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=== 機体概要 ===
 
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元々は地上・宇宙を問わずに幅広く運用可能な機体を想定して開発されたリック・ディアスを大気圏内での戦闘に特化させる形でカスタマイズした機体。開発には[[ジオン公国|旧ジオン]]関係者が参加している為か、武器や外観が[[ジオン公国軍]][[一年戦争]]の周期に運用した量産機である[[ゲルググ]]を想起させる物になっている。ベース機となったリック・ディアスは、元々はエゥーゴに所属する元・ジオン公国軍のパイロット[[アポリー・ベイ]]が搭乗していた機体で、地上の[[ジャブロー]]降下作戦後に[[宇宙]]へ帰還したアポリーに代わる形で、元・[[ホワイトベース隊]]所属の[[ガンダム|RX-78ガンダム]]のパイロット、[[アムロ・レイ]]がカラバへの所属と同時に搭乗。彼がモビルスーツのパイロットとして本格的に復帰したのを機に、その専用機も兼ねてカスタマイズされる形で誕生している。
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元・ジオン公国軍のパイロットであった[[エゥーゴ]]所属の[[アポリー・ベイ]]が搭乗していたリック・ディアスは、地上の[[ジャブロー]]降下作戦後にアポリーが[[クワトロ・バジーナ]]と共に[[宇宙]]へ帰還した際に[[地球]]へ残され、彼に代わる形で元・[[ホワイトベース隊]]所属の[[ガンダム|RX-78ガンダム]]のパイロット、[[アムロ・レイ]]がカラバへの所属と同時に搭乗する事になった。その後、彼がモビルスーツのパイロットとして本格的に復帰したのを機に、その専用機も兼ねて登場し続けていたリック・ディアスに大規模なカスタマイズが行われる事になり、それによって誕生したのが本機となる。この経緯から、形式番号もカラバ開発を示す物へと変更されている。
  
大気圏内での戦闘に特化した機体として改修する際、機体のフレームはエゥーゴが鹵獲した[[ガンダムMk-II]]に採用されていたムーバブルフレームへと変更されており、ベース機であるリック・ディアス時の名残りからコックピットも頭部に存在し、左側頭部から搭乗するのも共通しているが、フレームの変更により頭部ユニット自体の旋回も可能になっている。また、機体のジェネレーターは地上での戦闘を想定した再調整が行われており、それに合わせる形で背部には放熱用のフィンも兼ね揃えた大型のバインダー<ref>模型誌「ガンダムウォーズ2ミッションZZ」では放熱フィンはスローイング・バスターであり、ブーメランのように使えるとも記述がある。</ref><ref>しかし「Zガンダムマスターズ2」ではサブフライトシステムの空力特性を向上させるための装備とも記述されていた。</ref>へと変更され、一部のスラスターも熱核ジェット(空気燃焼型)エンジンへと換装されている。更には、大気圏内での戦闘を考慮して空気抵抗を少なくすべく、リック・ディアスの装甲の大部分がハニカム構造であったのに対し、本機の腕部や腰部等の一部装甲は曲面化され、また左肩アーマーがウェポンラックとなっているのに対し、右肩アーマーは曲面状の装甲であるラウンドシールドが採用されている等、大気圏内での運用に特化させた設計変更が妥協無く行われており、リック・ディアスの更なる原型機である[[ドム]]の時期より備わっていた脚部の熱核ホバー走行との組み合わせにより、重装甲の機体ながらも優れた機動性と運動性を両立させた優秀な機体として完成している。一方、機体は外見的に面影が残らない程の大幅な改修が行われたのに反し、武装面での大きな変更は見られないが、近接専用の武装としてゲルググが装備していたタイプと同じ規格と思われるビームナギナタを装備しており、またベース機となったリック・ディアスや[[百式]]と同じタイプのビームライフルやクレイ・バズーカといった射撃武装を使用する事も可能となっている。
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元々は地上・宇宙を問わずに幅広く運用可能な機体を想定して開発されたリック・ディアスを大気圏内での戦闘に特化させる形でカスタマイズが行われ、開発には[[ジオン公国|旧ジオン]]関係者が参加している為か、武器や外観が[[ジオン公国軍]]が[[一年戦争]]の周期に運用した量産機である[[ゲルググ]]を想起させる物になっている。大気圏内での戦闘に特化した機体として改修する際、機体のフレームはエゥーゴが鹵獲した[[ガンダムMk-II]]に採用されていたムーバブルフレームへと変更されており、ベース機であるリック・ディアス時の名残りからコックピットも頭部に存在し、左側頭部から搭乗するのも共通しているが、フレームの変更により頭部ユニット自体の旋回も可能になっている。また、機体のジェネレーターは地上での戦闘を想定した再調整が行われており、それに合わせる形で背部には放熱用のフィンも兼ね揃えた大型のバインダー<ref>模型誌「ガンダムウォーズ2ミッションZZ」では放熱フィンはスローイング・バスターであり、ブーメランのように使えるとも記述がある。</ref><ref>しかし「Zガンダムマスターズ2」ではサブフライトシステムの空力特性を向上させるための装備とも記述されていた。</ref>へと変更され、一部のスラスターも熱核ジェット(空気燃焼型)エンジンへと換装されている。更には、大気圏内での戦闘を考慮して空気抵抗を少なくすべく、リック・ディアスの装甲の大部分がハニカム構造であったのに対し、本機の腕部や腰部等の一部装甲は曲面化され、また左肩アーマーがウェポンラックとなっているのに対し、右肩アーマーは曲面状の装甲であるラウンドシールドが採用されている等、大気圏内での運用に特化させた設計変更が妥協無く行われており、リック・ディアスの更なる原型機である[[ドム]]の時期より備わっていた脚部の熱核ホバー走行との組み合わせにより、重装甲の機体ながらも優れた機動性と運動性を両立させた優秀な機体として完成している。一方、機体は外見的に面影が残らない程の大幅な改修が行われたのに反し、武装面での大きな変更は見られないが、近接専用の武装としてゲルググが装備していたタイプと同じ規格と思われる「ビームナギナタ」を装備しており、またベース機となったリック・ディアスや[[百式]]と同じタイプの「ビームライフル」や「クレイ・バズーカ」といった射撃武装を使用する事も可能となっている。
  
なお、元々はアムロ復活を象徴する為、外観を[[ガンダムタイプ]]に変更するはずであったが、カラバに協力する[[ジオン公国軍#旧ジオン軍の残党|ジオン残党]]の心情等を鑑みた[[カイ・シデン]]の機転でジオン系モビルスーツの外観に変更されたとなっており<ref>ことぶきつかさ氏による漫画作品『機動戦士Ζガンダム デイアフタートゥモロー ―カイ・シデンのレポートより―』参照。</ref>、胸部の形状…特に新たに増設されている1対の放熱用ダクトがガンダムタイプに変更する予定の名残りと言える。ただ、急な依頼であった事や、今後の戦況によって部品の調達が出来なくなる可能性も考慮した結果、ツインアイ用のソケットはそのまま残されており、その気になれば頭部をガンダムヘッドへの換装も可能であったとされている<ref>近年発売されたガンプラでもこの設定が採用され、頭部カバーの下にソケットのモールドが存在している。</ref>。また、本機は地上での運用に特化した機体の為、宇宙においてそのままの状態でフルスペックでの性能発揮は不可能となっているが、ベース機のリック・ディアスが地上や宇宙を問わない全領域対応型であった事もあって、宇宙戦用の換装を行えば、宇宙での運用も可能である。
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タスタマイズが行われていた時期のプランでは、アムロの復活を象徴する為、外観を[[ガンダムタイプ]]に変更するはずであったが、カラバに協力する[[ジオン公国軍#旧ジオン軍の残党|ジオン残党]]の心情等を鑑みた[[カイ・シデン]]の機転でジオン系モビルスーツの外観に変更されたとなっており<ref>ことぶきつかさ氏による漫画作品『機動戦士Ζガンダム デイアフタートゥモロー ―カイ・シデンのレポートより―』参照。</ref>、胸部の形状…特に新たに増設されている1対の放熱用ダクトがガンダムタイプに変更する予定の名残りと言える。ただ、急な依頼であった事や、今後の戦況によって部品の調達が出来なくなる可能性も考慮した結果、ツインアイ用のソケットはそのまま残されており、その気になれば頭部をガンダムヘッドへの換装も可能であったとされている<ref>近年発売されたガンプラでもこの設定が採用され、頭部カバーの下にソケットのモールドが存在している。</ref>。また、本機は地上での運用に特化した機体の為、宇宙においてそのままの状態でフルスペックでの性能発揮は不可能となっているが、ベース機のリック・ディアスが地上や宇宙を問わない全領域対応型であった事もあって、宇宙戦用の換装を行えば、宇宙での運用も可能である。なお、本機は熱核ジェットエンジンの搭載等によって、実は[[バイアラン]]と同様に単独での大気圏内での飛行も可能としている。
  
本来、本機は完全にワンオフ型であったが、機体を受領したアムロによって優秀な戦果と同時に多大な戦闘データを得られた為か、後に少数が量産されている。また、グリプス戦役後は、宇宙での戦闘も想定したタイプを始めとする複数の派生機や発展型も開発されている。
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本来、本機は完全にワンオフ型であったが、機体を受領したアムロによって優秀な戦果と同時に多大な戦闘データを得られた為か、後に少数が量産されている。また、グリプス戦役後は、宇宙での戦闘も想定した「[[ディジェSE-R]]」を始めとする複数の派生機や発展型も開発されており、後にエゥーゴを離反してネオ・ジオンへと合流したクワトロ([[シャア・アズナブル]])も赤くカラーリングされた同型機に搭乗。ニュータイプの搭乗を前提とした改修や運用が行われた末に、[[ヤクト・ドーガ]]の開発に貢献したとされている。
  
 
=== 劇中での様相 ===
 
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テレビ版における[[キリマンジャロ]]攻略作戦時に初登場。ベース機のリック・ディアスに搭乗していたアムロが引き続き運用し、サブ・フライト・システムに乗せる形で[[ティターンズ]]の防衛部隊と交戦している。
 
テレビ版における[[キリマンジャロ]]攻略作戦時に初登場。ベース機のリック・ディアスに搭乗していたアムロが引き続き運用し、サブ・フライト・システムに乗せる形で[[ティターンズ]]の防衛部隊と交戦している。
  
その後、[[ダカール]]の連邦議会制圧や[[カミーユ・ビダン]]と[[シャア・アズナブル|クワトロ・バジーナ]]が宇宙へ戻る際の戦闘でも出撃。[[ガルダ級]]メロゥドやジェリドの駆る[[バイアラン]]を撃墜する等、機体の基本性能の高さにアムロのパイロットとしての優秀な技能が合わさって、多大な活躍をしている。[[小説]]版ではクワトロやアポリーも搭乗する。
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その後、[[ダカール]]の連邦議会制圧や[[カミーユ・ビダン]]とクワトロが宇宙へ戻る際の戦闘でも出撃。[[ガルダ級]]メロゥドやジェリドの駆る[[バイアラン]]を撃墜する等、機体の基本性能の高さにアムロのパイロットとしての優秀な技能が合わさって、多大な活躍をしている。[[小説]]版ではクワトロやアポリーも搭乗する。
  
『[[機動戦士ガンダムNT]]』では、[[ルオ商会]]の特殊部隊が運用するグレーカラーの量産された機体が[[マーサ・ビスト・カーバイン]]奪取作戦に投入される。新型のビームライフルを装備しており、隊長機のみセンサーが増設されている。また、[[漫画]]版によると部品の製造番号も消されている模様。
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『[[機動戦士ガンダムNT]]』では、[[ルオ商会]]の特殊部隊が運用するグレーカラーの量産された機体が[[マーサ・ビスト・カーバイン]]奪取作戦に投入される。新型のビームライフルを装備しており、隊長機のみセンサーが増設されている。また、[[漫画]]版によると部品の製造番号も消されている模様。この作戦は成功したものの、パイロットの一人[[ヨナ・バシュタ|ヨナ]]はまだ未熟だったため護衛機との戦闘で本機を小破させてしまっている。
  
 
== 登場作品と操縦者 ==
 
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SRWでは本機よりもそのバリエーションである[[ディジェSE-R]]の方が登場回数が多いことで有名。
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SRWでは本機よりもそのバリエーションであるディジェSE-Rの方が登場回数が多いことで有名。
  
 
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:頭部に2門装備。
 
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;ビームナギナタ
 
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:腰部にマウントされている。『Ζ』劇中では使用されなかったが、『NT』において[[アンクシャ]]との戦闘で使用。
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:腰部にマウントされている。『Ζガンダム』劇中では使用されなかったが、『ガンダムNT』において[[アンクシャ]]との戦闘で使用。
 
:『[[スーパーロボット大戦Z|Z]]』では何処からともなくドダイ改が飛んできて、空中戦を行う。そこら辺のビームサーベルとは比較にならないほど動きがダイナミックで威力も高いが、消費が5倍<ref>サーベル:5、ナギナタ:25</ref>なので[[再攻撃]]も含めて見境なく使うとガス欠する恐れがあるので注意。
 
:『[[スーパーロボット大戦Z|Z]]』では何処からともなくドダイ改が飛んできて、空中戦を行う。そこら辺のビームサーベルとは比較にならないほど動きがダイナミックで威力も高いが、消費が5倍<ref>サーベル:5、ナギナタ:25</ref>なので[[再攻撃]]も含めて見境なく使うとガス欠する恐れがあるので注意。
 
;ビームライフル
 
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:ドダイ改はあくまで演出用のため、本機単体では[[飛行]]不可。
  
 
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== 関連機体 ==
 
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;[[ディジェSE-R]]
 
;[[ディジェSE-R]]
 
:本機をベースに開発された機体。様々な革新的機能(詳細不明)が搭載されていて、全くの別物となっている。
 
:本機をベースに開発された機体。様々な革新的機能(詳細不明)が搭載されていて、全くの別物となっている。

2024年9月4日 (水) 09:09時点における最新版

ディジェ
外国語表記 Dijeh[1]
登場作品

ガンダムシリーズ

デザイン 藤田一己
初登場SRW スーパーロボット大戦Z
SRWでの分類 機体
テンプレートを表示
スペック
分類 陸戦用モビルスーツ
生産形態 ワンオフ機→少数生産機
型式番号 MSK-008
頭頂高 18.4 m
本体重量 33.9 t
全備重量 51.8 t
動力 核融合炉
ジェネレーター出力 1,892 kw
スラスター推力

28,000 kg×2(背部)
18,000 kg×1(後腰部)
7,900 kg×2(脚部外側)

総推力
89,800 kg
アポジモーター 6
装甲材質 ガンダリウム合金
センサー有効半径 11,700 m
原型機 リック・ディアス
開発 カラバ
所属 カラバ
ルオ商会
主なパイロット アムロ・レイ
ヨナ・バシュタ
テンプレートを表示

ディジェは『機動戦士Ζガンダム』の登場メカ

概要[編集 | ソースを編集]

グリプス戦役の中期、リック・ディアスをベース機にする形でカラバが独自開発した試作型モビルスーツ

本機はTV版のみに登場する機体で、劇場版には登場しない。しかし、後にグリプス戦役後となる外伝作にて量産された事実が判明しており、更には複数のバリエーション機も開発される事になった。

機体概要[編集 | ソースを編集]

元・ジオン公国軍のパイロットであったエゥーゴ所属のアポリー・ベイが搭乗していたリック・ディアスは、地上のジャブロー降下作戦後にアポリーがクワトロ・バジーナと共に宇宙へ帰還した際に地球へ残され、彼に代わる形で元・ホワイトベース隊所属のRX-78ガンダムのパイロット、アムロ・レイがカラバへの所属と同時に搭乗する事になった。その後、彼がモビルスーツのパイロットとして本格的に復帰したのを機に、その専用機も兼ねて登場し続けていたリック・ディアスに大規模なカスタマイズが行われる事になり、それによって誕生したのが本機となる。この経緯から、形式番号もカラバ開発を示す物へと変更されている。

元々は地上・宇宙を問わずに幅広く運用可能な機体を想定して開発されたリック・ディアスを大気圏内での戦闘に特化させる形でカスタマイズが行われ、開発には旧ジオン関係者が参加している為か、武器や外観がジオン公国軍一年戦争の周期に運用した量産機であるゲルググを想起させる物になっている。大気圏内での戦闘に特化した機体として改修する際、機体のフレームはエゥーゴが鹵獲したガンダムMk-IIに採用されていたムーバブルフレームへと変更されており、ベース機であるリック・ディアス時の名残りからコックピットも頭部に存在し、左側頭部から搭乗するのも共通しているが、フレームの変更により頭部ユニット自体の旋回も可能になっている。また、機体のジェネレーターは地上での戦闘を想定した再調整が行われており、それに合わせる形で背部には放熱用のフィンも兼ね揃えた大型のバインダー[2][3]へと変更され、一部のスラスターも熱核ジェット(空気燃焼型)エンジンへと換装されている。更には、大気圏内での戦闘を考慮して空気抵抗を少なくすべく、リック・ディアスの装甲の大部分がハニカム構造であったのに対し、本機の腕部や腰部等の一部装甲は曲面化され、また左肩アーマーがウェポンラックとなっているのに対し、右肩アーマーは曲面状の装甲であるラウンドシールドが採用されている等、大気圏内での運用に特化させた設計変更が妥協無く行われており、リック・ディアスの更なる原型機であるドムの時期より備わっていた脚部の熱核ホバー走行との組み合わせにより、重装甲の機体ながらも優れた機動性と運動性を両立させた優秀な機体として完成している。一方、機体は外見的に面影が残らない程の大幅な改修が行われたのに反し、武装面での大きな変更は見られないが、近接専用の武装としてゲルググが装備していたタイプと同じ規格と思われる「ビームナギナタ」を装備しており、またベース機となったリック・ディアスや百式と同じタイプの「ビームライフル」や「クレイ・バズーカ」といった射撃武装を使用する事も可能となっている。

タスタマイズが行われていた時期のプランでは、アムロの復活を象徴する為、外観をガンダムタイプに変更するはずであったが、カラバに協力するジオン残党の心情等を鑑みたカイ・シデンの機転でジオン系モビルスーツの外観に変更されたとなっており[4]、胸部の形状…特に新たに増設されている1対の放熱用ダクトがガンダムタイプに変更する予定の名残りと言える。ただ、急な依頼であった事や、今後の戦況によって部品の調達が出来なくなる可能性も考慮した結果、ツインアイ用のソケットはそのまま残されており、その気になれば頭部をガンダムヘッドへの換装も可能であったとされている[5]。また、本機は地上での運用に特化した機体の為、宇宙においてそのままの状態でフルスペックでの性能発揮は不可能となっているが、ベース機のリック・ディアスが地上や宇宙を問わない全領域対応型であった事もあって、宇宙戦用の換装を行えば、宇宙での運用も可能である。なお、本機は熱核ジェットエンジンの搭載等によって、実はバイアランと同様に単独での大気圏内での飛行も可能としている。

本来、本機は完全にワンオフ型であったが、機体を受領したアムロによって優秀な戦果と同時に多大な戦闘データを得られた為か、後に少数が量産されている。また、グリプス戦役後は、宇宙での戦闘も想定した「ディジェSE-R」を始めとする複数の派生機や発展型も開発されており、後にエゥーゴを離反してネオ・ジオンへと合流したクワトロ(シャア・アズナブル)も赤くカラーリングされた同型機に搭乗。ニュータイプの搭乗を前提とした改修や運用が行われた末に、ヤクト・ドーガの開発に貢献したとされている。

劇中での様相[編集 | ソースを編集]

テレビ版におけるキリマンジャロ攻略作戦時に初登場。ベース機のリック・ディアスに搭乗していたアムロが引き続き運用し、サブ・フライト・システムに乗せる形でティターンズの防衛部隊と交戦している。

その後、ダカールの連邦議会制圧やカミーユ・ビダンとクワトロが宇宙へ戻る際の戦闘でも出撃。ガルダ級メロゥドやジェリドの駆るバイアランを撃墜する等、機体の基本性能の高さにアムロのパイロットとしての優秀な技能が合わさって、多大な活躍をしている。小説版ではクワトロやアポリーも搭乗する。

機動戦士ガンダムNT』では、ルオ商会の特殊部隊が運用するグレーカラーの量産された機体がマーサ・ビスト・カーバイン奪取作戦に投入される。新型のビームライフルを装備しており、隊長機のみセンサーが増設されている。また、漫画版によると部品の製造番号も消されている模様。この作戦は成功したものの、パイロットの一人ヨナはまだ未熟だったため護衛機との戦闘で本機を小破させてしまっている。

登場作品と操縦者[編集 | ソースを編集]

SRWでは本機よりもそのバリエーションであるディジェSE-Rの方が登場回数が多いことで有名。

Zシリーズ[編集 | ソースを編集]

スーパーロボット大戦Z
初登場作品。セツコルートで、第26話「ホンコン・シティ」シナリオ前で宇宙世紀ガンダムキャラのレベル平均が25以上でアムロとカツの撃墜数の平均が25以上ならシナリオ開始前に入手。キャラクターは劇場版基準であるが、隠し機体として登場している。
流石にリック・ディアスより戦闘能力が上で、強力な全体攻撃も持つので大幅な戦力アップが望める。むしろ、百式に性能が近い。その後、リ・ガズィからνガンダムと登場するので、改造するのは気が引ける。陸戦型なので、陸Sかつ宇宙Bである。後半も使い続けるつもりなら、強化パーツで宇宙適応をフォローしておこう。
劇場版仕様である事を考慮してか、入手時に『デイアフタートゥモロー』のエピソードを思わせる会話をしている。事ある毎にディジェがドダイ改を呼び出すのもそのためと思われる[6]

単独作品[編集 | ソースを編集]

スーパーロボット大戦Card Chronicle
アムロが搭乗。

関連作品[編集 | ソースを編集]

Another Century's Episode: R
使用可能機体。

装備・機能[編集 | ソースを編集]

武装・必殺武器[編集 | ソースを編集]

武装[編集 | ソースを編集]

バルカン砲
頭部に2門装備。
ビームナギナタ
腰部にマウントされている。『Ζガンダム』劇中では使用されなかったが、『ガンダムNT』においてアンクシャとの戦闘で使用。
Z』では何処からともなくドダイ改が飛んできて、空中戦を行う。そこら辺のビームサーベルとは比較にならないほど動きがダイナミックで威力も高いが、消費が5倍[7]なので再攻撃も含めて見境なく使うとガス欠する恐れがあるので注意。
ビームライフル
百式と同系の物。出力は2.8MW。玩具等ではバックパックの中央もしくは側面、及び左肩ウェポンラックにマウント可能。
『Z』では全体攻撃版とトライチャージ版がある。やはり何処からともなくドダイ改が来るが、こっちは連続射撃の最後に敵にぶつけてライフルで撃ち抜き、敵小隊を爆発に巻き込む形で諸共破壊してしまう。使用用途も百式とどっこい。
クレイ・バズーカ
リック・ディアスや百式の物と同じ。玩具等ではバックパックの中央もしくは側面、及び左肩ウェポンラックにマウント可能。
『Z』ではMSのバズーカ系は軒並み空Bなのだが、陸戦型のディジェは例外的に空A。

オプション装備[編集 | ソースを編集]

ハイパー・メガ・ランチャー
玩具で装備。左肩ウェポンラックにマウント可能。
ビームライフル
『NT』にて装備した、ジェガンリゼル用と同様のEパックを用いた新型ビームライフル。クレイバズーカと同様にバックパックにマウント可能。
サーチライト
『NT』にて隊長機のみが左肩に装備。

特殊能力[編集 | ソースを編集]

剣装備
切り払いを発動。

移動タイプ[編集 | ソースを編集]

ドダイ改はあくまで演出用のため、本機単体では飛行不可。

サイズ[編集 | ソースを編集]

M

関連機体[編集 | ソースを編集]

ドダイ改
本機の使用するサブフライトシステム(SFS)。SRWでは戦闘演出で登場。グフ用の飛行支援機「ドダイYS」の発展型。
ディジェSE-R
本機をベースに開発された機体。様々な革新的機能(詳細不明)が搭載されていて、全くの別物となっている。
リック・ディアス
本機のベースとなったMS。
シャア専用ディジェ(SRW未登場)
漫画『ジョニー・ライデンの帰還』(SRW未参戦)に登場。新生ネオ・ジオン用に用意されたディジェの改修機。試験的にサイコフレームが導入されている。
リック・ディジェ(SRW未登場)
漫画『MOONガンダム』(SRW未参戦)に登場した、宇宙仕様のディジェ。ディジェに比べてよりガンダムタイプに近い形状をしている。
リック・ディジェ改(SRW未登場)
上記のリック・ディジェを改修した機体。両肩の変更やカラーリングがグレーになっている。
アムロ・レイ専用ディジェ(SRW未登場)
ROBOT魂にて登場したアムロ専用機。ゼータプラスと同じく赤と白を基調としたデモンストレーションカラーになっている。

余談[編集 | ソースを編集]

  • 本来はアクシズ側で登場する機体であったが、諸都合によりアムロ専用の機体になった。これにはデザインを担当した藤田一己氏も驚いたそうである。
    • 近藤和久氏の漫画版では「チャイカ」と呼ばれるガザCの代わりのモビルスーツが登場し、ディジェにナックルバスターを装備したような外観をしている。
  • SDガンダム三国伝』では呂蒙ディジェとして登場。リック・ディアスをベースに開発されたという設定を反映してか、鎧を外すとリック・ディアスそっくりの姿になる。

脚注[編集 | ソースを編集]

  1. Mobile Suit、機動戦士Ζガンダム、2022年2月4日閲覧。
  2. 模型誌「ガンダムウォーズ2ミッションZZ」では放熱フィンはスローイング・バスターであり、ブーメランのように使えるとも記述がある。
  3. しかし「Zガンダムマスターズ2」ではサブフライトシステムの空力特性を向上させるための装備とも記述されていた。
  4. ことぶきつかさ氏による漫画作品『機動戦士Ζガンダム デイアフタートゥモロー ―カイ・シデンのレポートより―』参照。
  5. 近年発売されたガンプラでもこの設定が採用され、頭部カバーの下にソケットのモールドが存在している。
  6. 同作では、アムロはディジェのデザインはSFSに乗って戦う事を前提とする事を希望している。
  7. サーベル:5、ナギナタ:25

商品情報[編集 | ソースを編集]

資料リンク[編集 | ソースを編集]