デキム・バートン

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デキム・バートン(Dekim Barton)

新機動戦記ガンダムW Endless Waltz』に登場。
バートン財団総帥で、マリーメイア・クシュリナーダの祖父であり、真のトロワ・バートンの父親。マリーメイア軍の実質的な指導者で、かつてのコロニーの一大反抗作戦である「オペレーション・メテオ」の発案者でもある。

その目的は息子のトロワやカーンズの口から『「人類の覚醒」を施す作戦である』と語られているが、実際は彼個人のエゴと欲望によるものに過ぎなかった。

来歴

漫画「EPISODE ZERO」

かつては、コロニーの指導者ヒイロ・ユイと共にコロニーの独立運動を行っていたが、彼がアディン・ロウ(本編主人公・工作員ヒイロの父)に暗殺されてからは、表向きはバートン財団総帥として実業家の活動をしながらも、裏では反地球連合を掲げたカーンズ率いるレジスタンスに支援を行っていた。

AC188年、かつてヒイロ・ユイを暗殺したアディン・ロウに、「X-18999コロニー」の中央司令部に侵入し、地球連合軍の過激派筆頭でヒイロ・ユイ暗殺の黒幕でもあるセプテム将軍の暗殺を依頼しているが、その真の目的は、ヒイロ・ユイを暗殺したアディンへの復讐でもあった。
最終的に、セプテムの抹殺には失敗で終わっているが、カーンズがトラゴス8機を率いて中央司令部に攻撃を仕掛けている混乱に乗じて、アディンを射殺する事には成功。トラゴス隊を全滅させたカーンズを諌め、撤退するよう指示した。
なお、この事件を機に、スペシャルズ(後のOZ)の青年士官で、トラゴス隊の迎撃作戦の指揮を執ったトレーズ・クシュリナーダは、バートン財団所有の医療施設にて、娘のレイア・バートンと出会う事になった。

本編

劇中に直接登場しなければ、名前も出ていなかったが、「コロニー落としで混乱する地球を、ガンダムで制圧」という「真のオペレーション・メテオ」の発案者となっており、カーンズもそれに協力している。
5人の科学者にガンダム開発の出資を行い、息子のトロワ・バートンは、ガンダムヘビーアームズのパイロットに任命していたが、トロワはドクトルSの助手に射殺されてしまい、「名無し」と呼ばれていた元傭兵の整備士が、トロワ・バートンとしてヘビーアームズのパイロットとなり、オペレーション・メテオに参加した。そして、オペレーション・メテオですらも、5人の科学者によって変更されてしまい、自らの目論見は御破算で終わってしまったが、デキムは諦めようとしなかった。

後に、カーンズ率いるホワイトファングが、リーブラを占拠して「真のオペレーション・メテオ」を実行に移そうとしていたが、モビルドールを主戦力としミリアルド・ピースクラフトを指導者に迎えようとした彼の考えを甘いと評し、自らは直接手を貸そうとせず、静観の立場を決め込むのだった。実際、この判断は間違っているとは言えず、最終的にカーンズはミリアルドに裏切られる形で計画が失敗に終わっている。

Endless Waltz

AC195年の末期に起こったEVEWARが終結し、地球圏統一国家が発足した後、OZが設計段階で中断させていた13番目の星座を冠するMS「サーペント」を大量生産し、密かに「真のオペレーション・メテオ」を実行に移す為の戦力を蓄え続けていた。
更には、OZのトレーズ派やホワイトファングの残党を集めて施設軍隊も結成し、ガンダムパイロットの一人である張五飛とその乗機であるアルトロンガンダムも戦力に加え、AC196年の12月24日、血縁上孫娘にあたるマリーメイア・バートンを、トレーズ・クシュリナーダの忘れ形見の娘、「マリーメイア・クシュリナーダ」として、指導者に擁立。更には会談に赴いていたリリーナ・ピースクラフトを捕らえ、地球圏の支配に利用しようとする。

「真のオペレーション・メテオ」を実行に移すべく、コロニー「X-18999」での宣戦布告後、資源衛星である「MO-III」に移って、サーペント部隊を降下させようとしたが、ゼクス・マーキスの駆るトールギスIIIに阻まれる。しかし、デキムは「X-18999」を落とすと脅しにかけた事で、ゼクスを身動き出来なくし、サーペントの降下完了後、自らも爆発するMO-IIIから脱出して地球に向かう。

地球への到着後、サーペント部隊で大統領府周辺を制圧。大統領府を地下シェルター内に移動させ、その周辺にサーペントを大量配備させる事で、磐石の態勢をとっていたが、トールギスIIIやトーラスを戦力としたプリベンターの抵抗、そして資源衛星ウルカヌスからガンダムを取り戻したガンダムパイロット達の襲撃を受ける事になる。

それに対し、デキム率いるマリーメイア軍は、圧倒的な物量戦によって彼らを追い込み、もはや降伏も時間の問題となっていたが、駆けつけてきたウイングゼロにシェルターを破壊され、リリーナの電波ジャックによる演説を受け、ドロシー・カタロニアにはっぱをかけられた民衆からも、抗議デモを起こされてしまい、軍内は混乱状態に陥ってしまう。

完全に追い込まれてしまったデキムであったが、なおも諦めようとせず、マリーメイアに兵士達を鼓舞させようとするも、戦う恐怖を知ったマリーメイアもまた、リリーナによる平手打ちと説得によって、心が揺らぎ始めてしまう。
あまりの往生際の悪さから、ついにリリーナを銃撃してしまい、それをマリーメイアが庇って負傷しても、全く意に介さなかったが、その行為が完全に求心力を失う事になり、最期はトレーズ派であった部下の一人に射殺された。

登場作品と役柄

ガンダム系の敵側の指導者としては直接戦闘に参加しない為(例外こそあれど)、声は収録されていない。
その為、他勢力と繋がる等、密かに暗躍してオペレーション・メテオの実現を謀るが、結局は失敗する。

COMPACTシリーズ

スーパーロボット大戦COMPACT
クロスボーン・バンガードと手を結ぶが、クーデターは阻止され、逮捕された。黒幕であるカロッゾ・ロナからはカス扱いされ、使い捨て用の駒にされる。

αシリーズ

スーパーロボット大戦α外伝
原作と同じ。ティターンズを復興させて利用し、ヌビア・コネクションと手を組んで地球圏の掌握を謀るが、最期はカーメン・カーメンの手により放たれた毒蛇に噛まれて死亡した。

Zシリーズ

第3次スーパーロボット大戦Z時獄篇
ほぼ原作通りの役回り。最期はマリーメイアを殺そうとしたところをスザクに阻止され、ゼロの登場に恐怖したところを部下に粛清された。

携帯機シリーズ

スーパーロボット大戦A
おおよそ原作通りの役回り。最期は浪花十三に狙撃されて死亡した。
スーパーロボット大戦R
未来編は彼のクーデターが成功した世界で、新地球連邦政府首相となっている。コロニーシンパから地球至上主義者に変節しており、シャアの反乱を招くことになる。なお、「首相」と言うからには、名目上の上役として「新地球連邦政府の国家代表」がいるはずだが、詳細は不明。
過去編ではハマーン・カーンと手を組み、クーデターを狙う段階。最後はエニル・エルに殴打された挙句逮捕された。
スーパーロボット大戦W
ブルーコスモスアマルガムと手を組んだりして原作通りの行動を起こすが、最期は部下達に見捨てられた挙句、コロニーごとヒイロにツインバスターライフルで狙撃されて死んだ。珍しく原作キャラが引導を渡す。
スーパーロボット大戦L
原作終了後のため既に故人。名前のみの登場。

単独作品

スーパーロボット大戦Card Chronicle
手を組んでいるDr.ヘルから提供されたエネルガーZに搭乗してカイルスに立ちはだかって戦う。つまり、原作で前線に出ていないデキムが他作品の機体に登場して自軍部隊と直接対決を繰り広げるというシリーズでもかなり珍しい衝撃の展開を迎えることに。
最終的には部下に射殺されるという、原作通りの展開を迎える。

人間関係

マリーメイア・クシュリナーダ
孫娘であり組織の象徴として、歪んだ教育を施している。しかし、実際は「代わりなど、いくらでも作れる」存在と見なしており、コミックボンボン連載の漫画版では「拾ってきた小娘」とまで述べるなど、孫娘としての愛情は無きに等しく、自身の野望を満たすための道具としか見ていない。
レイア・バートン
娘であり、マリーメイアの母親。かつては自らが労働者用に設立した医療施設で看護士をしており、それが縁で彼女はトレーズと関わり、男女の仲となった。駄目息子のトロワに比べれば、彼女への愛情はあった模様。しかし、自らがコロニー落としの計画である「オペレーション・メテオ」を発案した事に反発したのか、失踪。マリーメイアを産んだ後、死去した。その後、マリーメイアだけはデキムに保護されるが…。劇中では写真のみの登場で、スパロボ未登場。
トレーズ・クシュリナーダ
娘のレイアが産んだマリーメイアの父親。マリーメイア軍の地球への宣戦布告の際は、彼の名を利用した形となった。なお、ゼクスがトールギスIIIで現れた際にトレーズの可能性を出している事から、仮にトレーズが生きていれば、自分のやろうとしている事は絶対に認めないであろう事はわかっていたようだ。マリーメイアを撃った時の態度からも、むしろデキムは「娘を誑かした男」として、トレーズを激しく憎悪していた可能性もある。
トロワ・バートン
実の息子で、レイアの弟。彼の死後、その名は「名無し」が名乗ることとなる。回想での言動からも分かるとおり善人ではなく、親の権力を振りかざす、俗に言うロクデナシのドラ息子であった。父親のデキムも、凡庸な上に身勝手な振る舞いの多い息子には殆ど愛想を尽かしていた模様で、後に「トロワ」の名を奪った「名無し」が目の前に現れても、特に憎悪を見せる事は無く、部下として重用までしている。しかし、これはあくまで部下たちに寛大さを示すためのポーズで、不穏な行動を取れば息子の仇として即抹殺するつもりである事が小説版で語られている。スパロボ未登場。
カーンズ
共にコロニーの指導者であるヒイロ・ユイを支援する同志であったが、仲はあまり良くなかった様で、ホワイトファングに協力しなかった事からも、それが伺われる。デキムの発案したオペレーション・メテオに賛同した一人であったが、結果的にデキムの口車に乗せられてそのエゴに踊らされたに過ぎなかった。ゼクスは彼を通じてデキムの存在を知った。
張五飛
自分に降ったガンダムパイロット。兵士達に対する広告塔として利用する。
ディセット
小説版やコミックボンボン連載の漫画版に登場。デキムの側近的な役割を務めていたマリーメイア軍の兵士で、元OZトレーズ派の戦術参謀。原作では無名の兵士に射殺されるのを、小説版とボンボン連載版では彼に射殺される結末となった。

他作品との人間関係

毎回他作品のキャラと手を組んでいるのだが、とにかく酷い目に遭わされており、利用されるだけ利用されて捨てられたり、最悪な時には用済みとして始末されたりしている。

ガンダムシリーズ

宇宙世紀ガンダムシリーズ

カロッゾ・ロナ
COMPACTでは彼とと手を結ぶが、カス扱いされ、使い捨て用の駒にされる。
ジャミトフ・ハイマン
α外伝では密かにティターンズ復興に手を貸し、表面的には協力関係にあったが、実質的には互いに利用しあい腹の内を探りあっている関係で、最後は決裂する。
パプテマス・シロッコ
αシリーズでは面識があり、真のオペレーション・メテオも認識していた。
ハマーン・カーン
R過去編では彼女と協力関係を結んでいる。

アナザーガンダムシリーズ

ザイデル・ラッソ
Rでは協力関係だが、ニュータイプを盲信しすぎている彼の姿勢には半ば呆れてもいる。
フロスト兄弟シャギア・フロストオルバ・フロスト
Rでは彼らの機体を強化した。
エニル・エル
Rでは一時的にマリーメイア軍に協力するが、最終的にデキムのやり口に怒った彼女に殴打された挙句、生け捕りにされる。

ガンダムSEEDシリーズ

ムルタ・アズラエル
Wでは彼と手を組み、共にコーディネイターの排除を目論んでいた。
サトー
Lでの彼の台詞によると彼らザラ派の支援者だったようだ。

スーパー系

アイザック・ゴドノフ
α外伝の序盤でマリーメイアを殺そうとしたところに、彼の電子ムチで情け無用の一撃を食らってしまう。
カーメン・カーメン
α外伝では彼と手を組むが、最期は見捨てられた挙句、コブラで暗殺されてしまう。
浪花十三
Aでは彼に射殺されてしまう。
ロゼ・アプロヴァール
Wではリリーナと同様に彼女も人質にとる。
Dr.ヘル
CCでは手を組んでおり、彼からエネルガーZを提供される。

リアル系

黒騎士
リアルロボットレジメント』では原作通りにマリーメイアを殺そうとしたところを、主君をも手にかけようとするやり方に失望した彼に斬り殺されてしまった。
ドルチェノフ
Aで手を組むが、内心彼の事を見下していた。
草壁春樹
Rの未来編では、反新連邦組織「火星の後継者」の総帥で、敵対関係。「民間人を虐殺することを好む」という共通点があり、同属嫌悪とも受け取れる。
Wでは彼と手を組むが、裏で草壁はザフトと手を組んでおり、利用されてしまう。
レナード・テスタロッサ
Wでは彼とも手を組んでいるが、物事を飄々と楽しむ彼のために決起の情報をヴェルターに横流しされ、真のオペレーション・メテオを彼にも邪魔される結果となる。
セイナ
Wではリリーナとマリーメイアを撃とうとしたところを彼女に撃たれ、阻止される。
ナナリー・ランペルージ
第3次Z時獄篇ではリリーナ同様に彼女も人質にとる。
ゼロ枢木スザク
第3次Z時獄篇ではマリーメイアを殺害しようとしたところを彼らに阻止される。

バンプレストオリジナル

ヴィンデル・マウザー
Aで手を組むが、結局は利用されただけだった。
カズマ・アーディガン
Wでロゼがマリーメイアを引き取った際に「クリスマスにサンタが孫をプレゼントしてくれた」と喜んでいた事について、「それではデキムがサンタになってしまう…」と日誌で突っ込んでいた。

名台詞

「カーンズから聞かされていなかったのか?真のオペレーションメテオを発案したのがこのわしである事を。」
ゼクスに問われた時に口走った台詞。
「ガキ共が!どこまでワシに刃向かうつもりだ!」
圧倒的な戦力差にも関わらず戦闘を続けるガンダム達に向けて苛立ちと共に発したセリフ。一見何でもないセリフに見えるが、彼の立場の上では「ワシ(=デキム)」ではなく「マリーメイア」が正しい。
にも関わらずこう言ったということは、内心ではマリーメイアを傀儡としてしか見ていなかったということだろう。
「では死ぬ前に真理を教えてやろう! 民衆は勝者に従うものなのだ!!」
マリーメイアを説得しようとするリリーナを射殺しようとする時口走った、民衆を指導する絶対者の必要性を主張する教義。この事自体には一片の理もないではないが、勝者により形作られてきた醜い歴史を嘆き、自ら敗者となる事を望んだトレーズの意志をまるで理解していない発言であり、マリーメイアを担いだのは単なる方便に過ぎなかったことが窺い知れる一言。
尤も、この直後の「マリーメイアの代わりなどいくらでも作れる」という発言からも、その点は十分すぎるほど明らかである。ちなみにこの発言をした時には彼は勝者ではなく敗者となっている為、その理論だと彼自身はもう当てはまらず、単に往生際の悪い台詞にしか聞こえない。
『W』では「勝者」の部分が「力」に変わっている。
「マリーメイアの代わりなど、いくらでも作れる!その小娘もワシが…」
デキムの放った銃弾がマリーメイアに直撃した際に。この後、部下に射殺されてしまうが、色々と解釈の出来る、意味深長な台詞となっている。小説版や漫画版では、「その小娘もワシが拾って…」で締められる。

スパロボシリーズの名台詞

「諸君、我々がマリーメイア様のために立ち上がり、完全平和主義という誤った呪縛から解き放たれ、栄光なる道を歩み始めてから数年。いまもって真の自由も、平和も理解できぬ者たちは我々に牙をむいている。ジオンの亡霊に取りつかれ、幽鬼と化して襲い来るネオ・ジオン。そして、言葉や見てくれの格好良さに振り回され、真実を見ようとしない火星の後継者達。彼らは哀れな者たちである。だが、そのために我ら新たなる人類は歩みを止めることは出来ない。我々は古き思想、古き体制にしがみつくジオンと木連を払いのけ、真なる覚醒の道を開かねばならない。その時こそ、我ら新地球連邦は本当の栄光をつかみ取り、希望の象徴となるであろう!」
『R』第4話における、新地球連邦首相としての政治演説。ブライトからは「こんなことをする余裕があったら、一隻でも多く戦艦を回してもらいたいものだ」と毒づかれる。
内容もまた、ネオ・ジオンとジオン共和国全体、火星の後継者と木連全体を混同した、民族的偏見むき出しのものとなっている。なお、歴史改変前のRの世界では完全平和主義を唱えていたリリーナは彼によって処刑されている。
「マリーメイア…! 貴様もワシの邪魔をするならば消すまでだ!!」
「貴様の代わりなど、いくらでも作れるわ! 死ね!」
『W』第23話にて。原作より露骨な台詞になっている。…結局セイナに阻止されるが。
「我々に敗北はない! 我がバートン一族こそが地球圏の支配者なのだ!」
『W』第23話にて、ロゼやリリーナもセイナやレディによって救出され、マリーメイアやその私兵団たちも離脱されてしまい、ついに彼だけコロニーの中に孤立してしまう。
それでもなお敗北を認めず、この台詞を叫ぶが、最終的にヒイロによってコロニーごと運命を共にしてしまった。

話題まとめ

資料リンク