ビームライフル
ビームライフル(Beam Rifle)
ビーム兵器の一種。ガンダムシリーズに登場するMSの標準的かつ主力となる武装。
小型のビームライフルをビームガン、ビームピストル、大型のビームライフルをメガビームライフル、ビームバズーカ、ハイパーメガランチャー、メガバズーカランチャー等と呼ぶ。武器形状から名づけられている兵器もあるが、命名規則というものはなく語感の良さから名づけられている物も多い。
各作品によってその設定が異なるため、以下に作品ごとの設定と特徴的なビームライフルを上げていく。
宇宙世紀において
戦艦に装備されていたメガ粒子砲をエネルギーCAPを用い、MSが装備できるまでに小型化したもの。
本兵装を初めて装備したのは地球連邦軍のRX-78-2ガンダムである。その火力は当時の戦艦の主砲クラスの威力を誇り、その後のMSの武装を大きく変容させMS標準装備となる。
なお、一般的に、ビームライフルとメガ粒子砲の違いはエネルギーの供給方法と装備方式から区別される。前者はMSの手持ちのライフル銃型の兵器で取り回しが自由、エネルギーは専用カートリッジから供給される。後者は機体本体に固定された武装で機体本体のジェネレーターから直接エネルギー供給されるのでビームライフルより威力が高い。ただし、固定武装のため射角が狭く、取り回しが不便。しかし、下記のように手持ちと固定式を選択できるメガビームライフルやダブルビームライフル、ジェネレーター直結式だが威力の低いナックルバスターなどの例外もある。
Iフィールドやビームシールドと言ったビーム兵器に対する防御手段も開発されたが、UC150年代(『機動戦士Vガンダム』の時代)においてもMSの主兵装であり続けた。
- ダブルビームライフル
- 正式名称:2連装メガビームライフル。ΖΖガンダムの兵装で、大出力(10.6MW×2)ビームライフル。デバイス内に複数のジェネレーターを持ち、更にMS本体からのエネルギー供給を受ける(構造的に腕部エンジンと直結する)ことで、MS用手持ち携行火器のサイズに収まりつつ、百式のメガバズーカランチャーに匹敵する威力を有する。更に連射を可能とする非常に強力な兵装となっている。腕に固定装着した場合は、ビームライフルというよりはジェネレーター直結式の連装メガ粒子砲と呼ぶべき兵装である。そのくせ、Gフォートレス及びコア・トップの機首になるため、ビームライフルなのにコックピットが取り付けられているという前代未聞の武器。砲身は200射程度の使用が可能であるとされている。ただし、スパロボ内ではゲームバランスを考慮してか、通常のビームライフルと比較して若干攻撃力が上回る程度に抑えられている。
- メガビームライフル
- ΖIIの武装。MS形態では手持ちの大型ビームライフルであるが、WR形態では機体ジェネレーターに直結しエネルギーが供給され、Ζガンダムのハイパーメガランチャーに匹敵する威力を持つ。
- ナックルバスター
- ガザC、ガザDの兵装で、機体ジェネレーター直結方式のビームライフル。性能の低さの補助と、旧ジオン軍艦艇にエネルギーCAPの充電施設を持たない艦艇が多かったためとされる。ガ・ゾウムのハイパーナックルバスターはジェネレーター直結方式ではないため、ナックルバスターより威力は低くなっている。
- ビームマグナム
- ユニコーンガンダムの兵装。一射で通常のビームライフル4発分相当の火力を誇るビーム(通称“マグナム弾”)を撃ち放つ。まともに直撃すれば大型MA級の機体をも沈めることができるばかりか、弾道に沿ってビームサーベルのような閃光が走ることで、掠めた敵でも巻き込んで撃破することが可能。Eパック5つを連結した独自規格の弾倉を使用しており、一射ごとに1つ排莢する。弾数は機体腰部に装着する予備弾倉2個と合わせても計15発しか所持できず、やや取り回しが悪いのが難点。
- V.S.B.R(ヴェスバー)
- F91、F90V-TYPE、V2アサルト/V2アサルトバスターの兵装。名称は「V.S.B.R.:Variable Speed Beam Rifle = 可変速ビームライフル」から来ている。最大の特徴はビームの収束率を調節する事で、高速で貫通性の高いビームから、低速でメガ粒子の反応による爆発威力の高いビームまで撃ち出せる事である。ジェネレーターに直結しているため、非常に高い威力を持つ。UC0120~0130年代、最強クラスの威力を誇り、通常のビームライフルを無力化したビームシールドですら貫通する。ただし、ジェネレーターに直結しているため本体固定武装に近いのでビームライフルというよりメガ粒子砲に近い。しかし、F91のヴェスバーは大容量コンデンサーが内蔵されており、本体から分離して数発程度なら発射可能であった。シルエットガンダム、ビギナ・ゼラ(共にスパロボ未登場)のヴェスバーはこのコンデンサーの解析ができず、本体から分離して使用する事は不可能だった。UC0150年代においても使用されており、V2アサルトガンダムに装備されている。形状はフォーミュラシリーズが装備していた物とは異なり、グリップホルダーがオミットされており開放バレル方式となっている。
未来世紀において
詳細な原理は不明。ジョンブルガンダム、デスアーミー等が装備している。
アフターコロニーにおいて
この世界においてはトールギスのドーバーガンが初のビームライフルである。
- ドーバーガン
- この世界の最初のビーム兵器に当たるカードリッジ式のビームライフル。主にトールギスが装備する。射撃時の反動が大きいためマズルブレーキ式を採用し、更に右肩に固定、右手で保持して使用する。旧式ではあるがガンダニュウム装甲を破壊可能な威力を持つ。ビームと実弾を使い分けることが可能であり、OEでその設定が再現された。同じ装備を一部のリーオーが使用している。こちらは両手で保持している。
- バスターライフル
- ウイングガンダムの武装。圧縮されたエネルギーをビームとして打ち出す。発射されるビームは射軸を中心とした周辺の大気を一瞬にして電離(イオン化)させ、半径150mに渡る範囲に激烈なプラズマ過流と数十kmに渡る超高熱を引き起こすほどの威力を持つ。バスターライフルはカードリッジ式、低出力でも発射が可能で、最大出力では1発ずつ発射可能な弾倉を3つ備える(EW版はそれに加えて予備弾倉を最大6発持つ)。最大出力時は中規模都市一日の消費電力に相当し、現在の中規模都市の定義としても7200MWの出力を持つ。強力過ぎたウイングゼロの反省から威力はツインバスターライフルの50%以下に抑えられ、3発という弾数制限を設けたが、それでも桁外れの威力がありウイングガンダムの機動力を合わせることで戦略兵器としても扱えるほど。カートリッジ式のためウイングガンダム以外でも発射可能である。
- ツインバスターライフル
- ウイングガンダムゼロ、ウイングガンダムゼロ(EW)の武装。2挺のバスターライフルを平行連結した大型ビームライフル。威力は、ウイングガンダムのバスターライフルの倍以上で、最大出力では20km級のスペースコロニーやそれよりも巨大な衛星をも破壊できる。また、ウイングゼロはカートリッジ式でなく、機体ジェネレータからーの直接供給式のため、安定した連続発射が可能という恐ろしい性能。当然ながら低出力での発射も可能。
アフターウォーにおいて
詳細な原理は不明。連邦・革命軍の双方に普通のビームライフルが存在する。また、バスターライフルと呼ばれるガンダムタイプ専用のビームライフルをガンダムエックス、ガンダムダブルエックス、ガンダムエアマスターが装備している。なお、上記(アフターコロニーの項)の同名の装備とは違い、アフターウォーにおけるバスターライフルとはガンダムタイプの使用する高出力型ビームライフルといった意味合いであり、量産機よりも出力が高く、機体毎に専用のカスタマイズが施されているので名前は同じでも性能はそれぞれ全くの別物である(ex.ガンダムエックス用はシールドと一体化で通常の3倍の装甲、エアマスター用は軽量で連射力が高い、ダブルエックス用は長銃身・軽量かつ通常の数倍の威力、等)。 以上の設定を反映してか、一部のスパロボではビームライフルよりも高威力・高射程だが移動後使用不可で弾数が少ない武装となっている。
正歴において
∀ガンダムのビームライフルは、粒子を固有振動により収束させ発射する共振粒子砲(リフェーザー砲)。ただしスモーのビームガン等はメガ粒子。
コズミック・イラにおいて
高エネルギーにより励起された荷電粒子やプラズマ等を臨界まで圧縮し光速で射出する指向性エネルギー投射兵器。専用弾薬が必要となるがビーム発振器内には半永久的に撃ち続けられる程の弾薬が貯蔵されている。しかし、ビームライフル稼働に膨大な電力が必要であるため、使用可能な時間はMS本体のバッテリーに依存している。PS装甲による消費と合わせて、電力消費と稼働時間はこの時代のモビルスーツに特有の問題点である。
西暦において
GNドライヴ本体あるいはGNコンデンサからGN粒子を供給し撃ち出すもの。オリジナルGNドライヴと疑似GNドライヴとでは、GN粒子が異なり、ビームの色もオリジナルGNドライヴものはピンクなのに対し、疑似GNドライヴのそれは真紅である。後者のビームは人体には有害であり、疑似GNドライヴを提供された国連軍(地球連邦軍)もその有毒性を考慮して改良。結果、2ndシーズンの時点では殆どの疑似GNドライヴ搭載機のビームの色はオレンジになっている。
スパロボシリーズにおいて
スパロボにおいても、殆どのMSが装備している。
攻撃力はMSの持つ武装内においては中程度、作品によって特殊スキル撃ち落としで使用される武器でもある。基本的に弾数制で弾数も10発程度と比較的多い。主に雑魚敵・反撃に使用する。設定の違いにかかわらず、基本的にビーム兵器としてひとくくりにされる。
旧シリーズにおいては中距離まで届く射程を持ち、足を止めて使用するものだった。αやCOMPACT2からP属性のビームライフルを持つ機体が登場し始め、その後のシリーズでは、ほぼ全てのMSのビームライフルはP属性となった。作品によってコンボ属性を持つ。ただし、大型であったり高出力なビームライフルにおいては、高威力・長射程・移動後使用不可といった性能になっている。
戦闘アニメも変化しており、旧シリーズではビームを1発だけ発射するものだったが、α外伝のHi-νガンダムのビームライフルのアニメを皮切りに、ビームを連射したり、1~2発目は牽制で撃ち3発目を命中させるなど様々なパターンが存在する。
他作品のビームライフル
『銀河疾風サスライガー』の主役ロボット・サスライガーが使用する銃は名称もズバリ「ビームライフル」である。
また、ガンダムシリーズのパロディないしオマージュとしても、フルアーマー電童やケロロロボMk-II等が使用している。
バンプレストオリジナルにも「ハイパー・ビームキャノン」や「メガ・ビームライフル」、「マグナ・ビームライフル」、「ハイパー・ビームライフル」などが登場しており、OGシリーズでは主に換装武器として扱われる。
余談
- Vガンダムのビームライフルが過去になりきり玩具で発売された。
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