ミノフスキードライブ
『機動戦士クロスボーン・ガンダム』及び『機動戦士Vガンダム』などを始めとする宇宙世紀ガンダムシリーズで登場する、浮上・推進技術の一種。
ユニットの内部でミノフスキー粒子のエネルギーフィールド(ミノフスキー・リパルサー・フィールド)を発生させ、それによって生じる反発力を推進力とする推進機関。空間そのものに斥力を発生させるため、従来のロケットエンジンと異なり加速の際に推進剤を必要とせず、エネルギーの供給が続く限り無制限に加速する事ができ、理論上は亜光速まで加速が可能。また慣性緩和により最大20Gの加速Gを減免することが出来るとされる。
本来はエネルギーが完全に推進力に変換されるべきであるが、供給されたエネルギーの全てを推進力に変換しきれず、急激な機動を行った際にユニットから高エネルギー状態のミノフスキー粒子が余剰エネルギーとして発生し、さながら「光の翼」のように振る舞う。これは本来、システムの欠陥とも言えるのだが、敵を切り裂くカッターやビームを防ぐ盾として機能するなど攻防に優れた武器として活用されており、ビーム・シールドやIフィールドを使うことである程度のコントロールが可能であるため、問題視されることはなかった。また、光の翼の間には超高速の金属粒子や電気的な干渉波が発生しており、その効果範囲内に入った電子機器は、それが幾重にもシールドが施されたモビルスーツであっても停止してしまう。
ミノフスキードライブはサナリィによってヴェスバーの粒子制御技術をテストして宇宙世紀0116年に完成。ガンダムF90のミッションパックとし試験が行われたが、この時点ではフィールドを維持出来る時間が短く、完成には程遠いと言われていた。宇宙世紀0128年に建造されたマザー・バンガード(バビロニア・バンガード)で艦艇に初めて採用され、装置そのものが大型であったことも手伝い、MSに搭載するよりも安定的な運用が可能となっていたが、通常時は従来の熱核ロケットエンジンで航行している。木星戦役後は月面のサナリィの研究施設でミノフスキードライブを搭載した実験機、F99レコードブレイカーの開発が進められていたが、木星帝国の攻撃によって機体は破壊され、研究データも研究施設ごと爆破された。
また、木星戦役時に撃沈したマザー・バンガードの残骸はアナハイム・エレクトロニクスが回収しており、それを利用した実験機「スピードキング(サナリィ内でのコードネームは「イカロス」)」が存在していたが、こちらはマザー・バンガードの帆にMSをくっつけただけの簡易的なものであり、またテスト中に地球に落下して以降アナハイムの手を離れてしまったため、量産されることはなかった。
その後、宇宙世紀0153に再度の開発に成功し、V2ガンダムに搭載されザンスカール戦争で多大な戦果を挙げている。一方、木星ではサナリィから研究継続を望むスタッフを引き抜き「林檎の花(マンサーナ・フロール)」を開発。また、木星タカもはかつて強奪したF99のデータを基に独自のミノフスキードライブ搭載型MS、ファントムを開発している。だが、ファントムのミノフスキードライブは極めて不安定であり、複数器のIフィールドジェネレーターを使い光の翼を抑え込むことで安定化させる方策を採っており、放熱の問題から稼働時間も短いという欠点があった。この方式は「ファントム・ライト」と呼ばれ、光の翼がまるで炎のように揺らめいて見えることから、その後「ファントム・フレイム」とも呼称されるようになる。
ザンスカール戦争後は地球圏全体で深刻な技術衰退が発生したため、長らく製造開発の方法は失われてしまったが、ファントムを入手した地球連邦軍がファントム・フレイム方式のミノフスキードライブの量産化に成功。木星でも同じくファントム・フレイム方式のバックパックユニットである「ファータモガーナ・フォーゲル」が開発されている。
SRWでは強化パーツとして登場することがあり、ミノフスキークラフトの効果に加え移動力も増える。『V』、『T』では『参戦作品』内に登場するが、ゲーム内に登場する機体には一切搭載されていないのに関わらず強化パーツとして採用されている。メディアワークスの書籍『MS回顧録』にて「F91には試験型ミノフスキードライブも搭載されている」という記述があった為そのせいかもしれないが、生憎出ているのは見た目は同じであるものの量産型である。『X』では『鋼鉄の7人』が続投し、量産型ではないF91も登場しているためか、引き続き採用されている。『30』では久々に『機動戦士Vガンダム』が参戦したためか更に強化され、スラスターモジュールと運動性+20の効果も追加されている。
- ガンダムF90
- ミッションパックの一つに試製ミノフスキードライブの試験を目的としたミッションパック「Wタイプ」がある。初のミノフスキードライブ搭載機ではあるが、ロールアウト直後は光の翼の発生を想定しておらず、それによる暴走事故が起こっている。
- マザー・バンガード
- 艦船としては初めてミノフスキードライブを搭載。光の翼はマストからさながら「光の帆」のように展開される。木星戦役の最中にベラ・ロナの手で自沈させられるが、無事だったミノフスキードライブは紆余曲折の果てに地球圏最後の希望となる。SRWに登場した現時点唯一のミノフスキードライブ搭載艦。
- V2ガンダム
- ミノフスキードライブ搭載機としては初の本格的な実戦向けの機体として完成したモビルスーツ。
- ミノフスキークラフト
- ミノフスキードライブ以前から存在する宇宙世紀の飛行技術。ただしドライブとは全く構造が異なる。SRWでは大体ドライブの下位互換の強化パーツだが、登場回数は(ドライブは採用作品が限られるので)圧倒的にこちらが多い古参の強化パーツのひとつである。
- ヴェスバー
- サナリィの開発した可変速型ビームライフル。ヴェスバーに用いられる粒子制御技術がミノフスキードライブにも用いられていると言われており、資料によってはF91のヴェスバーにミノフスキードライブと同様の効果が発生していたとされる記述も存在する。
- リフターモジュール
- 宇宙世紀ガンダムシリーズが登場しない版権SRWにおいての代替パーツ。
- ミノフスキー・ドライブという単語の初出は、富野由悠季が書いた作品『ガイア・ギア』(SRW未登場)のザ・テレビジョン92年6月12号における解説。小説やラジオ・ドラマには登場しない。後にメカデザイナーのカトキハジメがその力強い語感を気に入ってV2ガンダムに『ガイア・ギア』へのオマージュとして使ったという経緯がある。
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