]

リガ・ミリティア所属の戦闘部隊。「シュラク」とは英語で百舌(モズ)の意味であり、部隊のマークも逆三角に百舌のデザインとSHRIKEの英字をあしらったものとなっている。

敵対勢力であるザンスカール帝国を獲物に見立てての戦意溢れるネーミングであるが、その獰猛な部隊名に反し、女性パイロットばかりで構成されているのが特徴(ただし、いずれの女性たちも並の男以上に勇猛果敢である)。狙った訳ではなく「凄腕を集めていたら、たまたま女性ばっかりになった」という設定である。

メンバー同士の絆は固く、信頼を寄せる発言や戦死者を手厚く葬るなどの描写が見られた。

年下の少年であるウッソのことは可愛がっており、ウッソ自身もシュラク隊のメンバーを大事に思っている。これはVガンダムのテーマである「母性」を描くための要素であり、ウッソという象徴化された理想の子供を手に入れたい女性たちでもある。

当初はガンイージ、中盤ではガンブラスター、後半ではVガンダム及びそのバリエーション機を駆り、リガ・ミリティアの部隊の中でもホワイトアーク隊と並んで多くの戦果を挙げた。

登場するなり次々とメンバーが戦死してしまうという非常に悲惨な特徴がある。人員の不足により何度かメンバーが補充されたものの、その傾向には全く歯止めがかからなかった。むしろ加速したとすら言える。最終的には全滅という無惨な結果を残しており、その惨状は「シュラク隊に配属されることが死亡フラグ」とまで揶揄されている。黒富野の代表的作品である『機動戦士Vガンダム』を象徴する部隊であるとも言えるだろう。

最終話では同じく戦死したオデロと共に、オリファーも含めた全員が思念となって、倒すべき敵である「放っておけない奴」の元へウッソを導いた。

登場作品[編集 | ソースを編集]

SRWではメンバーの戦死イベントが滅多に再現されないことから、一人も欠員を出すこと無く前期メンバーと後期メンバーが出揃うことも度々あり、結果的に原作と比較して好待遇となっている。

旧シリーズ[編集 | ソースを編集]

第2次スーパーロボット大戦G
初登場作品。ユカのみゲッターQ救出ルートで、他は全員無条件で加入。
初期機体はガンイージ及びガンブラスター。優秀なガンダム系主人公格キャラが多数使用可能なため、それらを押しのけてまで使用するほどの能力ではないが、ニュータイプ技能が導入されてない作品ということもあり、そこまで格差が大きいというわけでもない。ファンなら愛を持って育ててあげよう。
中盤で数人が強制出撃するシナリオもある。ただしそこで出てくる敵はレベルが極端に低い&ウッソも同時出撃のため、全く育てていなくても何とかなる……というか、育てていないプレイヤーでも大丈夫なように調整された結果だろう。

αシリーズ[編集 | ソースを編集]

スーパーロボット大戦α
全員スポット参戦という扱い。1人1人にレアリティの高い精神コマンドが割り振られており、強制出撃時にはそれを活かしてサポートする役割を担う。メンバーの顔グラフィックが全体的に似ていない。

携帯機シリーズ[編集 | ソースを編集]

スーパーロボット大戦D
オリファージュンコが登場。オリファーは中盤で死亡し強制離脱(育成はオデロに引き継がれる)、ジュンコは最後まで生き残る。また専用武装「シュラク・アタック」で召喚ユニットとしてガンイージなどが呼び出されるのだが、誰が搭乗しているかは不明。ストーリー上では他のメンバーは死亡していることが語られているため、幽霊を呼び出していると揶揄されることも。

単独作品[編集 | ソースを編集]

新スーパーロボット大戦
シュラク隊の全員が戦力に数えられ得る作品。宇宙編で主要戦力となるため、きちっと育てないと後で泣きを見る。
スーパーロボット大戦30
全メンバーが登場。ジュンコ、コニー、ユカ、オリファーがユニットとして参戦し、他メンバーはガンブラスターの召喚攻撃「シュラク隊一斉攻撃」の演出でランダムで登場する。シナリオにも度々メンバーが登場し、ネイアズなど、腕の立つ女性パイロットをシュラク隊に勧誘しようとする場面も。

所属人物[編集 | ソースを編集]

第8話「激闘!波状攻撃」にて隊長のオリファーが、第10話「鮮烈!シュラク隊」にて初期メンバーであるジュンコ、ペギー、ヘレン、マヘリア、ケイト、コニーが登場。

その後、死亡離脱によるメンバーの減少を受けて、第16話「リーンホース浮上」にてユカが、第31話「モトラッド発進」にてフラニーが、第41話「父の作った戦場」にてミリエラが、それぞれ登場する。

退場のタイミングは下記の通り。

キャラクター 死亡歴 スパロボ関連の備考
ヘレン・ジャクソン 第11話にて、トムリアットとの戦闘中に相討ちの形でコクピットを潰され死亡。
初登場した次の回で早々の退場となった。
 
マヘリア・メリル 第13話にて、ヘレン同様トムリアットとの戦闘により死亡。コクピット周辺を攻撃されたことで発生した内部の爆発が直接の死因となった。  
ケイト・ブッシュ 第14話にて、クワン・リーのメッメドーザと戦闘中、流れ弾で倒壊しかけたマスドライバーを支えに行って無防備なところをコクピットを刺されて死亡。 『新』において死亡イベント再現(回避可能)。
クワンは登場しないが、概ね原作通り。
ペギー・リー 第26話にて、クロノクル・アシャーコンティオから被弾して重症を負った後、ウッソをかばって死亡。  
ジュンコ・ジェンコ 第27話にて、カイラスギリー上での爆弾解除中、時間切れで爆死。  
オリファー・イノエ シュラク隊の隊長で、唯一の男性。
第31話にて、アドラステア特攻し死亡。
『D』において死亡イベント再現(強制)。
なお、舞台が地上に変更されている他、
本来既に死亡しているジュンコも生存している。
ユカ・マイラス 新規加入組。
第49話にて、カテジナゴトラタンにより死亡。
『新』『α』にて精神コマンド「」を所持。  
フランチェスカ・オハラ 新規加入組。
第50話にて、カテジナのゴトラタンにより死亡。
 
ミリエラ・カタン 新規加入組。
フラニー死亡の直後、同様にカテジナにより撃墜され死亡。
コニー・フランシス 結成初期からのメンバーでありながら、最後の生き残りとなった人物。
クロノクルと戦うウッソを援護しようとしたところ、背後からカテジナに撃たれて死亡。
殆どの作品でも精神コマンド「幸運」を所持。
長期間生き残ったことの反映か。

関連人物[編集 | ソースを編集]

マーベット・フィンガーハット
隊長であるオリファーの婚約者(後に結婚)で、彼に同伴することも多い。しかし彼女はシュラク隊の隊員各々に与えられているパーソナルマークではなく、ホワイトアーク隊のパーソナルマークを使用しているため、シュラク隊の隊員ではないと思われる。
ウッソ・エヴィンオデロ・ヘンリークトマーシュ・マサリク
マーベット同様、ホワイトアーク隊の隊員。但し彼ら3人とマーベットは、一時的に「第二シュラク隊」として活動したことがある。
メルクリン(SRW未登場)
彼らと同じく第二シュラク隊としての任務に就いたが、画面上に顔を出す機会も与えられずに特攻の末死亡した名前のみのキャラクター。ある意味、全隊員の中で最も不遇。死亡回の34話でガンブラスターに搭乗。
カテジナ・ルース
第49話から第50話にかけて、シュラク隊メンバーを立て続けに4人墜とし、シュラク隊を全滅に追いやった撃墜王。

関連用語[編集 | ソースを編集]

リガ・ミリティア
ジン・ジャハナムを指導者とするザンスカール帝国の地球支配に抵抗するための民間軍事組織。シュラク隊もそこに所属している。

余談[編集 | ソースを編集]

  • 小説版でも全員戦死するのは変わらないが、死因が変更されている者が多い。
  • 富野監督によればイメージは「バレーボールチーム」であり、逢坂浩司氏は「だから全員背が高くて、体格もいいんですよ、きっと(笑)」とコメントしている[1]
    • 実際に『アニメディア 1993年10月号』の雑誌企画ではバレーボールチームとマネージャーに扮したシュラク隊6人とウッソのイラスト(津熊健徳)が掲載された。ちなみに試合(相手はザンスカール混合チーム)は第試合で、シュラク隊は戦死者続出のためメンバーが足りず不戦敗扱いという笑うに笑えないジョークが書かれていた[2]
  • 『V』と時代を同じくする『機動戦士クロスボーン・ガンダムゴースト』(SRW未参戦)には正確な関係性は明らかにされていないが、分隊あるいは別動隊と思われる「リア・シュラク隊」が登場している。3人の女性で構成されており、こちらは最終的に全員生き残った。

資料リンク[編集 | ソースを編集]

脚注[編集 | ソースを編集]

  1. 勁文社『ケイブンシャの大百科別冊 アニメミニアルバム 機動戦士Vガンダム』77頁。
  2. 学習研究社『アニメディア 1993年10月号』12-13頁。