「シーゲル・クライン」の版間の差分

提供: スーパーロボット大戦Wiki
ナビゲーションに移動 検索に移動
(脚注の追加等。)
1行目: 1行目:
 
== シーゲル・クライン(Siegel Clyne)  ==
 
== シーゲル・クライン(Siegel Clyne)  ==
 
*登場作品:[[機動戦士ガンダムSEED]]
 
*登場作品:[[機動戦士ガンダムSEED]]
*声優:秋元羊介
+
*[[声優]]:秋元羊介
 
*種族:地球人([[コーディネイター]])
 
*種族:地球人([[コーディネイター]])
 
*性別:男
 
*性別:男
7行目: 7行目:
 
*階級:最高評議会議長
 
*階級:最高評議会議長
 
*[[年齢]]:49歳
 
*[[年齢]]:49歳
 +
 +
=== 概要 ===
  
 
[[プラント]]最高評議会議長であり、[[ラクス・クライン]]の実父。
 
[[プラント]]最高評議会議長であり、[[ラクス・クライン]]の実父。
  
プラントの最高責任者として、[[血のバレンタイン]]事件後、[[地球連合]]に対し開戦するが、自身は地球連合との交渉を考えていた穏健派であり、[[コーディネイター]]の出生率低下に対しては[[ナチュラル]]と交雑、回帰により解消すべきと考えていた。
+
プラントの最高責任者として、[[血のバレンタイン]]事件後、[[地球連合]]に対し開戦するが、シーゲル自身は地球連合との交渉を考えていた穏健派であり、[[コーディネイター]]の出生率低下に対しては[[ナチュラル]]と交雑し、ナチュラルへと回帰する事によって解消すべきと考えていた。
  
強硬派の[[パトリック・ザラ]]と激しく対立して彼によりその地位を逐われ、ラクスによる[[フリーダムガンダム|フリーダム]]強奪事件の後、[[クライン派]]の兵と共に行方をくらますもパトリックの指示を受けた特殊部隊により発見・[[暗殺|射殺]]された(フリーダム強奪以前は行方を晦ましていなかった事を考えると、結果的に娘の行動が原因となって暗殺に追い込まれたとも言える)。
+
しかし、強硬派である[[パトリック・ザラ]]と激しく対立して彼によりその地位を逐われてしまい、娘ラクスによる[[フリーダムガンダム|フリーダム]]強奪事件の後、[[クライン派]]の兵と共に行方を晦ますも、パトリックの指示を受けた特殊部隊により発見・[[暗殺|射殺]]された。<ref>ただし、[[フリーダムガンダム|フリーダム]]強奪以前にシーゲルが行方を晦ましていなかった事実を考えると、結果的に娘[[ラクス・クライン|ラクス]]の行動が原因になって[[暗殺]]に追い込まれたとも言える。</ref>
  
穏健派と言われており、劇中でもそのような印象を受けるが、エイプリルフール・クライシスで[[ニュートロンジャマー]]の大量投入を決定し、地球人口の一割(およそ10億人程度と言われている)を死に追いやった際の最高評議会議長は彼である。この事件は、反コーディネーター感情を持たない地球の人々にも大きな被害を与え、ナチュラル・コーディネーター間の関係に決定的な亀裂をもたらしたとされるため、彼は'''本作最大の虐殺者であり、戦争の直接的な元凶の一人'''という歴史上、稀に見る汚名を背負ってしまったと言える。もちろん、そこまでにも様々な事件や対立は有り、「ナチュラルとコーディネーターの対立」という争いの側面はあったものの、それまでは表面上は「地球連合とプラントの対立」という形であったのが、表面的にも「ナチュラルとコーディネーターの対立」にまで押し広げてしまったのが、本事件である。
+
=== キャラクターの総評 ===
  
無論、血のバレンタイン事件などによる世論の影響から、地球への攻撃を強行せざるを得なかった可能性は高いが、この時、強硬派とされるパトリックは[[核ミサイル|核]]攻撃による報復を主張していた。ニュートロンジャマー投下の犠牲は核攻撃より遥かに被害が大きかったため、こちらの案を承認したシーゲルは、'''強硬派より遥かに過激だった'''と言う事になり、穏健派と言うには大いに無理が生じるのではないか?という疑問が視聴者たちに生まれてしまった。
+
シーゲルはプラントにおける「穏健派」と言われており、劇中においてもそのような印象を受ける。しかし、[[ニュートロンジャマー]]の大量投入を決定し、[[地球]]人口の一割(およそ10億人程度と言われている)を死に追いやった事件「エイプリルフール・クライシス」が起こった際の最高評議会議長は彼である。
ただし、核を撃たれたプラントが核で報復するというのはプラントの住む者たちの感情を逆なでする可能性や血のバレンタインの犠牲者に対する侮辱になるではないかと考えられた可能性もあり、核以外での報復を模索した結果、ニュートロンジャマーになったのではないかとも考えられる。
 
  
どちらにせよ、劇中では一貫して穏健派として扱われ続けており、実際に交渉の手段を模索しているものの、政治的な重要度に反して彼の出番は少ないため、この疑問と矛盾に対する回答が可能な描写は存在しない。SEED全体における説明不足や、設定の後付による被害者の一人とも言え、実情の見えにくいキャラである。
+
この事件は、反コーディネーター感情を持たない地球の人々にも大きな被害を与え、ナチュラル・コーディネイター間の関係に決定的な亀裂をもたらしたとされるため、シーゲルは'''「『[[機動戦士ガンダムSEED|SEED]]』における最大の虐殺者であり、[[ヤキン・ドゥーエ戦役|戦争]]を起こした直接的な元凶の一人」'''という[[コズミック・イラ|『SEED』世界の歴史上]]稀に見る汚名を背負ってしまったと言える。<ref>もっとも、[[ニュートロンジャマー]]の[[地球]]への大量投入に至るまでにも様々な事件や[[地球連合]]・[[プラント]]間の対立は存在しており、これまで「[[ナチュラル]]と[[コーディネイター]]の対立」という争いの側面はあったものの、それまでは表面上は「地球連合とプラントとの対立」という形で落ち着いていた。ところが、表面的にも「ナチュラルとコーディネイターの対立」という段階にまで悪化する結果になってしまったのが、「エイプリルフール・クライシス」という事件である。</ref>
 +
 
 +
無論、「[[血のバレンタイン事件]]」等による世論の影響から、地球への攻撃を強行せざるを得なかった可能性は高いが、この時、強硬派とされるパトリックは「[[核ミサイル|核攻撃]]による報復」を主張していた。結果的に、ニュートロンジャマー投下の犠牲は核攻撃より遥かに被害が大きかったため、こちらの案を承認したシーゲルは、「'''強硬派よりも遥かに過激だった'''と言う事になり、穏健派と評価するには大いに無理が生じるのではないか?」という疑問が視聴者達に生まれてしまった。<ref>ただし、[[地球連合軍]]から[[核ミサイル|核]]を撃たれた[[プラント]]が核で報復するという手段は、プラントの住む者達の感情を逆なでする可能性や「[[血のバレンタイン事件]]」の犠牲者に対する侮辱になるではないかと考えられた可能性もあり、核以外での報復を模索した結果、ニュートロンジャマーになったのではないかとも考えられる。</ref>
 +
 
 +
どちらにせよ、『SEED』劇中においてシーゲルは一貫して「穏健派」として扱われ続けている。実際に交渉の手段を模索しているものの、政治的な重要度に反して彼の出番は少ないため、この疑問と矛盾に対する回答が可能な描写は存在しない。また、シーゲルは「『SEED』全体における説明不足や、設定の後付による被害者の一人」とも言え、実情の見えにくいキャラクターである。
  
 
== 登場作品と役柄 ==
 
== 登場作品と役柄 ==
 
=== [[αシリーズ]] ===
 
=== [[αシリーズ]] ===
 
;[[第3次スーパーロボット大戦α]]
 
;[[第3次スーパーロボット大戦α]]
:謀殺される経緯も含め、概ね原作同様の役回りを演じる。
+
:初登場作品。[[暗殺]]される経緯も含め、概ね原作同様の役回りを演じる。
  
 
=== 携帯機シリーズ ===
 
=== 携帯機シリーズ ===
30行目: 35行目:
 
:名前のみの登場。
 
:名前のみの登場。
 
;[[スーパーロボット大戦W]]
 
;[[スーパーロボット大戦W]]
:今回も役回りは大体同じで、パトリックに[[火星の後継者]]と手を切るように忠告した。
+
:今回も役回りは大体同じで、パトリックに対して[[火星の後継者]]と手を切るように忠告した。
 
;[[スーパーロボット大戦L]]
 
;[[スーパーロボット大戦L]]
:ラクスの父として名前のみ登場。
+
:ラクスの父として名前のみの登場。
  
 
== 人間関係 ==
 
== 人間関係 ==
38行目: 43行目:
 
:娘。
 
:娘。
 
;[[パトリック・ザラ]]
 
;[[パトリック・ザラ]]
:政敵。旧友でもあり、時折ファーストネームで互いを呼び合う。しかし、路線対立の末にパトリックが送った刺客によってシーゲルは[[暗殺]]されてしまった。
+
:政敵。盟友でもあり、時折ファーストネームで互いを呼び合う。しかし、路線対立の末にパトリックが送った[[テロリスト|刺客]]によってシーゲルは[[暗殺]]されてしまった。
 
;[[叢雲劾]]
 
;[[叢雲劾]]
 
:シーゲルは[[サーペントテール]]を高く評価し、何度も仕事の依頼をしている。
 
:シーゲルは[[サーペントテール]]を高く評価し、何度も仕事の依頼をしている。
44行目: 49行目:
 
== 名台詞 ==
 
== 名台詞 ==
 
;「パトリック! 命は生まれ出ずるものだ。作り出す物ではない!」<br />「我らは進化したのではないぞ……」
 
;「パトリック! 命は生まれ出ずるものだ。作り出す物ではない!」<br />「我らは進化したのではないぞ……」
:第20話「おだやかな日に」より。[[パトリック・ザラ]]と議論した際に言った台詞。両者の[[性格]]や考え方の違いがよくわかるシーンでもある。
+
:第20話「おだやかな日に」より。[[パトリック・ザラ]]と議論した際に言った台詞。両者の[[性格]]や考え方の違いがよく分かるシーンでもある。
 +
 
 +
== 脚注 ==
 +
<references />
 
{{ガンダムシリーズ}}
 
{{ガンダムシリーズ}}
 
 
[[Category:登場人物さ行]]
 
[[Category:登場人物さ行]]
 
{{DEFAULTSORT:しいける くらいん}}
 
{{DEFAULTSORT:しいける くらいん}}
 
[[Category:ガンダムシリーズの登場人物]]
 
[[Category:ガンダムシリーズの登場人物]]

2016年4月20日 (水) 23:11時点における版

シーゲル・クライン(Siegel Clyne)

概要

プラント最高評議会議長であり、ラクス・クラインの実父。

プラントの最高責任者として、血のバレンタイン事件後、地球連合に対し開戦するが、シーゲル自身は地球連合との交渉を考えていた穏健派であり、コーディネイターの出生率低下に対してはナチュラルと交雑し、ナチュラルへと回帰する事によって解消すべきと考えていた。

しかし、強硬派であるパトリック・ザラと激しく対立して彼によりその地位を逐われてしまい、娘ラクスによるフリーダム強奪事件の後、クライン派の兵と共に行方を晦ますも、パトリックの指示を受けた特殊部隊により発見・射殺された。[1]

キャラクターの総評

シーゲルはプラントにおける「穏健派」と言われており、劇中においてもそのような印象を受ける。しかし、ニュートロンジャマーの大量投入を決定し、地球人口の一割(およそ10億人程度と言われている)を死に追いやった事件「エイプリルフール・クライシス」が起こった際の最高評議会議長は彼である。

この事件は、反コーディネーター感情を持たない地球の人々にも大きな被害を与え、ナチュラル・コーディネイター間の関係に決定的な亀裂をもたらしたとされるため、シーゲルは「『SEED』における最大の虐殺者であり、戦争を起こした直接的な元凶の一人」という『SEED』世界の歴史上稀に見る汚名を背負ってしまったと言える。[2]

無論、「血のバレンタイン事件」等による世論の影響から、地球への攻撃を強行せざるを得なかった可能性は高いが、この時、強硬派とされるパトリックは「核攻撃による報復」を主張していた。結果的に、ニュートロンジャマー投下の犠牲は核攻撃より遥かに被害が大きかったため、こちらの案を承認したシーゲルは、「強硬派よりも遥かに過激だったと言う事になり、穏健派と評価するには大いに無理が生じるのではないか?」という疑問が視聴者達に生まれてしまった。[3]

どちらにせよ、『SEED』劇中においてシーゲルは一貫して「穏健派」として扱われ続けている。実際に交渉の手段を模索しているものの、政治的な重要度に反して彼の出番は少ないため、この疑問と矛盾に対する回答が可能な描写は存在しない。また、シーゲルは「『SEED』全体における説明不足や、設定の後付による被害者の一人」とも言え、実情の見えにくいキャラクターである。

登場作品と役柄

αシリーズ

第3次スーパーロボット大戦α
初登場作品。暗殺される経緯も含め、概ね原作同様の役回りを演じる。

携帯機シリーズ

スーパーロボット大戦J
名前のみの登場。
スーパーロボット大戦W
今回も役回りは大体同じで、パトリックに対して火星の後継者と手を切るように忠告した。
スーパーロボット大戦L
ラクスの父として名前のみの登場。

人間関係

ラクス・クライン
娘。
パトリック・ザラ
政敵。盟友でもあり、時折ファーストネームで互いを呼び合う。しかし、路線対立の末にパトリックが送った刺客によってシーゲルは暗殺されてしまった。
叢雲劾
シーゲルはサーペントテールを高く評価し、何度も仕事の依頼をしている。

名台詞

「パトリック! 命は生まれ出ずるものだ。作り出す物ではない!」
「我らは進化したのではないぞ……」
第20話「おだやかな日に」より。パトリック・ザラと議論した際に言った台詞。両者の性格や考え方の違いがよく分かるシーンでもある。

脚注

  1. ただし、フリーダム強奪以前にシーゲルが行方を晦ましていなかった事実を考えると、結果的に娘ラクスの行動が原因になって暗殺に追い込まれたとも言える。
  2. もっとも、ニュートロンジャマー地球への大量投入に至るまでにも様々な事件や地球連合プラント間の対立は存在しており、これまで「ナチュラルコーディネイターの対立」という争いの側面はあったものの、それまでは表面上は「地球連合とプラントとの対立」という形で落ち着いていた。ところが、表面的にも「ナチュラルとコーディネイターの対立」という段階にまで悪化する結果になってしまったのが、「エイプリルフール・クライシス」という事件である。
  3. ただし、地球連合軍からを撃たれたプラントが核で報復するという手段は、プラントの住む者達の感情を逆なでする可能性や「血のバレンタイン事件」の犠牲者に対する侮辱になるではないかと考えられた可能性もあり、核以外での報復を模索した結果、ニュートロンジャマーになったのではないかとも考えられる。