ジョージ・グレン
ジョージ・グレン | |
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外国語表記 | George Glenn |
登場作品 | |
声優 | 堀秀行 |
デザイン | 平井久司 |
初登場SRW | スーパーロボット大戦W |
SRWでの分類 | サブパイロット |
プロフィール | |
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別名 | キャプテンG・G |
異名 | ファーストコーディネイター |
種族 | 地球人(コーディネイター) |
性別 | 男 |
年齢 | 69歳(没年齢) |
所属 | ジャンク屋組合 |
ジョージ・グレンは「機動戦士ガンダムSEED シリーズ」の登場人物。
概要
『機動戦士ガンダムSEED』世界において初めて誕生したコーディネイター。そのため「ファーストコーディネイター」と呼ばれている。
生涯
西暦時代、地球上の資源枯渇や環境問題より端を発した第三次世界大戦の異名を持つ「再構築戦争(Reconstruction War)」の末期である「C.E.-16年」に名前を明らかにされていない科学者、もしくは科学者グループにより世界初のコーディネイターとして生を受ける。わずか17歳で大西洋連邦のMITの博士課程を修了、オリンピックで銀メダル(短距離走のように見える)を獲得、アメリカンフットボールのスター選手にして、海軍および空軍のエースパイロットとしても活躍。その他、理工学の分野においても若くして様々な業績を挙げており、世界中から「万能の天才」として注目される。更に優れた容姿を持っており、世界中の女性も惹きつけた。
C.E.15年。自ら設計に関わった探査船「ツィオルコフスキー」にて、木星探査に出発する際に、自らが遺伝子調整を受けた人間「コーディネイター」である事を告白。さらに遺伝子操作の詳細なマニュアルを地上に向けて公開した。世に言う「ジョージ・グレンの告白」を行った。
結果、世界中がコーディネイターの是非を巡って大混乱に陥り、国連や世界各国はすぐにコーディネイター出産を違法とする法律を制定したが、富裕層は自らの子供達を「第二、第三のジョージ・グレン」にすることを望み、コーディネイターは秘密裏に生み出される事になった。 更にC.E.22年ジョージ・グレンは木星圏で地球外生命体の証拠とされる「エヴィデンス01」を発見し、持ち帰りを指示。地球は更に混乱してしまう。 その後は一時拘束されたが、5Lコロニー「Zodiac」にて研究を進め、後のプラント理事国家となる「大西洋連邦」「ユーラシア連邦」「東アジア共和国」の三国からの出資を得て、プラント設立に尽力。 しかし、ナチュラルとコーディネイターの人としての能力差が歴然となりつつあり、世界中で感情的な対立が悪化。
そして、C.E.53年。ジョージ・グレンは、宇宙飛行士になる事を夢見たが、自身がコーディネイターでない事で夢を絶たれ。悲観したナチュラルの少年が放った凶弾に斃れた。[1]。
蘇ったG・G
しかし、ジョージ・グレンの脳髄は奇跡的に損傷を受けていなかった為、脳死に至る前に脳髄を冷凍保存され保管装置「G・Gユニット」に保管されていた。その後、紆余曲折の末にロウ・ギュールらジャンク屋組合の手に渡り、プロフェッサーにより蘇生。リ・ホームのメインコンピューターと接続された事により、キャプテンG・G(ジョージ・グレン)として生まれ変わった。
ちなみに、ジョージ・グレンが蘇生した事実については、世界規模の混乱を防ぐべく厳重に秘匿されている為、一般的には全く知られてはいない。また、身体はホログラムとなっている。
ジョージ・グレンの性格は、一般の見解とは裏腹に極めて陽気かつお調子者であり、彼の事を尊敬していた山吹樹里とリーアム・ガーフィールドを失望させてしまっている[2]。
キャラクターの総評
ジョージ・グレンは劇中ではナチュラル、コーディネイターを問わず高いカリスマ性を持っており、偉人として語られているものの、彼がコーディネーターの製造技術を公開した事が、後々まで続くナチュラルとコーディネイターの対立・紛争を繋がっている。その意味においてジョージ・グレンは「コズミック・イラ世界における争いの最大の元凶」であるというファンも少なく無く、視聴者からの評価は賛否両論となってしまっている。
実際の所、生前のジョージ・グレンについての描写や説明はあまりにも少なく、キャプテンG・Gとして蘇生された後も、それについてコメントする事は少ない。そのため、彼がコーディネイターの製造技術を公開した真意[3]については推測を重ねるしかなく、視聴者それぞれの都合によってどうとでも取れてしまう事にもなっている。
ただ、少なくとも『ジョージ・グレンの告白』にある「この母なる星と未知の闇が広がる広大な宇宙との架け橋、そして人の今と未来の間に立つ者」という内容からも、ジョージ・グレンにとってのコーディネイターの本来の意味とは、『機動戦士ガンダム00』に登場するイノベイターの様な役割を持つ者であったようだ。「僕に続いてくれるものがいてくれることを切に願う」という「純粋な願い」からも、いつか遠い未来において、自分と同じくコーディネイターになった者達が、地球が未知の存在と遭遇した時にその「懸け橋」となって間を取り持つ(調整する)存在となってくれる事を望んでいたようである。思想的には『宇宙世紀シリーズ』のジオン・ズム・ダイクンや『ガンダム00』のイオリア・シュヘンベルグに似通った人物だったのかもしれない。
しかし、彼の説明が明確ではなかった上に、公開後の配慮が大きく欠けていたのは事実であり[4]、世間一般から「遺伝子操作」の点ばかりが注目され、コーディネイターの真の存在理由について理解出来る者が殆ど現れなかったのは当然と言える。結果として、多くのコーディネーターは自身を「ナチュラルよりも進化した選ばれた人間」と捉えるようになってしまった。一方のナチュラルも、ブルーコスモスのようにコーディネーターを「自らを脅かす変異種(ミュータント)」と捉え[5]、環境圧力団体「ブルーコスモス」に反コーディネイター関係者が結集するという事態となり、深刻な対立を産む事となる。
キャプテンG・Gとして蘇生した後、彼は「生前の私に唯一欠けていたモノは『笑い』のセンスだ」と述べているが、彼に足りなかったのは他者の思いを慮る事(意志ではなく能力)全般であり、笑いのセンスの欠如もその一環であった、と考える事ができるかもしれない。
登場作品と役柄
本人(?)が登場しているのは『ASTRAY』が参戦している『W』のみだが、ファーストコーディネイターとして歴史に与えた影響が大きい為、『機動戦士ガンダムSEED』シリーズが参戦している作品では名前が挙がる事は少なくない。
携帯機シリーズ
- スーパーロボット大戦W
- 初登場作品。『ASTRAY』の設定を受けて、キャプテンG・Gとしても登場。立体映像なので、顔グラは緑がかっている。
- かつて木連を訪れており、現在でも木連の人々から「正義の人」「伝道師」と讃えられ、偉人として尊敬されている。
- 本作では木連に『ゲキ・ガンガー3』のアニメのディスクを渡した張本人だという事実が語られているが、これには意外なオチがある。
- なお、キャプテンG・Gは原作におけるリ・ホームの艦長なのだが、本作ではサブパイロット(メインパイロットはプロフェッサー)になっている。
VXT三部作
- スーパーロボット大戦V
- 名前のみの登場。今作でも木連に『ゲキ・ガンガー3』を伝えた事が示唆されている。
パイロットステータス
精神コマンド
特殊技能
人間関係
- ラウ・ル・クルーゼ
- 直接的な関係は無いが、TV版『SEED』第14話「果てし無き時の中で」においてジョージ・グレンの生い立ちをモノローグで語った。
- ロウ・ギュール
- ジョージ・グレン曰く「真のコーディネイター」(後述)。
- 山吹樹里
- 熱烈なファンだったが、ジョージ・グレンのはっちゃけぶりを見て大きく失望。「グレン様じゃない」とまで言い出してしまった。
- リーアム・ガーフィールド
- ジョージ・グレンを尊敬していたが、やはりはっちゃけぶりを見て幻滅してしまっている。
- プロフェッサー
- 彼女の手によって蘇生され、以後、リ・ホームを共に運用する。
- モンド
- 『ジョージ・グレン友の会』のメンバー。G・Gユニットを保管していた。
- 蘊・奥
- 『W』では、彼が『ジョージ・グレン友の会』の人物(モンドなのかは不明)からG・Gユニットを預かっていた。
- パトリック・ザラ
- 直接の関わりは無いが、『W』では「自分達コーディネイターをナチュラルに代わる新人類である」と豪語するパトリックの姿勢に呆れており、「コーディネイターのメンタリティにまるで進化が見られていない」と、増長したコーディネイターの代表格として扱われた。
- もっとも、ジョージ・グレンがコーディネイターの製造技術を理想論だけで無思慮にバラ撒いた事がナチュラル・コーディネーター間の抗争の遠因なので、「お前が言うな」という側面も有るのだが…。
他作品との人間関係
- タカスギ・サブロウタ
- 『W』では木連の人間であるサブロウタは、ジョージ・グレンの事を「偉大な人間で堅物の人格者であった」と教わってきた為、その本人と出会って、既存の彼のイメージとのギャップに驚いていた。
- ダイゴウジ・ガイ
- 『W』では『ゲキ・ガンガー3』を「ガキ・ゲンガ」と呼ぶジョージ・グレンに対して訂正を求めるが、逆に彼から「ダキ・パンダ」と寒いギャグで返されてしまう。
- 獅子王凱
- 『W』では、彼に「ギャグのセンスはマキ・イズミ以下」だと言われてしまう。
- カトル・ラバーバ・ウィナー
- 『W』にて、ジョージ・グレンの寒いギャグに愛想笑いしてくれた人。
- ヒイロ・ユイ、トロワ・バートン
- 『W』にて、ジョージ・グレンの寒いギャグに愛想笑いすらしてくれなかった人達。もっとも、ノインも言っているように、この二人に愛想笑いを求めるなど無理な話なのだが…。
- カズマ・アーディガン
- 『W』ではアプリカントとの初戦にて、窮地に陥ったカズマ対してに咄嗟にアドバイスをして、彼の窮地を救う。
- 壇闘志也
- 『Z』では、「ジョージ・グレンが発見した化石が切っ掛けでイオの開拓団に参加している」事を語った。
名(迷)台詞
- 「僕はこの母なる星と、未知の闇が広がる広大な宇宙との架け橋。そして、人の今と未来の間に立つ者。調整者。コーディネイター」
「僕に続いてくれる者が居てくれる事を、切に願う」 - TV版『SEED』第14話「果てし無き時の中で」より。C.E.15年、木星探査の際に地球に向けて発した言葉。
- これが世にいう「ジョージ・グレンの告白」だが、ジョージ・グレンの「コーディネイター=新人類と人類との架け橋となる者」という真意は、多くの人には伝わらなかった。
- 当然、遺伝子操作とそれによって誕生するコーディネイターの存在の是非を巡って地球は混乱状態に陥り、当時の国連はすぐさま人に対する遺伝子操作を禁止する国際法を取り決めた。
- ところが、極秘裏に我が子をコーディネイターとして出生させる者は後を絶たず、ブルーコスモスをはじめとする自然圧力保護団体による弾圧等の軋轢を繰り返した。結果として、長きに渡る戦乱を招いてしまう事となる…。
- 「そうだ!! キミも真の『コーディネイター』だよ!!」
- 『ASTRAY』において、自身は上記の発言を「自分と同じ人類と新人類との架け橋となる仲間が増えて欲しいと思った」為に発言。
- しかし、ロウの言動を見ていて、架け橋となる『コーディネイター』とは遺伝子調整された人間だけに付けられるものではない事を悟る。
- 「生前の私に唯一欠けていたモノ、それが『笑い』のセンスだ」
「今度の旅ではそれをマスターしようと思っている」 - 「進路を木星だ」と発言した後の迷言。何というか、無茶苦茶ノリが良い。
- 「暗殺されたが脳だけ生き残り ホログラムで復活した私が新たに獲得したポリシーとは…」
「『笑い』だ!!」 - 『ASTRAY R』での同様の一幕。こちらでは鼻眼鏡姿で鼻から吹き戻しは吹くわ、鳩も飛ばすわ、と…もうメチャクチャである。
- 「シャイニングフィンガーで握手してあげよう」
「私の秘密を今明かそう、私はガンダムファイターだ!」
「……と言ったら楽しいだろ」 - 『SDガンダム Gジェネレーション』シリーズより。シャイニングフィンガー系の兵装を使用する時の迷言。
- 三行目はゴッドフィンガーで止めを刺した際の台詞。声が同じであるガンダムファイターに由来した声優ネタなのだが、実際に楽しいかどうか判断しかねる。
スパロボシリーズの名(迷)台詞
- 「木星で地球を追放された人達と出会った時には、私も随分と緊張していてねえ…気が動転して、彼らに間違えて『ガキ・ゲンガ』とかいうアニメのディスクを渡してしまったよ」
- 『W』第43話「記憶の底から」より。ジョージ・グレン本人の口から明かされる「『ゲキ・ガンガー3』伝道」の「真相」。
- 何ともあんまりなその真相に、皆はショックを隠せなかったのであった。…というか、何故そんなものを持ち歩いていたのか。
- 「私はそのような意味で君達に『コーディネイター』になって欲しいと言ったわけではない」
「間違いは正せばいい。そして、私は君達にこの世界の調整役となってもらえたいと考え…『コーディネイター』の言葉を送ったはずだ」
「世界はゆっくりとだが変わっていこうとしている。焦る事はないんだ、みんな」 - 『W』の終盤、新・国連本部を急襲した火星の後継者達に対しての説得の台詞。グレンからの説得の言葉は、グレンを尊敬している彼らに本当の「正義」を思い出させ、間違いを正させるには十分すぎるものだった。
- ちなみに、火星の後継者の面々は遠い昔の先人であるジョージ・グレンがまさか現代に蘇生したとは思ってもいなかったので、自分達に語りかけるジョージ・グレンの事を彼の子孫だと思っていた。
- 「新たなる人類ね…。メンタリティはこの100年でまるで進化は見られないが」
- 『W』第51話プラントルート「進んだ道の先」におけるヤキン・ドゥーエ攻防戦より。「ジェネシスでナチュラルを滅して、今日この日を新たな人類たる自分達コーディネイターの輝かしい歴史の始まりにせん」と意気込むパトリックの演説に対して、呆れるあまりに口にした皮肉や失望のこもった台詞。
- だが、人類のメンタリティの進化が起こらなかったのは、コーディネイターの製造技術を無思慮にばら撒いたジョージ・グレンにも大きな責任が有ると思われるのだが…。
- 「いや…私はもう死んだ人間だ。自分にも責任のあった木連相手ならともかく…もう彼らは彼らの意志で進んだ道の先を探すべきだろうね」
- 上記の台詞の後、プロフェッサーに「名乗り出て正体を明かして戦いを止めてみたら」と勧められての返答。
- 既述したように、ジョージ・グレンにも責任が無いわけがないのだが…。とはいえ、今更彼が名乗り出た所で混乱を広げるだけとも思える。
- ちなみに「進んだ道の先」は同ステージのサブタイトルや『機動戦士ガンダムSEED』の4thエンディングテーマ曲「FIND THE WAY」の歌詞の一節にもかかっている。
- 偶然なのか、後年『SEED』の監督が携わった作品でも似たような発言が出ている。
搭乗機体
- リ・ホーム
- 操縦コントロールを担当。また、事実上の艦長を務めている。
余談
- 名前の由来は、アメリカ合衆国の海兵隊の戦闘機パイロット出身の宇宙飛行士であるジョン・ハーシェル・グレン氏(1921~2016)から。
脚注
- ↑ ブルーコスモスの暗躍が噂されたが、真相は不明。小説版では実行犯の少年は精神衰弱を理由に不起訴処分となっており、余計に背後関係が囁かれた模様
- ↑ ただし、ジョージ・グレンには「生前は何でも出来たが、ユーモアのセンスだけは足りなかったので、それをマスターしよう」という理由が有る為、生前は一般的に伝わる通り真面目な性格であったと考えられる。
- ↑ これに関して、「唯一のコーディネイターだったジョージ・グレンが、オリンピックで銀メダルを得た事によって、生まれて初めての接戦の末に敗北・誰かと競い合う喜びに目覚め、自分の同類を欲したのではないか?」という考察が有る。
- ↑ 何しろ、重大な発表を木星探査に出発する際に公開した訳で、(リマスター版におけるクルーゼの説明でも「そう言い残して彼は去り」と明言されている)、公開後の責任や管理は疎かであったと考えられる。
- ↑ 彼を崇拝しキャプテンG.G.として蘇生させた「ジョージ・グレン友の会」は、構成員は全員がナチュラルで、ジョージ・グレン以外のコーディネイター達の事は「グレンをまねた悪の手先」と断じている。だが、ジョージ・グレンの求めた者が「架け橋となる存在」であるなら、全てのコーディネーターを悪の手先と断じる思想が彼の求めた物である筈がないため、熱狂的な支持者にすら、思想を理解してもらえなかったと言う事になる。実際、劇中ではブルーコスモスと同質の思想集団と見られているようだ(直接的な排斥運動やテロリズムは行っていないが)。
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