概要
『SDガンダム外伝III アルガス騎士団』から登場する異国のガンダム族。
アルガス騎士団法術隊隊長。アルガス一の魔力の持ち主。雷に炎、光や熱気を操作して繰り出す法術は強烈の一言。
実家が騎士の家系である為元々は騎士アレックス直属の騎士団に所属していたが、僧侶ガンタンクIIに実力を見出されて以降法術士としての道を歩む。
登場作品と役柄
携帯機シリーズ
- スーパーロボット大戦BX
- 初登場作品。担当声優の遠藤章史氏も本作でスパロボ初参加を果たした。
- 他の騎士団の面々と違いとんと消息が知れなかったがなんとヴェイガンのコロニー・セカンドムーンにおり、どんなに具合が悪い体もすぐ治してしまう凄腕の医者として知れ渡っていた。その為参入もヴェイガンとの決着を付ける第41話とかなり遅め。顔出し自体もドラゴンベビーが造り上げたニューシャドウを変身させた偽者の方が先。なお、攻略本では梟の杖を手に持った立ち絵が表示されているが、実際のゲーム中では偽者・本物共に元々自前で持っていた方の杖を手に持っている(梟の杖は本物がギガファン使用時に取り出す)。
- SDガンダム外伝ユニットでは唯一の射撃武器持ち。武装は雷系法術のファンネル系統のみで、ギガソーラはイベントのみ[1]。何の因果かAGE系と相性の良い機体ボーナスを所有しているものの、やはり参入の遅さがネックか。主要ボス格との特殊戦闘台詞は軒並み収録されているため、DLC「Brand new X」で聞くことができる。
- ちなみに実際のカードダスではアルガス騎士団の中で彼だけレア度が高い(本作だとスペリオルやネオブラックと同等の専用ホロ仕様)為、戦闘中のキラカード演出が先に挙げた二人と共に専用ホロ仕様となっているなど実に芸が細かい。
装備・機能
武装
- ナイトスラッガー
- 頭頂部の角飾り。武器として使えるわけではない。
- ファンネル・スケイル
- 背中にある6枚の鱗状の装備。展開されると宙に浮き魔法の増幅に使ったりできる設定。
- 杖
- 打撃にも使える魔法の杖。名称は不明。梟の杖入手後も二刀流のように片手で持って使用する。
- モチーフはνガンダムのカスタムビームサーベル。
- 梟の杖
- アルガス王国に敵対するジオン族の騎士バウから奪い取った伝説の武具。
- 後に「アルガス神器」と呼ばれることになる。漫画版では本来は魔獣ジオダンテの専用装備なので「ジオダンテの武器」と呼ばれていた。
- ファン / ファンネル / メガファン
- 電系の魔法。天空から稲妻を呼び寄せる。名称は「ファンネル」にちなむ。
- 『BX』では「ファンネル」、「メガファン」を使用。前者が威力低めのP武器、後者が威力高めの長射程武器。通常の物理上の電気とは異なる魔法の雷のためなのか、運動性低下の特殊効果は付いていない(「ギガファン」も同様)。
- ギガファン
- SFC版RPG『大いなる遺産』が初出となる電系最上位攻撃魔法。同作では「ファンの書」を紐解いた者だけが習得していた。
- BX:右手の杖と左の「梟の杖」の交錯で生じた電流を得物の先端部に溜め込み上空へと放射。電撃を浴びて鳴動する黒雲から降り注がんとする帯状の稲妻を、杖に宿した魔力で目標に誘導。雷光で炙り尽くす。
- ルフィラー / ムービルフィラ /メガルフィラー
- 弾系魔法。貫通力の高い光線を放射する。ビームライフルのアナグラム。
- サーベ / ムービサーベ / メガサーベ
- 斬系魔法。カマイタチの現象で目標を切り裂く。ビームサーベルのアナグラム。
- バズ / バズレイ
- 爆系魔法。爆風で集団を吹き飛ばす。バズーカのアナグラム。FC版『騎士ガンダム物語2』ではメガバズを習得したが、『大いなる遺産』では習得しない。
- ソーラ / ソーラレイ / メガソーラ
- 光系魔法。目標を光熱の力で消滅させる効果。上位の魔法になるにつれ効果範囲が拡大されていく。メガソーラは『BX』のイベントで使用(ただし偽物だが)。
- ギガソーラ
- ニューガンダムのみが「ソーラの書」を紐解くことで習得を許される光系最上位の攻撃魔法。光熱に耐性のないものを一撃で打ち滅ぼし、耐性のあるものには痛打を浴びせる効果をもつ。
- OVA版では僧侶メタスと協力して発動させている。
- 『BX』ではイベントで使用しザナルドを葬っているが、ヴェイガンフラグが成立している場合は代わりにゼハートとアセムが引導を渡すため、未使用となる。
必殺技
- フェーン爆風陣
- ほしの竜一氏の漫画版、FC版で披露した熱気を操る法術。掌から放つ熱風で臨界点を引き起こす。FC版では敵集団を「火だるま」状態にし、ターン毎に固定ダメージを与え続ける効果。
- 雷炎撃魔法陣
- 『バトルドッジボール』及び『バトルドッジボールIII』での必殺技。激しい稲妻を巻き起こす攻撃魔法で、同作の必殺技の中では最強の威力を持つが同時に消費コストも最大。『BX』では上記のメガファンの戦闘アニメはこの技を原型にしている。
- ジアマーL1
- 全属性1000軽減のバリア。L1とあるのは上位版のL2をネオブラックドラゴンが持つ為。
- なお「ジアマー」は『大いなる遺産』で登場した1ターンの間攻撃を無効化する補助魔法だが、同作ではニューは習得しない(覚えるのは騎士アレックス)。なぜ使えるのだろう…。
移動タイプ
- 陸
- MS族の常として水中戦闘を苦手とする。
- SS
機体ボーナス
- BX
-
- 初期段階:照準値+5 EN+50
- 第二段階:照準値+10 EN+75 射程+1
- 第三段階:照準値+20 EN+100 射程+2
- 第三段階:照準値+30 EN+150 射程+2 射撃武器+100
パイロットステータス設定の傾向
- BX
- 必中、集中、直撃、狙撃、熱血
- BX
- 騎士、底力L7、援護攻撃L2、援護防御L2、全体攻撃L2、ガンファイトL1、ヒット&アウェイ
パイロットBGM
- 「巨人との戦い」
人間関係
アルガス王国
- 騎士アレックス
- 尊敬する騎士団の団長。
- 剣士ゼータ
- 騎馬隊隊長を務める同僚。従兄弟で弟弟子。
- 闘士ダブルゼータ
- 戦士隊の隊長を務める同僚。
- 僧侶メタス
- 副官。
- 僧侶ガンタンクII
- 部下。彼に実力を見出されて以降法術士としての道を歩む。
- 修行僧ジムキャノン
- 部下。
- 剣士リ・ガズィ
- 騎馬隊の副官。従兄弟で弟弟子。カードダスハーフの小説ではニューより剣術の腕は上。
- ブレックス王
- アルガス国王。
ムンゾ帝国
- 騎士バウ
- ジオン三魔団の一人。激闘の末、梟の杖を奪取する。
ラクロア王国
- 騎士アムロ
- ラクロアの騎士。修行で赴いたアルガス王国において指揮力とMS族顔負けの武勇を認められ、行方不明中の騎士アレックスに代わるアルガス騎士団の団長に選ばれる。
- ほしの竜一氏の漫画版では当初は彼が団長に選ばれた事に納得がいかず、本気で戦ったこともある。
- バーサル騎士ガンダム
- 共にムーア界へと赴いた仲間。
- ニューシャドウ
- 法術士ニューの影が実体化したモンスター。
その他
- 法術士デュオ
- 『鎧闘神戦記』に登場。法術士ニューの転生体。戦いの最中、かつての装備である梟の杖を手にする。
他作品との人間関係
- フェザール・イゼルカント
- 『BX』では彼によりヴェイガンに招かれ、ゼハートの補佐を任される。しかし…
- ゼハート・ガレット
- 『BX』ではイゼルカントより全権を託された彼の部下となり、「真なる光」となるべき彼を導く。生存フラグが成立していた場合、ヴェイガンギア・シドの攻撃の直前に転移魔法を使い、アセムと共に彼の生命を救う。
- フラム・ナラ、レイル・ライト
- 『BX』では彼らとともに、同格の副官としてゼハートを補佐する。
- ザナルド・ベイハート
- 『BX』ではゼハートが死亡している場合、後述の名台詞と共に彼に引導を渡す。
- キャプテン・アッシュ
- 『BX』ではメガラニカ攻防戦にてゼハートに差し迫る彼を法術で足止めし、ゼハートの撤退を援護する。
- ランカ・リー
- 『BX』ではセカンドムーンにて彼女と遭遇しており、自身の存在を彼女から騎士ガンダムや他のアルガス騎士団の面々に伝えられる事になる。
- 白鳥九十九
- 『BX』では元一朗に撃たれた彼に回復魔法をかけ助けている。
名台詞
- 「魔物共め、光の中に消えよっ…、ギガソーラッ!」
- カードダスでのセリフ。
- 『BX』ではザナルドに対しトドメを刺す際に「その身に巣食った多くの魔物を消す」として、DVEで再現された。
- 「一応はブレックス王の命令…そうはいきません…。我々もお供します…しかしアムロ殿の力を認めるまでは、我らは皆対等です…そのおつもりで…」
- FC版『ナイトガンダム物語2 光の騎士』において、「協力し合えないなら一人の方がマシ」と言い放ったアムロに対して。渋々と言った感じではあるが、ゼータやダブルゼータに比べると協調的である。
- ほしの竜一氏の漫画版では隊長クラスの中では唯一認めず、本気で戦闘を仕掛けていたのとは対照的である。
- ダブルゼータ「後は頼んだぞ!」
ニュー「勝手な奴…」
- OVA3巻より。ジオダンテの戦いの中、ユイリィ姫を救い出したもののそのまま体内に取り込まれたダブルゼータの様子を見て、思わず愚痴る。
- 「ガンダム一族も昔のままではありません。だからニュー(新しい)なんですよ」
- ほしの竜一氏の漫画版において、ガンダム族でありながら魔法が使える事をバーサル騎士ガンダムに聞かれて。この設定はおそらくこの漫画独自のものであるため、さして気に留める必要はない。
スパロボシリーズの名台詞
- (ゼハート・ガレット…。あの男の信念はまぎれもなく本物…。だが…)
「ガンダムに選ばれし者と、ガンダム族の私が巡り合ったのも、おそらく『導きのハープ』の誘い…」
「だからこそ、変えなければならない…。彼を真なる光へと…」
- 『BX』第38話「たったひとつの望み」エンドデモより。ゼハートとフラムの会話を陰から見て。ヴェイガンの民全てを導く運命を一人で背負うゼハート。ニューはその信念は認めつつも、このままでは彼の心が危ういと気づいていた。BXとは違った立場で『ガンダム』に選ばれた者を導くべくニューも動き出そうとしていた。
- 「白鳥少佐の傷、私に診せてもらえないだろうか?」
- 『BX』第39話「どこにでもある『正義』」より。瀕死の九十九を抱えて逃げるブライティクス代表達の前に現れて。このおかげで九十九は何とか命を拾い、第41話で復活を果たすことになる。
- 「ヴェイガンの光は、大いなる輝きへと昇華された…!私のヴェイガンでの役目は終わった!これより私はアルガス騎士団、法術隊隊長法術士ニューに戻る!」
- 『BX』第41話「君の中の英雄」より、ゼハートらの生存フラグが成立した場合の初戦闘時の台詞。アセムと和解し、ヴェイガンのみならず全ての生命を守る事を決意したゼハートは、遂に「真なる光」となった。彼を導くニューの役目はここで終わり、アルガス騎士団の一員として決意を新たに戦いへ赴く。
- 「あれが地球とヴェイガンのガンダムが手を取り合った力…」
- 同じく41話にて、ヴェイガンギア・シドにハッキングされてセカンドムーンに砲口を向けたザムドラーグを、地球とヴェイガンのガンダムが、息の合ったコンビネーションの合体技「メモリー・オブ・エデン」で撃破したのを見て。
- 「なるほど…そう考えれば納得はいく」
「我らがこの世界において流れ着いたのは、巨悪に対し立ち向かう意志を持つ人達のところだった」
「私の場合は、巨悪は地球人ではなく、あの状況だと思っている」
「そしてそれが、それぞれの正義を磨き上げたのだ…」
- 『BX』キャンペーンマップ「無限の死者」より。バーサル騎士ガンダムが地球のあるこの世界とスダ・ドアカワールドには確実に何らかの繋がりがあると確信したことを受けて、自分達アルガス騎士団が散り散りに飛ばされたことについて改めてその意味を見つめ直した台詞。来るべき対話に向けていまだ統一されぬ地球の意志、機界昇華の脅威、敢えて侵略を推し進めんとした男の野望、そしてヴェイガンが立たされた苦況そのものと、各々「巨悪」と戦ってきたことに、この世界に飛ばされてきた運命のようなものを感じ取っている。
余談
- 称号に使われている「法術」は、ファンタジー作品ではもっぱら魔法の別名として用いられているが、本来は「法律を実際に運用すること」「法律によって国を治める術。法家の術」という定義が一般的。ただし仙人や巫女の使う術を意味する「方術」の同義語としての用法も一応昔からある。
- 担当声優の遠藤章史氏は他の騎士ガンダムの声優と比較して、ラジオドラマ等での出演が多く、近年のアニメ・ゲームでの出演が非常に少ないため、出演を心配する声が多かった。
- 杉田智和からも公式ラジオで「一人だけ名前が出てこない」と言われていた。
- ちなみにゲームへの出演は2000年発売の『ブレイブサーガ2』(同作のオリジナル主人公・シズマ役を担当)以来となる模様。
- 法術士ニューをはじめ、武者頑駄無の武者丹宇やコマンド戦記のガンイーグルν等νガンダムをモチーフとしたSDキャラは、厳密にはνガンダムというより「CCA-MSV」に設定上存在する背中のサーベルラックを廃してフィン・ファンネルを左右両側に装備したνガンダムダブル・フィン・ファンネル装備型(SRW未登場)をモチーフとしている事が圧倒的に多い。本来のνガンダムの(片側に寄ったフィン・ファンネルによる)左右非対称な造形より、こちらの方がアレンジに収めやすいのであろう。
- νガンダムのフィン・ファンネルが「翻したマント」という騎士向きなものをモチーフにしている事を考えれば皮肉な話である。
- 法術士ニューのフィン・ファンネルが魚鱗モチーフなのは、騎士ガンダムのパワーアップ案である水の騎士・騎士ガンダムMkII(νガンダムがモチーフ)のデザインが騎士アレックスに流用され、その時にデザインされたファンネル・スケイルx2がそのまま法術士ニューの装備になったため。
脚注
- ↑ そうなった理由は、攻略本に掲載されたインタビュー中の宇田Pによれば「サンライズの担当者と相談したところ、OVAの(稲妻の)演出をベースにするならファン系の方でと決着した」とのこと。
- ↑ 『BX』でギガファンを詠唱することから『大いなる遺産』を参照した。同作で回復魔法を習得することはない。