「南極条約」の版間の差分

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== 南極条約(Antarctic Treaty) ==
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'''南極条約'''は『[[機動戦士ガンダム]]』において、[[一年戦争]]時に[[南極]]にて[[地球連邦政府]]と[[ジオン公国]]の間で結ばれた戦時条約。
現実においては[[南極|南極大陸]]の平和的利用を目的として制定された「軍事利用の禁止」や「領有権主張の凍結」などを定めた条約のことを指す。<br/>
 
SRWシリーズではほぼ全ての場合において『[[機動戦士ガンダム]]』にて、[[一年戦争]]時に[[南極]]にて[[地球連邦政府]]と[[ジオン公国]]の間で結ばれた条約を指して用いられる。
 
  
内容としては「[[核ミサイル|核兵器]][[コロニー落とし]]を初めとした大量殺戮兵器の使用禁止」「[[サイド6]]を初めとした中立地域の承認」「捕虜の扱い」諸々であったが、一年戦争中の[[オデッサ]]作戦にて[[ジオン軍]]の[[マ・クベ]]が水爆を使用する等、条約違反も見受けられた。
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== 概要 ==
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南極条約は一年戦争序盤で南極で行われた地球連邦政府とジオン公国の会談にて、当初は開戦からルウム戦役で大勝したジオン側の要求に沿った休戦条約として締結されるはずであった。しかし、その会談中に[[ジオン公国軍]]の捕虜になっていた[[地球連邦軍]]の将校・[[レビル将軍]]がジオン公国から脱出。彼がジオンの内情を暴露した演説「ジオンに兵なし」によって、事態は一変する。その結果、連邦政府は態度を豹変させ、ジオン側が休戦を諦めて戦時条約が結ばれるだけに至った。
  
あくまで戦時条約であり、一年戦争終結時点で失効している。その為、後に[[地球連邦軍|連邦軍]]が開発した[[ガンダム試作2号機]]は厳密には条約違反という訳ではない。<br/>
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南極条約の主な内容としては、「[[核ミサイル|核兵器]][[コロニー落とし]]をはじめとした大量殺戮兵器の使用禁止」「[[サイド6]]をはじめとした中立地域、[[グラナダ]]以外の月面都市、[[木星]]船団への戦闘行為の禁止」「捕虜の扱い」について取り決めている<ref> ちなみに、南極条約が『[[機動戦士ガンダム]]』劇中で初めて言及されたのは、第16話「セイラ出撃」における[[ブライト・ノア]]と[[コズン・グラハム]]の会話においてであり、この時点では捕虜に対する扱いについての話題だった。</ref>。
ただし「終戦はジオン公国とは関係ないジオン共和国が勝手に結んだもので、未だ一年戦争は継続中」と勝手に主張する[[デラーズ・フリート]]にとっては条約違反以外の何者でもなく、その理由で連邦を糾弾する演説を行っている。しかしながら、その後にデラーズ・フリートは条約違反であるコロニー落としをしている。
 
  
南極条約の内容は後の時代にも暗黙の了解(慣習法)として広く認識されて禁忌扱いされているらしく、
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だが、この条約は本来ジオン側が提出してきたものであるにも拘らず、一年戦争中においてジオン側は[[オデッサ]]作戦における[[マ・クベ]]大佐の水爆使用や連邦軍の捕虜である[[バスク・オム]]大佐に対する後遺症が遺るレベルの拷問など、'''「戦争に勝てば揉み消せる」とばかりに平然と条約違反的な行いを繰り返しており、ほとんど意味を成さないものとなっていた'''<ref>そのくせ自分たちが捕虜の身となると、「南極条約」を盾にする形で身の安全を図ろうとするなど、ジオン側はこの条約を都合の良い形で利用している部分が目立つ。</ref><ref>バスクに対して行った拷問は、ただでさえアースノイド至上主義であった彼に、スペースノイドへの常軌を逸した憎悪を植え付け、後の[[30バンチ事件]]や[[グラナダ]]へのコロニー落としといった蛮行にまで繋がっている。</ref>。
50年近く経過した『[[機動戦士クロスボーン・ガンダム]]』においても核兵器を持ちだした[[木星帝国]]に対して連邦軍の軍人が南極条約違反だと非難する場面がある。
 
  
なおアニメ本編中で初めて言及されたのは、『機動戦士ガンダム』第16話における[[ブライト・ノア]][[コズン・グラハム]]の会話であり、この時点では捕虜に対する扱いについての話題だった。
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=== 戦後の南極条約 ===
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あくまでも戦時条約であった南極条約が、一年戦争が終結した[[宇宙世紀]]0080年1月1日の時点で失効した後、『[[機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY|0083]]』の時代にて、度重なるジオン側の条約無視の抑止及び報復手段として、連邦側では戦術核搭載モビルスーツである[[ガンダム試作2号機]]が開発されることになっている<ref>なお、南極条約では[[核ミサイル|核兵器]]の「使用」は明確に禁止されているものの、「保持」および「開発」についてはあまり言及されていない。</ref>。しかし、[[デラーズ・フリート]]は、「一年戦争の終戦は、ジオン公国とは無関係の政権であるジオン共和国が勝手に行ったもので、未だに一年戦争は継続中である」と自分勝手な解釈をする形でガンダム試作2号機の開発を条約違反と指摘。地球連邦政府を糾弾する演説を行い、更には明確な条約違反である核兵器の使用だけでなくコロニー落としまで行っている。こういった部分もあってか、連邦側もデラーズ・フリートを始めとするジオン残党軍を、あえてジオンの正規軍とは認めず、「ただの[[テロリスト|テロリスト集団]]」として扱うことで、彼らに対して南極条約の一つである「捕虜に対する丁重な扱い」は適用させないことになっており、彼らに関わる者はいずれも連邦側の情報局から容赦のない尋問と拷問を受けることになっている。
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しかしながら、南極条約の内容は後の時代にも暗黙の了解(慣習法)として広く認識されており、核兵器の使用などについても禁忌扱いされているらしく、一種の不文律として後の時代に影響を残し続けた。『0083』の時代から50年近く経過した『[[機動戦士クロスボーン・ガンダム]]』においても、核兵器を持ちだした[[木星帝国]]に対して連邦軍の軍人が「南極条約違反だ」と非難する場面がある。
  
 
== 登場作品 ==
 
== 登場作品 ==
=== [[旧シリーズ]] ===
 
 
;[[第3次スーパーロボット大戦]]
 
;[[第3次スーパーロボット大戦]]
 
:[[ロンド・ベル隊]]の捕虜となった[[キャラ・スーン]]が口にした。内容は原作におけるコズンの台詞と同様のもの。
 
:[[ロンド・ベル隊]]の捕虜となった[[キャラ・スーン]]が口にした。内容は原作におけるコズンの台詞と同様のもの。
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;[[スーパーロボット大戦A]]
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:[[ガンダム試作2号機]]が核を装備していることについて、ブライトが南極条約を理由に[[三輪防人]]を非難し、それに対して三輪が南極条約は地球人の間で結ばれた条約なので異星人には適応されないと反論しているほか、[[夕月京四郎|京四郎]]は南極条約を守る気がない三輪なら捕虜への拷問くらいはすると予想した。
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;[[第3次スーパーロボット大戦α 終焉の銀河へ]]
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:[[ナタル・バジルール|ナタル]]が大気圏突入時の[[ザフト]]との戦闘において、「手を出せば南極条約に抵触する」として避難民を乗せたシャトルを射出するが、ザフトによって撃墜されてしまう。
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:また、[[ムルタ・アズラエル]]が[[プラント]]への核兵器の無差別投入を命じた時は、三輪が南極条約で禁止されていることを指摘して止めようとしたが、核攻撃は実行されてしまう。
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;[[スーパーロボット大戦V]]
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== 余談 ==
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*現実世界における「南極条約」とは、[[南極|南極大陸]]の平和的利用を目的として制定された「軍事利用の禁止」や「領有権主張の凍結」などを定めた条約のことを指す。
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**SRWでは『[[DD]]』の「第1回共闘戦」でこちらの南極条約について触れている。
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*『トニーたけざきのガンダム漫画』で[[コズン・グラハム]]が[[ブライト・ノア]]たちに熱々のおでんを食べさせられるシーンから、ネット上では熱々おでんを食べさせる行為を「南極条約違反」とネタにされている。
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*『[[機動戦士ガンダムSEED|ガンダムSEED]]』シリーズにも「コルシカ条約」という捕虜の取り扱いなどを定めた戦時条約が存在している。ただし、絶滅戦争の体をなすほどに憎しみ合いが深刻化してしまった[[コズミック・イラ]]世界ではあまり抑止力になっておらず、パナマでは[[ザフト]]が、第三次ビクトリア攻防戦では[[地球連合]]が、それぞれ条約を無視した虐殺行為を行うなどの地獄絵図となってしまった。
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== 脚注 ==
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== 資料リンク ==
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*[[GUNDAM:南極条約]]
  
 
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2024年8月21日 (水) 18:37時点における最新版

南極条約は『機動戦士ガンダム』において、一年戦争時に南極にて地球連邦政府ジオン公国の間で結ばれた戦時条約。

概要[編集 | ソースを編集]

南極条約は一年戦争序盤で南極で行われた地球連邦政府とジオン公国の会談にて、当初は開戦からルウム戦役で大勝したジオン側の要求に沿った休戦条約として締結されるはずであった。しかし、その会談中にジオン公国軍の捕虜になっていた地球連邦軍の将校・レビル将軍がジオン公国から脱出。彼がジオンの内情を暴露した演説「ジオンに兵なし」によって、事態は一変する。その結果、連邦政府は態度を豹変させ、ジオン側が休戦を諦めて戦時条約が結ばれるだけに至った。

南極条約の主な内容としては、「核兵器コロニー落としをはじめとした大量殺戮兵器の使用禁止」「サイド6をはじめとした中立地域、グラナダ以外の月面都市、木星船団への戦闘行為の禁止」「捕虜の扱い」について取り決めている[1]

だが、この条約は本来ジオン側が提出してきたものであるにも拘らず、一年戦争中においてジオン側はオデッサ作戦におけるマ・クベ大佐の水爆使用や連邦軍の捕虜であるバスク・オム大佐に対する後遺症が遺るレベルの拷問など、「戦争に勝てば揉み消せる」とばかりに平然と条約違反的な行いを繰り返しており、ほとんど意味を成さないものとなっていた[2][3]

戦後の南極条約[編集 | ソースを編集]

あくまでも戦時条約であった南極条約が、一年戦争が終結した宇宙世紀0080年1月1日の時点で失効した後、『0083』の時代にて、度重なるジオン側の条約無視の抑止及び報復手段として、連邦側では戦術核搭載モビルスーツであるガンダム試作2号機が開発されることになっている[4]。しかし、デラーズ・フリートは、「一年戦争の終戦は、ジオン公国とは無関係の政権であるジオン共和国が勝手に行ったもので、未だに一年戦争は継続中である」と自分勝手な解釈をする形でガンダム試作2号機の開発を条約違反と指摘。地球連邦政府を糾弾する演説を行い、更には明確な条約違反である核兵器の使用だけでなくコロニー落としまで行っている。こういった部分もあってか、連邦側もデラーズ・フリートを始めとするジオン残党軍を、あえてジオンの正規軍とは認めず、「ただのテロリスト集団」として扱うことで、彼らに対して南極条約の一つである「捕虜に対する丁重な扱い」は適用させないことになっており、彼らに関わる者はいずれも連邦側の情報局から容赦のない尋問と拷問を受けることになっている。

しかしながら、南極条約の内容は後の時代にも暗黙の了解(慣習法)として広く認識されており、核兵器の使用などについても禁忌扱いされているらしく、一種の不文律として後の時代に影響を残し続けた。『0083』の時代から50年近く経過した『機動戦士クロスボーン・ガンダム』においても、核兵器を持ちだした木星帝国に対して連邦軍の軍人が「南極条約違反だ」と非難する場面がある。

登場作品[編集 | ソースを編集]

第3次スーパーロボット大戦
ロンド・ベル隊の捕虜となったキャラ・スーンが口にした。内容は原作におけるコズンの台詞と同様のもの。
スーパーロボット大戦A
ガンダム試作2号機が核を装備していることについて、ブライトが南極条約を理由に三輪防人を非難し、それに対して三輪が南極条約は地球人の間で結ばれた条約なので異星人には適応されないと反論しているほか、京四郎は南極条約を守る気がない三輪なら捕虜への拷問くらいはすると予想した。
第3次スーパーロボット大戦α 終焉の銀河へ
ナタルが大気圏突入時のザフトとの戦闘において、「手を出せば南極条約に抵触する」として避難民を乗せたシャトルを射出するが、ザフトによって撃墜されてしまう。
また、ムルタ・アズラエルプラントへの核兵器の無差別投入を命じた時は、三輪が南極条約で禁止されていることを指摘して止めようとしたが、核攻撃は実行されてしまう。
スーパーロボット大戦V

余談[編集 | ソースを編集]

  • 現実世界における「南極条約」とは、南極大陸の平和的利用を目的として制定された「軍事利用の禁止」や「領有権主張の凍結」などを定めた条約のことを指す。
    • SRWでは『DD』の「第1回共闘戦」でこちらの南極条約について触れている。
  • 『トニーたけざきのガンダム漫画』でコズン・グラハムブライト・ノアたちに熱々のおでんを食べさせられるシーンから、ネット上では熱々おでんを食べさせる行為を「南極条約違反」とネタにされている。
  • ガンダムSEED』シリーズにも「コルシカ条約」という捕虜の取り扱いなどを定めた戦時条約が存在している。ただし、絶滅戦争の体をなすほどに憎しみ合いが深刻化してしまったコズミック・イラ世界ではあまり抑止力になっておらず、パナマではザフトが、第三次ビクトリア攻防戦では地球連合が、それぞれ条約を無視した虐殺行為を行うなどの地獄絵図となってしまった。

脚注[編集 | ソースを編集]

  1. ちなみに、南極条約が『機動戦士ガンダム』劇中で初めて言及されたのは、第16話「セイラ出撃」におけるブライト・ノアコズン・グラハムの会話においてであり、この時点では捕虜に対する扱いについての話題だった。
  2. そのくせ自分たちが捕虜の身となると、「南極条約」を盾にする形で身の安全を図ろうとするなど、ジオン側はこの条約を都合の良い形で利用している部分が目立つ。
  3. バスクに対して行った拷問は、ただでさえアースノイド至上主義であった彼に、スペースノイドへの常軌を逸した憎悪を植え付け、後の30バンチ事件グラナダへのコロニー落としといった蛮行にまで繋がっている。
  4. なお、南極条約では核兵器の「使用」は明確に禁止されているものの、「保持」および「開発」についてはあまり言及されていない。

資料リンク[編集 | ソースを編集]