クロノクル・アシャー

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クロノクル・アシャー(Cronicle Asher)

ザンスカール帝国ベスパの青年士官。

ザンスカール帝国女王マリア・ピァ・アーモニアの実弟であり、シャクティ・カリンの叔父にあたる人物。生粋のスペースノイドであり、地球の埃を嫌って白い防塵マスクを着用しているのが特徴。

物語の序盤にて、モビルスーツシャッコーのテストを行っていたが、ウッソ・エヴィンに自らの機体を奪われるという手痛い失態を犯し、以後彼との因縁が深まってゆく。その後リガ・ミリティアのアジトに乗り込んでオイ・ニュング伯爵の拉致に成功、女王マリアの実子であるシャクティを本国に連れ帰るなどの功績を立て、モトラッド艦隊の司令官に就任するなどの出世コースを歩み始めた。

本来は他人への気遣いができる優しい人間であり、また潔癖症とも言えるほどに真面目な人物であった。しかし、出世コースに進んでから野心が彼の性格を歪めてしまったようで、モトラッド艦の地ならしによる虐殺を容認しつつも人質作戦は認めないなど、司令官としての一貫性を欠く行動を取るようになる。

最終決戦のエンジェル・ハイロゥ戦においてはリグ・コンティオを駆りウッソと戦うも敗れ、姉の名を呼びながら最期を遂げる。その死に様はウッソのV2ガンダムに乗機リグ・コンティオを破壊された後、機体のコクピットから投げ出され、空中を浮遊するエンジェル・ハイロゥのユニットに頭部から激突して死亡するという悲惨なものだった。さらにアニメでは頭部が激突した際のSEまで付いていて結構エグい。所謂「黒富野」を象徴するかのような場面である。

所謂“仮面キャラ”であることやその名前から、ウッソにとってのシャア・アズナブルのようなライバル的存在になるべく設定されていたはずであった……が、クロノクル自身の優柔不断さが災いし、また部下であるカテジナ・ルースの強烈なキャラに完全に存在を食われてしまったこともあって、最終的にライバルとも呼べない「ただの敵」へと成り下がってしまった。その役どころは『機動戦士Ζガンダム』のジェリド・メサに近いものがあると言えよう。

『コミックボンボン』で連載された漫画版ではラスボス的存在として登場。ウッソと幾度と戦う強敵であり、アニメの様なへタレ部分は見られなかったが最終決戦で姉マリアの悲報を聞き、部下の前で思いっきり号泣して血の涙を流しており、カテジナがいないこともあって、インパクトが強い。最終決戦ではマリアの仇を討つ為にドッゴーラ改を駆るものの、ウッソの秘策によって敗れる(そもそも、ウッソはマリアを殺していないので勘違いだったりするのだが)。だが、死の間際までウッソを道連れにしようとするなど、原作と比べものにもならない程、ライバルとしてラスボスとしての活躍を見せる。なお、こちらはこちらでクロノクル本人にビームサーベルが突き刺さっているコマがあり、エグい。……しかし、「電子レンジの中のダイナマイト」にされても生きていた(致命傷にはなっていた)辺り、逆に言えばそうでもしないと死なないくらいしぶとかったとも言える。

登場作品と役柄

旧シリーズ

第2次スーパーロボット大戦G
初参戦。DC所属。
ファラやカテジナと違い、顔グラフィックはマスクを付けた1種類しか存在しない。故に宇宙でもマスク顔で登場する。

αシリーズ

スーパーロボット大戦α
最序盤からコンティオに搭乗。素人同然でいきなり戦うウッソのことを考えて欲しいものである。
その後はアドラステアエンジェル・ハイロゥ落下後の最終戦ではリグ・コンティオに乗る。敵としては押しが弱いので、一撃で葬られることも。
ちなみに、最終戦でカテジナ撃墜前にクロノクルを落とすと、カテジナに奇跡がかかる。
スーパーロボット大戦α for Dreamcast
オールドタイプの中では一流と呼べる能力値だが、リグ・コンティオに乗るまで真価を発揮できないのが辛い。

携帯機シリーズ

スーパーロボット大戦D
地上ルートだと序盤から戦う機会が多い。
フラグを満たすと、なんとエンジェル・ハイロゥ戦後にカテジナと共に仲間にできる(乗機はリグ・コンティオ)。能力は決して悪くないものの、集中必中も覚えないため、回避が高い後半の敵相手には苦戦を強いられ、さらにニュータイプパイロットが多い中で数少ないオールドタイプのためファンネル搭載機が使えない。
「敵時と味方時の能力が一緒のパイロットは、敵時にもボーナスポイントを引き継ぐ」という今作の仕様上、序盤から戦う機会のある彼にボーナスポイントを振り分けると二周目以降がきつくなるという難点がある。とはいえ、仲間にできるという事実だけで快挙とも言えるので、カテジナ共々戦列に加えて活躍させてあげたい。
なお、ルイーナ打倒後の地球において、地球で虐殺を繰り返したモトラッド艦隊の司令だったクロノクル(とカテジナ)は何らかの制裁を受けたのでは、と推測するユーザーは多く、アンソロジーでもその点を描いた作品がある(尤も、似たような立場のグラキエースは特にお咎めなしなので、その辺りを見逃してもらった可能性もある)。

単独作品

新スーパーロボット大戦
概ねシナリオは再現されているが、原作よりは扱いが優遇されている。
リグ・コンティオの強さと合わせて強敵の一人。ニュータイプ技能も持つ。シナリオ「狂気の力」ではゾンビ兵として蘇る。
新スーパーロボット大戦 スペシャルディスク
フリーバトルに登場。

パイロットステータスの傾向

精神コマンド

α
根性加速努力気合隠れ身熱血
D
努力不屈加速熱血直撃気合

特殊技能(特殊スキル)

切り払いL4シールド防御L4ニュータイプ
α
シールド防御L3切り払いL4
D
底力L7シールド防御斬り払い撃ち落とし援護攻撃L1指揮L2コンボL2

人間関係

ザンスカール帝国

カテジナ・ルース
拉致した後、恋人の関係になるが……出会いはお互いを不幸にしたようだ。
マリア・ピァ・アーモニア
実の姉。クロノクルが軍に入ったのは彼女を守るためらしい。
アルベオ・ピピニーデン
士官学校時代の先輩だが、クロノクルの方が昇進が早く、部下に。彼の実行した人質作戦には「見下げ果てた先輩だ!」と怒りを隠せなかった。

リガ・ミリティア

ウッソ・エヴィン
何度も戦う。漫画版では最後は宿敵同士として激しい死闘を繰り広げ、彼を死の寸前にまで追い込んだ。
シャクティ・カリン
姪。姉と共に心配している。
クロノクルの彼女に対する思いやりや心配は本物だが、己の野心のための駒として見ている面もあることを見透かされ、歪んだ兄と思われてしまう。
フランダース
ウッソの愛犬。最初は吠えられていたが、手懐けてしまい、後に出会った時も声をかけていた。
オイ・ニュング
リガ・ミリティアのヨーロッパ抵抗組のリーダー。スパイとして侵入した際に捕虜にする。

他作品との人間関係

ガンダムシリーズ

アムロ・レイ
『D』では戦いに敗れ、捕虜になった際にウッソと彼に説得され、共に戦ってくれるように頼まれた。
シーマ・ガラハウ
『α』では彼女に、女王の弟であることを嘲笑されてしまう。
リリーナ・ドーリアン
『D』ては彼女との交渉に応じ、彼女の心意気を認め、いくつかの条件を飲むが……。

リアル系

ゴステロ
『新』では一度死亡したところを彼にDG細胞を与えられ、手先にされる。

スーパー系

ロジャー・スミス
『D』でリリーナと共に交渉に参加。クロノクルは彼の交渉術があまり信用できないらしい。
ジェイソン・ベック
『D』でピピニーデンがゴズ共々彼を送りつけてきたのだが、散々な目に遭わされた。

バンプレストオリジナル

ジョシュア・ラドクリフ
『D』で地上ルートを通ると彼と因縁ができる。

名台詞

TV版

「トイレはそこじゃないぞ」
第5話にて、寝ぼけたスージィが通路で用を足そうとして、気遣って付き合っている。スパイとして入り込んだ先でこんなことをしているあたり、人柄は良い。
「ここから……早く逃げなさい」
基地が攻撃され、瓦礫からシャクティとスージィを庇った際の台詞。子供相手でも丁寧に言うところが、やはり人間性を感じさせる。
「胸糞の悪い……! もうあの男を先輩などと思わん!」
第36話でウッソの母であるミューラが死亡した直後の台詞。ミューラを人質として盾にした作戦をピピニーデンが実行したことに対して、怒りと失望を露わにしていた。
「地球上だ、多少のホコリは感じるな」
「全てが分かった、ウッソ・エヴィン……キールームのシャクティと共に、我らを排除しようという魂胆! だから私にも見える!」
ウッソとの最終決戦時に。
「姉さん、マリア姉さん……助けてよ……マリア姉さん……」
リグ・コンティオが撃墜され、コクピットから投げ出されたときのセリフ。そしてエンジェル・ハイロゥのブロックに叩きつけられてしまうのであった。

漫画版

「安心しろ…子供は相手にせん」
「わたしがしかえししたいのはリガ・ミリティア…Vガンダムのパイロットにだ!!」
第2話にて、ウッソ達の家を見つけて押し入った際、ウッソが前回自分をシャッコーから突き落とした少年だと気付き、彼から「仕返しに来たのか」と問われての返答。
乗機から突き落とされたのを笑顔で不問にする辺りはアニメ版同様優しい一面が垣間見えるのだが、仕返ししたい相手の事を無関係(とこの時思っていた)な相手の前で怒りの形相で語るのがちょっと大人気ない。
ウッソは彼の言う「仕返ししたい相手」が自分であるという事実がバレないように祈るも……。
「ほう…き…きさまがガンダムの…わたしはこんな子どもに二度にわたって愚ろうされたわけだ…」
直後、ウッソ達を救うべく乱入してきたマーベットが嬉々としてVガンダムのパイロットがウッソであるという事実をバラしてしまい、怒りの炎を燃え上がらせる。
かくしてウッソの願いは見事に味方の手によって打ち砕かれ、クロノクルはこの時からウッソ打倒に心血を注ぐようになるのであった……。
(ね… ねえさんが……)「……死んだだと?」
「う…うう…… うわああああ」
「ワアアアア、ヒイイイイ、ウワアアアン」
第9話にて、姉マリアの悲報を聞いて号泣。この直後、血の涙を流す「復讐の竜」と化し、戦場に飛び立った。
あまりの有様に、部下もやや引き気味。
「星さえも砕く我がドッゴーラのバリアーアタック! くらええい!」
ウッソとの最終決戦において。エンジェル・ハイロゥの外壁を壊しV2ガンダムを掴み出した後、体当たりでとどめを刺そうとする。が、その時……。
この技を繰り出す瞬間、クロノクルの瞳には獣の数字「666」が浮かんでいた。
「ねえさんが死にカガチも死んだ! ザンスカール帝国はもう おしまいだ!!」
「だがウッソ・エヴィン きさまだけは……殺す!!」
最終話冒頭、ウッソを救うべく突撃を敢行したハンゲルグを葬り、ウッソに襲いかかりながら。もはやウッソへの妄執のみで動くクロノクルは、エンジェル・ハイロゥが壊れるのも気にせず暴れ回る。
「このドッゴーラ改は全身をバリア・コーティングしているのだ どんな攻撃もうけつけん!」
「このドッゴーラ改は……全身がビームそのものなのだ!」
V2アサルトガンダムの攻撃をものともせず、勝ち誇るように言い放った台詞なのだが……作者はガンダム世界のビームについて大変な思い違いをしているようだ。
「オ…レは…もう……ダメだ……」「だが…きさま……も……道連れ……だ!!」
「バリア・エネルギーをすべて開放した……いっしょに死ねええ!」
「電子レンジに入れられたダイナマイト」になりながらも、クロノクルはまだ生きていた。もはや崩壊寸前のドッゴーラ改でV2を羽交い絞めにし、道連れにしようとするが……。

スパロボシリーズの名台詞

「…すまん、カテジナ。このような状況で生き残ったからには、私は、女王マリアの弟としてではなく、私個人として自らの有り様を、地球に対して、自分に対して、示さねばならん。君に対してもだ」
「そのために、たとえウッソ・エヴィンやブルー・スウェアと一緒であろうとも、地球圏を守るという戦いには、参加しなければならない。…つきあってもらえるか」
『D』の終盤、ブルー・スウェアに加わって戦う事を決意し、それをカテジナに打ち明けて。その姿に、ヘタれてしまった原作終盤の彼の面影はない。
「私が散々苦しめられたこの攻撃を、貴様も味わうがいいっ!!」
『D』におけるV2ガンダムの光の翼使用時の台詞。しかしながら、原作では彼がV2と交戦したのは最終決戦時のみ。分離攻撃で苦しめられたのを思い出しているのであろうか。

搭乗機体

シャッコー
テストパイロットとして搭乗していたが、ウッソに奪われてしまう。ここから二人の因縁が始まる。
ゾロ
赤いカラーリングで塗装されたクロノクル専用の機体。SRW未登場。
トムリアット
ジブラルタル戦で使用。
ゾロアット
宇宙に上がったリガ・ミリティアと交戦。
コンティオ
試作の機体で放棄されたものを彼が完成させた。
漫画版ではデザインこそ同じものの、「ビヒモス」という名前になっている。後の『ガンダムエース』では「ビヒモスというMSに乗ってシュラク隊を壊滅させたという説がある」と語られた事があるが、ビヒモスのパイロットはクロノクルではない。
リグ・コンティオ
最終搭乗機。コンティオの後継機で、作中最強クラスのMS。
アドラステア
姉から与えられた最新鋭艦。通称「バイク戦艦」。
Vガンダム
奪取した際に搭乗。
ドッゴーラ改
漫画版における最終搭乗機。

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