ネオ・ジオング

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NZ-999 ネオ・ジオング(NEO ZEONG)

OVA版第7巻にのみ登場するフル・フロンタル専用拠点攻略用モビルアーマー。ジオングの名を有しておりサイコミュ仕様やメガ粒子砲など共通点はあるものの、下記の特徴や開発経路、システムなど完全にオリジナルのジオングとは全くの別物別系統に仕上がっておりガンダムタイプ以外の宇宙世紀の機体では珍しい機体である。シナンジュをコアユニットとして、100m以上の大きさを誇る巨大サイコミュ外装、通称「ハル・ユニット」を接続した機体。機体の胸部に当たる装甲を展開することで、シナンジュの腕を使用することも可能である。

その巨体に相応の火力と裏腹の機動力を備えており、ポテンシャルだけでも既存の機体とは一線を画する。防御力も並ではなく、腰部にIフィールド・ジェネレーターを4つ備えており、装甲そのものはもちろん、内部機構が露出する部分にもほぼ同等の堅牢さを持たされている。その本質は、シナンジュに搭載されているサイコフレームの力を最大限に引き出す為のサイコミュ増幅器であり、これを基点とした新兵装類によって非常に高い戦闘力を誇る。言ってしまえば、ネオ・ジオングとはつまりモビルアーマーの皮を被った「移動サイコミュ要塞」とも表現できる。また、ランディングギアにより、一応のレベルではあるが地上戦も可能という本物の怪物メカである。

ハル・ユニットの側面と背部には合計6本のアームユニットが存在し、下半身部分にはシュツルム・ブースターを装着することで更なる機動力の向上が可能。ただし、その巨体故に通常のモビルスーツモビルアーマーのように戦艦に格納できないという欠点が存在する。そのため、運搬や整備を行う際にはワイヤーで牽引する必要がある。なお、金銭事情の厳しい袖付きが、何故これほどの機体を作れたのかは不明。一説には、「UC計画」遂行の一助としてアナハイム社がカウンターパワーの役目を負わせようと援助を行ったとの情報もある。

OVA版第7巻で最後にネオ・ジオングが崩壊した理由は、関連書籍類での解説によると、バナージの「それでも…それでも!」という叫びに呼応してユニコーンガンダムが発した“暖かな光”を「ソフトチェストタッチ」(古橋一浩監督が命名)によって注ぎ込まれると、搭乗していたフロンタルの中の「残留思念」が浄化され、それに連動してネオ・ジオングも浄化されるように崩壊し灰塵となったとのこと。これは、バナージが自身の想いを言葉ではなく“熱”によってフロンタルに伝えようとして取った行動が、結果バナージの想いと、その想いを受け容れたフロンタルの心境の変化が、ネオ・ジオングの全身のサイコフレームや、サイコシャードによって展開していたサイコフィールドに作用して、その機体を崩壊に到らしめる結果となった、ということらしい。

登場作品と操縦者

Zシリーズ

第3次スーパーロボット大戦Z天獄篇
初登場作品。シュツルム・ブースター装備の状態で登場。
今作では、バナージとユニコーンの“暖かな光”ではなく、歴代ガンダムパイロットの“熱意”によってフロンタルとネオ・ジオングが浄化される、クロスオーバー物ならではの独自の展開に変更されているため、アニメでの決め技であるユニコーンの「ソフトチェストタッチ」は再現されていない。
165000というHPに重装甲・サイズ差から来るダメージの低減も重なり、かなりしぶとい。おまけにフロンタルが毎ターン「集中」「直撃」(ハードではさらに「直感」)を使ってくる上にマップ兵器まであるため、下手をするとバンシィ辺りが落とされてゲームオーバー、という事態にもなりかねない。
対策としては∀ガンダムの月光蝶でENを減らし、更にEN消費武器を無駄撃ちさせてENを切らすのがもっとも効果的。EN切れにすると武装がバズーカのみになる為、射程外から一方的に攻撃する事も可能になる。刻の果てを見せたこの機体の天敵が∀というのも皮肉な話である。
なお、ENがある状況でもバズーカの射程内から攻撃すると何故か他の武器ではなくバズーカで反撃してくるというAI思考になっている模様。バズーカ以外の武器の戦闘アニメを見たい、もしくはENを消費させたい場合はバズーカの射程外から攻撃した方が確実である。フロンタルに限らず、本作のボスはPPでの反撃には可能な限り最弱の武器を撃って来ようとする。
ちなみに登場時、シャアからは「時代錯誤な名前」と評されている。

装備・機能

武装・必殺武器

ハル・ユニットに装備された兵装。これ以外にシナンジュ単独の武装も引き続き使用可能。

大型アームユニット
ハル・ユニットに装備されたアーム。破損しても分離・置換することで、損害を抑制できる。その巨体ゆえ敵機を力任せに拘束したり原始的な殴打による攻撃でも、スケールに劣る機体にとっては防ぎようのない質量兵器となる。
有線式大型ファンネル・ビット
アームユニットのマニピュレータになっている。5基×6本、計30基が装備されている。有線誘導によるオールレンジ攻撃が可能であり、ドラグーンよろしく分離せずに機動ビーム砲としても使用できる。
また、砲身にはワイヤーが内蔵されており、これを敵機に打ち込んで制御系を乗っ取るジャック機能が存在する
肩部大型ウェポンコンテナ
両肩部に内臓されているウェポンコンテナ。シナンジュ用のバズーカのほかにはミサイル等も発射できるようだが、劇中ではミサイルがユニコーン目掛けに飛んでいるカットだけが存在しどこから出てきているかは描写されていない。
肩部大型メガ粒子砲
両肩部の前面に2門ずつ、後面に1門ずつの計6門を内蔵。拡散・収束の選択が可能。
大口径ハイメガ粒子砲
腹部に1門内蔵。本機の武装の中でも最大級の火力を誇るが、構造上連射できない。
第3次Z天獄篇では肩部のものおよびファンネル・ビットと合わせて「メガ粒子砲」名義で登録。自機中心型のマップ兵器も存在。
サイコシャード発生器
PV2で披露した武装。ちなみにサイコシャード発生器を使う時、なぜかシュツルム・ブースターが消える(原作でそれを使用した時点において既にシュツルム・ブースターをパージしていたためだろうか)。
「武器という武器を自壊させる機能を持つサイコフィールド発生器」と普通に視聴する範囲ではそう見えたが、その正体は使用者が脳内で描いたイメージを現象として具象化させることができるというサイコミュ兵器。噛み砕いて言うと、使用者の願いを叶えるトンデモ兵器である[1]
OVA版第7巻では、フロンタルの「敵の火力を奪う」というイメージを具現化し一帯の自機以外の武装をすべて自壊させたのと、フロンタルが「自分の諦念をバナージに理解させたい」という想い[2]が、かつてのアムロララァの同じく“刻”を形象として垣間見るという奇跡を引き起こし、これまでの人の争いの歴史とやがて来る虚無の世界を見せた。原作者・福井晴敏氏や古橋一浩監督曰く「実際にタイムトラベルしたわけではない」らしい(もっとも当初、古橋監督は企画段階では実際にタイムトラベルさせようとしていたが、「ガンダムの世界観でそれはちょっとやりすぎでは?」と福井氏に止められたとのこと)。
なお、OVAでバナージが虚無の世界から戻ってくる場面の最後に、近い未来のコロニーレーザー発射を見た際、『イデオン』のイデオンソードの効果音が使用されたのは、大の『イデオン』ファンである福井晴敏氏の提案(更にいえば、OVA第7話の最初のコロニーレーザーのカットがガンド・ロワ出現に似ているのもその影響)。
シュツルム・ブースター
ネオ・ジオングの脚部とも言うべきプロペラントタンクとブースターが一体化した大型のユニット。「プロペラント・ブースター」とも言う。
シュツルム・ブースターを装備することによって、ネオ・ジオングはその巨体に似合わぬ高機動性を持つ。
ちなみにシュツルム・ブースター自体はパージが可能であり、それをパージしたネオ・ジオングの姿は名称元となったジオングに相似したものになる。

移動タイプ

サイズ

2L

対決・名場面

ネオ・ジオング建造
OVA版第6巻より。袖付きの旗艦レウルーラのMSデッキにおいてネオ・ジオングの建造が秘かに進められていた。建造中のネオ・ジオングを目にしたジンネマン「脚がありませんな…」と感想を漏らす。
次巻であるOVA版第7巻にネオ・ジオングが登場する伏線と言える場面。

関連機体

ジオング
本機の名称元になった機体。腕部に有線式ビーム砲搭載している、脚部が付いていない点等が共通している。

脚注

  1. サイコシャード発生器と同様の装置を他作品でたとえるならば、オムニ・スフィアの代わりにサイコミュを使った大規模なラムダ・ドライバといったところか。
  2. やろうと思えばフロンタルはサイコシャード発生器を使って簡単にユニコーンガンダムを殲滅できたが、あくまでも自らの論理でバナージを懐柔・説得しようとしたからである。

余談

  • 「ネオ・ジオング」とはα・アジールの初期案の時点での名前であった。今作においては只の仮称だったものが絶賛されて、そのまま採用された経緯がある。
  • 原作小説版では本機は未登場であり、小説では巨大な亡霊のようなオーラを纏ったシナンジュがラスボスを務めた。アニメでは「最終巻で見せた、シナンジュが纏った巨大な亡霊のようなオーラを機体にできないだろうか」というアイデアから、このネオ・ジオングが生み出された。
    • 他の理由は「シナンジュ1機を相手にして、ユニコーンバンシィがタッグで苦戦するのは(小説ではシナンジュを巨大なオーラで包んだとはいえ)アニメでは苦しい」という認識があったため。逆に言うと、それだけ原作のフロンタルの化け物ぶりが際立ったとも言えるが…。
  • キット化は無理だろうと言われたが、発表してしばらくしてからキット化が決定した。
    • ちなみに「HGUC 1/144 NZ-999 ネオ・ジオング」はサイズこそ1/144であるものの、それでもガンプラにしては破格のサイズおよび値段(全高86cm、税込27000円)を誇る。しかも、箱のサイズからして「HGUC 1/144 RX-78GP03 ガンダムGP03 デンドロビウム」よりも大きい。MGが食玩に見えてしまう程、とんでもないサイズ。
      • 巨大かつ大味なパーツが多いので組み立て自体はそれほど難しくないが、そのあまりのサイズ故に表面処理や塗装まで行うとなると膨大な労力を強いられる。
      • その上、置き場所を確保するのも一苦労。もっとも、メーカー側はこのことを見越してか、ネオ・ジオングのパーツをしまっておくための専用箱を付属させている。
    • SDガンダムのキット(SD化したのに、全高が19cmという一般的なMG並の高さ)や食玩のアサルトキングダム(食玩なのに、全高が40cmで値段が10000円という代物)としても立体化されており、作品のラスボスを担っているからか、イメージより何気に立体化に恵まれている(作品のラスボスを務めているガンダムなのにプラモデルすら出ていないMSも存在しているので尚更)。
  • なお、シャアはアニメ作品で巨大MAに乗った事がない(ゲーム作品ならば専用機として開発されたノイエ・ジールIIがあるし、漫画作品『機動戦士ガンダム C.D.A. 若き彗星の肖像』でならばゼロ・ジ・アールに乗った事がある)。
    • むしろ、ゼロ・ジ・アールに乗った際のシャアの発言から巨大MAに乗る事自体好んでいない。その後の模擬戦でも「的になる気はない」とマニュアルで回避運動を行って周囲を驚かせており、本人は数発当たった事を悔やんでいる事から、「当たらなければどうという事はない」主義のシャアとしては、当たる事が前提の巨大MAは水が合わないと考えている模様。

商品情報

  • プラモデル

  • フィギュア

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