叢雲劾
叢雲劾 | |
---|---|
読み | むらくも がい |
登場作品 | |
声優 | 井上和彦 |
初登場SRW | スーパーロボット大戦W |
SRWでの分類 | パイロット |
プロフィール | |
---|---|
種族 | 地球人(コーディネイター) |
性別 | 男 |
年齢 | 26歳 |
所属 | サーペントテール |
役職 | リーダー |
叢雲劾は『機動戦士ガンダムSEED ASTRAY』の主人公の一人。
概要
ノベライズ版及びジオラマストーリー版(ASTRAY B)の主人公。
傭兵部隊サーペントテールのリーダー。連邦軍の制服を着崩したスタイルで着用していることが多く、戦闘時も外さないオレンジのレンズが入ったサングラスがトレードマーク。
依頼されたミッションの行きがかり上アストレイブルーフレームを入手し、以降愛機にする。ロウ・ギュールとはこれ以来の腐れ縁となる。
同業者の世界では実力は有名だったが、素性は知られていなかった。しかし劇中のある事件に際してサーペントテールの関係者達に、自身が元々連合の戦闘用コーディネイターの試作体として育てられたが、マインドコントロールが不完全だったために脱走、傭兵の世界に身を投じていた[1]ことを明かす。トレードマークのサングラスは、自身の網膜に判別用のコードが打ち込まれているため、分かる人が見れば素性が分かってしまうトラブルを避けるためにかけている。
ストーリー中の愛機であるアストレイブルーフレームは、全くの偶然から手に入れたこの機体とたまたま相性がよかったため、任務に合わせたオプションを装備する形で継続使用するようになった。それ以前は現地で機体を調達しては自身のクセや任務の内容に合わせてカスタムし、終了時に乗り捨てるといったことを繰り返していた。
プロの傭兵として高い能力を持っているが、それは本編主人公のキラ・ヤマトのようなコーディネイターという出自よりも、戦いの中で生きてきたことにより形成されたクールでリアリストな性格と、否応なしに積んできた実戦経験に負っている。前者は劇中で「勝てる戦いしかしない」と発言するように、自身から仕掛ける際は、基本的に情報収集やトラップまで含めた装備の準備を怠らず、実力が上の相手でも絶対に勝てる状況にまで追い込んでから戦うスタイルに、後者については、急な遭遇戦などで苦戦することがあっても、常に冷静に勝機を見極めることのできる点に象徴される。
リアリストな性格は「敵は倒せる時に倒す」「脅しをしない」という信条にも表れている。傭兵とジャンク屋という立場の違いもあるとはいえ、もう一人の主人公であるロウが基本的に相手の命を取らない戦い方をするのとは好対照である。前者はロウが見逃したロンド・ギナ・サハクに対し、ロウを不意打ちしようとしたからとはいえ、わざわざトドメを刺した事もある。この時もそうだが劾は「確実に倒す」ためか、トドメを刺す際はアーマーシュナイダーでコックピットを抉る事が多い。この点はスパロボでもブルーフレームの武器のトドメ演出でしっかり再現された。また脅しをしないのは、劾が「実行しないからこそ効果のある」脅迫という手段ではなく、殺すと言ったら絶対に殺すというように、常に口にした通りに行動する駆け引きする余地のないプロであることを象徴している。
このような性格からか、運命などの概念的なものは一切信じない。ただしロウ・ギュールとの遭遇以来、無意識に感慨にふけるような呟きを零すことも増えた[2]。
『DESTINY ASTRAY B』(SRW未参戦)では「空間認識力」を生まれつき持っており(これは同作に登場するエルザ・ヴァイスの歌唱力も同様)、長年隠し続けていた。これは傭兵として生きていく限り、劾自身も含めた連合の戦闘用コーディネイター開発に関った傭兵ダンテ・ゴルディジャーニなど、少年時代から自分を育ててきた人物たちといつか戦うことが予想されていたため、彼らの知らない切り札として使用するためであった。
登場作品と役柄
携帯機シリーズ
- スーパーロボット大戦W
- 初登場作品。1部からスポット参戦するが、仲間になるのは2部後半。高い能力とコーディネイター補正のため使い勝手が良く、パイロット養成無しの状態で比較すれば、合体攻撃についてもロウより火力が高い。とにかく本作の『SEED』のif展開において、縦横無尽の活躍を見せており、キラを救ったロウに対抗するかの如く、ナタルを始め、トール、ニコルとSEEDの戦死キャラを悉く救い(ついでに言えば劾はアズラエルとブーステッドマン以外のドミニオンクルーを全員救ったことになる)終盤にはアズラエルを追い詰める熱い一幕があるが、このイベントはとにかく熱いイベント目白押しのテッカマンルートと二択なのが痛いところ。ファイルを二つ作って両方見るのも一興。
余談だが、下記にもある本作における劾の名台詞の一部は『機動戦士ガンダム EXTREME VS家庭機版』及び『FULL BOOST』においても彼の戦闘中の台詞として採用されており、同作では井上和彦氏によって収録されたボイスでそれらの台詞を聞く事が出来る。
単独作品
- スーパーロボット大戦X-Ω
- 2017年7月のイベント「理想の世界」で期間限定参戦。2019年2月のイベント「錯綜する意志」からは正式参戦。
パイロットステータス
能力値
凄腕の傭兵だけあり格闘・射撃・回避・命中・技量に優れる超攻撃型。その反面防御は『W』でも最低クラスであり、一撃でも食らえば撃墜が見える。間違っても援護防御はさせないように。
精神コマンド
特殊技能
人間関係
- イライジャ・キール
- 同僚。劾とは様々な意味で対照的な人物だが、実は彼をサーペントテールにスカウトしたのは劾本人。劾がもっとも信頼を置く人物の一人。
- 風花・アジャー
- 同僚の娘。子ども扱いはせず一人の傭兵として扱っている。
- ロレッタ・アジャー
- 同僚。爆破、侵入担当。
- リード・ウェラー
- 同僚。情報担当。
- ロウ・ギュール
- 腐れ縁的な知人。面白そうという理由で劾の機体を改修する。劾はその腕前と人物に信頼を置いている。
- シーゲル・クライン
- 依頼人。作中、彼からの依頼を劾は何度か引き受けている。特に最後の依頼はシーゲルの死後に遂行する事になった。時が流れた「DESTINY ASTRAY」においてもその要請を実行し続けている。
- カナード・パルス
- 『SEED DESTINY』の時代には彼と行動を共にする事も。
- ロンド・ギナ・サハク
- ロウに不意打ちしようとした彼にトドメを刺す。後に『VS ASTRAY』にてライブラリアンの手によって彼のカーボンヒューマンが登場。ギナご本人の殺された記憶までしっかり複製されており、復讐を果たす為に再び劾と対峙する。
- ロンド・ミナ・サハク
- 流石の劾も頭が上がらない相手。生身での戦闘力は実は劾より上であり、実際の対決ではまったく歯が立たなかった。
- ソキウス7、11
- 作中唯一劾がモビルスーツ戦で敗北した相手。再戦では勝利。
- トロヤ・ノワレ
- 『FRAME ASTRAYS』(SRW未参戦)の主人公で東アジアのゲリラ。「アストレイ・グリーンフレーム」のパイロットとして仲間と共に連合、ザフトの双方と戦った。最初は劾と敵対していたが、後に共通の敵を倒すために共闘する事になる。
- ND-HE
- 『VS ASTRAY』(SRW未参戦)に登場した劾のカーボンヒューマン。連合の施設に居た時のデータを使って生み出されたため、当時の劾の容姿だが常にフルフェイスマスクをしている。
- ダンテ・ゴルディジャーニ
- 『DESTINY ASTRAY B』(SRW未参戦)に登場した連合に雇われているコーディネイターの傭兵。連合の戦闘用コーディネイター開発に関っており、あらゆる戦闘技術を教わった師匠とも言える存在(ダンテ本人に言わせると『作品』の1つ)。その『最高傑作の作品』である劾の命を狙う。
他作品との人間関係
機動戦士ガンダムSEEDシリーズ
- キラ・ヤマト
- 原作でもキラのことは知っており「スーパーコーディネイターの彼と自分が戦ったらどちらが強いだろう」と考える描写がある。『W』にて彼がラクスからフリーダムを受け取った後、地球に降下する際にザフトに襲撃されたところを援護し、彼を救出した。
- ニコル・アマルフィ、トール・ケーニヒ
- 『W』ではほぼ原作通りの展開の後重傷を負ったまま戦場に倒れていた彼らを救出し、マルキオの許で療養させた。劾は命の恩人ともいえる。
- ナタル・バジルール
- 『W』の終盤に原作通り彼女がアズラエルに撃たれ、原作通りに死にそうになったところで劾がアズラエルを阻止して彼女を救い、共にドミニオンから脱出している。また、アズラエルの暴走を阻止したという点ではムウ・ラ・フラガも救っているという事になる。
- ラクス・クライン
- 依頼主の娘。『X-Ω』のイベント「理想の世界」では彼女からフリーダムガンダムをキラに託す役目を依頼されている。
- ムルタ・アズラエル
- 原作でも劾は過去の経緯からブルーコスモスを敵視しているため、その延長上で『W』にて宿敵とされ、彼に関する情報の収集をルキーニに依頼した。その執念はSEED本編を容易く喰ってしまうほど。
- ラウ・ル・クルーゼ
- 共に他者の歪んだ目的の為に生み出された者同士。『W』では彼に理解を示しつつも、その生き方や行動に関しては「無意味」「命の無駄使い」と真正面からはっきりと否定し、最後まで彼の反論を許さなかった。
- ジェラード・ガルシア
- アルテミスで彼にイライジャを人質に取られ、進退きわまった状態でロウ達と戦う事になった。その後、逆に連合に雇われてガルシアを救助しているが、しばらくしてからガルシアから特務部隊X脱走の罪をなすりつけられそうになり、返り討ちにする。そのしぶとさからファンから「不死身」とネタにされてたガルシアだが、劾に返り討ちにされてしまい、恐怖に怯える場面を最後に登場していない。
その他ガンダムシリーズ
リアル系
- アカツキ・ナガレ
- 『W』では一時期彼に雇われていた。
- テンカワ・アキト
- 『W』ではガイを失い戦意を失っていた彼の窮地を救い、彼の発奮に一役買った。
- ダイゴウジ・ガイ
- 『W』では名前繋がりから、劾の名前に彼が反応する場面も。
- アンジュ
- 『X-Ω』のイベント「理想の世界」ではロンド姉弟に捕らえられた彼女をロムと共に救出する。
スーパー系
- Dボゥイ
- 『W』ではギガフロートでの戦いにてデッドに敗退した彼を救出した。
- ユミ・フランソワ
- 『W』ではDボゥイからの頼みもあってか、彼女をDボゥイの下に連れて行っている。……ただ、自身の風貌と雰囲気もあってか、ハヤトからは誘拐と勘違いされたが。
- ダイ・バザール大帝王、ゾア
- 『W』では数百年以上戦い続けているまさに歴戦の勇士中の勇士である彼らも、劾の戦闘能力を高く評価していた。
- ロム・ストール
- 中の人が同じキャラクター。『W』では彼の名台詞を口にする場面も(後述)。
- X-Ωのイベント「理想の世界」では地球に来訪した彼に、地球人としてはロウと共に最初に接触しており以来協力関係を結んでいる。
バンプレストオリジナル
- カズマ・アーディガン
- 『W』では一時期「カイト」の名でサーペントテールに所属しており、彼の面倒を色々と見ていた。カズマの正体を見抜いていた節もある。彼からは尊敬されており、彼にとって劾は心を熱くさせてくれる人間の一人である。彼に対して本音を打ち明ける場面も。最終決戦の際にはたった4文字で彼の古傷を抉った。
名台詞
- 「なるほど、おもしろい考えだ。しかしこの状況ではどうすることもできまい」
- ときた第1巻。自分の目的がアストレイ破壊にあるといい、それをロウが「もったいない!」といったのに対して。EXVSでは勝利時の台詞として採用されている。
- 「裏切りは許さない!」
- 「下がってろ、あとは俺がやる」
- 「任務完了」
- 決め台詞。彼と違って、読み方は「ミッション・コンプリート」。
- 「敵は倒せる時に倒す…それが傭兵のやり方だ」
- この台詞と共に、ギナを抉り殺した。ちなみにこの時、直前に戦っていたロウは既に離脱していたが、Wではこの流れがロウの目の前で起きた。
- 「なるほど、アルテミスの傘か。モノフェーズ光波防御帯をMSに転用したんだな」
「だとすれば!」 - X ASTRYにてカナードと対峙したさいに。このシールドの弱点が「耐ビーム塗装」された実体剣なら貫けると見抜いた。
- 「俺の名は叢雲劾。傭兵だ」
「この村は狙われている」 - ノベライズ版1巻「密林の対決」より。なんと公式でやってしまった声優ネタ。元ネタの台詞よりも、むしろ64での彼の台詞を彷彿させる台詞である。
- 「ザウートのパイロットを投降させろ。さもないとお前を殺す」
- 同じく「密林の対決」より、敵のコクピットにアーマーシュナイダーを喰い込ませた状態での台詞。この言葉を聞いて敵は「ザウートに攻撃をされるのを恐れている」と勘違いしたが、劾は聞き入れられないと見るや否や躊躇なく殺害した。半端なことはせず、やるといったらやる劾のリアリスト振りが垣間見える。
- 「これは仕事じゃない。オレが個人的に戦いに行くだけだ。みんなは、付き合う必要はない」
- ノベライズ版一巻&リマスタアストレイ第2巻「ソキウスの挑戦」より。戦いのプロであり無用な戦いはしない信条の劾が、自身でもはっきりと認めて私情を口にする非常に珍しい台詞だが、後に明かされるその理由は実に劾らしいものだった。
- 「……お前、サーペントテールに来る気はないか?」
- 2巻における過去話にて、任務に失敗して自責の念にかられるイライジャに対して。なぜこんなことを言い出したのかは劾本人は「イライジャが傭兵のなんたるかを理解しているから」と語るが、後書にて「自身が完璧であるがゆえに、欠点だらけのイライジャを必要とした」と記されている。ちなみに、劾は後の「DESTINY ASTRAY」でイライジャに命を救われることになる。
- 「そこまでして俺に殺されたいか?」
「いいだろう。何度でも葬ってやる!」 - 『VS ASTRAY』より。ライブラリアンの手によって復活したギナと再び対峙して。ギナの複製とはいえ、かつて劾に殺された事も記憶していて復讐に燃える彼に向かいこの一言で一蹴。ギナを激怒させる。
- 「それに、オレにも出来ないことはある。それがあんたを殺すことだ」
- 「B」におけるダンテとの決着時。
迷台詞
戸田泰成によるコミック『機動戦士ガンダムSEED ASTRAY R』は、その豪快な作風で「戸田版」の名でカルト的な人気を持っている。戸田の描いた劾は原作通り「クールなリアリスト」なのだが……
- 「俺は傭兵部隊サーペント・テール…叢雲劾!!」
- 戸田版での最も有名な台詞。セリフ自体はおかしくはないものの、シチュエーションが背を向けていた状態から何故か回転しながら(ついでに髪をセットしながら)(クルックルウゥ~)自己紹介し、「叢雲劾!!」と名乗るところで相手に向かって腕を振り下ろす(シュピン!)、というもの。
- カッコ内はコマに書かれた擬音で、俗に「クルクルシュピン」と言われている。
- 「…それは『無理』だな。なぜならお目当ての予備パーツはさっき見つけて、すべて破壊してしまったからだ~~~~~~!!!」
- アストレイRの最終話、リジェネレイトの予備パーツを全て破壊してアッシュに対してノリノリで言い放った全くクールじゃない台詞。これも戸田版の劾を象徴する代表的な迷台詞の一つ。
- なぜか「機動戦士ガンダム エクストリームバーサス」でも使われているが、井上氏はときた版風のクールなトーンで演じており、非常にカッコいい台詞に仕上がっている。
スパロボシリーズの名台詞
- 「タカがトンビを生んだ…か…」
- 『W』第28話「宇宙に一人だけの」より。ミッションで再び組むことにになったカイト(カズマ)の正体について他の仲間で議論した際に漏らした一言。勿論元ネタは「トンビがタカを産む」なので、この場合は偉大な父親を持ったカイト(カズマ)に対する人物評なのだろう。
- 「……これもお前の言う悪運の力かもしれんな」
- 同上。ロウを追い詰めた直後にオーブの秘密部隊の攻撃を受け、依頼主が裏切ったことを察知して曰く。これによってオーブとの契約は無効となり、ロウたちを始末する理由もなくなったのだが、あまりに見事すぎるタイミングで襲ってきたことから思わずこぼれた呟き。
- 「このブルーフレーム・セカンドは俺に合わせて改修された世界でたった一つの機体だ」
「この機体に乗っている限り、俺に敗北はない……!」 - 『W』第42話「暁の閃光」に於ける初戦闘時の戦闘前会話。実際、セカンドに乗り換えてからの劾はモビルスーツ戦では無敗である。この時の形態はセカンドLだが、この後のスポット参戦時は常にセカンドLであり、自身が考案したセカンドGでは一度も出て来ない……。
- 「俺を雇ったのは俺自身だ。俺は世界の前に俺の命を狙った者を許しはしない……!」
- 『W』第44話月・地球間の警戒ルート「運命の子ら」に於けるギナとの戦闘前会話。世界がどうこう以前に、ギナの行いでもっとも許せなかったのは自身の命を狙った事。思想や主義主張では戦わず、現実の事象によって戦う「傭兵」の姿がそこにはあった。
- 「一握りの人間の歪んだ思想が戦いを呼ぶか…」
「後ろめたさを隠すための美辞麗句か。そんな人間に世界は渡せんな…!」 - 『W』第47話「黒衣の復讐者の最期」に於ける草壁との戦闘前会話。彼が声高に叫ぶ正義を独善的な「美辞麗句」とバッサリと斬り捨てる。
- 「だが、そのクルーゼという男の気持ち…わからんでもない」
- 『W』第50話プラントで戦闘を止めるルート「憎悪と運命の螺旋」より。ムウがクルーゼの出生、そしてその出自故に世界を呪い、滅ぼさんと画策する彼の憎悪を語り、一同がクルーゼの世界への憎悪を否定する中、劾は自らの出自故、クルーゼの憎悪に同情を見せる。当然、この時点では劾の出生の秘密を知らないロウやカガリは劾のこの一言に驚き、反発するが…。
- 「…お前達が戦う敵の中に俺のターゲットがいるからだ」
「そうだ。そして、俺のミッションはもうすぐ始まる…」 - 上記の場面の後、カズマに自らの出生の秘密を打ち明け、彼に一介の傭兵でありながらノイ・ヴェルターに協力する理由を問われての返答。劾が追い続けていた「ターゲット」をようやく追いつめる瞬間が、刻一刻と迫る。
- 「消えるのはお前の方だ…」
- 同上。ナタルの制止に逆上して彼女を銃撃したアズラエル。今まさにナタルがトドメを刺されそうになった瞬間、この台詞と共にアズラエルの銃を狙撃。
- 「ブルーコスモス盟主、ムルタ・アズラエル…。お前に名乗る名はない」
- 上記の台詞の後、アズラエルの前に姿を現して。同じ声の某兄さんを彷彿とさせる台詞だが、ご丁寧にも直前にアズラエルが「何者だ、お前は!!」と反応する。
- 「…標的はお前個人ではないし、俺自身に恨みがあるわけでもない」
「だが、お前を生かしておけばカナードやプレアやソキウス、あの薬漬けの兵士のような存在を生む」
「それは許すわけにはいかない」 - 上記の台詞の後に語られる劾がアズラエルを付け狙う理由。薬漬けの兵士は生体CPU三人組の事である。
- 「黙れ」
- 上記の台詞の後、アズラエルに正体を問われ、サングラスを外して自らの正体を仄めかし、彼が正体に勘付いた際に怒りに満ちた眼差しを向けるのと同時に威嚇射撃して言い放った台詞。原作でも滅多にない怒りに満ちた台詞である。
- 「どうやら、お前は俺が引き金を引く価値のない男だったようだ」
- 上記の台詞の直後、劾の威嚇射撃と怒りに満ちた眼差しに、恐怖のあまり怯み上がってしまうアズラエル。その無様な姿に、劾は彼をこう断じた。
- 「軍人も人だ。戦うための兵器ではない」
「後はお前一人でやれ」 - 上記の台詞を言った直後、劾はドミニオンの乗員に脱出を促す。自分を見捨てて逃げていくドミニオンの乗員に激怒するアズラエルにこの二言。散々他人を利用して好き勝手やってたアズラエルに対する強烈なカウンターになったと言える。
- 「ああ…。だが、奴も所詮は氷山の一角だ」
「少なくとも俺の戦いは今日で終わったわけではない」 - アズラエルを討ち果たした後、カズマに「お前のミッションも完了ってわけか?」と聞かれて、この二言。世界を私欲の為に歪める者がいる限り、劾は傭兵として、一人の戦士として戦い続ける事だろう…。
- 「お前が闇に包んでいるのは世界ではない。お前自身だ」
「生命は誰にとっても限りあるものだ。その価値は長さではない」 - 『W』第51話プラントで戦闘を止めるルート「進んだ道の先」に於けるクルーゼとの戦闘前会話。あまりにも鋭い言葉で、クルーゼの憎悪を正面から否定する。
- 「俺は傭兵だ。生命はこの一瞬に散るかも知れない。だからこそ俺は生命の意味を知っている。お前のように生命を無駄にはしない」
- 上記の台詞の後にクルーゼに「お前に私の何がわかる!」と言い返され、この台詞を返す。クルーゼの反論を一切許さない勢いで、彼を完全否定する。
- 「あの男は残り少ない生命に嘆き、世界を呪った…」
「残り少ない生命を理由にするのはあの男と同じだぞ」 - 同上。ラストにキラがクルーゼを道連れにジェネシスの光に飲み込まれた後、余命いくばくもない自分の役目だったと後悔していたプレアに対して。
- 「自分達だけが戦いの中で生きているとは思わない事だな」
- 『W』第53話「朝をよぶ者達」に於けるゾアとの戦闘前会話。
- 「無意味な戦いをするために残り少ない生命を使うか…」
「そうだ。お前が望んでも世界は終わらない。俺達がいる限りな」 - 『W』第54話「忘れえぬ思い出を胸に」に於けるクルーゼとの戦闘前会話。ザ・データベースに与した彼に対し、自分のこれまで憎悪に費やしてきた全てをたった一言、「無意味」と切り捨てられたクルーゼはただ「無意味な戦いだと!?」と言い返す事しか出来なかった…
- 「していた」
- 『W』最終話にて、インファレンスの妙に気取った話し方をそのモデルとなったカズマが否定した際の発言。たった4文字で古傷を抉る、ある意味『W』最大の名言。
- 「それで俺達の全てをわかったと思ったら大間違いだ。お前の知らない人間の力というのを俺が教えてやる…!」
- 『W』の最終決戦の前半、インファレンスに対して。
- 「重要なのは勝ち負けではない」
「それは金のためであったり、理想のためであったり、人それぞれだ。だから、信じるもののためにいつでも戦いに生命を懸ける…。そして、勝ってみせる…!」 - 『W』の最終決戦の後半、インファレンスに対して。途中にイライジャの「自分の信じるものの為に戦っている」という言葉を挟み、人間が生涯戦い続ける意味を、彼に身を以って叩き込む。また、ラスボスがクリティックの場合、彼に対して自分達の力の源となる想いを理解していない彼の記録を欠陥品と断ずる。
- 「アレは俺にはできん。俺は俺のやり方でいかせてもらう」
- 『X-Ω』のイベント「理想の世界」にて、ギナを相手にお約束の口上をぶつけるロムを前に、アンジュから「あなたはアレをやらなくていいの?」と尋ねられての返答。流石の劾もロムのようなあまりにも眩しすぎる正義のヒーローそのものな振る舞いを自ら実践するのはキツイ様子。そしてアンジュ、劾の口上にも期待していたのだろうか。
主な搭乗機体
一覧に無い機体はガンダムWikiを参照。
- 劾専用ジン
- 劾はブルーフレームを入手するまで毎回カスタマイズされた機体を使用しては乗り捨てていたので「専用」は無数にあるとも言える。ここではザフト軍の補給基地を破壊するミッションを行う際に使用した機体を指す。
- メビウス
- アストレイブルーフレーム
余談
- ゲームなどでは井上和彦氏が演じているが、ギナを演じているのが飛田展男氏なのも含めて、原画担当・ときた洸一氏が希望したキャスティングである。これは形こそまったく違うけれども『ジェリド・メサ(井上氏)がカミーユ・ビダン(飛田氏)に勝った』瞬間を作り上げようという声優ネタだとされる。
- なお、劾を演じた声優の井上和彦氏は、劾を初めて演じた店頭用PVがOAされた当時50歳。現時点ではガンダムシリーズの主人公に起用された声優の最年長記録である。
- 上述の『W』での名台詞の一部は、アーケードゲーム『機動戦士ガンダム EXTREME VS』シリーズにて採用され、アストレイブルーフレームセカンドL使用時に井上氏による音声で聴く事ができる。
脚注
資料リンク
|