核融合炉
核融合炉とは、原子核融合を利用した発電機関。
ウランやプルトニウムの原子核分裂反応を利用する核分裂炉(従来の原子炉)とは異なり、燃料に水素やヘリウムを用いて核融合反応を発生させ、エネルギーを発生させる原子炉の一種。恒星と同じ原理でエネルギーを発生させるため、「人工太陽」とも呼ばれる。
希少燃料で核兵器の材料にもなるウランやプルトニウムを使用せず、核廃棄物も最小限に済むという利点があり、核分裂反応とは異なり、暴走が原理的に発生せず、不具合が生じた場合は反応が速やかに停止するようになっている。
反面、地球上では極高温、極高圧環境下でなければ核融合反応を発生させることが出来ず、これを維持するための技術の確立が実用化の課題となっており、また炉心内では高速中性子などが発生するため、その影響を最小限に留め、外部へ漏らさないようにする必要もある。
現実に研究が進められている技術ではあるが、実現に対するハードルは高く、二十一世紀現在の技術では実用化されていない。
地球圏のエネルギー問題を解決するべく、太陽発電衛星の設置と共に核融合(反応)炉の実用化が図られた。初期のものは大規模な放射線遮断装置が必要なため、設置可能な場所は限られていたが、宇宙世紀0047年にトレノフ・Y・ミノフスキー博士とその友人イヨネスコが共同で研究開発した「ミノフスキー・イヨネスコ型熱核反応炉」が普及すると、艦艇や大型航空機、更にはモビルスーツやモビルアーマーの動力源として幅広く普及することになった。
ミノフスキー・イヨネスコ型熱核反応炉(以下M&Y型反応炉)はミノフスキー粒子で構成されたIフィールドを圧縮した超結晶格子構造を炉心内に展開し、その内部で核融合反応を起こして高温高圧状態の維持とプラズマ及び放射線の封じ込めを行っている。更に核融合で生じたエネルギーは超結晶格子構造を通じて直接電力へと変換されるため、ボイラーやタービン、放射線遮断装置などが不要となったことで大幅な小型化に成功した。
宇宙世紀0100年代に入ると第二期MSの登場と共に構造の改良も行われ、ヘリウム3と重水素を圧縮し、縮退寸前の状態で貯蔵するIフィールド・シリンダーを搭載し、反応チェンバーで直接燃料を融合させる改良型熱核反応炉が開発され、燃料スペースの縮小と出力の大幅な向上が実現した。
M&Y型反応炉の炉心部はMSの装甲よりも強固であり、通常手段で破壊されることはまずないとされるが、破壊された場合はスペースコロニーに穴を開けるほどの膨張爆発を発生させるため、MS戦闘、特に市街地やコロニーでは炉心への直撃を避けるという不文律が存在している。また、改良型熱核反応炉は稼働中に外的な力で破壊された場合、最悪核爆発を引き起こすというリスクも存在していた。
電力の他に熱エネルギーも発生するため、モビルスーツはその排熱性能が推進剤積載量と共に行動時間を決定する要因となっており、母艦や基地には帰還時に強制冷却を行うシステムが備わっている。また、この熱は推進機関にも利用されており、炉から発生した熱で推進剤を加熱して推力を発生させるのが熱核ロケット・エンジンと熱核ジェット・エンジンである。
ウィスパード由来のブラックテクノロジーの産物としてパラジウムを触媒として使用する常温核融合炉「パラジウムリアクター」が第三世代アーム・スレイブやトゥアハー・デ・ダナンの動力源として使用されている。
AS用の物は冷蔵庫大にまで小型化されており、第二世代ASに搭載されているガスタービンエンジンと比べると出力や静粛性に優れている。それによって第三世代ASは油圧駆動方式を併用していたそれまでの機体とは異なり、マッスル・パッケージのみで駆動が可能となり、高静粛機動も可能となっている。
破壊されても暴走は起こらないものの、内部のプラズマの制御が失われた場合は隔壁を融解させる程の高温が発生する。また、炉の稼働に伴い燃料としてパラジウムを消費するため、稼働時間には制限が存在する。
- スパロボで宇宙世紀と同居した際の機動戦士ガンダムSEED(コズミック・イラ)や機動戦士ガンダム00(西暦)の特別な動力源の説明がないモビルスーツやバンプレストオリジナルのパーソナルトルーパーは核融合炉で動いていると思われるが、第3次αではストライクガンダムが戦闘中にフェイズシフトダウンを起こすなど特に理由もなくバッテリー駆動しており、UXのように太陽炉が普及しているのにバッテリー駆動のMSが存在していた例もあるため、断言しきれない点もある。
- 機動戦士ガンダムSEED FREEDOMでは新型融合炉を搭載したストライクフリーダムガンダム弐式とデスティニーガンダムSpecIIが登場しているが、コズミック・イラは核融合技術の開発に失敗したという設定であり、この「融合炉」が核融合を指すかは現時点では不明である。