「アデナウアー・パラヤ」の版間の差分

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*[[登場作品]]:[[機動戦士ガンダム 逆襲のシャア]]
 
*[[登場作品]]:[[機動戦士ガンダム 逆襲のシャア]]
 
*[[声優]]:嶋俊介(原作)、中田和宏(Gジェネレーションスピリッツ)
 
*[[声優]]:嶋俊介(原作)、中田和宏(Gジェネレーションスピリッツ)
*種族:地球人
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*種族:地球人([[アースノイド]])
 
*性別:男
 
*性別:男
 
*所属:[[地球連邦政府]]
 
*所属:[[地球連邦政府]]
 
*役職:参謀次官
 
*役職:参謀次官
  
[[地球連邦政府]]の参謀次官で[[クェス・パラヤ|クェス]]の父親。[[シャア・アズナブル]]と和平交渉を行い、彼にアクシズを売却するという失策を犯してしまう。その後シャア艦隊の不意打ちを受け、クェスの[[ヤクト・ドーガ]]の攻撃で死亡する。
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=== 概要と経緯 ===
  
作中にて彼が連れている女性は'''愛人'''で、クェスの母親とは別人。クェスが尋常ではない嫌がり方をしているのはこのためである。つまりは、富野作品によくいる「ダメな親」の典型。仕事の方でも、すでに[[フィフス・ルナ]]を落としているシャアに対し、ご丁寧にもアクシズを売りつけるというダメっぷりを披露しており、'''シャアが嫌悪する地球側の人間達の象徴'''ともいえる。
+
[[地球連邦政府]]の参謀次官<ref>ちなみにアデナウアーの所属についてだが、[[地球連邦政府|連邦「政府」]]なのか、[[地球連邦軍|連邦「軍」]]なのか、明確に描写されていない。実際、[[小説|小説版]]ではアデナウアーの所属について、『政府』または『軍』どちらとも表記されている。もっとも、「参謀」という肩書きからアデナウアーが軍事的な機関に属していることは確かだが、彼は[[ネオ・ジオン]]との交渉の場において軍服を着ていない。以上の点を根拠にして、視聴者の間では「宇宙軍省の高級官僚説」が有力視されている。本頁では、便宜的に「政府」扱いとする。</ref>で、[[クェス・パラヤ|クェス]]の父親。
  
ちなみに彼の所属についてだが、連邦「政府」なのか、連邦「軍」なのか、明確に描写されていない。「参謀」という肩書きから軍事的な機関に属していることは確かだが、「交渉の場で軍服を着ていない」「小説では政府・軍どちらとも書かれている」などなど。一応、視聴者の間では「宇宙軍省の高級官僚」が有力視されている。ここでは便宜的に「政府」扱いとする。
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[[第2次ネオ・ジオン抗争]]時に[[ネオ・ジオン]]総帥[[シャア・アズナブル]]と和平交渉を行うが、彼の巧みな話術に乗せられてネオ・ジオン側に小惑星「[[アクシズ]]」を売却するという大失策を犯してしまう。
  
なお、名前の元ネタは西ドイツの初代首相である「コンラート・アデナウアー」から取られているが、こちらは二次大戦後の荒廃著しい西ドイツの経済復興に尽力した非常に有能かつ偉大な人物(その功績を称えるために、ドイツ各地に彼の名を冠した大通りや橋、建築物が作られたほど)である。
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その後、ネオ・ジオン艦隊の不意打ちを受け、クェスが搭乗していた[[ヤクト・ドーガ (クェス専用)|ヤクト・ドーガ]]の攻撃で死亡した。
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=== キャラクターの総評 ===
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作中にてアデナウアーが連れている女性キャサリンは'''愛人'''で、クェスの母親とは別人である。クェスが尋常ではない嫌がり方をしていたのは、それ故であった。
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この様に私人(家庭人)としてダメなアデナウアーであるが、公人としても、既にフィフス・ルナを落としているシャアに対し、ご丁寧にも小惑星「アクシズ」を売りつけるというダメっぷりを披露している。
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総じて言えば、アデナウアー・パラヤという人物は富野作品によく登場する'''「ダメな親」'''の典型例であり、'''「シャアが嫌悪する[[アースノイド|地球側の人間達]]の象徴」'''である。
  
 
== 登場作品と役柄 ==
 
== 登場作品と役柄 ==
 
=== [[αシリーズ]] ===
 
=== [[αシリーズ]] ===
 
;[[第2次スーパーロボット大戦α]]
 
;[[第2次スーパーロボット大戦α]]
:原作同様の役割だが、序盤から[[三輪防人|三輪]]と交渉したりするので割と目立つ。[[ネオ・ジオン]]との交渉後、いつの間にか登場しなくなる為、原作のようにクェスに殺されたりはしない。単に死亡イベントが描かれなかったともいえるが。ちなみに娘は死亡してしまうものの、ハマーン休戦ルートでは彼の交渉が報われるので、原作よりはよほどマシな扱いであろう。
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:原作同様の役割だが、序盤から[[三輪防人|三輪]]と交渉したりするので割と目立つ。[[ネオ・ジオン]]との交渉後、いつの間にか登場しなくなる為、原作のように[[クェス・パラヤ|クェス]]に殺されたりはしない。単に、「死亡イベントが描かれなかった」とも言えるが…。
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:ちなみに娘は死亡してしまうものの、[[ハマーン・カーン|ハマーン]]休戦ルートではアデナウアーの交渉が報われるので、原作よりはよほどマシな扱いであろう。
  
 
=== [[Zシリーズ]] ===
 
=== [[Zシリーズ]] ===
 
;[[第3次スーパーロボット大戦Z時獄篇]]
 
;[[第3次スーパーロボット大戦Z時獄篇]]
:Zシリーズ初登場で、『第2次α』から約11年ぶりとなった。
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:アデナウアーはZシリーズ初登場で、『第2次α』から約11年ぶりとなった。なお、『第2次α』同様に死亡シーンが描かれず、[[続編]]『[[第3次スーパーロボット大戦Z天獄篇|第3次Z天獄篇]]』においてもアデナウアーのその後の消息は不明である。
:なお、『第2次α』同様に死亡シーンが描かれず、『[[第3次スーパーロボット大戦Z天獄篇|天獄篇]]』でも言及されていないためその後は不明。
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:余談だが、『第3次Z天獄篇』の対ラスボス[[戦闘前会話]]において、クェスが[[アドヴェント|ラスボス]]に対して「あんたは自分勝手な善意を押しつけて、こっちの気持ちなんてお構いなしな所が、お父さん(アデナウアー)と同じだ」と切り捨てる場面が存在している。
  
 
== 人間関係 ==
 
== 人間関係 ==
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=== 家族 ===
 
;[[クェス・パラヤ]]
 
;[[クェス・パラヤ]]
:娘。情けないくせに愛人を囲うなどしたために失望されている。結果的に彼女によって殺害される事になる。
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:娘。情けないくせに愛人を囲う等したために、失望されている。結果的に、アデナウアーはクェスによって殺害される事になる。
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;キャサリン
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:'''愛人'''。当然、クェスとうまくいかず、彼女と[[宇宙]]へ行くのを拒んだ。SRW未登場。
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=== 地球連邦 ===
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;ジョン・バウアー
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:[[地球連邦政府]]の高官。劇中では名前のみの登場だが、アデナウアーとも関わりが有る模様。SRW未登場。
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;[[ブライト・ノア]]
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:[[地球連邦軍]]独立部隊[[ロンド・ベル]]司令。ブライトの艦である[[ラー・カイラム]]に一時同乗。シャアとの交渉終了後、彼にアクシズを[[ネオ・ジオン]]に売却してしまった事の危険性を追求されたが、アデナウアーは意に介さなかった。
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:その後、ブライト率いる'''ロンド・ベルはアデナウアーの失策の尻拭いをするハメになってしまった'''。
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;[[ミライ・ヤシマ|ミライ・ノア]]、[[ハサウェイ・ノア]]、チェーミン・ノア
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:ブライトの妻子。彼女達は宇宙行きのシャトルを待っていたのだが、'''アデナウアーが無理矢理割り込んだ為にシャトルに乗れなくなってしまう'''。
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:なお、愛人キャサリンが宇宙行きのシャトルに搭乗するのを拒否したので、代わりにハサウェイがパラヤ父娘と共にシャトルに同乗する事になる。
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;[[カムラン・ブルーム]]
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:会計監査局の一員として、アデナウアーのネオ・ジオンとの交渉の場に同行する。
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=== ナオ・ジオン ===
 
;[[シャア・アズナブル]]
 
;[[シャア・アズナブル]]
:彼と和平交渉をするが…。
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:[[ネオ・ジオン]]総帥。[[フィフス・ルナ]][[地球]]落下後に、彼と和平交渉をするが…。
;[[ブライト・ノア]]
 
:ブライトの艦である[[ラー・カイラム]]に一時同乗。シャアとの交渉終了後、彼にアクシズを[[ネオ・ジオン]]に売却してしまった事の危険性を追求されたが、アデナウアーは意に介さなかった。
 
:その後、ブライト率いる'''[[ロンド・ベル隊]]はアデナウアーの失策の尻拭いをするハメになってしまった'''。
 
;キャサリン
 
:愛人。当然、クェスとうまくいかず、彼女と宇宙へ行くのを拒んだ。SRW未登場。
 
  
 
== 他作品との人間関係 ==
 
== 他作品との人間関係 ==
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;[[ハマーン・カーン]]
 
;[[ハマーン・カーン]]
 
:『[[第2次スーパーロボット大戦α|第2次α]]』では彼女と交渉する事に。休戦ルートではそのお陰でシャアがアクシズを落とせない事態になったが、正史である拒絶ルートでは結局ハマーンがアクシズをシャアに明け渡す事に…。
 
:『[[第2次スーパーロボット大戦α|第2次α]]』では彼女と交渉する事に。休戦ルートではそのお陰でシャアがアクシズを落とせない事態になったが、正史である拒絶ルートでは結局ハマーンがアクシズをシャアに明け渡す事に…。
:無論、彼女には「俗物」と見下されている。
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:無論、アデナウアーはハマーンから'''「俗物」'''と見下されている。
 
;[[シーマ・ガラハウ]]
 
;[[シーマ・ガラハウ]]
:『第2次α』では彼女の手引きでハマーンと交渉した。
+
:『第2次α』では、彼女の手引きでハマーンと交渉した。
 
;[[エイパー・シナプス]]
 
;[[エイパー・シナプス]]
:『第2次α』ではアデナウアーのやり方に内心不満を持っていた。
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:『第2次α』では、アデナウアーのやり方に内心不満を持っていた。
 
;[[リディ・マーセナス]]
 
;[[リディ・マーセナス]]
:『[[第3次スーパーロボット大戦Z時獄篇|第3次Z時獄篇]]』では政府関係者であるためか、彼の家のことをよく知っており、初対面で父親であるローナンの息子だと即座に気づいた。
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:『[[第3次スーパーロボット大戦Z時獄篇|第3次Z時獄篇]]』では、政府関係者であるためか、彼の家のことをよく知っており、初対面で父親である[[ローナン・マーセナス|ローナン]]の息子だと即座に気付いた。
  
 
=== スーパー系 ===
 
=== スーパー系 ===
 
;[[三輪防人]]
 
;[[三輪防人]]
:『[[第2次スーパーロボット大戦α|第2次α]]』では序盤で彼と交渉する。アデナウアーの方が立場が上の為、三輪に難題を押しつけて反感を買う事になるが、一応、三輪に難題を押し付けた事に責任を感じている節はある。
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:『[[第2次スーパーロボット大戦α|第2次α]]』では序盤で彼と交渉する。
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:アデナウアーの方が立場が上の為、三輪に難題を押しつけて反感を買う事になるが、一応、三輪に難題を押し付けた事に責任を感じている節はある。
 
;[[大文字洋三]]
 
;[[大文字洋三]]
 
:『第2次α』ではシナプスと同様にアデナウアーへ内心不満を募らせていた。
 
:『第2次α』ではシナプスと同様にアデナウアーへ内心不満を募らせていた。
  
 
== 名台詞 ==
 
== 名台詞 ==
;「神様…」
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;「[[神|神様]]…」
:乗っているシャトルのすぐ近くでMS戦が起こって、一人縮こまってのセリフ。娘である[[クェス・パラヤ|クェス]]に唾を吐かれてしまう。
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:乗っているシャトルのすぐ近くでMS戦が起こって、一人縮こまってのセリフ。故に、娘である[[クェス・パラヤ|クェス]]に唾を吐かれてしまう。
:[[小説]]ではさらに、コックピットに通じるドアを叩いて絶叫するという見苦しい行動に出る。
+
:[[小説|小説版]]ではさらに、コックピットに通じるドアを叩いて絶叫するという見苦しい行動に出る。
;「隕石のアクシズを売った金で連邦政府の福祉政策が充実するんだぞ。でなければ、[[シャア・アズナブル|シャア]]はコロニー潰しをかけると言ったんだ」
+
;「隕石のアクシズを売った[[資金|金]]で、[[地球連邦政府|連邦政府]]の福祉政策が充実するんだぞ。でなければ、[[シャア・アズナブル|シャア]]は『コロニー潰しを掛ける』と言ったんだ」
:シャアとの交渉終了後に[[アクシズ]]を売った危険性をブライトに追求されての発言。これに対し[[ブライト・ノア|ブライト]]はシャアが[[コロニー]]潰しではなく[[地球]]潰しを狙っていると反論するが、アデナウアーは全く意に介さなかった。
+
:シャアとの交渉終了後に[[アクシズ]]を売った危険性を[[ブライト・ノア|ブライト]]に追求されての発言。
:そもそも福祉政策というのも、地球にいる一部の特権階級の人間のみが恩恵を受ける物であったと思われる。
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:これに対し、ブライトは「シャアが[[スペースコロニー|コロニー]]潰しではなく、[[地球]]潰しを狙っている!」と反論するが、アデナウアーは全く意に介さなかった。
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:そもそも福祉政策というのも、[[アースノイド|地球にいる一部の特権階級の人間のみ]]が恩恵を受ける物であったと思われる。
 
;「当たり前だ。貴官らが地球の危機だと判断したら、いつでも動け」
 
;「当たり前だ。貴官らが地球の危機だと判断したら、いつでも動け」
:ブライトに「[[ロンド・ベル]]は独自の行動をとらせていただきます」と言われた際の返し。無責任に事態を投げているようにも見えるが、この言質があったからこそロンド・ベルが[[ネオ・ジオン]]を独自に追う事が可能になったのも事実である。
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:ブライトに「[[ロンド・ベル]]は独自の行動をとらせていただきます」と言われた際の返し。
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:無責任に事態を投げているようにも見えるが、この言質があったからこそロンド・ベルが[[ネオ・ジオン]]を独自に追う事が可能になったのもまた事実である。
 
;「なんで逃げん!?」
 
;「なんで逃げん!?」
:ネオ・ジオンの裏切りにより連邦艦隊がやられていくのを見ての一言。その直後、娘に殺されるという皮肉な最期を迎えることに……。
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:ネオ・ジオンの[[裏切りイベント|裏切り]]によって[[地球連邦軍|連邦艦隊]]がやられていくのを見ての一言。その直後、娘に殺されるという皮肉な最期を迎えることになった…。
  
 
== スパロボシリーズの名台詞 ==
 
== スパロボシリーズの名台詞 ==
;「大空魔竜戦隊を火星へ向かわせる代わりに、そちらへジム部隊を派遣する」
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;「[[大空魔竜戦隊]]を[[火星]]へ向かわせる代わりに、そちらへジム部隊を派遣する」
:『[[第2次スーパーロボット大戦α|第2次α]]』序盤における三輪との交渉で。この台詞を読んで思わず噴いたプレイヤーは多いだろう。いくら何でも強力なスーパーロボット軍団と[[ジム]]部隊では釣り合うはずがない。次のシーンで[[剛健太郎]]からそれを聞いた大文字博士も呆れたのか、「……わかりました」と返している。ただ、おかげで大空魔竜戦隊としては三輪から一時的に離れる事ができたので、その点だけは結果オーライともいえる。
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:『[[第2次スーパーロボット大戦α|第2次α]]』序盤における[[三輪防人|三輪]]との交渉場面より。この台詞を読んで思わず噴いたプレイヤーは多いだろう。いくら何でも、強力な[[スーパーロボット]]軍団と[[ジム]]部隊では釣り合うはずがない。
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:次のシーンで[[剛健太郎]]からそれを聞いた[[大文字洋三|大文字博士]]も呆れたのか、「……わかりました」と返している。ただし、そのおかげで大空魔竜戦隊としては三輪から一時的に離れる事ができたので、その点だけは「結果オーライ」だったとも言える。
 
;「せっかく親子が再会したのだ。少しでも一緒の時間があったほうがいいだろう」<br/>「それに私も娘を連れている。娘も彼がいたほうが喜ぶだろうしな」
 
;「せっかく親子が再会したのだ。少しでも一緒の時間があったほうがいいだろう」<br/>「それに私も娘を連れている。娘も彼がいたほうが喜ぶだろうしな」
:『[[第3次スーパーロボット大戦Z時獄篇|第3次Z時獄篇]]』にて。原作でのアデナウアーを見ると粋な計らいとも言えなくも無いが、彼が言っても説得力に欠けるのも事実である。
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:『[[第3次スーパーロボット大戦Z時獄篇|第3次Z時獄篇]]』より。原作でのアデナウアーを見ると粋な計らいとも言えなくも無いが、彼が言っても説得力に欠けるのもまた事実である。
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== 余談 ==
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*アデナウアー・パラヤの名前の元ネタは、西ドイツの初代首相であるコンラート・アデナウアー(1876~1967)から取られている。
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**ちなみに、コンラート・アデナウアーは第二次世界大戦を経て荒廃著しい西ドイツの経済復興に尽力した非常に有能かつ偉大な人物(その功績を称えるために、ドイツ各地に彼の名を冠した大通りや橋、建築物が作られた程)である。
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== 脚注 ==
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<references />
  
 
== 資料リンク ==
 
== 資料リンク ==

2016年5月15日 (日) 11:49時点における版

アデナウアー・パラヤ(Adenauer Paraya)

概要と経緯

地球連邦政府の参謀次官[1]で、クェスの父親。

第2次ネオ・ジオン抗争時にネオ・ジオン総帥シャア・アズナブルと和平交渉を行うが、彼の巧みな話術に乗せられてネオ・ジオン側に小惑星「アクシズ」を売却するという大失策を犯してしまう。

その後、ネオ・ジオン艦隊の不意打ちを受け、クェスが搭乗していたヤクト・ドーガの攻撃で死亡した。

キャラクターの総評

作中にてアデナウアーが連れている女性キャサリンは愛人で、クェスの母親とは別人である。クェスが尋常ではない嫌がり方をしていたのは、それ故であった。

この様に私人(家庭人)としてダメなアデナウアーであるが、公人としても、既にフィフス・ルナを落としているシャアに対し、ご丁寧にも小惑星「アクシズ」を売りつけるというダメっぷりを披露している。

総じて言えば、アデナウアー・パラヤという人物は富野作品によく登場する「ダメな親」の典型例であり、「シャアが嫌悪する地球側の人間達の象徴」である。

登場作品と役柄

αシリーズ

第2次スーパーロボット大戦α
原作同様の役割だが、序盤から三輪と交渉したりするので割と目立つ。ネオ・ジオンとの交渉後、いつの間にか登場しなくなる為、原作のようにクェスに殺されたりはしない。単に、「死亡イベントが描かれなかった」とも言えるが…。
ちなみに娘は死亡してしまうものの、ハマーン休戦ルートではアデナウアーの交渉が報われるので、原作よりはよほどマシな扱いであろう。

Zシリーズ

第3次スーパーロボット大戦Z時獄篇
アデナウアーはZシリーズ初登場で、『第2次α』から約11年ぶりとなった。なお、『第2次α』同様に死亡シーンが描かれず、続編第3次Z天獄篇』においてもアデナウアーのその後の消息は不明である。
余談だが、『第3次Z天獄篇』の対ラスボス戦闘前会話において、クェスがラスボスに対して「あんたは自分勝手な善意を押しつけて、こっちの気持ちなんてお構いなしな所が、お父さん(アデナウアー)と同じだ」と切り捨てる場面が存在している。

人間関係

家族

クェス・パラヤ
娘。情けないくせに愛人を囲う等したために、失望されている。結果的に、アデナウアーはクェスによって殺害される事になる。
キャサリン
愛人。当然、クェスとうまくいかず、彼女と宇宙へ行くのを拒んだ。SRW未登場。

地球連邦

ジョン・バウアー
地球連邦政府の高官。劇中では名前のみの登場だが、アデナウアーとも関わりが有る模様。SRW未登場。
ブライト・ノア
地球連邦軍独立部隊ロンド・ベル司令。ブライトの艦であるラー・カイラムに一時同乗。シャアとの交渉終了後、彼にアクシズをネオ・ジオンに売却してしまった事の危険性を追求されたが、アデナウアーは意に介さなかった。
その後、ブライト率いるロンド・ベルはアデナウアーの失策の尻拭いをするハメになってしまった
ミライ・ノアハサウェイ・ノア、チェーミン・ノア
ブライトの妻子。彼女達は宇宙行きのシャトルを待っていたのだが、アデナウアーが無理矢理割り込んだ為にシャトルに乗れなくなってしまう
なお、愛人キャサリンが宇宙行きのシャトルに搭乗するのを拒否したので、代わりにハサウェイがパラヤ父娘と共にシャトルに同乗する事になる。
カムラン・ブルーム
会計監査局の一員として、アデナウアーのネオ・ジオンとの交渉の場に同行する。

ナオ・ジオン

シャア・アズナブル
ネオ・ジオン総帥。フィフス・ルナ地球落下後に、彼と和平交渉をするが…。

他作品との人間関係

ガンダムシリーズ

ハマーン・カーン
第2次α』では彼女と交渉する事に。休戦ルートではそのお陰でシャアがアクシズを落とせない事態になったが、正史である拒絶ルートでは結局ハマーンがアクシズをシャアに明け渡す事に…。
無論、アデナウアーはハマーンから「俗物」と見下されている。
シーマ・ガラハウ
『第2次α』では、彼女の手引きでハマーンと交渉した。
エイパー・シナプス
『第2次α』では、アデナウアーのやり方に内心不満を持っていた。
リディ・マーセナス
第3次Z時獄篇』では、政府関係者であるためか、彼の家のことをよく知っており、初対面で父親であるローナンの息子だと即座に気付いた。

スーパー系

三輪防人
第2次α』では序盤で彼と交渉する。
アデナウアーの方が立場が上の為、三輪に難題を押しつけて反感を買う事になるが、一応、三輪に難題を押し付けた事に責任を感じている節はある。
大文字洋三
『第2次α』ではシナプスと同様にアデナウアーへ内心不満を募らせていた。

名台詞

神様…」
乗っているシャトルのすぐ近くでMS戦が起こって、一人縮こまってのセリフ。故に、娘であるクェスに唾を吐かれてしまう。
小説版ではさらに、コックピットに通じるドアを叩いて絶叫するという見苦しい行動に出る。
「隕石のアクシズを売ったで、連邦政府の福祉政策が充実するんだぞ。でなければ、シャアは『コロニー潰しを掛ける』と言ったんだ」
シャアとの交渉終了後にアクシズを売った危険性をブライトに追求されての発言。
これに対し、ブライトは「シャアがコロニー潰しではなく、地球潰しを狙っている!」と反論するが、アデナウアーは全く意に介さなかった。
そもそも福祉政策というのも、地球にいる一部の特権階級の人間のみが恩恵を受ける物であったと思われる。
「当たり前だ。貴官らが地球の危機だと判断したら、いつでも動け」
ブライトに「ロンド・ベルは独自の行動をとらせていただきます」と言われた際の返し。
無責任に事態を投げているようにも見えるが、この言質があったからこそロンド・ベルがネオ・ジオンを独自に追う事が可能になったのもまた事実である。
「なんで逃げん!?」
ネオ・ジオンの裏切りによって連邦艦隊がやられていくのを見ての一言。その直後、娘に殺されるという皮肉な最期を迎えることになった…。

スパロボシリーズの名台詞

大空魔竜戦隊火星へ向かわせる代わりに、そちらへジム部隊を派遣する」
第2次α』序盤における三輪との交渉場面より。この台詞を読んで思わず噴いたプレイヤーは多いだろう。いくら何でも、強力なスーパーロボット軍団とジム部隊では釣り合うはずがない。
次のシーンで剛健太郎からそれを聞いた大文字博士も呆れたのか、「……わかりました」と返している。ただし、そのおかげで大空魔竜戦隊としては三輪から一時的に離れる事ができたので、その点だけは「結果オーライ」だったとも言える。
「せっかく親子が再会したのだ。少しでも一緒の時間があったほうがいいだろう」
「それに私も娘を連れている。娘も彼がいたほうが喜ぶだろうしな」
第3次Z時獄篇』より。原作でのアデナウアーを見ると粋な計らいとも言えなくも無いが、彼が言っても説得力に欠けるのもまた事実である。

余談

  • アデナウアー・パラヤの名前の元ネタは、西ドイツの初代首相であるコンラート・アデナウアー(1876~1967)から取られている。
    • ちなみに、コンラート・アデナウアーは第二次世界大戦を経て荒廃著しい西ドイツの経済復興に尽力した非常に有能かつ偉大な人物(その功績を称えるために、ドイツ各地に彼の名を冠した大通りや橋、建築物が作られた程)である。

脚注

  1. ちなみにアデナウアーの所属についてだが、連邦「政府」なのか、連邦「軍」なのか、明確に描写されていない。実際、小説版ではアデナウアーの所属について、『政府』または『軍』どちらとも表記されている。もっとも、「参謀」という肩書きからアデナウアーが軍事的な機関に属していることは確かだが、彼はネオ・ジオンとの交渉の場において軍服を着ていない。以上の点を根拠にして、視聴者の間では「宇宙軍省の高級官僚説」が有力視されている。本頁では、便宜的に「政府」扱いとする。

資料リンク