ケンプファー

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MS-18E ケンプファー(Kampfer / Kempffpelz)

※「ドイツ語」で「Kempffpelz

ジオニック社が開発したジオン公国軍の強襲用モビルスーツ。その名はドイツ語で「闘士」を意味する。

強襲用として機動性や運動性を徹底的に追求した機体であり、全身に装備された大推力スラスターやアポジモーターにより前傾姿勢での高速滑走が可能。単機での強襲ポイント制圧を実現するため全身に大量の武器を装備でき、火力も非常に高い。それらの武器はジェネレーターの消費を避けるためほとんどが実弾兵器であり、弾を撃ち尽くした後はジョイントパーツごと廃棄する事でデッドウェイトにならないようになっている。

機動力を向上させるため装甲は極端なまでに軽量化・排除(スカートアーマーすら無い)が図られており、防御力は低い。防御力が犠牲にされているのは強襲後の帰還を想定していないためであり、そうした設計思想はむき出しのスラスターや廃棄を前提とした武装などにも表れている。

また特殊部隊での運用を想定しているため、機体の分解・組立が容易な構造となっている。劇中ではサイクロプス隊が民間物資に偽装した本機のパーツをサイド6に持ち込み、現地で組み立てて完成させるまでの経緯が細かく描写されており、『0080』のテーマの1つである「中立地帯での局地戦」を垣間見ることができる。

サイクロプス隊のミハイル・カミンスキーが搭乗し、グレイファントムに所属するスカーレット隊のモビルスーツを単機で全滅させている。その後、クリスチーナ・マッケンジーガンダムNT-1と交戦しチェーンマインを用いて攻撃を加えるが、爆発を受けてもチョバムアーマーが破壊されただけでアレックスは無傷であった。やむなくビームサーベルで接近戦を挑むが、ガトリングの掃射をまともに受け、蜂の巣にされ撃破された。

ジオンが最後に開発した機体と設定されているが、同じ設定のジオングとは別系統で開発されているので設定の矛盾というわけではない。また、『0080』に登場するモビルスーツ類のデザインは『機動戦士ガンダム』のものを出渕氏の手によりリメイクしたものだが、ケンプファーだけはオリジナルである。

登場作品と操縦者

旧シリーズ

第3次スーパーロボット大戦
ディバイン・クルセイダーズの戦力として登場。ガルマ・ザビランバ・ラル黒い三連星といった一年戦争エースパイロットがよく乗ってくる。序盤で敵として出てきたときは高めの耐久力や命中補正が高いショットガンがやっかい。しかし、最大射程が3しかないので射程外から攻撃しやすくわりと戦いやすい。中盤味方ユニットとして入手できる。入手した時点では耐久力などはそこそこだが、最大射程が3で使い勝手がよくない。ショットガンの命中補正が非常に高いので、弱いパイロットやレベルが追い付いてないパイロットのレベル上げに便利。
第4次スーパーロボット大戦S
DCノイエDCティターンズ、の戦力として登場。チェーンマインの少し威力が高めで厄介。主に一般兵用として運用されるほか、ランバ・ラルグフの代わりに乗ってくる。ラルが乗ってくる機体は序盤にしては改造段階が高く、リアル系ユニットでは苦戦する。
主人公に恋人がいる選択をした場合に行ける「スタンピート」のマップで、一定ターン時に味方NPCのティターンズ組が全員生存していると、「水中に強いMSを持ってくる」ということで数ターン後にジェリド・メサヤザン・ゲーブルがなぜか水中適応が高いわけでもない本機に乗り換えてくる。第4次にはズゴックカプール等の水中用MSが登場しないので、武装が実弾系ばかり(実弾武器は水中に攻撃しても威力が落ちないものが多い)の本機の出番になったものと思われる。
スーパーロボット大戦F
DCの戦力として登場。今回は残念ながら著名なパイロットは乗らない。バズーカの射程が標準的なビームライフルの射程5より1長い。
スーパーロボット大戦F完結編
DCやティターンズの戦力として登場。完結編になって機体性能が上がったが、武器性能はFの時と変わってないので戦いやすい。

COMPACTシリーズ

スーパーロボット大戦COMPACT2第1部
条件次第で入手可能。チェーンマインの一撃が重く、装甲フル改造のマジンガーZすら2000強のダメージを喰らうので、敵で出てきた場合は要注意。射程1-4のP兵器であるショットガンをはじめとしてその他の武装も多彩。バーナード・ワイズマンを乗せるとちょうどいい。
スーパーロボット大戦COMPACT2第3部
第1部からの引継ぎで手に入る。離脱することなくずっといるのだが、デフォルトパイロットがいないので存在を忘れられがち。
スーパーロボット大戦IMPACT
条件次第で入手出来る。シローが自軍にいる状態で1-3「僕は僕、君はミレーヌ」を最初に選ばずにクリアすればOK。しかし同シーンは他の隠しユニットやルート分岐と密接に関わってくるので厄介。特に雪山イベント(ノリス試作2号機に関わる)を起こすとシローが離脱するのが曲者。
他の一年戦争の機体と同様、改造段階による逆転現象の恩恵が大きく、武器のフル改造時の攻撃力はMSの中でもトップクラス。更にV-UP(W)を4つ取り付け、ノリスのをかけたチェーンマインは合体攻撃すら霞む威力となる。宇宙Bなのが惜しまれる所。ちなみにこれを入手しないとキキ・ロジータが図鑑に登録されない。

αシリーズ

スーパーロボット大戦α
序盤から登場。序盤はシュタイナー・ハーディも乗る。終盤はデラーズ・フリートが愛用。この頃になると改造がかなり施されているためなかなか手ごわい。
スーパーロボット大戦α for Dreamcast
敵ユニットにしてはかなり細かく性能が見直されている。射程の長いチェーンマインが恐ろしい。

単独作品

スーパーロボット大戦GCXO
バーニィ以外のサイクロプス隊全員がこれに乗ってくる。なぜかチェーンマインが無い。一般兵が搭乗しているものは捕獲して自軍で運用することも可能。武器が実弾系ばかりなのでヘビーメタルなどのビームコート持ちとは相性が良いが、やや火力不足な感が否めないため、十分な武器の改造が必要となる。
スーパーロボット大戦Operation Extend
サイクロプス隊の乗機として登場。主にミハイル・カミンスキーアンディ・ストロースが搭乗している。ショットガンが突破攻撃になった。チェーンマインは今回も省略。グレンラガンと戦闘させると特殊なセリフが発生する。

関連作品

バトルコマンダー 八武衆、修羅の兵法
機動族の兵士の1人として登場。武衆はナイト。
メイスケンプファーとの関係は不明。

装備・機能

武装・必殺武器

60mmバルカン砲
頭部に2門内蔵された近接防御火器。強襲用という本機の特性上、唯一の内蔵武器である。
ビームサーベル
両大腿部に1本ずつ装着されている。本機のビーム兵器と格闘兵装はこれだけ。
ショットガン
本機専用の射撃兵装で、本機のメインウェポン。197mm口径で正式名称・型式番号は「ZUX-197 ヤクトゲヴェール」。信頼性重視のポンプアクションと利便性重視の電動機構による自動装填の2種類の装填システムを持つ。後部のストックは取り外すことができる。腰背部にマウントすることが可能。
OEでは突破攻撃になっており、劇中で見せたうつ伏せになりながらのホバー移動を再現している。
ジャイアントバズ
背部のラッチに左右合わせて2基装備されたバズーカ砲。リック・ドムIIの物と同型で、外部兵装の中では最も重い。
シュツルムファウスト
両脛部に1発ずつ装備された、対MS用のロケットランチャー。命中精度は低いが無反動で撃てて、かつ広範囲に爆風を起こす牽制用の武装。
チェーンマイン
13基の吸着型機雷を鞭状に連結したもので、敵MSや敵艦艇に絡み付き装甲を破壊する。他の武装とは違い本体に装備する事はできず、作中では事前にトラックに仕込んでいた。
原作でも印象に残る武装だが、一年戦争が舞台のGCやXO、OEでは何故か省かれている。どの作品でも1発限り。

特殊能力

剣装備
切り払いを発動。

移動タイプ

第4次では何故かティターンズの面々に水中向け機体扱いされていた。

サイズ

M

機体BGM

「颯爽たるシャア」
『第3次』『第4次』にて。後者はNPCのジェリド、ヤザン機が攻撃する際に流れる。

対決・名場面

NT-1アレックス
チェーンマインで攻撃するが、チョバムアーマーに阻まれ、逆にガトリングガンで蜂の巣にされた。

関連機体

以下の機体は「統合整備計画」に則って開発。本機を含めてコクピットブロックは全て共通規格であり武装も共有する。

メイス・ケンプファー
ゲーム『バトルコマンダー 八武衆、修羅の兵法』に登場したバンプレストオリジナル機。スカルジオングに利用され、チーフガンダムを暗殺した実行犯。
プロトタイプケンプファー
「1/144 ケンプファー」の組立説明書に掲載された試作機。ケンプファーとは形状に差異があり、緑色をしている。その時には具体的な機体名は無く「MS-18試作案」とだけ付記され、解説文にて「初期開発型のYMS-18」と言及されるのみ。
フィギュア「ZEONOGRAPHY」のものは通常のケンプファーとのコンパーチブルの都合で機体色が青になっているほか、例の組立説明書のものとは形状が異なる。漫画『機動戦士ガンダム エコール・デュ・シエル』にも登場した。

余談

  • 『0080』関連のメカニックデザインを担当した出渕裕氏は、ドイツ語に因んだ名前を付けたり、メカニックや服装に関してもその影響は強い。ケンプファーの概観・構造は当時の人気ロボットアニメ『機動警察パトレイバー』のレイバーに通ずるもの(排熱のための穴など)があり、これは出渕氏が『パトレイバー』のメカニックデザインも担当していたことに由る。

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